AI通訳でオフショア開発の課題を解決!オートバックスデジタルイニシアチブが「CoeFont通訳」で実現した会議時間半減とダイレクトな意思疎通

AI通訳がオフショア開発の未来を拓く!オートバックスデジタルイニシアチブの成功事例

深刻化するIT人材不足とオフショア開発の台頭

現代のビジネス環境において、IT技術の活用は企業の成長に不可欠です。しかし、日本国内では長年にわたりIT人材の不足が深刻な課題として認識されています。経済産業省の予測によれば、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足するとされており、この状況は企業にとって喫緊の課題となっています。

このような背景から、多くの企業がコスト削減と高い技術力の確保を目的として、海外のIT企業に開発業務を委託する「オフショア開発」に注目しています。特にインドなどの国々は、優秀なITエンジニアが多く、活発なオフショア開発が行われています。

しかし、オフショア開発には乗り越えるべき大きな壁が存在します。それは「言語の壁」です。言葉の違いは、単なる翻訳の問題に留まらず、文化や商習慣の違い、さらには技術的なニュアンスの伝達を困難にし、プロジェクトの進行を阻害する要因となり得ます。

オートバックスデジタルイニシアチブが直面したコミュニケーション課題

自動車用品販売で知られるオートバックスセブングループのIT・DX戦略を担う株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ(以下、ABDi)も、インドのSIer(システム開発会社)とのオフショア開発において、同様の課題に直面していました。

ABDiは、オートバックスセブングループのDX推進の中核を担い、物流システム、販売管理システム、ECサイトのシステム、店舗でのピットサービス予約システムなど、多岐にわたるシステムの開発・保守を手がけています。同社のビジネスインテリジェンス推進部 課長である工藤大輔氏は、長年利用してきたデータ分析基盤のクラウド化と最新アーキテクチャへの刷新プロジェクトにおいて、初めてインド企業とのオフショア開発を採用しました。

プロジェクトの初期段階であるPoC(概念実証)では、まだ「CoeFont通訳」は導入されておらず、ベンダーが手配したブリッジSE(日本と海外のエンジニア間の橋渡し役)を介してコミュニケーションが行われていました。この方法には、以下のような問題点がありました。

  • 会議時間の長期化: 通訳を介すると、発言が翻訳されるまでの時間が必要となり、会議の進行が倍近く遅くなることがありました。

  • 認識齟齬の発生: 質疑応答を重ねて合意したと思われた内容でも、後から重大な認識の違いが露呈することがありました。ブリッジSEがエンジニアとしての専門知識を持っていても、ABDiのレガシーシステムや特定の技術環境に対する深い理解が不足している場合があり、意訳が生じて話し手の意図がストレートに伝わりにくいという課題もありました。

  • 技術的な深い議論の困難さ: 込み入った技術的な話や、細かなニュアンスの伝達が必要な場面では、通訳を介したコミュニケーションでは限界があり、正確な意思疎通が困難でした。

工藤氏は、インドのエンジニアが非常に優秀で積極的な提案力を持っていることを高く評価しつつも、「言語の問題は大きく感じられた」と語っています。このままでは本格的なプロジェクトの生産性や確実性に懸念が生じるという危機感がありました。

ABDiにおけるCoeFont通訳の導入事例
ABDiの工藤氏がCoeFont通訳について語る様子

「CoeFont通訳」との出会いと導入の決め手

そんな中、ABDiの社長が展示会で多言語リアルタイム翻訳サービス「CoeFont通訳」を発見しました。その場で実際に試したところ、非常に良い感触を得たことから、社長を通じて「現場でも使ってみたらどうか」という提案があったといいます。

ABDiは2026年10月から仮導入を開始し、約2ヶ月間でその効果を実感しました。工藤氏は「これはかなり使える」「PoCで抱えていた課題が一気に解決できそうだと確信した」と語り、すぐに正式導入を決定しました。彼らが抱えていたコミュニケーション課題に、「CoeFont通訳」がまさにぴたりとはまるソリューションだったのです。

CoeFont通訳がもたらした驚きの効果

「CoeFont通訳」の導入は、ABDiのオフショア開発において劇的な変化をもたらしました。

1. 驚異的な翻訳スピードと高い精度

工藤氏がまず驚いたのは、翻訳結果の表示が極めて迅速であることでした。発話後わずか1秒程度で通訳が開始されるため、通常の会話と遜色ないスピード感でコミュニケーションが可能になったのです。ミーティング中は、ツールを介していることを忘れてしまうほど自然な会話が実現しているといいます。

また、誤訳がほとんどない点も大きなメリットでした。専門用語や固有名詞については、一度登録しておけば、その後は違和感なく通訳されます。登録から反映までにわずかなタイムラグはあっても、実際のコミュニケーション上は全く問題なく、快適に利用できているとのことです。

2. 日本語でのやりとりよりも「通じる」コミュニケーション

「CoeFont通訳」を導入して気づいた意外な効果として、工藤氏は「日本人同士の、日本語でのやりとりよりも、CoeFont通訳を使ったインドのエンジニアとのやりとりのほうがお互いの意図が伝わる」と述べています。

これは、「CoeFont通訳」が翻訳された字幕を音声と表情と一緒に表示するためと考えられます。参加者は字幕を見ながらコミュニケーションを取ることで、より正確に相手の意図を把握できるのです。日本語同士の会話ではリアルタイムで文字起こしをすることは稀であるため、この字幕表示機能が大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

ミーティングでCoeFont通訳を活用する様子
CoeFont通訳を使い、円滑なコミュニケーションを図るABDiの工藤氏

3. インドのエンジニアの当事者意識向上と信頼関係の構築

インドのエンジニア側も、「CoeFont通訳」の導入を歓迎しています。以前は日本語を勉強し、会話に日本語を交える努力をしていましたが、込み入った技術的な話になると、やはりネイティブではないため正確な伝達が難しく、結局英語での通訳に頼っていました。

「CoeFont通訳」を導入してからは、お互いがネイティブ言語で対話できるようになったことで、ビジネス上の意図や技術的な詳細なニュアンスまで正確に伝わるようになり、認識の齟齬が根本から解消されました。その結果、インドの技術者もプロジェクトに対する高い当事者意識を持って貢献しようと努めてくれるようになり、チームの一体感がダイレクトに伝わるようになったといいます。これは単なる言語の変換に留まらず、信頼関係の構築という面で非常に大きな変化をもたらしました。

4. 技術的な深い議論の実現とレガシーシステム開発の効率化

特に技術的なコミュニケーションの面で、大きな効果が実感されています。ABDiが扱うシステムには、インドの技術者が触ったことのないような古い「レガシーシステム」と、日本のチームが触ったことのない新しい技術を搭載した「新システム」が混在しています。

古いシステムの機能を新しい技術の上に載せる開発では、技術的な相互理解に基づいた深いディスカッションが不可欠です。細かなニュアンスが伝わらなければ、お互いに理解し合うことはできませんが、「CoeFont通訳」を介して技術的な専門用語も登録することで、スムーズな理解が可能になりました。これにより、ブリッジSEを介した間接的なコミュニケーションでは限界があった、複雑な技術課題の解決が大きく前進しました。

オフショア開発の未来について語る工藤氏
CoeFont通訳の導入でオフショア開発の可能性が広がったと語る工藤氏

オフショア開発の可能性を広げる「魔法のツール」

工藤氏は「CoeFont通訳」を「言語の壁を取り払う『魔法のツール』」と表現しています。まるで漫画の世界のように、一口食べれば言葉の壁を気にせずにコミュニケーションが取れるような感覚だと語ります。

今回の成功事例を受けて、ABDiでは今後、新たな開発案件でもインドの開発会社との協業を積極的に検討していく方針です。「CoeFont通訳」の活用によりコミュニケーションに関する不安が解消され、オフショア開発の前提となる課題がなくなるため、今後もオフショア開発のプロジェクトは増えるでしょう。

オフショア開発のメリットは、国内エンジニアよりもコストを抑えられるだけでなく、国内SIerにはない圧倒的な開発リソースや最新テクノロジーへの即応性を活用できる点にあります。「CoeFont通訳」は、コミュニケーションのコストや課題をなくすことで、これらのメリットを最大限に引き出し、オフショア開発の可能性を大きく広げる存在となっています。

また、工藤氏は「CoeFont通訳」のアップデートのスピードにも驚きを隠しません。ほぼ毎日使っている中で、常に改善されていることを実感しており、同じエンジニアとしてそのスピード感を見習わなければならないと感銘を受けています。現在はPCでの利用が主ですが、将来的にはインドへ赴いて直接交渉する際にスマートフォン版の活用も期待しており、対面での信頼関係構築にも「CoeFont通訳」が力を発揮してくれると確信しています。

「CoeFont通訳」とは?その機能と推奨企業

株式会社CoeFontが提供する「CoeFont通訳」は、多言語リアルタイム翻訳サービスです。AI音声技術を活用し、まるで同時通訳のように、話者の言葉を瞬時に翻訳して相手に伝えることができます。

現在(2026年1月時点)は、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ベトナム語、タイ語、ポルトガル語の10言語に対応しており、ビジネスにおける国際会議やプレゼンテーション、日々のコミュニケーションなど、様々な場面で言語の壁を解消します。

「CoeFont通訳」は、特に以下のような企業に推奨されています。

  • オフショア開発を検討している中小企業: 言語の壁がネックとなりオフショア開発に踏み出せない企業にとって、有力な解決策となります。

  • 日本企業からの受注を獲得したい海外のSIer: 英語のネイティブが日本語を習得するよりも、ツールを介してネイティブ言語で会話する方が、技術的な会話はより正確に伝わりやすいため、受注機会の拡大に貢献します。

「CoeFont通訳」は、iOSアプリとして提供されており、以下のURLからダウンロードできます。

サービスの詳細は、以下のURLで確認できます。

AI音声プラットフォーム「CoeFont」が描く未来

「CoeFont通訳」は、株式会社CoeFontが提供するAI音声プラットフォーム「CoeFont」の一部です。「CoeFont」は、声と言葉の可能性を広げる革新的なプラットフォームであり、多岐にわたるAI音声ソリューションを提供しています。

主な機能としては、テキストを表現豊かで自然な音声に変換する「Text-To-Speech(TTS)」、話者の声質を自在に変化させる「Voice Changer」などがあります。さらに、「Voice Hub」には10,000種類以上のAI音声が揃っており、車内アナウンス、トレーニング動画、オーディオブック、ライブ配信、さらには家族との音声メッセージなど、あらゆる用途やシーンに応じて最適な音声を選ぶことができます。

CoeFontは、誰もがどんな言語でも、自分らしく、自由に「声」で表現できる未来を支えることを目指しています。

株式会社CoeFontは、2020年に設立された東京科学大学認定ベンチャーであり、AIを活用したサービスの開発と提供に取り組んでいます。倫理的で包括的なAI音声プラットフォームの開発に注力しており、CoeFont(https://CoeFont.cloud)は、すべての国と地域で利用可能です。

まとめ:AI通訳が拓くグローバルビジネスの新時代

オートバックスデジタルイニシアチブの事例は、AI通訳技術がオフショア開発における長年の課題である「言語の壁」をいかに効果的に解消し、ビジネスの効率化と生産性向上に貢献するかを明確に示しています。

「CoeFont通訳」は、単なる言葉の変換ツールに留まらず、会議時間の劇的な短縮、認識齟齬の解消、技術的な深い議論の実現、そして何よりもチーム間の信頼関係構築に寄与しました。これにより、企業は国内のIT人材不足という制約にとらわれず、世界中の優れた開発リソースを最大限に活用し、より迅速かつ高品質なシステム開発を進めることが可能になります。

AI通訳技術の進化は、グローバルビジネスにおけるコミュニケーションのあり方を根本から変え、新たな協業の可能性を無限に広げていくことでしょう。ABDiの成功事例は、まさにその未来を指し示す羅針盤となるはずです。

タイトルとURLをコピーしました