ビジネスの複雑な意思決定をAIで支援!数理最適化AIアシスタント「JijZept AI」β版が招待制で公開

数理最適化AIアシスタント「JijZept AI」β版が招待制で公開

JijZept AIのウェブサイト

株式会社Jijは、数理最適化の活用を支援するAIアシスタントサービス「JijZept AI(ジェイアイジェイゼプトエーアイ)」のβ版を、2025年12月25日より招待制で提供開始しました。このサービスは、ビジネス現場での複雑な計画や配分の意思決定を、AIの力で支援するブラウザベースのツールです。

これまで一部のパートナー企業やユーザーのみに提供されてきたクローズドβ版を経て、今回、招待制β版として公開されることで、より多くのエンジニア、データサイエンティスト、DX推進担当者、研究者が、ブラウザから手軽に数理最適化AIを利用できるようになりました。

数理最適化とは?なぜビジネスに必要なのか?

AI初心者の方にとって、「数理最適化」という言葉は聞き慣れないかもしれません。数理最適化とは、簡単に言えば「限られた資源の中で、最も良い結果を出すための方法を見つける数学的な手法」のことです。

例えば、ある工場で複数の製品を製造しているとします。製品ごとに必要な材料や生産にかかる時間、得られる利益は異なります。工場には限られた生産ラインや労働力、材料しかありません。この状況で、「どうすれば最も多くの利益を得られるか」「どうすれば最も効率的に生産できるか」といった問いに答えるのが数理最適化です。

具体的なビジネスシーンでは、以下のような課題解決に役立ちます。

  • サプライチェーンの最適化: どの工場で、どの製品を、どれだけ生産し、どのルートで配送すれば、コストを最小限に抑えつつ顧客の需要を満たせるか。

  • 生産計画の最適化: 限られた設備や人員で、納期に間に合うように最も効率的な生産スケジュールを組むにはどうすれば良いか。

  • 人員配置・シフト作成: 従業員のスキルや希望、労働時間規制などを考慮しながら、最適な人員配置やシフトを組むにはどうすれば良いか。

  • 物流・配送ルートの最適化: 複数の配送先を効率よく回る最短ルートを見つけ、燃料費や時間を節約するにはどうすれば良いか。

  • 在庫管理の最適化: 需要予測に基づき、過剰在庫を防ぎつつ品切れを起こさない最適な在庫量を維持するにはどうすれば良いか。

これらの課題は、人間の手作業や経験だけでは非常に複雑で時間がかかり、最適な答えを見つけるのは困難です。数理最適化を活用することで、膨大なデータと複雑な条件を数学的にモデル化し、コンピューターの力で最適な解決策を導き出すことが可能になります。

これまで多くの企業が、サプライチェーン、エネルギー、製造、金融といった分野で数理最適化の導入を検討してきましたが、その導入には専門的な知識や技術が必要となるため、ハードルが高いと感じる企業も少なくありませんでした。

JijZept AIが解決する「専門家だけのもの」という課題

数理最適化は非常に強力なツールである一方で、「モデル設計や手法選定のハードルが高い」「専門知識を持つ人材が社内に少なく、プロジェクトを前に進めづらい」といった課題が多くの企業で指摘されていました。

株式会社Jijは、こうした課題を解決し、最適化AIの開発・活用プロセス全体を支援するために、生成AIを活用したアシスタント「JijZept AI」を開発しました。JijZept AIは、数理最適化に関するJijの豊富な知見とエンジニアリング資産を基盤としており、現場担当者やエンジニアが数理最適化をより手軽に、そして効果的に活用できるようサポートすることを目指しています。

このサービスは、数理最適化プロジェクトの立ち上げから、数理モデルの実装、そしてその運用・改善に至るまでの一連のプロセスを、対話型インターフェースで包括的に支援します。これにより、これまで専門家でなければ難しかった数理最適化が、より多くのビジネスパーソンにとって身近なものとなるでしょう。

JijZept AIの主な機能

JijZept AIは、数理最適化の活用に関わる開発・運用を支援する多岐にわたる機能を提供します。プレビュー版時点での主な機能は以下の通りです。

AIチャットによる技術サポート

数理最適化の基礎知識から、Jijが提供するプロダクト(JijZept、JijModelingなど)に関する具体的な質問まで、AIチャットを通じて回答が得られます。例えば、

  • 「数理最適化って何ですか?」といった基本的な疑問

  • 「シフト計画を立てる際の考え方は?」といった業務課題に関する相談

  • 「特定の制約条件を数理モデルにどう組み込めばいいですか?」といった技術的な質問

など、幅広い疑問にAIが対話形式でサポートします。これにより、数理最適化の学習コストを下げ、プロジェクトの初期段階でのつまずきを減らすことが期待できます。

モデリング・実装支援

数理最適化の肝となるのが、現実のビジネス課題を数学的なモデルに落とし込む「モデリング」です。JijZept AIは、このモデリングと実装を強力に支援します。

  • 定式化の提案: シフト計画、生産計画、在庫・配送計画といった代表的な業務課題に対して、数理モデルの定式化例を提案します。

  • 複雑な条件の定式化支援: 「特定の条件が揃った場合にのみ適用されるルール」や「複数の要素が絡み合う複雑な制約」など、込み入った条件を数理モデルに正確に落とし込むための支援を提供します。

  • JijModelingを用いた実装例: Jijが提供する数理モデリングライブラリ「JijModeling」を用いたPythonコードの実装例を生成し、ユーザーがすぐに開発に取りかかれるようにサポートします。

主な機能(プレビュー版時点)

(実験的機能)結果可視化・Pythonサンドボックス連携

AIが生成したPythonコードを、安全なサンドボックス環境で実行し、その結果をグラフやガントチャートなどで自動的に可視化する機能の実装も進められています。

この機能は、最適化の結果がどのようにビジネスに影響するかを直感的に理解するために非常に重要です。例えば、生産計画の最適化結果として、各ラインでの生産量やスケジュールが視覚的に表示されることで、計画の妥当性や改善点が一目でわかるようになります。

β版では一部の早期アクセスユーザーを対象に段階的な試験提供が予定されており、今後の進化が期待されます。

JijZept AIの裏側:独自のナレッジベース

JijZept AIが実務に即した分かりやすいサポートを提供できるのは、そのバックエンドで活用されている独自のナレッジベースに理由があります。このナレッジベースは、JijModelingの利用事例や導入・開発に関する資料など、数理最適化に関するJijの豊富な知見をもとに整備されています。

さらに、このナレッジは「埋め込み技術」というAI技術によって意味ベースで整理されており、ユーザーの質問意図に沿う情報を自動的に抽出し、参照します。これにより、単なるキーワード検索では得られない、文脈に合った的確な回答や提案が可能になっています。

招待制β版の詳細と今後の展開

JijZept AI β版は、サービスの品質向上と安定運用の観点から、当面は完全な一般公開ではなく、招待制で提供されます。

招待コードは、Jijと共同研究・共同プロジェクトを実施している企業・研究機関、JijZeptユーザー、イベント・セミナー参加者、そして事前登録フォームから申し込んだ方を対象に、順次案内されます。興味のある方は、ぜひ事前登録フォームをご利用ください。

JijZept AIのウェブサイト

株式会社Jijは、JijZept AIを、最適化AI開発プラットフォーム「JijZept」全体を構成する中核コンポーネントの一つとして位置づけています。今後は、以下のような機能拡張やサービス連携が順次予定されています。

  • IDEやエディタ(Visual Studio Code等)との連携による、開発環境内での対話型サポート機能

  • 他AI AgentからJijZept AIの機能を呼び出すためのRemote MCP

  • チーム・組織単位でのプロジェクト共有を見据えたWorkspace機能の強化

  • 最適化プロジェクトのライフサイクル全体(要件定義〜実装〜運用)を一貫して支援するワークフロー機能

正式版リリース時には、機能ラインナップや料金体系などの詳細が改めて発表される予定です。

サービス概要

  • サービス名: JijZept AI(ジェイアイジェイゼプトエーアイ)

  • 提供形態: クラウド型AIアシスタントサービス(ウェブアプリケーション)

  • 提供開始日: 2025年12月25日(β版、招待制)

  • 提供対象: 数理最適化の活用や業務の高度化に取り組むエンジニア、研究者、データサイエンティスト、アナリスト、計画・スケジューリング・在庫管理などの業務改善を検討する事業会社のご担当者など

  • アクセス方法: 招待コードを持つ方に、専用URLおよび登録方法を個別に案内

株式会社Jijのコーポレートサイトはこちらです。
https://www.j-ij.com/ja

本件に関するお問い合わせは、以下のフォームから行えます。
https://www.j-ij.com/ja/contact

まとめ

数理最適化は、ビジネスにおける複雑な意思決定を効率化し、競争力を高める上で不可欠な技術です。しかし、その専門性の高さから導入に踏み切れない企業も少なくありませんでした。「JijZept AI」は、生成AIの力を活用することで、このギャップを埋め、より多くの人が数理最適化の恩恵を受けられるようにすることを目指しています。

AIアシスタントが、数理最適化のモデル設計から実装、運用、改善までを一貫してサポートすることで、DX推進や業務効率化が加速し、企業はより迅速かつ的確な意思決定を行えるようになるでしょう。今後の機能拡張や正式版のリリースを通じて、JijZept AIがビジネスの未来を大きく変える可能性を秘めていると言えるでしょう。

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