2025年12月18日、『α世代白書 創刊号 2026年SS号』が刊行されました。この白書は、『α世代と社会・企業をつなぐ』をコンセプトに活動する「α世代ラボ」が、産業能率大学 小々馬敦研究室、株式会社トークアイとの産学連携プロジェクトとして実施した、α世代の消費トレンドに関する詳細な調査研究レポートです。
特に、株式会社コーセーの協力のもと、α世代の「メイク」に対する意識と行動が深く掘り下げられています。女優・モデルの白石乙華さんへのインタビューや原宿での街頭インタビューを含む定量・定性調査が行われ、Z世代の大学生とα世代ラボのメンバーが共同で調査・分析にあたりました。本記事では、この調査で明らかになったα世代のユニークな価値観と、AIが果たす役割について、AI初心者にも分かりやすく詳しく解説していきます。

α世代とは?次世代の消費を担うデジタルネイティブ世代
α世代(アルファ世代)とは、おおよそ2010年から2024年ごろに生まれた世代を指します。Z世代の次に続く世代であり、生まれた時からスマートフォンやインターネット、そしてAIといったデジタル技術が身近にある「真のデジタルネイティブ」として育ってきました。彼らは幼い頃から膨大な情報に触れ、多様な価値観に接してきたため、既存の枠にとらわれない独自の視点を持つとされています。
α世代ラボのホームページでは、α世代に関する研究や情報発信が行われています。
α世代ラボ ホームページ: https://alpha-gen-lab.com/
α世代のメイク・消費行動における3つの核心的特性
今回の調査によって、α世代のメイクや消費行動には、これまでの世代とは異なる明確な特性があることが明らかになりました。特に注目すべきは以下の3点です。
1. 「流行」よりも「自然な馴染み」を最優先
α世代は、トレンドを追いかけることよりも「自分の顔に自然になじむか」を最優先します。これは、実用性を重視する姿勢の表れと言えるでしょう。SNSで流行しているメイクやアイテムがあっても、それが自分に似合わなければ選ばないという冷静な判断基準を持っています。単に「可愛いから」「みんなが使っているから」という理由で飛びつくのではなく、「自分にとって本当に良いものか」を重視する傾向が強いのです。
2. 情報収集は「客観性」と「主観」のハイブリッド
α世代の情報収集は非常に多角的です。まず、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やAI診断といった「客観的な情報源」を積極的に活用します。例えば、AI診断ツールを使って自分の顔の骨格やパーソナルカラーを分析し、似合うメイクの方向性を探る、といった行動が一般的です。膨大な情報の中から自分に合ったものを効率的に見つけ出すために、デジタルツールを賢く使いこなします。
3. 最終決定軸は「身近な人の共感」
客観的な情報収集を行った上で、最終的な購入や決定の決め手となるのは、「身近な人からの『似合う(=共感)』という主観的な安心感」です。親しい友人や家族から「それ、すごく似合ってるね!」と言われることが、α世代にとって最も強力な後押しとなります。これは、デジタルな情報が溢れる現代において、「信頼できる人の生の声」が持つ価値が再認識されているとも言えます。どれだけAIが的確なアドバイスをしても、最終的には人間関係の中での共感が重要視されるのです。

「盛る」Z世代から「整える」α世代へ:価値観の変化
今回の調査では、Z世代とα世代のメイクに対する価値観の違いも浮き彫りになりました。Z世代が「憧れ」に情熱を注ぎ、「盛る」メイクで自分を表現することを楽しんだのに対し、α世代は「自然体」に見えることを重視し、「整える」メイクを好む傾向があります。
Z世代の大学生がα世代の女子高校生にインタビューした結果からも、この違いが明確になっています。α世代はメイクアイテムを選ぶ際に、機能性だけでなく「パッケージの可愛さ」も重視します。これは、コスメを単なる実用品としてではなく、「自分の気分を上げてくれる存在」として捉えているためです。リップやミニサイズのアイテムをアクセサリーのように持ち歩くスタイルも増えており、コスメがファッションの一部になっているかのようです。

また、α世代には特定の「アイコン的な存在」がおらず、「好き」なインフルエンサーがいても、それをそのまま「真似したい」とは限りません。自分らしさの探求や個性の尊重が背景にあり、「自分に合うか」という軸が常に優先されているのです。
α世代とAIの密接な関係:「正直な相談相手」としてのAI
α世代の消費行動において、AIは非常に重要な役割を担っています。調査では、「AIにメイクをチェックしてもらえるなら、使うか?」という質問に対し、45人中40人のα世代が「使う」と回答しました。この高い関心は、AIが彼らにとってどのような存在であるかを示しています。
α世代は、AIを「正直な相談相手」として捉え、客観的なアドバイスを期待しています。人間相手だと気を遣って言いにくいことも、AIならば率直な意見をくれると考えているのです。例えば、肌の色に合わないファンデーションや、顔の形に似合わないアイメイクについて、AIはデータに基づいた客観的な評価をしてくれます。これにより、α世代は自分にとって最適な選択を、誰にも気兼ねなく行うことができると感じています。
産業能率大学の小々馬敦教授も、「α世代に『信頼できる情報源』を尋ねると、『仲の良い友達』『親』、そして『AI』という声が上がります。中でも『私のことをよく知っているAIに“似合う”と言われると嬉しい』という感情は象徴的です。これからのマーケティングは、情報の発信以上に“信頼の設計”が問われる時代に入っています」とコメントしています。

これは、AIが単なるツールではなく、α世代の「自分軸」を確立するための重要なパートナーとなっていることを示唆しています。AIは、流行に流されず、自分に本当に似合うものを見つけるための客観的な基準を提供し、その上で身近な人の共感を得るという、α世代独自の意思決定プロセスをサポートしているのです。
白石乙華さんが語る「似合う」の意味:共感と後押し
今回の調査では、女優・モデルの白石乙華さんへのデプスインタビューも実施されました。白石さんは、α世代にとっての「似合う」という言葉の真意について語っています。「『似合う』は、単なる外見の評価ではなく、自分の選択に対する『共感』や『後押し』を意味する嬉しい褒め言葉」だと白書では分析されています。
白石さん自身も、「自分が普段から『似合うこと』をすごく大切にしているんだなと実感しました。似合うものを選ぶことで自信にもつながるし、より自分らしくおしゃれを楽しめるんだなと感じました」とコメントしています。

これは、α世代が「自分らしさ」を非常に重視していることの表れです。AI診断で客観的なアドバイスを得て、自分に合った選択をした上で、身近な人からの「似合う」という言葉で、その選択が肯定され、自信につながる。この一連のプロセスが、α世代の消費行動の重要なサイクルとなっているようです。

白石さんのメイクレシピからも、その「自分軸」が垣間見えます。様々なブランドのアイテムを自由に組み合わせ、自分にとって最適な「自然な馴染み」を作り出していることがわかります。

産学連携で実現した徹底調査と今後の展望
今回の『α世代白書 創刊号』は、産業能率大学 小々馬敦研究室、α世代ラボ、株式会社トークアイによる共同調査、そして株式会社コーセーの協力によって実現しました。
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産業能率大学 小々馬敦研究室
次世代の社会を支える若い世代の価値観と行動研究を通じて「ミライのマーケティングの進化」について社会に提言しています。2024年には研究成果をまとめた書籍『新消費をつくるα世代』(日経BP社)を刊行しています。
https://www.kogoma-brand.com/ -
株式会社トークアイ
創業35年の定性調査(リサーチ)会社で、独自のネットワークを活かし、若年層や富裕層など多様な対象者へのアプローチと調査設計を得意としています。
https://www.talkeye.co.jp/

「α世代ラボ」は、『α世代と社会・企業をつなぐ』をコンセプトに、α世代に関する研究・情報発信を行うマーケティング研究組織です。α世代に関するインタビュー記事や調査レポートなどの研究コンテンツを制作し、ホームページに掲載しています。また、蓄積したα世代への知見をもとに、α世代やその親世代をターゲットにした企業のマーケティング・PRのサポート、メディアへの取材対応、企業向けの講演などを行っています。
この強力な連携体制によって、多角的な視点からα世代のリアルな声と行動が分析され、信頼性の高いレポートが作成されました。企業にとっては、この白書がα世代をターゲットとしたマーケティング戦略を構築する上で、非常に貴重な洞察を与えてくれるでしょう。
企業がα世代の心をつかむためのヒント
今回の調査結果から、企業がα世代の心をつかむための重要なヒントが見えてきます。
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「自然な馴染み」を追求した商品開発と提案
流行を追いかけるだけでなく、個々の消費者に「自然になじむ」ことを重視した製品開発や、パーソナライズされた提案が求められます。AIを活用したレコメンデーションシステムや、バーチャル試着などを導入し、自分に「似合う」を見つけやすくする工夫が有効でしょう。 -
AIを「正直な相談相手」と位置づけたコミュニケーション
α世代はAIを信頼できる相談相手と見ています。企業は、AIを活用した診断ツールやチャットボットなどを導入し、客観的でパーソナルなアドバイスを提供することで、α世代との信頼関係を築けるでしょう。ただし、AIの提案だけでなく、最終的な決定は「身近な人の共感」が重要であることも忘れてはなりません。 -
「共感」を生むコミュニティと体験の提供
デジタル情報だけでなく、リアルな人間関係の中での「共感」が購入の決め手となるα世代には、商品を通じて共感が生まれるようなコミュニティ形成や体験の提供が有効です。例えば、ユーザーが商品について語り合えるオンラインコミュニティの運営や、友人と一緒に楽しめるイベントの開催などが考えられます。 -
「自分軸」を尊重するマーケティング
憧れをそのまま模倣するのではなく、「自分らしさ」を最優先するα世代には、個性を尊重し、多様な選択肢を提供するマーケティングが響きます。インフルエンサーマーケティングを行う際も、単に人気のある人物を起用するだけでなく、そのインフルエンサーが「自分らしさ」をどのように表現しているか、そしてそれがα世代の「自分軸」とどう共鳴するかを考慮する必要があるでしょう。
まとめ
『α世代白書 創刊号』は、次世代の消費トレンドを担うα世代のメイク・消費行動の核心を明らかにしました。彼らはデジタル技術を駆使して客観的な情報を収集しつつも、最終的には「自然な馴染み」と「身近な人の共感」を重視する、独自の価値観を持っています。特にAIは、α世代にとって「正直な相談相手」として、その意思決定プロセスに深く関わっています。
この調査結果は、企業がα世代を理解し、今後のマーケティング戦略を立案する上で不可欠な情報となるでしょう。AIと人間の共感が融合する新しい消費行動の時代において、α世代の価値観を深く理解し、それに基づいた商品開発やコミュニケーション戦略を構築することが、ビジネス成功の鍵となります。
『α世代白書 創刊号 2026年SS号』は、以下のリンクからダウンロードできます。
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この貴重なレポートを活用し、α世代が創り出す未来の消費トレンドにいち早く対応していくことが期待されます。
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典『α世代ラボ』と明記をお願いいたします※

