AIで「見えない壁」を突破!PortXの「現行解析AI Agent」が業務システム変革を支援
株式会社PortX(以下、PortX)は、AI開発・運用基盤「Formula」に新たな機能として「現行解析AI Agent」(以下、解析AI)の提供を開始しました。この革新的なAI Agentは、長年にわたり複雑化し、その全体像を誰も説明できなくなった業務システムの構造をAIが自動で読み解き、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進します。
メインフレーム上で稼働するCOBOLソースコードにも対応しており、現行業務の構造理解から、企業の競争優位に直結する次世代システム(ToBeシステム)の設計・実装までを一気通貫で支援する点が最大の特長です。AIやシステム開発に馴染みのない方にも分かりやすく、その詳細とメリットを深掘りしていきます。

中核業務の変革を阻む「見えない壁」とは?
多くの大手企業、特に製造業のサプライチェーン領域では、在庫管理、受注・生産・物流の調整、納期回答、需給計画といった業務が、企業の競争力を大きく左右します。これらの業務は、市場の変化に迅速に対応し、効率性を高める上で極めて重要です。
しかし、これらの重要な業務を支えるシステムは、長年の運用、度重なる改修・拡張、そして担当者の交代を経て、非常に複雑化しています。その結果、各担当者は自分の受け持つ範囲しか把握できず、システム全体の動きや構造を理解している人がほとんどいない、という状況に陥っています。
「なぜこの処理がされているのか」「どこを変更すると、他のどの部分に影響が出るのか」といった、システム全体に関わる疑問に対して、一人で明確に答えられる担当者がいないのが現状です。このような状況は、企業が中核業務を変革しようとする際に、大きな「見えない壁」となって立ちはだかります。
新しいシステムを設計する際、既存のソースコードや設計書だけを参考にしても、古い情報や不明な点が多いため、開発の途中で手戻りが発生したり、重要な仕様を見落としたりするリスクが高まります。また、現行システムの仕様を確認するためには、日々の業務に忙殺されているシステム部門や外部のベンダーに無理を言って時間を割いてもらうしかなく、それでも工数の制約から全体像を把握することは非常に困難です。PortXは、この「見えない壁」こそが、中核業務の変革を阻む大きな障壁の一つであると考えています。

「現行解析AI Agent」が解き明かすシステムの全体像
PortXが新たに提供する「現行解析AI Agent」は、この「見えない壁」を打ち破るための強力なツールです。このAI Agentは、既存システムのソースコード、設計書、業務ドキュメントといった様々な資産をAIが深く読み解き、システムの業務構造を自動で解析します。
解析された情報は、Formulaの「仕様原本(Formula Recipe)」として自動的に構造化されます。Formula Recipeは、システムの設計情報を一元的に管理する中心的なデータであり、ここから全ての成果物が生成される起点となります。
Formula Recipeが生成されると、Formulaに搭載された他のAIエージェント群が、この仕様原本を基に、設計書、画面デザイン、プログラムコード、API定義、データベース定義といった様々な成果物を、整合性を保った状態で自動的に生成します。つまり、解析AIが既存システムを読み解いた時点で、現行業務を忠実に再現する、現代的なアプリケーションの「原型」がすでに手元にある状態になるのです。
この動くアプリケーションの原型があれば、ユーザーはそれを見ながら「ここは今のまま残したい」「ここは変えたい」といった具体的な意思をAI Agentに入力するだけで、新しい業務要件に合致したToBeアプリケーションが動く状態で出来上がります。これにより、現行業務の正確な理解、新しいToBe業務の設計、そして実際のシステム実装までが、Formula上で一気通貫につながる画期的な仕組みが実現されます。

「現行解析AI Agent」の主な特長とメリット
解析AIがもたらすメリットは多岐にわたりますが、特に重要な3つの特長を詳しく見ていきましょう。
1. メインフレーム上のCOBOLソースコードにも対応
多くの大手製造業では、企業の中核を支える基幹業務システムが、長年にわたりメインフレーム上のCOBOLというプログラミング言語で構築されてきました。これらのシステムは、数十年にわたる改修が重ねられ、非常に複雑で、そのロジックを完全に理解することは専門家にとっても困難を極めます。
解析AIは、このようなCOBOLソースコードの解析実績を持っており、複雑に絡み合った業務ロジックや処理構造、データの流れを正確に読み解くことができます。これにより、企業の歴史そのものであるCOBOLシステムの「ブラックボックス化」を解消し、現代の技術で再構築するための道筋をつけることが可能になります。
2. 読み解いた結果が「そのまま動くアプリケーション」になる
従来のシステム解析では、多くの場合、可視化レポートや分析ドキュメントが成果物として提供されていました。これらはシステムの現状を理解する上で役立ちますが、実際に動くものではないため、その後の議論や実装にはさらなる時間と労力が必要でした。
しかし、解析AIの出力は、単なるドキュメントではありません。Formulaの仕様原本(Formula Recipe)として構造化されるため、そこから設計書、画面、コード、API、データベース定義といった全ての成果物が自動で連動生成され、現行業務を再現するアプリケーションがその場で動き出します。これは、システムの「青写真」が、すぐに触れる「実物」として目の前に現れるようなものです。
ユーザーは、この動くアプリケーションを見ながら、関係者間で「この機能は残そう」「この部分はもっとこう変えたい」といった具体的な議論を進めることができます。これにより、「現行の可視化」で終わりではなく、動くものを起点にした変革の議論と、それに基づくスムーズな実装が、一気通貫で進められるのです。
3. 関係者全員が「変革の地図」を共有できる
これまでのシステム変革プロジェクトでは、現行システムの全体像を把握するために、複数の部門の担当者や外部ベンダーに個別に確認を重ねる必要があり、変革の議論を始める前の段階で膨大な時間と手間がかかっていました。部門ごとに認識が異なったり、情報が断片的であったりすることも珍しくありませんでした。
解析AIが業務構造を可視化し、それが実際に動くアプリケーションとして目の前に現れることで、この状況は大きく変わります。業務部門、IT部門、そして経営層といった全ての関係者が、部門をまたいで個別に確認して回ることなく、同じ「変革の地図」を見ながら議論できるようになります。
これにより、「何を残すべきか」「何をどのように変えるべきか」といった意思決定と合意形成が、動くアプリケーションという共通認識のもとでスムーズに進められるようになります。結果として、プロジェクトの初期段階での認識齟齬を防ぎ、より迅速かつ効果的なシステム変革を実現することが期待されます。
Formulaが提供する一気通貫の変革支援
PortXが先日発表したAI開発・運用基盤「Formula」は、業務シナリオを起点に、要件定義・設計・実装・運用までをすべて一貫して支援するプラットフォームです。今回の解析AIの搭載により、Formulaの変革支援の適用範囲がさらに大きく広がりました。
これまでは、新しい業務構想に基づいてゼロからシステムを構築するケースが主な対象でしたが、現行解析AI Agentの登場により、すでに既存システムを持つ大企業においても、Formulaによる変革支援の入口が広がったのです。
これにより、新規の業務構想からスタートするプロジェクトでも、あるいは既存システムの複雑な構造を読み解くことから始めるプロジェクトでも、Formulaの一気通貫デリバリーに接続し、効率的かつ確実なシステム変革を進めることが可能になりました。

PortX代表取締役 石田寛成氏のコメント
PortXの代表取締役である石田寛成氏は、今回の新機能について以下のように述べています。
「大企業の中核業務を支えるシステムには、何十年もの間、現場の知恵と工夫が積み重ねられてきました。日々の業務を止めずに回し続けるために、多くの方が改修を重ね、例外処理を加え、運用でカバーし続けてきた結果が、今のシステムです。それは決して『レガシー』の一言で片づけられるものではなく、企業の歴史そのものだと考えています。」
「一方で、その積み重ねの結果として、各担当者が自分の範囲しか把握できず、全体像を見通せる人がいなくなっているのも現実です。この状態が続く限り、業務を変えたいと考えても、関係者全員が現行業務の『地図』を持たないまま議論を始めることになります。」
「今回Formulaに搭載した解析AIは、メインフレーム上のCOBOLを含む既存システムに積み重ねられた業務の知恵を読み解き、Formula Recipeとして構造化します。そこから設計書やアプリケーションが自動で立ち上がるため、業務部門もIT部門も『今の業務がこうなっている』という実感を共有した上で、『ここを変えたい』という意思を入れるだけで、ToBeの姿が動く形で目の前に現れます。」
「PortXが目指しているのは、積み重ねてきたものを捨てることではありません。これまでの業務の知恵を正しく受け継ぎながら、業務部門もIT部門も同じ地図を見て『何を残し、何を変えるべきか』の意思入れをスムーズに行い、競争優位そのものを再設計できる状態を作ることです。」
このコメントからも、PortXが単なるシステム刷新に留まらず、企業の持つ歴史と知恵を尊重しつつ、未来に向けた競争力強化を支援しようとする強い意志が伺えます。
株式会社PortXについて
PortXは、2019年12月に設立された企業で、AIネイティブな中核業務の変革支援とシステムインテグレーションを事業内容としています。特にサプライチェーン領域において、業務変革とシステム構築を一体で進めるソリューションを提供しています。
在庫判断、受注・生産・物流といった業務に対し、業務シナリオを起点に、要件整理の段階からシステムとして具体化し、開発から運用までを一気通貫で進めることが特長です。独自のAI基盤「Formula」を活用することで、業務シナリオをそのままシステムとして実装し、企業の競争優位に直結する業務変革を実現しています。
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会社名 :株式会社PortX
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本社所在地 :東京都新宿区新宿2-5-12 FORECAST新宿AVENUE6階
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代表者 :代表取締役 石田 寛成
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設立 :2019年12月
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事業内容 :AIネイティブな中核業務の変革支援とシステムインテグレーション
まとめ
PortXの「現行解析AI Agent」は、多くの企業が抱える複雑化したレガシーシステムの課題に対し、AIの力で新たな解決策を提示します。特にCOBOLシステムに対応し、現行業務の構造理解からToBeシステムの設計・実装までを一気通貫で支援するその能力は、日本の大企業のデジタルトランスフォーメーションを大きく推進する可能性を秘めています。
「誰も全体像を説明できない」という状況を打破し、全ての関係者が「変革の地図」を共有しながら、競争優位に直結する次世代システムを効率的に構築できるこのソリューションは、AI初心者の方にとっても、その恩恵を享受しやすい画期的な一歩と言えるでしょう。PortXのサービスサイトでは、さらに詳しい情報が紹介されていますので、ぜひアクセスしてみてください。
サービスサイトへアクセス: https://www.portx.jp/

