AI技術の進化が目覚ましい現代において、多くの企業がその可能性に注目しています。中でも、顧客との接点である「カスタマーサポート」の分野では、AIの活用が新たな変革をもたらそうとしています。株式会社RightTouch(ライトタッチ)が提供するAIオペレーター「QANT(クアント)」シリーズは、まさにその最前線を走るソリューションです。この度、ビジネス映像メディアPIVOTの番組「&questions」にて、RightTouchの代表取締役である野村修平氏と、auじぶん銀行株式会社の執行役員CS本部長である堀野和明氏が登壇し、AIオペレーターの活用事例とその裏側について詳しく解説しました。
深刻化するカスタマーサポートの課題とAIへの期待
近年、カスタマーサポート業界は、いくつかの大きな課題に直面しています。特に深刻なのが、オペレーターの人手不足と高い離職率です。顧客からの問い合わせは多様化・複雑化する一方で、限られた人員で全ての顧客に対応することは非常に困難になっています。また、カスタマーサポート部門は「コストセンター」と見なされがちで、コスト削減のプレッシャーも常に存在します。
このような状況の中、生成AIの急速な進化は、業界に新たな光を差し込みました。単にコストを削減するだけでなく、顧客がサービスを利用する際の体験、つまり「顧客体験(CX)」を向上させるための画期的な解決策として、AIオペレーターへの期待が高まっています。
RightTouchとauじぶん銀行が語るAIオペレーターの最前線は、まさにこの課題に対する具体的な答えを示しています。

PIVOT番組「AIオペレーターの大波2026年 『カスタマーサポート革命』が起きる」を徹底解説
PIVOTで公開された番組「&questions」は、「AIオペレーターの大波2026年 『カスタマーサポート革命』が起きる」をテーマに、AIオペレーターがもたらす未来のカスタマーサポートについて深掘りしています。
番組概要と出演者
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番組名: ビジネス映像メディア PIVOT「&questions」
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公開日: 2025年12月21日(日)
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テーマ: AIオペレーターの大波2026年 「カスタマーサポート革命」が起きる
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MC: 野嶋 紗己子氏
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出演:
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株式会社RightTouch 代表取締役 野村 修平氏
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auじぶん銀行株式会社 執行役員 CS本部長 兼 CS企画部長 堀野 和明氏
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▼番組の視聴はこちらから
https://youtu.be/xMjDSbvQ00Q
AIとカスタマーサポートの親和性と「AIオペレーター」の革新性
番組ではまず、「AIとカスタマーサポート」の高い親和性について解説されました。カスタマーサポートは、FAQ(よくある質問)や過去の応対履歴など、テキストデータが豊富に蓄積されている分野です。このような大量のデータは、AIが学習し、賢くなるための「栄養」となります。そのため、現在、多くの企業でカスタマーサポートへのAI投資が加速している市場背景があるのです。
従来のチャットボットや、これまでのAIオペレーターとRightTouchが提供する「AIオペレーター」には大きな違いがあります。
従来のチャットボットは、事前に設定されたルールやシナリオに基づいて回答を生成するため、想定外の質問には対応が難しいという課題がありました。一方、RightTouchのAIオペレーター「QANT スピーク(クアントスピーク)」は、生成AIの技術を活用することで、より人間らしい自然な対話が可能になります。顧客の質問の意図を深く理解し、状況に応じた柔軟な回答を生成できる点が革新的なのです。
番組内では「QANT スピーク」のデモ実演も行われ、その具体的な機能と、カスタマーサポートの現場でどのように役立つのかが示されました。生成AIをカスタマーサポートに活用する際に、最も良いパフォーマンスを引き出すためには、単に導入するだけでなく、適切な導入・運用のポイントを押さえることが重要であると強調されています。
auじぶん銀行が実践する「CSA(カスタマーサポートオートメーション)」
auじぶん銀行は、RightTouchの「QANT」シリーズを活用し、「カスタマーサポートオートメーション(CSA)」という概念を実践しています。
CSAとは、カスタマーサポートにおける一連の業務をAIやデジタル技術で自動化し、効率化を図るとともに、顧客体験の向上を目指す取り組みです。単なる一部の自動化に留まらず、顧客が抱える問題を最初から最後までスムーズに解決できるような仕組み全体を指します。
auじぶん銀行のカスタマーサポート変革と「QANT」導入の経緯
auじぶん銀行は、これまで電話による問い合わせへの依存度が高いという課題を抱えていました。電話は顧客にとって手軽な手段である一方で、待ち時間の発生や、オペレーターの対応負荷が高いといった問題がありました。このような課題を解決し、顧客が「電話をかけなくても良い、エフォートレス(努力不要)な体験」を目指すために、「QANT」の導入を決定しました。
導入後、具体的な効果として、顧客の自己解決率の向上や、オペレーターの対応時間の短縮などが挙げられています。これにより、顧客はより迅速に問題を解決できるようになり、企業側もリソースを効率的に活用できるようになりました。
潜在的不満の可視化と企業資産化
番組では特に、9割以上の「サイレントカスタマー」が抱える「潜在的不満」を可視化し、それを企業資産に変えることの重要性が語られました。サイレントカスタマーとは、不満があっても企業に直接伝えることなく、サービス利用を止めてしまう顧客のことです。彼らの声は表面化しないため、企業は課題に気づきにくいという問題がありました。
「QANT」は、顧客の問い合わせ内容や行動データを分析することで、こうした潜在的な不満の兆候を捉え、可視化することを可能にします。これにより、企業は顧客が本当に求めていることや、改善すべき点を早期に発見し、 proactively(先回りして)対応できるようになります。カスタマーサポート部門が、単に問い合わせに対応するだけでなく、「唯一顧客からのフィードバックを得られる場所」として再定義され、経営戦略の中心的な役割を担うことの重要性が示されました。

堀野 和明氏 プロフィール
2000年よりCS業界に参画。品質管理・チームビルディングを主軸に金融数社でCX向上、センターの効率化、高度化を行い企業のブランディングに貢献。2020年auじぶん銀行入社、2025年から現職。

野村 修平氏 プロフィール
ワークスアプリケーションズにて、Senior Vice Presidentとして大手企業向けセールスチームの統括。北米事業の副社長で立ち上げを経験、アメリカのデジタルマーケティングの進歩を目の当たりにし、日本に帰国。2018年12月よりプレイド入社。エンタープライズ向けのセールスチームリーダーの後、RightTouchを社内起業。
2026年に向けた「人と共に育つAIオペレーター」の展望
番組では、2026年に向けたAI時代のカスタマーサポートが目指すべき理想像についても語られました。それは「人と共に育つAIオペレーター」というコンセプトです。
AIオペレーターは、導入したら終わりではありません。顧客との対話を通じて学習し、オペレーターのフィードバックを受けながら、継続的に賢くなっていく必要があります。人間とAIが協力し、それぞれの強みを活かすことで、より質の高いカスタマーサポートが実現できると期待されています。
AIオペレーターを導入する際のポイントとして、以下の3点が挙げられました。
- 目的の明確化: 何のためにAIオペレーターを導入するのか、その目的を具体的に設定することが重要です。コスト削減なのか、顧客体験向上なのか、自己解決率アップなのか、明確な目標がなければ、適切な運用はできません。
- ナレッジの有効活用: 企業内に蓄積されたFAQやマニュアル、過去の応対履歴といった「ナレッジ(知識)」をAIが学習しやすい形で整理し、有効活用することが不可欠です。AIの賢さは、学習するデータの質に大きく左右されます。
- カスタマーサポートのあり方を見直す: AIオペレーターの導入は、カスタマーサポート部門の役割そのものを見直す良い機会となります。ルーティンワークはAIに任せ、人間はより複雑な問題解決や、顧客との深い関係構築に注力するなど、業務の再設計が求められます。
これにより、カスタマーサポート部門は単なるコストセンターではなく、「経営の中心」として、企業の成長に貢献する部門へと転換する可能性を秘めていると示唆されました。
自己改善型AIオペレーター「QANT スピーク」について
RightTouchが提供する「QANT スピーク」は、利用するほど賢くなり、応対範囲を拡張できる自己改善型のAIオペレーターです。AIオペレーターと有人応対(人間のオペレーターによる対応)のログを蓄積・活用し、「応対→分析→改善」のループを回し続けることで、精度と対応範囲を継続的に高めていく仕組みを備えています。
特徴1:「点」の対応ではなく、「線」で再現性のある改善
従来のAIオペレーターは、特定の問い合わせやケースごとに人間が手動で設定を調整する「点」の改善が前提となることが多く、運用が特定の担当者に依存したり、改善のプロセスが不明瞭になりがちでした。
しかし、「QANT スピーク」は、AIオペレーターと有人応対の「VoC(Voice of Customer:顧客の声)」データをもとに、ナレッジデータ(知識データ)の改善点を自動的に可視化し、適切な改善策を提案します。これにより、対応履歴全体を活かした「線」の改善、つまり継続的で再現性のある改善を実現します。
特徴2:人手によるチューニングに依存せずに自己改善し続ける仕組み
「QANT スピーク」は、AIの動作を指示する「プロンプト」の調整や、個別のシナリオ修正といった人手による複雑なチューニングに依存しません。VoCとナレッジデータを起点に、AIが自律的に改善サイクルを回す構造を備えています。
この仕組みにより、導入企業は難しい実装や設定作業に多くのリソースを割くことなく、AIが継続的に賢くなり、対応可能な問い合わせの範囲を自然に拡張していくことが可能になります。これにより、AIオペレーターは常に最新の情報を学習し、顧客の多様なニーズに応えられるよう進化し続けます。
株式会社RightTouchについて
株式会社RightTouchは、「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」をミッションに掲げる企業です。人とAIの協働によってPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを持続的に回せる循環型モデル「カスタマーサポートオートメーション」を推進するための基盤「QANT」を開発・提供しています。
「QANT」は、VoC分析やWebサポート、コンタクトセンターオペレーション向けなど、複数のプロダクトを通じて、企業の工数削減と同時に、顧客体験(CX)および従業員体験(EX)の飛躍的な向上を実現しています。金融、インフラ、小売など、様々な業界のエンタープライズ企業(大企業)のカスタマーサポート変革を支援している実績があります。株式会社プレイド(東証グロース 4165)からカーブアウト(事業の一部を切り出して独立)したスタートアップ企業です。
企業情報
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名称: 株式会社RightTouch
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所在地: 東京都港区三田3-2-8 THE PORTAL MITA 5F
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代表者: 代表取締役 野村修平/長崎大都
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設立日: 2021年10月27日
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事業内容: カスタマーサポートプラットフォーム「QANT」の開発、提供
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企業URL: https://righttouch.co.jp/
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QANT製品全体URL: https://qant.jp/
まとめ
AIオペレーターは、単なる自動応答システムではなく、顧客体験を根本から向上させ、企業の経営戦略にも深く関わる可能性を秘めた技術です。RightTouchの「QANT」シリーズとauじぶん銀行の先進的な取り組みは、その具体的な姿を示しています。
カスタマーサポート業界が抱える人手不足やコストの課題に対し、AIオペレーターは効率化だけでなく、顧客の潜在的な不満を可視化し、それを企業の貴重な資産へと変える力を持っています。そして、人間とAIが「共に育つ」ことで、よりパーソナライズされた質の高いサポートが実現されるでしょう。
2026年に向けて、AIオペレーターが巻き起こす「カスタマーサポート革命」は、私たちの顧客体験を大きく変えることになると期待されます。この変革の波に乗り遅れないよう、今後のAI技術の進化と、その活用事例に注目していくことが重要です。

