最新の3D技術「3D Gaussian Splatting(3DGS)」とは?
近年、AI技術の進化とともに、現実世界をデジタル空間に再現する「3D Gaussian Splatting(3DGS)」という新しい技術が注目を集めています。これは、まるで実写のような非常にリアルな3Dシーンを、まるで動画を見るかのようにスムーズに動かせる画期的な技術です。
従来の3Dモデルは、ポリゴンと呼ばれる小さな多角形を組み合わせて形を作っていましたが、3DGSは「ガウス点群」という小さな点(ガウス分布で表現される点)を大量に配置することで、より滑らかでフォトリアルな表現を可能にします。これにより、まるでその場にいるかのような没入感のある体験を、Webブラウザ上で手軽に楽しめるようになるのです。
3Dasset.ioとアクティブリテックが協業:3DGSデータの無料公開を開始
この最先端の3DGS技術に対応した3Dデータ総合プラットフォーム「3Dasset.io」を運営する株式会社IZUTSUYAは、XGRIDS製3Dスキャナーの日本正規代理店である株式会社アクティブリテックとの協業を発表しました。この協業の第一弾として、アクティブリテックの技術協力のもと、XGRIDSの超小型3Dスキャナー「PortalCam」で撮影された高精度な3DGSデータが、3Dasset.ioにて期間限定で無料公開されています。

この取り組みは、「スキャン→アーカイブ→配信→販売」という3DGSデータの活用プロセスをワンストップで実現するプラットフォームと、高性能な小型3Dスキャナーを組み合わせることで、誰もが手軽に高精細な3D空間をデジタル化し、共有できる未来を目指すものです。
超小型3Dスキャナー「PortalCam」の驚くべき性能
今回の協業で活用された「PortalCam」は、XGRIDS製の超小型ハンディ3Dスキャナーです。同シリーズの中でも最小・最軽量モデルであり、片手で簡単に操作できるのが大きな特徴です。
PortalCamの主なスペックは以下の通りです。
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サイズ・重量: 130×90×77mm / 870g
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素材: 航空機グレードアルミニウム合金
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カメラ: 魚眼2台(200°×200°)+フロント2台(180°×150°)の計4カメラ
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LiDAR: 毎秒856,000点 / 最大約60m / 視野角180°×180°
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ストレージ: 512GB内蔵
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バッテリー: 約60分連続稼働
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接続: WiFi 802.11ax、Bluetooth 5.2、USB 3.0

このPortalCamを使えば、手持ちサイズの筐体で歩きながらスキャンするだけで、フォトリアルな3Dデータをリアルタイムに生成できます。IZUTSUYAのオフィス兼ギャラリーである「井筒屋」のような、天井高が各階で異なる歴史建築でも、狭い階段や低い梁下をスムーズにスキャンでき、わずか15分程度で高品質な3DGSデータを生成できたといいます。
株式会社アクティブリテックは、このXGRIDS製3Dスキャナーの日本正規代理店として、PortalCamをはじめとするXGRIDSシリーズの販売・レンタル・技術サポートを手掛けています。また、スキャナーの導入が難しいお客様向けに、アクティブリテックによる代理撮影サービスも提供しており、機材の購入なしに高精度な3Dスキャンデータを取得することが可能です。さらに、UnityやUnreal Engineを使ったインタラクティブなVRコンテンツ制作や、システム開発など、お客様のニーズに合わせたカスタマイズ開発にも対応しています。XGRIDSシリーズに関する詳細は、アクティブリテックのウェブサイトをご確認ください。
期間限定!無料で体験できる井筒屋の3DGSデータ
今回の協業により、IZUTSUYAのオフィス兼ギャラリーである「井筒屋」(大正時代末期建造・木造3階建て、東京都中央区新富2-4-8)をPortalCamでスキャンした3DGSデータが、3Dasset.ioで無料公開されています。歴史ある建物の土壁の質感や木梁のディテールまで忠実に再現された、高品質な3DGSデータを体験できます。
以下のリンクから、各フロアのデータを実際に見てみましょう。
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井筒屋1F

データ形式:SOG
データ容量:25.05MB
井筒屋1Fデータを見る -
井筒屋2F

データ形式:SOG
データ容量:22.54MB
井筒屋2Fデータを見る -
井筒屋3F

データ形式:SOG
データ容量:12.19MB
井筒屋3Fデータを見る
これらのデータは2026年3月16日に撮影されたもので、PortalCamの優れたスキャン能力と3Dasset.ioの配信基盤の組み合わせにより、歴史的建造物のデジタルアーカイブが手軽に実現できることを示しています。
3Dasset.io:3DGS時代の総合プラットフォームの魅力
3Dasset.ioは、IZUTSUYAが運営する3D Gaussian Splatting対応の3Dアセットプラットフォームです。このプラットフォームは、今回公開された井筒屋の3Dデータのように、スマートフォンを含むあらゆるデバイスのブラウザ上で快適に3Dデータを閲覧できるのが大きな魅力です。以下にその主な特徴を紹介します。
業界最多クラスのフォーマット対応
3DGSの主要6形式(PLY・圧縮PLY・SPLAT・KSPLAT・SPZ・SOG)に加え、GLB・FBX・OBJなど、従来の幅広い3D形式にも対応しています。これにより、様々なスキャナーや制作ツールで作成されたデータを、特別な変換作業なしにそのままアップロードし、活用することが可能です。
モバイルでもサクサク動くWebビューワー
独自に最適化されたビューワーにより、PCはもちろん、スマートフォンでもストレスなく3Dデータを閲覧できる快適な体験を提供します。これまで、建物データはデータ容量が大きく、スマートフォンのブラウザではスムーズに表示されないことも少なくありませんでした。しかし、SOG形式データ(12MB〜25MB程度)のような軽量な形式であれば、モバイル回線でも素早く読み込まれ、タッチ操作でフォトリアルな空間を直感的に探索できます。
多彩な機能で3Dデータを最大限に活用
3Dasset.ioは、単なるデータ閲覧に留まらない多様な機能を提供しています。
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デジタルアーカイブ: 建造物や文化財、空間といった貴重な3Dデータを、高品質に保存・管理できます。ブロックチェーン技術も採用することで、データの真正性を保証し、長期的な保存にも対応しています。
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ブラウザ閲覧: 専用のアプリケーションをインストールする必要がなく、URLを開くだけで誰でも簡単に3D体験が可能です。
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外部サイト埋め込み: iframeによるワンコード埋め込み機能を使えば、自社のウェブサイト、不動産ポータルサイト、観光サイトなどに3Dビューワーをそのまま組み込むことができます。これにより、訪問者にリッチなコンテンツを提供し、エンゲージメントを高めることが期待されます。
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販売・配信: 3Dデータの販売やダウンロード配信を、プラットフォーム上で一元的に管理し、完結させることができます。
Web配信に最適な超高圧縮フォーマット「SOG」とは
今回公開された3Dデータに採用されている「SOG」フォーマットは、3DGS技術における超高圧縮形式です。このSOGは、元のPLYデータから最大で約92%もの圧縮率を実現しながらも、土壁の質感や木梁のディテールといった視覚品質をほぼ維持できるという、Web配信に特化した形式です。建物1フロアの3Dデータが12MB〜25MB程度という驚くべき軽量さにより、スマートフォンを含むあらゆるデバイスで、高速かつ快適な閲覧体験を提供します。これにより、データ容量の課題が大きく軽減され、より多くの場所で3DGS技術が活用される可能性が広がります。
今後の展望:3DGS技術が切り拓く未来
IZUTSUYAは、3D Gaussian Splattingプラットフォーム「3Dasset.io」の機能拡充と、株式会社アクティブリテックとの協業をさらに深めていく方針です。XGRIDS PortalCamによる高精度スキャンと3Dasset.ioの配信基盤を組み合わせた3DGSソリューションは、建築、不動産、文化財、観光など、非常に幅広い領域での活用が期待されます。
両社は今後、4D Gaussian Splatting(動的なシーン、つまり動きのあるものを3DGSで表現する技術)への対応、ハンドトラッキングによるより直感的なインタラクティブ体験、そしてブロックチェーンを活用したデータの真正性保証など、3DGS体験の次世代基盤構築を加速していくことでしょう。これらの進化により、私たちがデジタル空間と関わる方法は、きっと大きく変わっていくはずです。
まとめ:3DGS技術で広がる可能性
株式会社IZUTSUYAが運営する「3Dasset.io」と、株式会社アクティブリテックが提供する超小型3Dスキャナー「PortalCam」の協業は、3D Gaussian Splatting(3DGS)技術の可能性を大きく広げるものです。フォトリアルな3D空間を手軽に生成し、Web上で誰でも快適に体験できるこのソリューションは、デジタルアーカイブ、不動産、観光、教育など、多岐にわたる分野に革新をもたらすでしょう。今回無料公開された井筒屋の3DGSデータを体験することで、次世代の3D技術がもたらす驚きと、その無限の可能性をぜひご自身で感じてみてください。

