CADの未来を拓く!ARES 2027がAI・BIM・クラウドで設計業務を革新
設計・作図の世界は常に進化を続けています。その最前線に立つのが、DWG互換CADとして世界的に高いシェアを誇る「ARES(アレス)」シリーズです。2026年4月2日、Graebert Japan合同会社は、その最新バージョンとなる「ARES 2027」をリリースしました。
ARES 2027は、人工知能(AI)による操作支援を核に、建築情報モデリング(BIM)ワークフローの強化、そしてクラウドベースのオンラインCAD「ARES Kudo(アレス クドー)」の機能拡充を実現した画期的なバージョンです。これにより、設計・作図・共同作業の各工程が、より効率的かつ直感的に進められる環境が提供されます。
本記事では、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で、ARES 2027の主要な新機能と、それがどのようにCAD業務の未来を形作るのかを詳しく解説します。

ARESとは?DWG互換CADのリーディングカンパニー
ARESは、ドイツ・ベルリンに拠点を置くGräbert GmbHが提供するCADソフトウェアシリーズです。1977年に創業されたGräbert GmbHは、CAD黎明期から業界を牽引し、Dassault SystèmesのDraftSightなど、世界中の多くのCAD製品に技術を提供してきました。そのユーザー数は世界100カ国以上で800万人にも上ると言われています。
日本法人であるGraebert Japan合同会社は2018年に設立され、国内の大手ゼネコンにも多数の導入実績を持ち、建築土木業界では60%以上の高いシェアを誇っています。ARESシリーズは、デスクトップ版の「ARES Commander」、モバイル版の「ARES Touch」、そしてクラウド版の「ARES Kudo」と、幅広いプラットフォームに対応しており、ユーザーの用途に応じて柔軟な選択が可能です。
ARESの最大の特徴の一つは、業界標準であるDWGファイル形式に高い互換性を持っている点です。これにより、他のCADソフトウェアで作成された図面もスムーズに開いて編集でき、異なるソフトウェアを使用するチーム間での連携も円滑に行えます。
ARES 2027の主要新機能
ARES 2027では、従来のCAD業務における単純作業の効率化に加え、バッチ処理やスケジューリングによる自動化が強化され、ルーティン業務を次のステージへと引き上げます。特に注目すべきは、AI、BIM、クラウドの3つの分野における大幅な進化です。
AIによるCAD作業の劇的効率化「A3アシスタント」
ARES 2027の最も革新的な機能の一つが、AIアシスタント「A3(エースリー)」です。このA3アシスタントは、OpenAIの技術を基盤として、CADユーザー向けに最適化されています。AIが設計者の意図を理解し、作業を支援することで、これまでのCAD操作の常識を覆すような効率化が期待されます。
自然言語による操作支援とは?
「自然言語による操作支援」とは、私たちが普段使っている日本語のような言葉で、AIに指示を出してCADを操作できる機能です。例えば、「このレイヤーに新しい図形を作成して」「選択したオブジェクトを回転させて」といった具体的な指示をAIに伝えることができます。ARES 2027では、「画層の作成・編集」「回転」「ハッチング」といった基本的な操作から、エンティティ(図形や要素)の選択と編集を同時に実行するような複雑な指示まで、自然言語プロンプトで対応できるようになりました。
これにより、メニューを探したり、複雑なコマンドを覚えたりする必要が大幅に減ります。AI初心者の方でも、まるで熟練のオペレーターが隣にいるかのように、直感的にCADを操作できるようになるでしょう。
コマンド提案機能で生産性向上
さらに、ARES 2027にはAIによるコマンド提案機能が搭載されています。これは、ユーザーの現在の作業状況や選択しているエンティティに基づいて、次に必要となりそうなコマンドをAIが予測し、提案してくれる機能です。例えば、線を選択した後に「延長」や「トリム」といったコマンドが提案されるなど、作業の流れを先読みしてアシストしてくれます。
このコマンド提案機能と、エンティティの選択・編集を一体化した操作が組み合わさることで、作業効率と生産性が飛躍的に向上します。設計者は、ツールの操作に煩わされることなく、本来の創造的な設計作業に集中できるようになるでしょう。
BIMワークフローの強化:マルチディシプリン対応とRevit連携
BIM(Building Information Modeling)は、建築物の設計から施工、維持管理に至るまでの全ライフサイクルにおいて、情報の一元管理と活用を目指す手法です。ARES Commander 2027では、このBIMワークフローが大幅に強化されています。
マルチディシプリンBIMとは?
「マルチディシプリンBIM」とは、建築(Architecture)、構造(Structure)、MEP(Mechanical, Electrical, and Plumbing:機械設備、電気設備、配管設備)など、複数の専門分野を統合的に扱えるBIMのことです。従来のBIMでは、各分野が個別のモデルを作成し、後で統合する際に情報の重複や不整合が生じることがありました。
ARES Commander 2027は、これらの複数分野のモデルを統合的に扱うことを可能にし、分野間の重複作業を削減します。これにより、より実務に即した、正確で効率的な図面作成が可能になります。大規模なプロジェクトでは、多くの専門家が関わるため、このような統合的なアプローチはプロジェクト全体の品質向上とコスト削減に大きく貢献します。
最新Revitファイル形式への対応
さらに、ARES Commander 2027は、業界で広く利用されているAutodesk Revitの最新バージョンであるRevit 2026ファイル形式にも対応しました。これにより、最新のRVTファイルから生成されたDWGデータを、BIMプロジェクトと連携したまま更新することが可能になります。
Revitファイルとの連携強化は、特に建築業界において大きなメリットをもたらします。Revitで作成された詳細なBIMモデルを、ARESで柔軟に活用・編集できるため、設計プロセスの連続性が保たれ、データ変換に伴う手間やエラーのリスクが低減されます。異なるソフトウェア間でのスムーズなデータ連携は、現代の複雑な建築プロジェクトにおいて不可欠な要素です。
クラウド機能の拡充:セキュアな情報共有とコラボレーション
ARES Kudoは、クラウドベースのオンラインCADとして、場所やデバイスを選ばずに図面にアクセスし、共同作業を可能にするサービスです。ARES 2027では、このARES Kudoの機能がさらに拡充され、チームメンバーとの円滑なコラボレーションが実現します。
ARES Kudoの進化
ARES Kudoを使えば、図面をダウンロードすることなく、ウェブブラウザ上で直接図面を開いて閲覧・編集できます。これにより、常に最新の図面を共有し、複数メンバーとの共同作業をセキュアな環境下で行うことが可能です。特に、複数の企業が関わる大規模プロジェクトでは、情報共有のスピードと正確性がプロジェクトの成否を左右するため、ARES Kudoの存在は非常に重要です。
図面操作インサイトで履歴管理
ARES 2027では、新たに「図面操作インサイト」が実装されました。この機能は、大規模プロジェクトなどで複数メンバーが図面にアクセスする際に、ファイル単位の詳細な履歴を記録します。具体的には、いつ、誰が、どのように図面にアクセスし、どのような変更を加えたかを把握できるようになります。
この履歴管理機能は、共同作業における透明性を高め、問題発生時の原因究明や、過去の変更点の確認に役立ちます。プロジェクトマネージャーは、図面の変更履歴を正確に追跡できるため、プロジェクトの進行状況をより的確に把握し、適切な意思決定を下すことが可能になります。
印刷スタイル対応で利便性向上
そのほか、ARES Kudoは、AutoCADやARES Commanderで作成された印刷スタイルファイル(.ctb、.stb)にも対応するようになりました。これにより、デスクトップ環境で設定した印刷スタイルをクラウド環境でもそのまま利用できるようになり、印刷時の手間が軽減され、高い精度での出力が可能になります。細かな点ですが、プロフェッショナルな設計業務においては、このような一貫性が非常に重要となります。
CAD業務を「最適化の基盤」へ:ARES 2027が目指すもの
ARES 2027は、単に「図面を描くためのツール」というCADのこれまでの役割を超え、「業務フローを最適に回すための基盤」としての未来を見据えています。AIによる作業支援、BIMによる情報の一元化、そしてクラウドによるシームレスな共同作業は、設計業務のあり方を根本から変える可能性を秘めています。
従来のCAD業務では、反復的な作業やデータ変換、情報共有の遅れなどが効率を阻害する要因となっていました。しかし、ARES 2027が提供するAIと自動化機能は、これらの課題を解決し、設計者がより創造的で価値の高い業務に集中できる環境を構築します。これにより、設計品質の向上、リードタイムの短縮、そしてプロジェクト全体のコスト削減といった多岐にわたるメリットが期待されます。
Graebert Japan合同会社について
Graebert Japan合同会社は、ドイツのGräbert GmbHの日本法人として2018年に設立されました。Gräbert GmbHは、1977年の創業以来、CADソリューションの分野で世界をリードしてきました。その技術は、Dassault SystèmesのDraftSightなど、多くの有名CAD製品にも採用されており、世界中で800万人以上のユーザーに利用されています。
企業の歴史と実績
Gräbert社のCAD技術は、長年にわたり進化を続けてきました。1994年にはAutoCADの代替となる初期CAD製品をリリースし、2000年にはWindows CE向けモバイルCADを開発。2010年にはWindows/Mac/Linuxに対応するDWG CADを提供開始し、マルチプラットフォーム対応をいち早く実現しました。2015年にはAndroid/iOS向けモバイルCADを、2017年にはDWG対応オンラインCADをリリースするなど、常に時代のニーズに応じた製品を提供しています。
特に2018年には、デスクトップ・クラウド・モバイルを統合した「ARES Trinity」を発表し、場所やデバイスに縛られないCAD環境を確立しました。近年では、2020年にBIM対応CADを、そして2024年にはAI技術の導入を進めるなど、最新テクノロジーを積極的に取り入れています。

日本での導入実績とシェア
日本国内では、Graebert Japan合同会社が大手ゼネコンに多数のARESシリーズを導入しており、建築土木業界におけるシェアは60%以上と非常に高いです。これは、ARESの高いDWG互換性、充実した機能、そして安定したサポート体制が、日本の厳しい設計現場で高く評価されている証拠と言えるでしょう。
幅広いプラットフォーム対応
ARESシリーズは、デスクトップ版(Windows, macOS, Linux)、モバイル版(Android, iOS)、クラウド版(ウェブブラウザ)と、ユーザーの多様なニーズに応える幅広いプラットフォームに対応しています。これにより、オフィスでの詳細設計から、現場での図面確認、出先での簡単な修正まで、あらゆる場面で設計業務を継続できる柔軟なワークフローが実現します。
まとめ:ARES 2027が切り拓く設計の未来
ARES 2027のリリースは、CAD業界における大きな一歩であり、設計業務の効率化と品質向上に革命をもたらす可能性を秘めています。AIによる直感的な操作支援、BIMによる統合的な情報管理、そしてクラウドによるシームレスな共同作業は、現代の複雑なプロジェクトにおいて不可欠な要素となるでしょう。
Graebert Japan合同会社は、ARES 2027を通じて、CADを単なる作図ツールではなく、業務フロー全体を最適化するための強力な基盤として位置づけています。AI初心者の方でも、これらの最新技術を駆使することで、より高度な設計業務に挑戦し、自身の生産性を向上させることがきっと可能になるでしょう。
ARES 2027のさらなる詳細については、以下の公式サイトで確認できます。

