【日本初AI解析】スマホ写真で赤ちゃんの頭のゆがみを早期発見へ!ジャパン・メディカル・カンパニーと日本大学が共同研究を開始

【日本初AI解析】スマホ写真で赤ちゃんの頭のゆがみを早期発見へ!ジャパン・メディカル・カンパニーと日本大学が共同研究を開始

赤ちゃんの健やかな成長は、多くの保護者の願いです。しかし、近年、赤ちゃんの頭のゆがみ、特に「斜頭症」に悩む保護者が増えています。この問題に対し、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーと日本大学理工学部が、スマートフォンで撮影した写真からAIが赤ちゃんの頭のゆがみを解析する、画期的な共同研究を開始しました。この取り組みは、乳児の顔画像AIを用いた斜頭症スクリーニング指標の確立に関する共同研究として、日本初(2026年1月、ジャパン・メディカル・カンパニー調べ)となります。

共同研究の概要:AIが「眼瞼裂幅」を自動推定

今回の共同研究の核心は、スマートフォンなどで撮影された乳児の正面写真から、AIが「眼瞼裂幅(がんけんれつふく)」を自動で推定する技術の開発にあります。眼瞼裂幅とは、簡単に言うと「目の開き具合」のことです。頭のゆがみ、特に斜頭症が進行すると、顔の左右に差が現れることが経験的に知られており、その兆候として目の大きさ(眼瞼裂幅)にも左右差が生じることがあります。

この研究では、AIが顔面の左右差を数値化することで、専門医による受診が必要かどうかを判断するための簡易スクリーニング技術の確立を目指しています。これにより、地域医療の現場や乳児健診において、専門的な知識や設備がなくても、客観的な指標に基づいた「適正な頭蓋健診」が受けられるようになることが期待されています。

ジャパン・メディカル・カンパニーと日本大学の強み

ジャパン・メディカル・カンパニーは、130年にわたるものづくりのDNAを持ち、これまで20,000症例を超える臨床現場を支援してきた実績があります。頭蓋矯正用ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」「Qurum(クルム)」の開発・製造・販売を通じて、乳児の頭蓋変形治療において豊富な知見を蓄積してきました。一方、日本大学理工学部は、高度な画像解析やAI技術の研究で知られています。

今回の共同研究は、ジャパン・メディカル・カンパニーが持つ臨床現場での深い知見と、日本大学理工学部の最先端AI技術を融合させることで、スマホ1台で赤ちゃんの「ゆがみの兆候」を捉える、非侵襲(体に負担をかけない)、かつ低コストな診断支援ツールの基盤を構築することを目指しています。

なぜ「顔画像AI」によるスクリーニングが必要なのか

現在、赤ちゃんの頭のゆがみに関する保護者の悩みは増加していますが、その初期段階で「様子を見てよいのか」「専門医を受診すべきなのか」を客観的に判断する基準が不足していることが大きな課題となっています。

専門設備の壁と医療格差

正確な頭のゆがみの診断には、通常、専用の3Dスキャナーを用いた解析や、専門医による診察が必要です。しかし、これらの専門設備や専門医はすべての地域に均等に存在するわけではなく、地域によって医療格差が生じています。このため、適切なタイミングで専門医の診察を受けられない赤ちゃんも少なくありません。

「顔」に現れるゆがみの兆候

斜頭症(頭のゆがみ)が進行すると、頭だけでなく顔面にも影響が現れることがあります。特に、左右の目の大きさ(眼瞼裂幅)に差が生じることは、以前から経験的に知られていました。しかし、これまでこの顔面の左右差を客観的かつ定量的に評価する指標は確立されていませんでした。

そこで、今回の共同研究では、AI技術を活用してこの顔面の兆候を数値化することで、誰でも簡単に、そして客観的に判断できるスクリーニング方法を開発しようとしています。これにより、専門設備の有無にかかわらず、より多くの赤ちゃんが適切なタイミングで評価を受けられるようになることが期待されます。

共同研究の核心:乳児特化型「眼瞼裂幅推定AI」の開発

乳児の顔は、大人とは異なり、成長の途中にあり、特有の顔立ちや表情の変化があります。このため、従来の大人向けの顔認識モデルでは、乳児の顔を正確に解析することは困難でした。本研究では、この課題を克服するために、以下の技術革新に取り組んでいます。

1. 乳児特化型AIモデルの構築

乳児特有の顔立ちや、授乳中や睡眠中など様々な表情変化に対応できるような、高精度な「ランドマーク検出モデル」を開発します。ランドマーク検出とは、顔の目尻、口角、鼻の先端など、特徴的な点をAIが正確に認識する技術です。これにより、乳児の顔画像をより正確に分析できるようになります。

2. 眼瞼裂幅(がんけんれつふく)の定量化

開発されたAIモデルを用いて、目の開き具合の左右差や形状のパターンを精密に測定します。そして、測定されたデータと斜頭症の重症度や他の疾患との鑑別(区別すること)との関連性を詳細に解析します。これにより、単なる左右差だけでなく、その差がどのような意味を持つのかをAIが判断できるようになります。

3. 合成画像技術の活用

最新の画像生成技術を組み合わせることで、多様な乳児の顔画像データを効率的に生成し、AIの学習に利用します。これにより、実運用に耐えうる、より高精度なアルゴリズムを実現します。データが少ない場合でも、AIがより賢く学習できるようになるための重要な技術です。

本研究がもたらす社会的インパクト

この共同研究の成果は、乳児の頭蓋変形に関する医療現場と保護者の双方に、大きな恩恵をもたらすと考えられています。

「安心」の可視化

乳児健診や小児科外来において、AIが算出した客観的な数値をその場で示すことで、保護者の不安を具体的に解消し、納得感のある説明を可能にします。例えば、「AIの分析結果では、現時点では経過観察で大丈夫です」といった具体的な情報提供ができるようになるでしょう。これは、保護者の方々にとって、大きな心の支えとなるはずです。

早期発見と適切な医療への導線

早期に専門的な評価が必要なケースをAIが適切に識別し、専門外来へのスムーズな受診を促す導線を構築します。斜頭症は重症であるほど早期治療が重要とされており、この技術が早期発見に貢献することで、より効果的な治療へと繋がる可能性が高まります。

医療アクセスの均てん化

専門設備が十分に整っていない地域でも、スマートフォン一つで質の高いスクリーニングが可能になります。これにより、地域による医療格差が解消され、全国どこにいても、すべての赤ちゃんが適切な頭蓋健診を受けられる社会の実現に貢献します。

共同研究への期待

この共同研究について、日本大学理工学部の関係者からも大きな期待が寄せられています。

日本大学理工学部 応用情報工学科教室主任 教授 細野裕行先生は、「赤ちゃんの顔の写真から分かる小さなサインを手がかりに、頭の形のゆがみに早く気づくことができるような方法を探る研究です。ご家族の皆さまが日々感じる『これで大丈夫かな』という不安に、少しでも寄り添える技術につながればと願っています。赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支えられるよう、やさしく、安心して使っていただける仕組みを目指して、心を込めて取り組んでまいります。」とコメントしています。

日本大学理工学部 応用情報工学科 助教 関弘翔先生は、「乳児期に比較的高頻度で認められる斜頭症は、眼裂幅の左右差などの顔面所見を伴うことが知られています。しかし、これら斜頭症性顔貌の評価は専門医の視診に依存しており、定量的かつ簡便なスクリーニング手法の確立が課題でありました。本共同研究は、AIによる顔画像解析技術を活用し、斜頭症を早期に把握する新たな支援技術の開発を目指すものです。斜頭症は重症であるほど、早期治療が重要とされています。非侵襲かつ簡易な評価は、患児家族の不安軽減や、適切な専門医への早期受診の促進につながることが期待されます。本共同研究は、小児医療とAI研究の融合による新たな診断支援モデルとして、関連分野への波及効果も見込まれます。」と述べ、本研究の意義と将来性について語っています。

ジャパン・メディカル・カンパニーのこれまでの取り組み

ジャパン・メディカル・カンパニーは、「世界にまだない、選択肢をつくる。」というコーポレートミッションのもと、多岐にわたる共同研究を推進しています。医療機器の開発・製造・提供だけでなく、適正な頭蓋健診とヘルメット治療の標準化・均てん化に資する学術的知見の蓄積と共有を重要な取り組みと位置付けています。

過去には、以下のようなテーマで様々な医療機関との共同研究を行っています。

  • 慶應義塾大学:頭蓋変形に関連する三つの研究(乳幼児の頭蓋変形のリスク要因の検討、位置的頭蓋変形の長期予後の調査、日本人の平均前頭形態の検討)や、経鼻内視鏡手術シミュレーションモデルの開発と手術技能習得効果の検証など。

  • 富山大学:若年成人CT画像解析による頭蓋のゆがみ推定とSIDS予防の仰向け寝推奨前後の頻度比較、低線量CT等による頭蓋骨・血流評価と位置的斜頭症の病態機序解明など。

  • 長崎大学:国内初の乳幼児頭蓋形状追跡調査(五島)と頭蓋変形実態解明の共同研究、五島の出生児・在住児を対象とした乳幼児頭蓋形状の長期追跡調査開始など。

  • 自治医科大学附属さいたま医療センター:スマートフォンによる乳児頭蓋形状評価アプリの精度検証と国際学術誌掲載。

  • 愛育病院:乳児期の頭蓋変形が視力に及ぼす影響の検証。

  • あいち小児保健医療総合センター:頭蓋縫合早期癒合症の縫合切除術後におけるヘルメット併用治療効果の検証。

  • 0歳からの頭のかたちクリニック:乳児の位置的頭蓋変形の発症リスク要因解明。

これらの共同研究を通じて、臨床現場の意思決定に役立つ科学的根拠を創出し、医療提供体制の質の向上に貢献しています。

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

Japan Medical Companyのロゴ

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリンティング技術を駆使し、医療のあり方を革新する「ものづくりベンチャー企業」です。1897年創業の鉄鋼メーカーである大野興業を前身とし、130年にわたり培われたものづくりの技術と精神を基盤に成長を続けています。

1999年には積層造形技術(3Dプリント)を用いたリバースエンジニアリングを導入し、耳小骨などのヒト骨模型の製法で特許を取得しました。これにより、手術前シミュレーション用の3D模型や教育練習用模型の開発を数多く手がけ、脳神経外科や耳鼻咽喉科領域を中心に、手術前シミュレーションや認定医試験などのハンズオントレーニングに活用されています。

2012年には、脳神経外科医と共同で初の国産頭蓋矯正ヘルメット「Aimet(アイメット)」を開発し、2018年にジャパン・メディカル・カンパニーとして独立しました。現在では、頭蓋矯正用ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」「Qurum(クルム)」をはじめ、乳児の頭蓋変形の程度を簡便に計測できる「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」、ヘルメット治療を支援する「metto(メット)アプリ」などを開発・製造・販売し、医療分野における新たな価値創出を目指しています。

ヘルメットを用いた累計症例数は20,000症例以上の実績があり、ヘルメット治療のさらなる認知拡大を図るとともに、頭蓋形状矯正という概念そのものと疾病啓発の普及に取り組んでいます。

  • 社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

  • 設立:2018年5月

  • 代表取締役CEO:大野秀晃

  • 事業内容:医療機器の開発・製造・販売、医療雑品の開発・製造・販売

  • URLhttps://japanmedicalcompany.co.jp

まとめ

今回のジャパン・メディカル・カンパニーと日本大学理工学部による共同研究は、赤ちゃんの頭のゆがみという、多くの保護者が抱える課題に対し、AIという最先端技術で新たな解決策を提示するものです。スマホ写真で手軽にスクリーニングができるようになることで、専門設備の有無に関わらず、すべての赤ちゃんが適切な時期に適切な医療を受けられるようになることが期待されます。

この「日本初」の取り組みは、小児医療におけるAI活用の可能性を大きく広げ、より多くの家庭に安心を届けることでしょう。今後、この共同研究の成果が、どのように社会に実装され、赤ちゃんの健やかな成長を支えていくのか、その動向に注目が集まります。

タイトルとURLをコピーしました