株式会社miiboは、ノーコードで会話型AIを構築できるサービス「miibo」に、AIエージェントが自律的に繰り返し熟考する新機能「シンキングモード」を搭載したことを発表しました。この新機能により、AIがユーザーの複雑な問いに対し、まるで人間のように段階的に思考し、最適な答えを導き出すことが可能になります。AI初心者の方でも、シンキングモードがどのように業務を変革し、AIエージェントの可能性を広げるのか、詳しくご紹介します。

シンキングモードとは?従来のAIチャットボットとの決定的な違い
従来のAIチャットボットは、ユーザーからの質問に対して、すぐに一度の応答を返すのが一般的でした。これは、シンプルな質問には迅速に答えられる一方で、複数のステップが必要な複雑なタスクや、深い思考が求められる問いには限界がありました。
「シンキングモード」は、この課題を解決するために開発された機能です。AIエージェントがユーザーの依頼を受けると、すぐに回答するのではなく、まず「どのように問題を解決するか」を内部で自律的に判断し、段階的な思考プロセス(TODOリスト)を作成します。そして、そのリストに沿って一つずつ処理を進め、最終的に最適な回答を導き出すのです。
例えば、「来週の東京出張の準備を手伝って」という依頼があった場合、AIエージェントは以下のように思考を進めます。
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ステップ1: 出張の日程や目的地、用件などの基本情報を確認します。
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ステップ2: 交通手段(新幹線や飛行機)や宿泊施設の予約が必要かを検討し、リストアップします。
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ステップ3: 出張に必要な持ち物チェックリストを作成します。
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ステップ4: 現地の天気予報を確認し、適切な服装についてアドバイスします。
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完了: これらすべての情報を整理し、ユーザーにまとめて回答します。

このように、シンキングモードを搭載したAIエージェントは、まるで優秀なアシスタントのように、複雑な依頼に対しても計画的に、そして漏れなく対応できるようになります。
シンキングモードの主な特徴とメリット
シンキングモードには、AIエージェントの能力を飛躍的に向上させるいくつかの特徴があります。これらの特徴は、AIを業務に活用したい企業にとって大きなメリットをもたらします。
1. 計画的なタスク実行
AIエージェントは、ユーザーから複雑な依頼を受けると、まずそのタスクを達成するための「TODOリスト」を自律的に作成します。このリストに基づいて、一つ一つのステップを確実に処理していくため、どんなに複雑な依頼でも、対応漏れなく、計画的に実行することが可能です。これにより、人間がタスクを細分化して指示する手間が省け、AIに丸ごと任せられる範囲が広がります。
2. 深い思考による高品質な回答
従来のAIチャットボットが単純な一問一答形式であったのに対し、シンキングモードでは、AIが複数の観点から情報を検討し、熟考を重ねてから回答を生成します。これにより、より正確で、より包括的な、つまり「質の高い」回答が期待できます。特に、専門性の高い質問や、多くの情報源を統合する必要がある場合に、その真価を発揮します。
3. 透明性のある思考プロセス
AIがどのように考えて回答を導き出したのかは、管理画面のログ機能で確認できます。AIエージェントがどのような思考ステップを踏んだのかが可視化されるため、「なぜこの回答になったのか」というAIの判断プロセスを理解できます。これは、AIの動作を改善したり、信頼性を高めたりする上で非常に重要な要素となります。
4. ナレッジ・MCP・コネクターとの連携で、より深い回答と自律的なタスク実行を実現
シンキングモードは、miiboが提供する他の強力な機能「ナレッジデータストア(RAG)」、「MCP(Model Context Protocol)」、そして「コネクター機能」と組み合わせることで、その能力を最大限に引き出します。これらの連携により、AIエージェントはさらに高度なタスクを実行できるようになります。
A. 複数の情報源を横断した深い回答(ナレッジデータストアとの連携)
ナレッジデータストア(RAG)は、AIが外部の知識ベースを参照して回答を生成する機能です。従来のRAGでは、一度の検索で得られた情報のみを使って回答を生成することが一般的でした。しかし、シンキングモードと連携することで、AIエージェントは必要に応じて何度もナレッジを検索し、複数の情報源から得た知識を積み重ねながら、より深く、より正確な回答を構築できるようになります。
例えば、「新製品Aの競合比較レポートを作って」という依頼があった場合、AIエージェントは以下のように思考します。
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ステップ1: [ナレッジ検索] 新製品Aの仕様や特徴をナレッジデータストアから取得します。
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ステップ2: [ナレッジ検索] 競合製品B、C、Dの情報を同様に取得します。
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ステップ3: [ナレッジ検索] 過去に作成された比較資料のフォーマットを確認します。
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ステップ4: 収集した情報を比較表にまとめます。
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ステップ5: 自社製品の優位点を整理します。
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完了: これらの情報をもとに、網羅的な競合比較レポートを生成します。
B. 外部システムと連携した自律的なタスク実行(MCP・コネクターとの連携)
MCPとコネクター機能は、miiboのAIエージェントが外部のシステムやサービスと連携し、アクションを自動で実行するための機能です。シンキングモードとこれらの機能を組み合わせることで、情報の取得から処理、そして最終的なアクションの実行までを一連の流れで自動化することが可能になります。

例えば、「今月の売上を集計して、レポートをSlackで共有して」という依頼があった場合、AIエージェントは以下のように自律的にタスクを実行します。
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ステップ1: [コネクター] 販売管理システムに接続し、最新の売上データを取得します。
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ステップ2: 取得したデータを分析し、前月比や売上トレンドを算出します。
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ステップ3: [ナレッジ検索] 過去のレポートフォーマットを参照し、報告書を作成するための最適な形式を確認します。
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ステップ4: グラフや要約を含む分かりやすいレポートを作成します。
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ステップ5: [MCP] Slack APIを利用して、作成したレポートを指定されたチャンネルに自動で投稿します。
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完了: 「売上レポートを作成し、#sales チャンネルに共有しました」とユーザーに報告します。
このように、シンキングモードは、AIエージェントが単に情報を提供するだけでなく、複数のシステムを横断して具体的な業務を自律的に遂行する「AIエージェント」としての能力を大きく拡張します。
シンキングモードへの簡単な切り替え方法:ノーコードで誰でもAIエージェントを構築
シンキングモードの導入は非常に簡単で、専門的なプログラミング知識は一切不要です。miiboの管理画面から、わずか2ステップで設定を完了できます。

- 管理画面のサイドバーにある「モデル・プロンプト」を開き、「シンキングモード設定」内にある「Thinking Modeを利用する」にチェックを入れます。
- 「シンキングモードプロンプト」の項目に、AIエージェントに期待するツール使用やマルチステップ処理などの動作指示(プロンプト)を設定します。
これだけで設定は完了です。ノーコードで、誰でもすぐにシンキングモードを活用した高度なAIエージェントの構築を始めることができます。これにより、AI開発のハードルが大幅に下がり、より多くの企業や個人がAIの恩恵を受けられるようになるでしょう。
シンキングモードの具体的な活用シーン
シンキングモードは、様々なビジネスシーンでその威力を発揮します。以下に、具体的な活用例をいくつかご紹介します。
1. 複雑な調査依頼の自動生成
例:市場調査・競合分析レポートの自動生成
「国内SaaS市場における競合他社の価格戦略をまとめて」といった複雑な調査依頼に対し、AIエージェントがナレッジデータストアから競合情報、過去の調査レポート、業界トレンドデータなどを複数回にわたって検索・統合します。従来のRAGでは一度の検索結果のみで回答を生成していましたが、シンキングモードでは情報を積み重ねながら、一度の指示で網羅的かつ精度の高い分析レポートを自動生成します。
2. 多段階の業務プロセスの自動化
例:採用業務・社内申請フローの自動化
「応募者Aさんの書類選考を進めて、結果をSlackに送って」のような多段階の指示でも、AIエージェントが自律的に計画・実行します。具体的には、①応募者情報の確認、②選考基準との照合、③合否判断の補助、④結果文面の生成、⑤Slack送信といった一連のステップを自動で進めます。これにより、担当者がステップごとに指示を出す手間がなくなり、複雑な業務フローをAIにまるごと任せることが可能になります。
3. 専門的な相談窓口の提供
例:法務・経理などの社内専門相談窓口
「この契約書の条項は自社の規定と問題ないか確認して」といった専門性の高い質問に対し、AIエージェントが社内規定、過去の契約事例、関連法令情報などを複数のナレッジから横断的に参照し、一般論にとどまらない具体的なアドバイスを即時に提供します。これにより、担当部署への問い合わせ工数を削減しつつ、根拠のある回答を効率的に得ることができます。
4. 複数システム連携タスクの一気通貫な自動化
例:営業報告の集計からSlack共有までを一気通貫で自動化
「今月のリード獲得数をCRMから集計して、前月比と合わせて営業チャンネルに報告して」という指示に対し、AIエージェントが①CRMシステムからのデータ取得(コネクター)、②集計・前月比算出、③過去レポートフォーマットの参照(ナレッジ検索)、④レポート生成、⑤Slackへの投稿(MCP)といった一連のプロセスを自動で処理します。複数システムをまたがる定型業務も、単一の指示で完結させることができ、大幅な業務効率化に貢献します。
まとめ:AIエージェントの可能性を広げるシンキングモード
miiboの「シンキングモード」は、AIエージェントが持つ「考える力」を、より自律的かつ繰り返し発揮させるための画期的な機能です。この機能により、AIは単なるチャットボットの枠を超え、企業の強力なビジネスパートナーとして、以下のような価値を提供します。
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複雑なタスクを自律的に計画し、確実に実行します。
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ナレッジデータストアを複数回検索し、深く、より正確な回答を生成します。
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MCPやコネクターと連携し、外部システムを操作する自律的なタスク実行を可能にします。
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AIの思考プロセスが可視化されるため、その判断の透明性が高まります。
AIエージェントが自律的に考え、判断しながら最適な答えへと導く「シンキングモード」は、miiboを活用する企業や個人のAI活用の可能性をさらに広げ、業務の質と効率を新たなレベルへと引き上げるでしょう。
株式会社miiboについて

株式会社miiboは、「AI技術で人々の生活を豊かに」をミッションに掲げ、会話型AI構築プラットフォーム「miibo」の開発・提供を通じて、AI技術を活用した社会課題の解決に取り組んでいます。詳細については、以下の企業サイトをご覧ください。
ノーコード会話型AI構築サービス「miibo」について

株式会社miiboが提供するノーコード会話型AI構築サービス「miibo」は、誰でも簡単に、そして実用的な会話型AIを構築できるプラットフォームです。難しいスキルやプログラミング言語は不要で、既存のデータベースと大規模言語モデル(LLM)を活用し、AI搭載アプリケーションをすぐに作成できます。
miiboの主な特徴は以下の通りです。
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誰でもカンタンAIアプリケーション制作: 専門知識がなくても、直感的な操作でAIチャットボットやエージェントを構築できます。
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つくって・ためす超アジャイル開発: 素早い実装、実証実験、効果検証、そしてブラッシュアップという開発のPDCAサイクルを高速で回すことが可能です。これにより、顧客へのスピーディーな提案や改善を実現します。
miiboを活用して生み出される会話型AIは、様々な用途に活用されており、上場企業や行政、地方自治体など、幅広い分野での導入が進んでいます。

