ティアフォーがCES 2026で発表!未来の自動運転「レベル4+」と「E2E AI」が拓くモビリティの新時代を徹底解説

はじめに:未来の移動体験を変える「自動運転」の最前線

私たちの生活をより便利に、そして安全にする技術として、自動運転は日々進化を続けています。特に、AI(人工知能)の進化は、車の運転のあり方を根本から変えようとしています。そんな自動運転の最前線で活躍する株式会社ティアフォーは、「自動運転の民主化」という大きなビジョンを掲げ、最先端の技術開発に取り組んでいます。

この度、ティアフォーは、米国ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大級の技術展示会「CES 2026」に6回目の出展を果たします。今回の展示では、同社が提唱する「自動運転レベル4+」の実現に不可欠な「エンドツーエンド(E2E)AI」を中心に、革新的な自動運転技術がデモンストレーションや車両展示を通じて紹介されます。AI初心者の方にも分かりやすい言葉で、これらの技術が私たちの未来にどのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。

CES 2026で注目!ティアフォーの革新的な自動運転技術とは?

CESは、毎年1月に開催される世界最大規模の家電・技術見本市で、世界中から最先端の技術が集まるイベントです。ティアフォーは、この国際的な舞台で、自動運転技術の未来を示す重要な発表を行います。

TIER IVがCES 2026に出展することを示す画像

今回の出展では、ティアフォーが自動運転レベル4+の実現に向けて開発を進めるE2E AI技術が中心となります。さらに、自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を推進するThe Autoware Foundation(AWF)のメンバーと協力し、各社の最先端技術を融合した自動運転技術も紹介される予定です。

自動運転レベル4+とは?安全で多様な環境に対応する新しい概念

自動運転技術には、その自律性の度合いによって「レベル0」から「レベル5」までの段階が設けられています。AI初心者の方のために簡単に説明すると、レベル0は運転手が全ての操作を行う状態、レベル5はどんな状況でもシステムが全ての運転操作を行う完全自動運転を指します。

ティアフォーが目指す「自動運転レベル4+」は、このレベル分類における革新的な概念です。

  • レベル4:特定の条件下(例えば、限定された地域や天候)において、システムが全ての運転操作を行い、万が一の際もシステムが対応する「特定条件下での完全自動運転」です。運転手が介入する必要はありません。

  • レベル4+:レベル4を基盤としつつ、さらに一歩進んだ概念です。人間の役割はレベル4に準拠(介入不要)しながら、システムの機能にはレベル5の「どんな状況でも対応できる」という考え方を一部取り入れています。これにより、まだ経験したことのないシナリオを含む「運行設計領域(Operational Design Domain:ODD)」をより柔軟に定義し、より多様な環境下での自動運転を可能にすることを目指しています。

このレベル4+の取り組みは、より安全で信頼性の高い自動運転の社会実装を目指し、2025年4月に開始されました。多様な環境での自動運転が可能になることで、私たちの移動の自由度は大きく広がるでしょう。

自動運転の頭脳「E2E AI」とは?ティアフォーの挑戦

自動運転レベル4+を実現するために不可欠な技術が「エンドツーエンド(E2E)AI」です。E2E AIとは、車のセンサーが捉えた情報(カメラの映像、レーダーの信号など)を直接AIに入力し、そのAIが車の加速、減速、ハンドル操作といった全ての運転操作を一貫して判断・実行する仕組みのことです。

これまでの自動運転システムは、センサー情報を「認知(何があるか)」、「判断(どう動くべきか)」、「制御(実際に動かす)」といった複数のモジュールに分けて処理するのが一般的でした。しかし、E2E AIでは、この一連の流れを一つの大きなAIモデルが担当することで、より人間らしい、滑らかで効率的な運転が可能になると期待されています。

ティアフォーは、2025年7月にE2E AIの開発に向けて、E2E自動運転に最適化した独自のアーキテクチャを設計し、「Autoware」のレポジトリで実装を公開しました。この技術はオープンソースとして提供されており、世界中の開発者が自由に利用し、改良することができます。これにより、E2E AIの進化が加速し、自動運転技術全体の発展に貢献することが期待されます。

また、ティアフォーはグローバルのパートナーとの協業を通じて、従来のモモジュール型のアプローチに加え、より一体型のE2E型アプローチなど、複数のAIベースの自動運転向けアーキテクチャの開発を推進しています。これらの最先端技術は、CES 2026の会場で実際に体験できるとのことです。

CES 2026での具体的な展示内容を徹底解説!

ティアフォーのブースでは、具体的なデモンストレーションを通じて、その革新的な技術を体感できます。開催概要は以下の通りです。

  • 開催期間:2026年1月6日(火)〜1月9日(金)

  • 開催地:米国ネバダ州ラスベガス

  • 会場:Las Vegas Convention Center(LVCC)West Hall

  • ブース番号:#6050

それでは、具体的な展示内容を見ていきましょう。

1. 車両展示:レベル4+向け自動運転システム開発車両

ティアフォーとRoboCarsが米国で共同で進める、E2E AIアーキテクチャを含むレベル4+向けの自動運転システムの開発・検証に使用している実際の車両が展示されます。この車両を見ることで、最先端の自動運転技術がどのように車に搭載されているかを具体的に知ることができます。

2. ティアフォーのE2E AIデモ:シミュレーターで体験する高度な運転

シミュレーター上で車両がE2E AIを用いて走行する技術が紹介されます。高度な「認知(周囲の状況を認識する)」、「判断(次にどう動くかを決める)」、「制御(実際に車を動かす)」といった一連の仕組みを、AI初心者の方でも直感的に体験できます。E2E AIがどのように複雑な交通状況に対応するのか、その賢さを目の当たりにできるでしょう。

3. SOAFEEを活用したソフトウェア定義型自動車(SDV)デモ:クラウド連携で進化する車

「SDV(ソフトウェア定義型自動車)」とは、ソフトウェアによってその機能や性能が定義され、アップデートによって進化し続ける車のことです。このデモでは、ティアフォーの「Pilot.Auto」と「Web.Auto」を利用したクラウドネイティブ開発が紹介されます。これは、アマゾン ウェブ サービスの自動車向けクラウド上に構築されたAstemoのIoV(Internet of Vehicle)プラットフォームで展開される共同展示です。

このプラットフォームは、シーメンスのPAVE360 Virtual Prototyping Platformでホストされ、Armの自動車向けZena CSSによって実現されています。さらに、ExcelForeのeSync OTAアップデートサービスを用いて、新しいソフトウェアを無線で車に展開する様子も紹介されます。これにより、車の機能が常に最新の状態に保たれる未来が示されます。

4. セーフティ・クリティカル対応Open AD Kitデモ:安全性を追求した自動運転

安全性が極めて重要となる車載システムにおいて、複数の異なる重要度を持つ処理を効率的に管理する「ミックスド・クリティカル・オーケストレーション」をサポートするSOAFEEの拡張機能を備えた最新の「Open AD Kit」が紹介されます。このデモは、ArmCorelliumExcelforeMulticorewareといったパートナーシップのもと、AWFが開発したフェイルセーフ・最小リスク操作(Minimum Risk Maneuver:MRM)自動運転ユースケースを用いて行われます。万が一の故障時にも、安全な状態を維持する技術の重要性が示されるでしょう。

5. AWFのE2E AIデモ:乗用車の自動運転を次のレベルへ

このデモでは、乗用車向けのE2Eによるレベル2+の先進運転支援システムをレベル4+へと進化させる「AutoSpeed」と「AutoSteer」のニューラルネットワークAIモデルが展示されます。これは、業界をリードする性能を備えたAMD Versal™ AIエッジシリーズGen 2のシステム・オン・チップコンピュートプラットフォーム上で動作するオープンソースパッケージを用いて実施されます。乗用車の運転支援技術が、どのように完全自動運転へと繋がっていくのか、その片鱗を垣間見ることができるはずです。

6. オフロード環境適用事例デモ:自動運転が活躍する新たな分野

ティアフォーの「Pilot.Auto」が、建設現場や畜産業といった、通常の道路ではない「オフロード環境」に適用された事例が、パートナーのdriveblocksとの協力事例を交えて紹介されます。自動運転技術は、都市部だけでなく、様々な産業分野での活用が期待されており、その可能性の広がりを示す貴重なデモンストレーションとなるでしょう。

自動運転の未来を形作る「Autoware」エコシステム

今回の展示で何度も登場する「Autoware」は、自動運転用オープンソースソフトウェアの名称です。オープンソースとは、ソフトウェアの設計図(ソースコード)が一般に公開されており、誰でも自由に利用、改変、再配布できる形式を指します。

The Autoware Foundationは、このAutowareの開発を推進する国際的な業界団体であり、100社を超える自動車メーカー、半導体メーカー、スタートアップ企業、研究機関などが加盟しています。ティアフォーは、このAutowareの開発を主導するディープテック企業です。

オープンソースであるAutowareの最大の利点は、世界中の開発者が協力して技術を磨き上げられる点にあります。これにより、開発スピードが加速し、より多くの企業や研究機関が自動運転技術に参入しやすくなります。まさに「自動運転の民主化」を実現するための重要な基盤と言えるでしょう。

ティアフォーは、自社製品としてAutowareを活用したソフトウェアプラットフォームを提供し、それらを基盤に市場ニーズに応じた自動運転における各種サービスを展開しています。Autowareが生み出すエコシステムを通じて、世界中のパートナーと連携しながら自動運転の可能性を広げ、より安全で持続可能な社会の実現を目指しているのです。

まとめ:ティアフォーが描く、より安全で持続可能なモビリティ社会へ

ティアフォーがCES 2026で展示する自動運転レベル4+とE2E AIは、未来のモビリティを大きく変える可能性を秘めています。AI初心者の方にとっては少し難しく感じられるかもしれませんが、センサー情報から車の動きまでをAIが一貫して判断するE2E AI、そして特定の条件下で人間が介入する必要のないレベル4+の自動運転は、私たちの移動体験をより安全に、そして快適にすることを目指しています。

オープンソースの「Autoware」を中心としたエコシステムは、世界中の知見を結集し、自動運転技術の進化を加速させています。これにより、自動運転車が私たちの日常生活に溶け込み、物流、公共交通、そして個人の移動のあり方を根本から変える日が、きっと、そう遠くない未来に訪れるでしょう。

ティアフォーは、これからも革新的な技術開発とオープンソースコミュニティの活性化を通じて、より安全で持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していくことが期待されます。CES 2026での彼らの発表は、その未来への確かな一歩となるでしょう。

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