NXワンビシアーカイブズが「特化型チャットボット構築支援サービス」を開始!
近年、ビジネスや公共サービスの世界で「AI」という言葉を耳にする機会が格段に増えました。特に、人間のように文章や画像を生成できる「生成AI」の進化は目覚ましく、その中でもOpenAIが提供する「ChatGPT」は、私たちの情報検索やコミュニケーションのあり方を大きく変えつつあります。
このような背景の中、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のグループ企業である株式会社NXワンビシアーカイブズが、生成AIを活用した画期的な新サービスを発表しました。それが「特化型チャットボット構築支援サービス」です。このサービスは、特に自治体史のような専門性の高い歴史資料の活用に焦点を当てており、これまで埋もれがちだった貴重な情報を、より多くの人が手軽に利用できるようにすることを目指しています。
本記事では、AI初心者の方にも分かりやすいように、この新サービスがどのようなものなのか、そしてそれが私たちの社会にどのような変化をもたらす可能性を秘めているのかを詳しく解説していきます。
生成AIとチャットボットの基礎知識
まず、「生成AI」と「チャットボット」という言葉について、簡単に理解しておきましょう。
生成AIとは
生成AIとは、その名の通り、新しい情報やコンテンツを「生成」できる人工知能のことです。これまでのAIは、与えられたデータを分析したり、特定のタスクをこなしたりすることが得意でしたが、生成AIはまるで人間が作ったかのように、文章、画像、音楽などをゼロから生み出すことができます。
代表的な例がOpenAIの「ChatGPT」です。ChatGPTは、私たちが入力した質問や指示(これを「プロンプト」と呼びます)に基づいて、自然な文章で回答を生成したり、物語を書いたり、アイデアを提案したりすることができます。その高い文章生成能力は、多くの分野で注目されています。
チャットボットとは
チャットボットは、「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、人間とテキストや音声で会話をするためのプログラムです。ウェブサイトの問い合わせ窓口や、スマートフォンのアシスタント機能などで、すでに多くの人が体験しているでしょう。チャットボットは、よくある質問に自動で答えたり、予約を受け付けたりするなど、私たちの生活を便利にするために活用されています。
生成AIとチャットボットの融合
生成AIの技術がチャットボットに組み合わされることで、その能力は飛躍的に向上しました。従来のチャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオやキーワードに沿ってしか会話ができませんでしたが、生成AIを搭載したチャットボットは、より複雑な質問を理解し、文脈に応じた柔軟で自然な回答を生成できるようになりました。これにより、まるで人間と話しているかのようなスムーズな対話が可能になり、より高度な情報提供やサポートが期待されています。
NXワンビシアーカイブズの「特化型チャットボット構築支援サービス」とは?
NXワンビシアーカイブズが2023年11月から提供を開始した「特化型チャットボット構築支援サービス」は、この進化する生成AI、特にChatGPTの機能を活用し、特定の目的や情報に特化したチャットボットの構築をサポートするものです。
サービスの全体像
このサービスは、単にチャットボットを作るだけでなく、チャットボットが正確で役立つ回答をするために不可欠な「ナレッジデータ」の作成から、チャットボットへの指示文である「プロンプト」の調整まで、立ち上げに関わるあらゆる工程を支援します。

特に注目すべきは、紙媒体やPDFファイルで保管されている大量の資料を、AIが理解できるデジタルデータに変換するプロセスです。縦書き・横書き、印字・手書き、多段組・表形式など、資料の多様なレイアウトに対応できるよう、最適なAI-OCR(文字認識技術)を選定し、テキスト化した上で、生成AIが情報を効率的に学習・利用できる形に「構造化」する専門的なサポートを提供します。
また、利用目的に合った回答のトーン(口調)や出力形式(箇条書き、詳細説明など)になるよう、プロンプトの調整も支援することで、より使いやすく、効果的なチャットボットの実現を後押しします。
特化型チャットボット(カスタムGPT)の魅力と活用メリット
このサービスが構築を支援する「特化型チャットボット」は、OpenAI社が提供するChatGPTの「カスタムGPT」機能を利用します。カスタムGPTは、特定のファイルを「ナレッジデータ」として登録することで、その内容に基づいた回答をするチャットボットを作成できる機能です。
自治体史などの歴史資料活用における課題と解決策
自治体史は、地域の歴史や文化を詳細に記録した貴重な歴史書です。しかし、専門的な内容で文章が堅く、文字数が非常に多いため、一般の市民や職員にとっては「読みにくい」「知りたい情報を見つけにくい」という課題がありました。その結果、せっかく編纂された資料が十分に活用されないという状況が少なくありませんでした。
NXワンビシアーカイブズの特化型チャットボットは、この課題を解決するための強力なツールとなります。
- 情報のアクセシビリティ向上: 自治体史の内容をナレッジデータとしてチャットボットに登録することで、利用者は専門知識がなくても、日常会話のような言葉で質問するだけで、知りたい情報を手軽に得られるようになります。例えば、「〇〇時代のこの地域の生活は?」や「この人物について教えてほしい」といった質問に対し、チャットボットが自治体史の中から関連情報を抽出し、分かりやすく要約して回答してくれます。
- レファレンス業務の省力化: 図書館や資料館、自治体の窓口では、地域史に関する問い合わせが多く寄せられます。特化型チャットボットを導入すれば、これらの定型的な質問への回答を自動化でき、職員のレファレンス業務の負担を大幅に軽減できます。これにより、職員はより専門的で複雑な問い合わせや、他の業務に集中できるようになるでしょう。
- 新たなコンテンツ作成の支援: 自治体史の情報を基に、パンフレットやウェブサイトのブログ記事の下書きを作成したり、地域の歴史イベントに合わせたアイコンやイラストのアイデアを生成したりすることも可能です。これにより、地域の魅力を発信する広報活動が、より効率的かつ創造的に行えるようになります。
経済的なメリットと導入のしやすさ
カスタムGPTの大きな魅力の一つは、その経済的な導入・運用コストです。特化型チャットボットは、OpenAI社の有料アカウントに必要な月額利用料を支払うだけで利用できます。通常、AIを使ったシステムを構築・運用するには、高額なサーバー代や、AIが文章のやり取りに使う「トークン量」に応じた従量課金が発生することがありますが、カスタムGPTではこれらの費用を直接負担することなく、チャットボットを利用できるため、中小規模の自治体や団体でも導入しやすいのが特徴です。
これにより、これまで予算の制約で情報活用が進まなかった組織でも、気軽に生成AIの恩恵を受けられるようになります。
著作権に関する注意点
カスタムGPTでは、ナレッジデータをウェブ上にアップロードして使用するため、著作権上の問題が生じない資料や、誰もが自由に利用できる「公知情報」でのチャットボット構築が推奨されています。この点については、サービス利用時にNXワンビシアーカイブズから適切なアドバイスが得られるでしょう。
サービスの具体的な支援内容を深掘り
NXワンビシアーカイブズのサービスは、単にツールを提供するだけでなく、チャットボットを最大限に活用するための専門的なサポートが充実しています。
ナレッジデータ作成支援
AIが正確な回答をするためには、元となる情報(ナレッジデータ)の品質が非常に重要です。このサービスでは、以下のステップでナレッジデータ作成を支援します。
- AI-OCRの選定: 自治体史のような歴史資料は、紙媒体で保管されていることが多く、そのフォーマットは多岐にわたります。縦書きの古文書、横書きの現代文書、手書きの記録、多段組のレイアウト、複雑な表形式など、資料の種類に応じて最適なAI-OCRを選定します。AI-OCRは、画像から文字を読み取る技術ですが、資料の特性に合わせた適切なOCRを選ぶことで、テキスト化の精度が格段に向上します。
- テキスト化と構造化: 選定したAI-OCRを使って資料をテキストデータに変換した後、さらに重要なのが「構造化」のプロセスです。単に文字を読み取っただけでは、AIはその情報の意味や関連性を完全に理解できません。そのため、テキストデータをAIが理解しやすいように、章立てやキーワード、関連情報などを整理し、意味のあるまとまりとして構造化します。この構造化されたデータがあることで、チャットボットは質問に対して、より的確で分かりやすい回答を生成できるようになります。
プロンプト作成支援
チャットボットの回答の質は、私たちがAIに与える「プロンプト」(指示文)の質に大きく左右されます。このサービスでは、お客様が作成したプロンプトについて、チャットボットの利用目的に合った回答が得られるよう、その調整を支援します。
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回答文のトーン: 例えば、公的な文書に関する質問には丁寧な言葉遣いで、地域のイベントに関する質問には親しみやすい口調で、といったように、回答のトーンを調整することで、利用者はより快適にチャットボットを利用できます。
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出力形式: 回答を箇条書きにするのか、要約して簡潔に伝えるのか、詳細な説明を提示するのかなど、情報の提示方法も利用目的に合わせて調整します。例えば、特定の事実を知りたい場合には簡潔な回答を、背景を詳しく知りたい場合には詳細な説明を、といった具合です。
これらの専門的な支援により、お客様はAIの知識がなくても、高品質な特化型チャットボットを効率的に構築し、運用を開始することができます。
株式会社NXワンビシアーカイブズとは
株式会社NXワンビシアーカイブズは、1966年の設立以来、長きにわたり「企業の情報の安全確保と管理の効率化」を追求してきたデータ・ソリューション事業の専門企業です。NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のグループ企業として、その信頼性と安定性も大きな強みとなっています。
同社は、機密文書、医薬品開発関連資料、永年保存の歴史資料、テープ等の記録メディア、デジタルデータ、さらには細胞・検体試料・治験薬・医薬品原薬といった多様な「重要な情報」のライフサイクル全体をカバーする総合的なサービスを提供しています。これは、情報が生まれる段階から、活用、保管、そして最終的な抹消に至るまで、一貫したセキュリティ体制のもとで管理を行うというものです。
現在、東京、名古屋、大阪、九州に営業拠点を持ち、官公庁や金融機関、医療機関、製薬業など、4,600社以上のお客様に利用されている実績があります。近年では、書類と電子契約に対応した「WAN-Sign」(2019年リリース)、最短5日で利用可能な書類保管サービス「WAN-CASE」(2022年リリース)、リーズナブルな電子化プラン「WAN-Scan」(2024年リリース)、カスタマイズ可能なレコードバンキングシステム「WAN-RECORD Plus」(2024年リリース)など、お客様の働き方改革をサポートするサービスを次々と提供しています。
このような長年の情報管理とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の経験と実績が、今回の特化型チャットボット構築支援サービスにも活かされており、単なるAIツールの導入支援にとどまらない、本質的な情報活用ソリューションを提供できる強みとなっています。
まとめ:歴史資料の未来を拓く生成AI活用
NXワンビシアーカイブズが提供を開始した「特化型チャットボット構築支援サービス」は、生成AIの力を借りて、これまで十分に活用されてこなかった自治体史などの歴史資料に新たな光を当てるものです。
このサービスによって、専門的な知識がなくても、誰もが地域の歴史や文化に気軽に触れることができるようになり、自治体職員の業務負担も軽減されることが期待されます。また、低コストで導入できるカスタムGPTの活用は、多くの組織にとって生成AI導入のハードルを下げる画期的な取り組みと言えるでしょう。
情報のデジタル化、AI-OCRによるテキスト化、そしてAIが理解しやすい構造化という専門的なプロセスは、情報管理のプロフェッショナルであるNXワンビシアーカイブズだからこそ提供できる価値です。
歴史資料のアクセシビリティ向上やレファレンス業務の省力化をお考えの自治体や団体にとって、このサービスはきっと、情報活用の新たな可能性を拓く強力なパートナーとなるでしょう。生成AIがもたらす未来は、私たちの想像以上に豊かなものになるかもしれません。NXワンビシアーカイブズの今後の展開にも注目が集まります。

