アートとAIの融合:未来の創造性を探る特別トークセッション
近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、私たちの生活や社会のあらゆる側面に影響を与え始めています。そんな中、一見するとAIとは縁遠い「アート」の世界においても、AIの存在感が日に日に増しています。AIが絵を描き、音楽を作り、詩を生み出す時代において、芸術における人間の役割や、美しさの基準はどのように変わっていくのでしょうか。
このような疑問に対し、日本最大級のアートフェア「ART FAIR TOKYO 20」で、非常に興味深い特別トークセッションが開催されます。株式会社FRONTEOの取締役/CSO(Chief Science Officer)豊柴 博義氏と、現代アーティストの神楽岡 久美氏が登壇し、「アートとAI」をテーマに深く掘り下げた議論を繰り広げます。この対談は、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で、アートとAIの未来について考える貴重な機会となるでしょう。

日本最大級のアートイベント「ART FAIR TOKYO 20」とは
「ART FAIR TOKYO」は、日本国内で最大規模を誇り、アジア地域でも最も歴史あるアートフェアの一つとして知られています。2005年に初めて開催されて以来、今回で記念すべき20回目を迎えます。このフェアには、日本国内外から選りすぐりの優れたアートギャラリーが一堂に会し、日本の美術市場を牽引する存在となっています。
古美術や工芸品、日本画から、現代アートに至るまで、非常に多岐にわたるジャンルの作品が展示・販売され、毎年数万人規模のディーラー、コレクター、そして美術ファンが来場します。20回目となる今回は、厳選された141軒のギャラリーが参加し、多様なアート作品との出会いの場を提供します。
「ART FAIR TOKYO 20」開催概要
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イベント名称: ART FAIR TOKYO 20
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開催日: 2026年3月13日(金)・14日(土)・15日(日)
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会場: 東京国際フォーラムならびにサテライト会場
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オフィシャルウェブサイト:
https://artfairtokyo.com/ -
主催: エートーキョー株式会社
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後援: 外務省、文化庁、アメリカ大使館、ベルギー王国大使館、ブリティッシュ・カウンシル、チェコ共和国大使館、マレーシア大使館、スペイン大使館、シンガポール共和国大使館、イタリア大使館、アンスティチュ・フランセ、ブラジル大使館、東京観光財団ほか

特別トークセッション「AIの目と審美眼 – AI時代、文化的価値を決めるのは誰なのか」
今回の特別トークセッションは、「Dialogue:ASK ART, WHY ?」というオフィシャルトークイベントの一環として開催されます。テーマは「アートとAI」。AI技術の進化によってアートのあり方がどのように変化しているのか、そしてこれからどうなっていくのかを深く考察します。
議論の主な問い
このセッションでは、主に以下の問いを軸に、アートとAIの関係性が多角的に議論される予定です。
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AIが普及する時代において、芸術における人間の領分とは何か?
- AIが様々なコンテンツを生成できるようになった今、人間だけが創造できる領域はどこにあるのか、あるいは変化するのか、という根源的な問いです。
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アートとAIに共通要素はあるのか?
- 一見すると異なる分野に見えますが、例えばパターン認識や構造の美しさといった点で、両者に共通する要素があるのかを探ります。
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美に関するデータを学習したAIは人間の審美眼を拡張し得るか?
- AIが膨大な芸術作品のデータを学習することで、人間が気づかなかった美のパターンを発見したり、新たな美意識を提示したりする可能性について議論します。
登壇者である豊柴氏の数学者としてのAI研究の視点や、AI創薬といった社会実装の経験、そして神楽岡氏が長年探求してきた人間の美意識に関する知見が組み合わされることで、AI時代におけるアートと人間の可能性について、非常に示唆に富んだ議論が展開されることでしょう。
登壇トークセッション概要
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開催日時: 2026年3月15日(日)14:00~14:50
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登壇セッション: セッション2「AIの目と審美眼 – AI時代、文化的価値を決めるのは誰なのか」
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会場: 東京ミッドタウン八重洲 イノベーションフィールド 4F 大会議室
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オフィシャルウェブサイト:
https://art-tunes.art/ja/ask-art-why
登壇者プロフィール
神楽岡 久美氏(現代アーティスト)

現代アーティストの神楽岡久美氏は、社会と身体の接点に注目し、新しい「身体像」の探求を続けています。
2016年から始まった彼女の代表作『美的身体のメタモルフォーゼ』では、「美を手に入れたい」という人類普遍の願いに焦点を当て、身体と美の関係を多角的に捉える制作活動を展開しています。彼女の作品は、綿密なリサーチとプロトタイピング(試作・検証)を通じて形作られており、ウェアラブルな立体作品や装置、その設計図となるドローイング、試作過程の記録、映像・写真表現、そしてリサーチで収集された資料やレポートを含む総合的なインスタレーションとして発表されます。
2022年から2023年には、公益財団法人吉野石膏美術振興財団の選定により、在外研修アーティストとしてニューヨークで活動しました。帰国後は、ニューヨークでのリサーチやアーカイブ資料を基にした展覧会を開催しています。近年では、美しさを含む社会的価値観や規範、コミュニティ、ルール、教育といったものを一つの「フィクション」として捉え、その構造や影響力を可視化する試みへと制作を展開しています。
豊柴 博義(株式会社FRONTEO 取締役/CSO)

株式会社FRONTEOの取締役/CSOである豊柴博義氏は、早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻で理学博士号を取得した数学者です。1999年から九州大学医学部附属病院で医療データの統計解析に携わり、2000年からはアメリカ国立環境健康科学研究所(NIEHS)で、データ解析による発がんプロセスの研究に参加しました。
2004年からは独立行政法人国立環境研究所で毒性データの統計解析や疫学研究のデザイン・データ解析に従事し、2006年に武田薬品工業に入社。バイオインフォマティクス(生物学と情報科学を融合した分野)の研究員として、グローバルデータサイエンス研究所の日本サイトバイオインフォマティクスヘッドやサイエンスフェローを歴任しました。この間、臨床試験データにおける遺伝子発現データ解析、ターゲット探索、免疫と癌におけるバイオマーカー(病気の指標となる物質)探索など、幅広い研究に貢献しています。
2017年にFRONTEOに入社してからは、ライフサイエンス(生命科学)の領域に特化したAIアルゴリズムの開発を主導しています。テキストを数値のデータ(ベクトル)に変換する独自技術を活かし、これまでに論文探索、創薬支援(新しい薬の開発支援)、認知症診断支援、転倒予測など、様々なAIソリューションを開発してきました。2021年に執行役員に就任し、2024年からは取締役に就任。CSOとして、FRONTEOのライフサイエンスAI事業のさらなる成長を目指しています。
FRONTEOと「KIBIT(キビット)」について:AIが社会課題を解決する
今回のトークセッションに豊柴氏が登壇する株式会社FRONTEOは、自社開発のAI「KIBIT(キビット)」を提供し、様々な社会課題の解決に取り組んでいる企業です。
「KIBIT」とは?
「KIBIT」は、FRONTEOが独自に開発したAIエンジンで、特に「自然言語処理」という技術に強みを持っています。自然言語処理とは、人間が普段使っている言葉(日本語や英語など)をコンピューターが理解し、処理する技術のことです。FRONTEOの技術は、日本、欧州、米国、韓国で特許を取得しています。
一般的なAI(汎用型AI)が大量のデータと高い計算能力を必要とするのに対し、「KIBIT」は、教師データ(AIに学習させるお手本のデータ)の量やコンピューティングパワーに過度に依存することなく、高速かつ非常に高い精度で情報を解析できるのが特徴です。これは、特定の分野の専門家の知識を少量のデータから効率的に学習できるため、より専門的で複雑な判断を支援するのに適しています。
さらに、「KIBIT」は解析した情報を「マップ化(構造を可視化)」する特許技術を持っています。これにより、AIが導き出した結果がどのような構造になっているのかを人間が視覚的に理解しやすくなり、専門家が直感的に洞察を得る手助けをします。近年では、この技術が創薬の仮説生成や、病気の原因となる標的の探索にも活用されています。
「KIBIT」が解決する社会課題
FRONTEOは、「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」という理念のもと、「KIBIT」の独自技術とアプローチを通じて、様々な分野でAIの社会実装を推進しています。

具体的な事業領域は以下の通りです。
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ライフサイエンスAI:
https://lifescience.fronteo.com/
創薬や医療分野での研究開発をAIで支援し、新しい治療法や診断法の発見を加速させます。 -
リスクマネジメント:
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ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野:
https://kibit.fronteo.com/
企業内の膨大なデータから不正やリスクの兆候を検知し、法令遵守を支援します。 -
経済安全保障分野:
https://osint.fronteo.com/
オープンソースの情報(OSINT)を分析し、経済的な安全保障に関わるリスクを評価します。 -
リーガルテックAI分野:
https://legal.fronteo.com/
訴訟や調査における証拠開示(eディスカバリ)プロセスをAIで効率化し、法的リスクを管理します。
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DX(デジタルトランスフォーメーション):
- ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野:
https://kibit.fronteo.com/
企業の業務プロセスをデジタル化し、AIを活用して効率化や新たな価値創造を支援します。
- ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野:
FRONTEOは2003年8月に創業し、2007年6月26日に東証マザーズ(現:東証グロース)に上場。日本、米国、韓国で事業を展開しており、多岐にわたる分野でAI技術の社会実装を進めている企業です。
アートとAIが織りなす未来への期待
今回の特別トークセッションは、AIが急速に進化する現代において、人間ならではの創造性や感性がどこに向かうのか、そしてAIがどのようにしてその可能性を広げるのかを深く考察する絶好の機会となるでしょう。
現代アーティストの神楽岡久美氏が探求する「身体と美」や「社会的価値のフィクション」という視点と、FRONTEOの豊柴博義氏が持つ数学的知見に基づくAI研究と社会実装の経験が交わることで、きっと、私たちがこれまで考えもしなかったような新たな洞察が生まれることでしょう。
AIは単なるツールではなく、人間の創造性や審美眼を拡張し、新たな芸術表現の可能性を開くパートナーとなり得るかもしれません。このトークセッションを通じて、アートとAIが織りなす未来の姿を想像し、私たち自身の美意識や創造性に対する新たな視点を発見してみてはいかがでしょうか。
「ART FAIR TOKYO 20」は、アートの多様性と未来に触れることができる貴重なイベントです。この機会に、ぜひ会場に足を運び、アートとAIの最先端の対話に耳を傾けてみてください。

