言葉の壁を越え、日本を世界へ:第9回自動翻訳シンポジウム開催
近年、AI(人工知能)技術の進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスのあらゆる側面に大きな変化をもたらしています。その中でも特に注目されているのが「自動翻訳」の分野です。異なる言語を瞬時に、そして高精度に翻訳できるAIは、国際的なコミュニケーションを劇的に変え、世界の「言葉の壁」をなくし、より自由な交流を実現するための鍵となりつつあります。
このような背景の中、総務省、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、そしてグローバルコミュニケーション開発推進協議会は、多言語翻訳技術の研究開発と社会実装に積極的に取り組んでいます。そしてこの度、その取り組みの一環として、第9回目となる「自動翻訳シンポジウム」が開催されます。今回のテーマは「AIによる翻訳でジャパンを世界へ」。日本の魅力的な文化やコンテンツを、AI翻訳の力で世界に発信するための具体的な方法や、最新の技術動向が紹介される貴重な機会となります。

イベント概要:開催日時、場所、参加方法
このシンポジウムは、AI翻訳の最新技術に触れ、その可能性を深く理解したい方々にとって絶好の機会です。開催の詳細は以下の通りです。
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日時: 2026年2月20日(金)12:45~18:00
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講演: 13:30~16:00
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展示: 12:45~17:00
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懇親会: 17:00~18:00
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開催場所: 品川インターシティホール
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〒108-0075 東京都港区港南2-15-4 品川インターシティ ホール棟
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JR「品川駅」港南口より徒歩5分とアクセスも便利です。
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主催: 総務省、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、グローバルコミュニケーション開発推進協議会
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後援: 内閣府、デジタル庁、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、特許庁、国土交通省、観光庁、環境省、一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会、一般社団法人人工知能学会、一般社団法人日本データベース学会、人工知能研究開発ネットワーク
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参加費: 無料(懇親会は有料です)
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定員: 400名(事前申し込み、先着順)
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申込期限: 2026年2月18日(水)まで
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申込方法: 第9回自動翻訳シンポジウムウェブサイトからお申込みください。
講演会プログラム:AI翻訳の最前線を識者が語る
シンポジウムでは、「AIによる翻訳でジャパンを世界へ」というテーマのもと、AI翻訳技術の現状と未来、そして日本のコンテンツや文化を世界に発信する上での期待について、各分野の有識者による講演とパネルディスカッションが予定されています。
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基調講演:マンガ自動翻訳の現在地
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Mantra株式会社 代表取締役 石渡 祥之佑 氏
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日本の誇るマンガ文化が、AIによる自動翻訳によってどのように世界に届けられているのか、その最新の技術と課題、そして今後の展望について語られます。マンガファンだけでなく、コンテンツ産業に携わる方々にとっても興味深い内容となるでしょう。
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講演1:自動通訳の実装と応用の最新状況と可能性
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マインドワード株式会社 代表取締役CEO 菅谷 史昭 氏
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リアルタイムでの自動通訳技術は、国際会議や観光、災害時など、多岐にわたるシーンでの活用が期待されています。この講演では、自動通訳が実際にどのように社会に実装され、どのような新しい可能性を秘めているのかが紹介されます。
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講演2:生成AIのメリットを取り込んだ自動翻訳
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国立研究開発法人情報通信研究機構 フェロー 隅田 英一郎 氏
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近年、大きな注目を集める「生成AI」は、文章生成能力において飛躍的な進化を遂げています。この生成AIを自動翻訳に組み合わせることで、より自然で人間らしい訳文が生成できるようになります。その具体的なメリットや技術的な側面について、NICTの研究者から直接聞くことができます。
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パネルディスカッション:「日本の価値(コンテンツ・文化・自然)」を伝える自動翻訳・通訳に対する期待
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ファシリテーター:ヤマハ株式会社 新規事業開発部 SoundUD室 室長 瀬戸 優樹 氏
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パネリスト:Mantra株式会社 代表取締役 石渡 祥之佑 氏、マインドワード株式会社 代表取締役CEO 菅谷 史昭 氏、国立研究開発法人情報通信研究機構 フェロー 隅田 英一郎 氏
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講演に登壇した識者たちが一堂に会し、日本の魅力的なコンテンツ、豊かな文化、そして美しい自然を世界に伝えるために、自動翻訳・通訳技術が果たすべき役割や、今後の発展にどのような期待が寄せられているのかを議論します。多角的な視点から、AI翻訳の未来が展望されることでしょう。
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最新技術が集結!展示会ハイライト
シンポジウムの会場ホワイエでは、24の企業・団体による最新の自動翻訳製品やサービスが展示されます。ここでは、AI初心者の方にも分かりやすいように、それぞれの展示内容を詳しくご紹介します。
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一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)
- 機械翻訳・生成AIに関する業界団体として、研究開発者、製造販売者、利用者が一堂に会し、グローバルコミュニケーションの実現を支援しています。機関紙「AAMTジャーナル」や「ポストエディットガイドライン」などを無料配布し、協会の活動を紹介します。
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株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)
- 日本企業の海外展開をICT(情報通信技術)の専門ファンドとして支援しています。自動翻訳を活用した新たなICT事業での海外展開を検討している企業にとって、投融資による支援の相談ができる貴重な機会となるでしょう。
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株式会社 IP DREAM
- 国家強靭化を実現する多言語AIプラットフォームサービス「VoiceOn」を紹介。外国人とのコミュニケーションにおいて、信頼できる情報を確実に伝え、記録を残すことを可能にします。カラオケBOXの受付、観光AIガイド、カフェの接客、ビジネス会議、さらには被災時にも活躍するスタンドアロン翻訳機など、多様なビジネスシーンに特化したサービスが展示されます。
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有限会社アカデミア
- 機械翻訳の翻訳間違いを検出して4色で表示するツール「翻訳チェッカー(TransChecker)」を展示します。特に短文や主語の省略が多いチャット形式の翻訳で発生しやすい間違いを即座に検出し、そのレベルを色で示すことで、海外ITオフショアなどでの相互理解と信頼度向上に貢献します。
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株式会社アスカコーポレーション
- 医学・医薬特化型AI翻訳プラットフォーム「AIKO SciLingual」を紹介します。NICTの翻訳エンジンを基盤に、医学・医薬分野に特化したデータを学習させることで、専門用語や言い回しを高い精度で処理します。使いやすい編集機能や文書管理・共有機能も充実しており、翻訳会社による導入後の丁寧なサポートも特徴です。
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エヌ・アイ・ティー株式会社
- 開発中の翻訳支援ウェブアプリ「GreenT online」を体験できます。XLIFF、Word、Excelなど各種ファイルのインポート・エクスポートに対応し、英数字記号の高度な整合性チェック、文書種別に応じた表記の自動修正、そして生成AIによる自然で読みやすい訳文提案といった機能が紹介されます。
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株式会社エミュース インターナショナル, マインドワード株式会社
- リアルタイムAI字幕サービス「∞LiVE」を展示します。音声認識から翻訳、字幕表示までを一貫して行い、イベントや配信のグローバル展開をサポートします。映像翻訳会社のノウハウを活かし、読みやすさに配慮したリアルタイム字幕を提供します。
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マインドワード株式会社
- インターネット接続を必要としない可搬型リアルタイム通訳システム「MW スタンドアローン同時通訳」を紹介します。スムーズでセキュアな多言語コミュニケーションを支援し、環境省の「令和7年度屋久島国立公園における同時音声翻訳技術モデル実証業務」で使用されたガイド用通訳システムのデモンストレーションも行われます。
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株式会社川村インターナショナル
- 増え続ける言語ニーズに応える、生成AIを活用した多言語化ソリューションを紹介します。高セキュリティのクラウド環境で、テキストやファイル翻訳、API連携、自社専用カスタマイズなど多様な機能を備えたAI翻訳サービスです。特許・論文・IRなど専門領域にも対応し、企業の技術と品質を適切に伝える基盤として、ビジネス拡大を支援します。
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株式会社KDDIテクノロジー
- 自動同時通訳機能を搭載した遠隔作業支援ソリューション「VistaFinder Mx」を展示します。現場作業を遠隔地から指示・サポートするリアルタイム映像伝送システムに、自動同時通訳オプションが追加され、スマートグラスを利用したハンズフリーでのシームレスな翻訳が実現されるなど、多言語対応した作業支援・リアルタイムコミュニケーションツールとして期待されています。
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コニカミノルタ株式会社
- 自治体やホテル、医療機関などで活用されている多言語通訳サービスを紹介します。「透明ディスプレイ」など、窓口コミュニケーションを実現するツールや、生成AIを活用した「AI補正機能」も紹介され、板橋区、横浜市、京王プレリアホテルなど多数の導入実績が紹介されます。
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株式会社サークル・ワン
- 「翻訳機能付IPトランシーバー」を展示します。IP無線の特長である「同時に多くの端末へ音声を送信できる仕組み」を応用し、翻訳された音声を複数の無線機へ同時に複数言語で配信することを実現。多国籍の従業員がそれぞれの母国語で同時に音声情報を受け取り、応答できる環境を生み出します。
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SoundUDコンソーシアム
- 耳が聞こえにくい方や日本語が分からない方に、話した内容を文字で伝えるサービス「SoundUD」を紹介します。「SoundUD 通訳・文字化ガイド(翻訳レシーバー)」はスピーチの翻訳字幕・通訳音声を会場のスクリーンや来場者のスマホへリアルタイムで配信可能。「多言語アナウンスアプリ(みえるアナウンス)」はアプリ操作でアナウンスを多言語放送し、カスタマイズも可能。「スマホでインターホン」はスマホを通じてスタッフを呼び出し、リモートで接客できる機能です。
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株式会社CMCエクスマニコム
- AI翻訳サービス「ATOM KNOWLEDGE(アトムナレッジ)」を紹介します。レイアウトを保ったままファイルを翻訳でき、NICT開発の高精度エンジン(汎用・特許・金融)に加え、AI生成エンジンも選択可能。用語集や過去データを参照して訳ブレを抑制し、全言語対応の辞書機能や誤訳検出機能も搭載しています。
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株式会社時事通信社
- 英文ニュース作成への機械翻訳導入とLLM(大規模言語モデル)校正の開発、実証試験について紹介します。時事通信社がどのように機械翻訳とLLM校正を実務で活用しているか、その経緯や仕組みが説明されます。また、AFP通信ニュースの機械翻訳による日本語配信サービス「FASTLOOK」も紹介されます。
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ジョルダン株式会社
- AI翻訳機能を搭載した「MovEasy お知らせ情報配信システム」を展示します。遅延・運休情報を一瞬で多言語化し、外国人にも即時に分かりやすく伝達。災害時やトラブル時も、利用者の不安を最小限に抑える次世代のお知らせ情報配信システムです。
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株式会社聴覚研究所
- 大人数での会話に特化した文字起こし・同時翻訳ツール「TeamLog」を紹介します。複数のマイクを使用する独自の仕組みにより、複数人の会話や騒音環境下など、文字起こしが困難だった場面でも高い精度を実現。同時翻訳にも対応し、複数言語が入り混じるシーンにも対応します。
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東芝デジタルソリューションズ株式会社
- 高精度機械翻訳「DOCCAI翻訳(ドッカイホンヤク)」と、法務省向け法令翻訳システムを紹介します。NICT翻訳エンジンと東芝のノウハウを組み合わせた機械翻訳サービスで、AI-OCRと連携し、紙文書や画像もレイアウトを保持したまま翻訳。セキュリティ強化や専門用語対応など、柔軟な翻訳ソリューションを提供します。
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株式会社十印(とおいん)
- AIと翻訳を組み合わせた、漫画・アニメ・ゲームなどの新しいエンタメ翻訳を紹介します。60年以上の経験と実績を強みに、自動翻訳ツールとエンタメ翻訳者、写植・制作を含むワンストップサービスを提供。現地向けに最適化されたローカリゼーションや、意図やニュアンスを伝えるトランスクリエーションにも対応します。
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TOPPAN株式会社
- 社会課題を解決するTOPPANの多言語翻訳サービスとして、「LiveTra™」と「VoiceBiz®UCDisplay®」を紹介します。「LiveTra™」は大阪・関西万博で利用される自動同時通訳システムを製品化したもので、話者の発話内容を自動同時通訳し、スクリーンなどに字幕表示できます。「VoiceBiz®UCDisplay®」は音声認識した内容を高精度な翻訳文章として透明ディスプレイに表示し、窓口・受付での自然な会話を促進します。
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日本特許翻訳株式会社
- 翻訳支援ツールにおけるLLM(大規模言語モデル)の活用について紹介します。「ProTranslator Neo」はLLM技術を活用した次世代翻訳支援ツールで、翻訳メモリから学習するIDAMTとNMT参照LLM翻訳を統合し、高精度翻訳を実現。未知語や訳抜けなどNMTの課題を削減し、作業時間を最大85%短縮します。ISO27001/27017認証取得、国内データセンター運用により、特許・医薬分野の機密文書にも対応可能です。
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Fairy Devices株式会社
- 「mimi® オフライン音声翻訳PC with ノイズ抑制ボックス」を展示します。うるさい騒音の中でも、Raspberry Piで動作するNNR(Neural Noise Reduction)ノイズ抑制ボックスをマイクと翻訳PCの間に入れることで、人の声をクリアにし、音声翻訳の精度を向上させる技術を紹介します。
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株式会社みらい翻訳
- ランゲージプラットフォーム「みらい翻訳FLaT」を紹介します。文書翻訳、翻訳API、生成AI、音声翻訳まで、翻訳に関する全ての課題を解決するワンストップソリューションです。多機能でありながら、全てが最高水準のセキュアな環境で処理され、ID数は無制限。グローバル企業の翻訳DXを一気に推進する価値を提供します。
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八楽株式会社
- 翻訳業務をもっと楽に、もっと自然にするCATツール「ヤラク翻訳」を展示します。生成AIと人の編集を組み合わせた進化型のCATツールで、国内外2,000社以上に導入実績があります。Word、PowerPoint、PDFなどの文書ファイルをそのまま翻訳可能で、セキュアな環境で利用できるため、翻訳品質と業務効率の両立を支援します。
懇親会で深まる交流:研究者や出展者との貴重な機会
シンポジウムの終了後には、参加希望者による懇親会も開催されます。普段はなかなか聞くことのできない自動翻訳技術の最新情報を、研究者や各出展者と直接共有できる貴重な機会となるでしょう。技術的な疑問を解消したり、新たなビジネスチャンスを探したり、参加者同士のネットワーキングを深めたりと、多くのメリットが期待できます。
まとめ:自動翻訳が拓く日本の未来
第9回自動翻訳シンポジウムは、AIによる翻訳技術が日本の文化やビジネスをいかに世界に広げ、グローバルな交流を促進するかを具体的に示すイベントです。基調講演やパネルディスカッションを通じて、この分野の最先端の知見に触れることができるだけでなく、展示会では実際に24社の最新サービスや製品を体験できます。
言葉の壁を越え、日本が世界とより深く繋がる未来を築くために、AI翻訳が果たす役割はますます大きくなるでしょう。AI初心者の方から専門家まで、この分野に関心のあるすべての方にとって、有益な情報と出会いの場となることでしょう。ぜひ、この機会にシンポジウムにご参加いただき、AI翻訳が拓く新たな可能性を体験してください。申込期限は2026年2月18日(水)までとなっておりますので、お早めにお申し込みください。

