- 渋谷から世界へ!ディープテックが描く未来のイノベーション
- SAKURA DEEPTECH SHIBUYAとは?グローバルイノベーションハブの役割
- 「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」プログラムの全貌
- 注目すべき事業検証事例を徹底解説!
- 活気あふれるデモデイセッションとネットワーキング
- 「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」採択スタートアップ一覧
- SDSコミュニティの拡大と未来への貢献
- 2026年度アクセラレータープログラム参加スタートアップを募集
- SAKURA DEEPTECH SHIBUYA 施設概要
- まとめ:ディープテックが切り拓く、より良い社会の未来
渋谷から世界へ!ディープテックが描く未来のイノベーション
「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(SDS)」は、渋谷から世界にイノベーションを発信するグローバルコミュニティ拠点として、2025年1月23日の開業以来、活発な活動を続けています。このたび、開業1周年を記念し、半年間にわたる事業支援プログラム「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」の成果発表会「デモデイ」が2025年12月4日に開催されました。
このプログラムでは、世界トップクラスのディープテックスタートアップ10社が採択され、日本市場への理解を深めながら、東急不動産や貝印といった日本企業との実証実験や共同事業の検討を進めてきました。本記事では、デモデイで発表された具体的な成果事例を、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で詳しく解説し、ディープテックが私たちの未来にどのような影響を与えるのかを探ります。

SAKURA DEEPTECH SHIBUYAとは?グローバルイノベーションハブの役割
SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(SDS)は、東京都渋谷区の渋谷サクラステージ内に位置する、ディープテック分野のスタートアップを支援するための国際的なコミュニティ拠点です。東急不動産とスクラムスタジオ株式会社が共同で運営しています。
「ディープテック」とは、科学的な発見や工学的なブレイクスルーに基づいて生まれた、社会や産業に大きな変革をもたらす可能性を秘めた技術を指します。AI(人工知能)、ロボティクス、バイオテクノロジー、新素材、クリーンエネルギーなどがその代表例です。
SDSは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授陣をはじめとする世界トップクラスのパートナーとの連携を通じて、これらの革新的な技術を持つスタートアップが日本市場で成功するための支援を行っています。具体的には、日本企業とのマッチング、実証実験の機会提供、事業化支援などを通じて、グローバルなイノベーションエコシステムの構築を目指しています。
「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」プログラムの全貌
SDSの活動の中核をなすのが、半年間の集中支援プログラム「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」です。このプログラムは、採択されたディープテックスタートアップが日本市場での成長を加速させることを目的としています。
プログラム期間中、スタートアップは日本市場の特性や文化、ビジネス慣習を深く理解するためのメンタリングやワークショップに参加します。また、日本を代表する大企業との協業機会が提供され、実際の製品開発やサービスの実証実験を通じて、技術の社会実装を目指します。
今回のデモデイでは、この半年間の成果が発表され、参加した200名以上の事業会社、ベンチャーキャピタル、大学・研究機関、行政機関、国内外のスタートアップ関係者との間で活発な意見交換が行われました。これは、単なる発表会に留まらず、新たなビジネスチャンスやパートナーシップが生まれる重要な場となりました。
注目すべき事業検証事例を徹底解説!
今回のプログラムでは、特に以下の3つの事例が注目を集めました。それぞれの技術がどのように社会課題を解決し、日本企業との協業を通じてどのような未来を描いているのかを見ていきましょう。
1. 全自動外壁清掃ロボット「Verobotics」と東急不動産
イスラエル発のスタートアップ「Verobotics(ベロボティクス)」は、高層ビルの外壁清掃を全自動で行うロボットを開発しています。このロボットは、ただ清掃するだけでなく、外壁の状態に関するデータを同時に収集・管理する機能も持っています。
外壁清掃は、高所作業であるため常に危険が伴い、人手不足も課題となっています。Veroboticsのロボットは、これらの課題を解決し、より安全で効率的な清掃作業を実現します。さらに、外壁の劣化状況をデータとして記録することで、早期の修繕計画や長期的なメンテナンスコストの最適化にも貢献します。
今回のプログラムでは、デモデイに先立つ12月3日に、渋谷サクラステージのセントラルビルにて、実際にVeroboticsのロボットが窓を清掃する実証実験が行われました。東急不動産の現場担当者は、ロボットの動きや清掃能力、運用方法を間近で確認し、ビルへの本格導入に向けた検証を行いました。
東急不動産は、今後もVeroboticsの日本市場での展開を継続的に支援し、連携を深めていく予定です。これは、ディープテックが不動産管理の現場に革新をもたらす具体的な一歩となるでしょう。

2. 海藻由来プラスチック代替素材「Loliware」と東急不動産
アメリカのスタートアップ「Loliware(ロリウェア)」は、地球環境に優しい「海藻由来」の新しい素材を開発しています。この素材は、使い捨てプラスチックの代替品として注目されており、海洋汚染問題の解決に貢献することが期待されています。
プラスチックごみによる海洋汚染は世界的な問題であり、特に使い捨てストローやカトラリーなどは、環境負荷が高いとされています。Loliwareの海藻由来素材は、自然に還る生分解性を持ち、環境への影響を大幅に低減することができます。
東急不動産は、9月20日に運営施設である東急リゾートタウン勝浦で開催した環境関連イベントにおいて、Loliwareの海藻由来素材のストローをドリンク提供時に試験的に導入しました。参加者からは、その使い心地や環境配慮への取り組みに対し、肯定的な意見が寄せられました。
東急不動産は、この実証実験の結果を踏まえ、今後、他のプロジェクトでもLoliwareの素材を活用していくことを検討しています。これは、サステナブルな社会の実現に向けた、ディープテックと企業の協業の好例と言えるでしょう。

3. 超高性能金属技術「Foundation Alloy」と貝印株式会社
アメリカ発のスタートアップ「Foundation Alloy(ファウンデーションアロイ)」は、世界初の「完全固体金属技術」という革新的な方法を用いて、非常に高性能な金属を開発しています。この技術は、従来の金属加工の常識を覆し、製造プロセスを大幅に改善する可能性を秘めています。
日本の刃物メーカーとして世界的に知られる貝印株式会社は、包丁の製造過程で資材ロスが避けられないという課題を抱えていました。包丁を成形する際には、どうしても材料の無駄が生じてしまい、これがコスト増や環境負荷の一因となっていました。
Foundation Alloyの金属加工技術は、型取りの工程を不要にすることで、製造プロセスの短縮や廃棄物の削減、さらには製造コストの低減が期待できます。これにより、より効率的で環境に配慮した包丁製造が可能になるかもしれません。
プログラムを通じて貝印との協業検討が始まり、2026年中には、Foundation Alloyの技術を用いた包丁製造の実証実験が予定されています。両社は、金属成形プロセスの詳細や作業方法を検証し、将来的な製品化を視野に入れた連携を進めていく方針です。これは、伝統的な製造業にディープテックが新たな価値をもたらす挑戦と言えるでしょう。

活気あふれるデモデイセッションとネットワーキング
デモデイ当日は、事業会社の担当者、ベンチャーキャピタリスト、大学・研究機関の研究者、行政関係者、そして国内外のスタートアップなど、200名を超える多様な参加者が集まりました。会場は熱気に包まれ、ディープテックへの関心の高さが伺えました。
イベントでは、パネルセッションも開催され、イギリス発祥で日本でも急速に成長している電力会社、オクトパスエナジージャパンのCPO(最高製品責任者)であるMichael Cottrell氏が登壇しました。Cottrell氏は、海外スタートアップが日本企業と事業を共創する際に直面するコミュニケーションや文化的な違いについて講演し、参加者に貴重な示唆を与えました。
また、プログラムに採択された10社のスタートアップは、それぞれブースを設け、最新の技術や取り組みを紹介するデモンストレーションを実施しました。参加者は、最先端の技術を直接見て体験し、スタートアップの担当者と活発な議論を交わすことで、新たなビジネスアイデアや連携の可能性を探っていました。

「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」採択スタートアップ一覧
今回のプログラムで採択された10社のスタートアップは以下の通りです。それぞれが革新的な技術を持ち、社会課題の解決に挑んでいます。
| # | 領域 | 企業名 | HP | 国 | 事業概要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | AI & Robotics | Edgenesis | https://edgenesis.ai/ | シンガポール | IoTの相互運用性の問題を解決するオープンソースのKubernetesネイティブIoTゲートウェイを開発 |
| 2 | AI & Robotics | Novathena | http://www.novathena.ai/ | アメリカ | ミッションクリティカルなサービス業務における手続きミスによる運用損失を排除する、独自のSpatial Transformer AI技術 |
| 3 | AI & Robotics | Code Metal | https://www.codemetal.ai/ | アメリカ | 現在のエッジコンピューティングコーディングと将来のソフトウェア機能開発のギャップを埋めるエージェントワークフロー |
| 4 | AI & Robotics | Verobotics | https://verobotics.com/ | イスラエル | 完全自動化された洗浄および検査サービスを提供するロボティクス プラットフォーム |
| 5 | AI & Robotics/ Climate Tech | Impossible Metals | https://impossiblemetals.com/ | アメリカ | 海洋環境に配慮した水中金属採掘AIロボット |
| 6 | Climate Tech | EX-Fusion | https://en.ex-fusion.com/ | 日本 | 商用レーザー融合技術を利用したクリーンエネルギーの開発 |
| 7 | Climate Tech | LOLIWARE INC. | https://www.loliware.com/ | アメリカ | 海藻ベースのプラスチック代替マテリアル |
| 8 | Climate Tech | Foundation Alloy | http://www.foundationalloy.com/ | アメリカ | 世界初の完全固体金属技術を用いた超高性能金属 |
| 9 | Climate Tech | Aikido Technologies | https://www.aikidotechnologies.com/ | アメリカ | 浮体式洋上風力発電の開発と建設 |
| 10 | Climate Tech | Thermulon | https://www.thermulon.com/ | イギリス | 超断熱シリカエアロゲルの開発 |
これらのスタートアップの技術や社会課題解決へのアプローチをより深く理解してもらうため、コンセプトムービーも制作されています。視覚的・情緒的に各社の価値が伝わる内容となっています。

SDSコミュニティの拡大と未来への貢献
SAKURA DEEPTECH SHIBUYAは開業から1周年を迎え、そのコミュニティ活動は大きく拡大し、活発化しています。多くのパートナー企業、大学、団体が参画し、多様な分野の人材が集まることで、交流や協業を通じて新たな価値創造が加速しています。
SDSは、イノベーションハブとしての機能を一層強化し、今後もより多くのステークホルダーとの連携を深めていく方針です。これにより、社会課題の解決に貢献するディープテックエコシステムの形成に寄与していくことが期待されます。

2026年度アクセラレータープログラム参加スタートアップを募集
東急不動産とスクラムスタジオは、2026年度のアクセラレータープログラムに参加するディープテックスタートアップの募集を開始します。今回の募集では、「コンテンツにイノベーションを起こす 〜世界一ユニークなまち・渋谷から発信へ〜」をコンセプトに掲げています。
渋谷は、メディア、ゲーム、音楽、ファッション、食、アートなど、あらゆるカルチャーが交差し、世界に向けて発信されるユニークな街です。SDSは、渋谷が持つ豊富なコンテンツやIP(知的財産)に最先端技術を掛け合わせることで、新しい体験と価値を創造し、世界に発信する機会を提供することを目指しています。
募集の主な対象は、アーリー・グロースステージ(事業立ち上げ初期から成長期にある企業)の国内外のディープテックスタートアップです。サステナビリティテック、AI・ロボティクス、その他のテクノロジーなど、幅広い領域が対象となります。
募集開始は2026年1月末頃を予定しており、詳細については以下のページで発表されます。渋谷のカルチャーをさらに進化させるディープテックを持つスタートアップは、ぜひこの機会に挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。
SAKURA DEEPTECH SHIBUYA 施設概要
SAKURA DEEPTECH SHIBUYAは、渋谷の中心に位置し、スタートアップが成長するための最適な環境を提供しています。
- 名称:SAKURA DEEPTECH SHIBUYA -Global Innovation Hub-
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場所:渋谷サクラステージ セントラルビル 12 階(東京都渋谷区桜丘町 1-2)
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開業:2025 年1月23 日

まとめ:ディープテックが切り拓く、より良い社会の未来
SAKURA DEEPTECH SHIBUYAが推進するアクセラレータープログラムは、海外の革新的なディープテックと日本企業の知見が融合し、具体的な事業検証へと繋がる貴重な機会を提供しています。
全自動外壁清掃ロボットによるビルメンテナンスの効率化、海藻由来素材による環境負荷の低減、超高性能金属技術による製造業の革新など、ここで生まれた成果は、私たちの社会が直面する様々な課題を解決し、より良い未来を築くための重要な一歩となるでしょう。
ディープテックは、まだ一般には馴染みが薄いかもしれませんが、その技術は着実に私たちの生活や産業を変えつつあります。SAKURA DEEPTECH SHIBUYAのような拠点が、これからも世界中の才能と日本の企業を結びつけ、次なるイノベーションを生み出し続けることに期待が高まります。
今後のディープテックの進化と、そこから生まれる新しい価値創造に、ぜひ注目していきましょう。

