診断精度と効率を両立!フィリップス「Verida」が拓くAI搭載マルチエナジースペクトラルCTの新時代

医療現場の未来を拓く、フィリップス「Verida」:世界初のAI搭載CTがもたらす革新

現代の医療現場は、少子高齢化による医療需要の増加や、医療従事者の長時間労働、慢性的な人材不足といった深刻な課題に直面しています。特に、病気の診断に重要な役割を果たす放射線診療の分野では、日々増え続ける検査件数と、より高度で精密な診断のニーズに応えながら、限られた人員で安全かつ質の高い医療を提供することが求められています。しかし、検査対応や画像処理、診断準備にかかる業務負担は大きく、医療従事者の働き方改革を進める上での大きな壁となっています。

このような状況の中、株式会社フィリップス・ジャパンは、これらの課題を解決し、医療現場に新たな可能性をもたらす画期的な新製品「Verida(ヴェリーダ)」を2026年4月17日(金)より販売開始します。Veridaは、世界で初めて※1AI(人工知能)を搭載したマルチエナジースペクトラルCTであり、CT検査の常識を大きく変える可能性を秘めています。

Veridaとは?AIがCT検査を変える、その仕組みを徹底解説

CT検査の基礎知識

「CT」とは、「Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)」の略で、X線を使って体の断面画像を撮影する検査装置です。X線を体の周りから照射し、その透過率の違いをコンピュータで解析することで、骨や臓器、血管などの詳細な情報を立体的に捉えることができます。病気の早期発見や正確な診断に不可欠な医療機器です。

スペクトラルCTとは?従来のCTとの違い

従来のCTは、X線のエネルギーを一つのレベルで捉えて画像を生成していました。しかし、スペクトラルCTは、複数の異なるX線エネルギーレベルで情報を取得します。これにより、同じ組織でもX線吸収特性の違いをより詳細に分析できるようになり、例えば、病変の種類や成分(水、脂肪、カルシウム、造影剤など)をより正確に識別することが可能になります。

具体的には、通常のCT画像では区別が難しかった病変と周辺組織のコントラストを高めたり、特定の物質だけを抜き出した画像を生成したりすることができます。これにより、診断の精度が格段に向上し、より確実な治療方針の決定に貢献します。

マルチエナジーとAIの融合がもたらす革新

Veridaは、このスペクトラルCTの技術に、さらに「AI」を統合したことで、これまでにない革新を実現しました。Veridaは「マルチエナジー」という複数のX線エネルギーを利用する技術を「ディテクターベース」という方式で実現しています。これは、X線を検出するセンサー(ディテクター)自体が、X線のエネルギーレベルを識別して情報を取得する仕組みです。この方式により、従来のCT検査と同じ手順で、一度の撮影から高精細な通常画像と、病変の詳しい情報が得られるスペクトラル情報を同時に取得できるようになりました。

そして、Veridaの最大の特長は、この画像取得のプロセス(イメージングチェーン)全体にAIが組み込まれている点です。AIは、X線撮影から画像が作られるまでの各工程で、画像の質を向上させるための重要な役割を担います。例えば、画像に発生する不要なノイズを低減したり、より鮮明で安定した画質を実現したりすることで、診断に役立つ情報を最大限に引き出すことができるのです。これにより、医師はより正確な診断を下し、患者さんにとって最適な治療を選択できるようになります。

フィリップスのCTスキャナー「Verida」

Veridaの主な製品特長を深掘り:医療現場にもたらす具体的なメリット

Veridaが医療現場にもたらすメリットは多岐にわたります。ここでは、その主要な特長をさらに詳しく見ていきましょう。

1. 世界初AI搭載ディテクターベース・マルチエナジースペクトラルCTの革新性

Veridaは、フィリップスが長年培ってきたディテクターベース・スペクトラルCT技術に、最先端のAI技術を融合させた画期的なCTシステムです。このAIは、撮影されたX線の検出、そして最終的な画像再構成に至るまで、CT画像を取得する一連のプロセス全てに活用されています。AIがこれらの工程を最適化することで、システムから発生するノイズ(画像のざらつきなど)を効果的に低減し、非常に高精細で安定した画質を実現します。

従来のCT検査では、特定の病変を詳しく調べたい場合、追加の撮影や特別な設定が必要になることがありました。しかし、Veridaでは、通常のCT検査と同じワークフローで、一度の撮影から高品質な通常画像と、病変の物質特性を詳細に分析できる豊富なスペクトラル情報を同時に得ることが可能です。これにより、再撮影の必要性が減り、診断に必要な情報をより迅速かつ確実に提供できるようになります。結果として、診断の信頼性が飛躍的に向上し、医師は自信を持って診断を下すことができるでしょう。

医師がCTスキャン画像を分析している様子

2. 高速画像再構成による検査スループット向上と業務効率化

CT検査で撮影されたX線データは、そのままでは画像として見ることができません。コンピュータで複雑な計算を行い、断面画像に変換するプロセスを「画像再構成」と呼びます。この再構成にかかる時間は、検査の効率に直結します。

Veridaは、最大で毎秒145枚※3という驚異的な速度で画像を再構成することが可能です。これにより、検査が終了してからわずか30秒以内※3に、検査全体の画像が自動的に表示されます。この高速処理は、医療現場にとって非常に大きなメリットをもたらします。

  • 検査後の待機時間の大幅な短縮: 撮影を終えた患者さんは、すぐに次のステップに進むことができ、待ち時間が短縮されます。

  • 読影準備時間の削減: 医師や放射線技師は、すぐに高精細な画像を確認し、診断準備に取り掛かることができます。

  • 検査スループットの向上: 1日に対応できる検査件数が増加し、より多くの患者さんに医療サービスを提供できるようになります。

人材不足が深刻化する医療現場において、Veridaは限られたスタッフでも効率的な検査運用を実現し、1日あたりの検査対応数を増やすことに貢献します。これにより、医療従事者の業務負担が軽減されるだけでなく、患者さんの待ち時間短縮にもつながり、医療サービス全体の質向上が期待されます。

3. 被ばく低減と持続可能な医療体制の構築を支援

CT検査は診断に非常に有用ですが、X線を使用するため、患者さんの被ばく線量をできるだけ低く抑えることが重要です。Veridaは、この点においても先進的な技術を搭載しています。

Veridaは、「マルチパスAI独自方式」※4を採用した画像再構成技術により、診断に必要な画質を維持しながら、被ばく線量の低減が期待される設計となっています。AIが効率的に診断情報を引き出すことで、不必要な再撮影の抑制にもつながり、患者さんにとってより安全で安心な検査環境の提供に貢献します。

さらに、システムの効率化は、エネルギー消費の削減にもつながります。これは、医療機関の環境負荷低減に寄与するだけでなく、運用コストの最適化にも貢献します。Veridaは、高度な診断性能と業務効率化を両立させることで、医療従事者、患者さん、そして医療機関のすべてに配慮した、持続可能な医療提供体制の構築を支援する、まさに次世代のCTシステムと言えるでしょう。

フィリップス・ジャパンについて

株式会社フィリップス・ジャパンは、ロイヤル フィリップスの日本法人として1953年に創業しました。ヘルスケアテクノロジーのリーディングカンパニーとして、人々のより良い健康と満ち足りた生活の実現を目指し、医療機器の開発・提供を行っています。画像診断、超音波診断、イメージガイド下治療、生体情報モニタ、ヘルスインフォマティクス、睡眠・呼吸治療、医療機器のほか、電動シェーバーや電動歯ブラシなどのパーソナルヘルス製品も手掛けています。超高齢化が進む日本の医療・健康課題の解決に貢献し、人々のより良い健康と生活の向上を目指しています。

詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。

ロイヤル フィリップスについて

ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、革新的な技術を通じて、人々のより良い健康と満ち足りた生活の実現を目指す、ヘルステクノロジーのリーディングカンパニーです。フィリップスの革新的な技術は、常に人々を中心に設計されており、先進的な技術と医療従事者および消費者のインサイトを活用し、パーソナルヘルスソリューションから、病院や家庭でのプロフェッショナルヘルスソリューションまで幅広く提供しています。

オランダに本社を置き、画像診断、超音波診断、イメージガイド下治療、生体情報モニタ、ヘルスインフォマティクス、およびパーソナルヘルスの分野で世界をリードしています。フィリップスに関するニュースは以下から確認できます。

まとめ:Veridaが拓く医療の新しい未来

フィリップスが発売するAI搭載マルチエナジースペクトラルCT「Verida」は、単なる新しい医療機器ではありません。少子高齢化や医療従事者不足といった日本の医療現場が抱える喫緊の課題に対し、AIと先進技術を融合させることで、診断の質、検査の効率、そして患者さんの安全という多角的な側面から貢献する、まさに未来志向のソリューションです。

Veridaの導入は、放射線科における検査スループットの向上、医療従事者の業務負担軽減、患者さんの待ち時間短縮、さらには環境負荷の低減まで、医療現場全体の生産性向上と持続可能な医療提供体制の構築を強力に後押しすることでしょう。この革新的なCTシステムが、日本の医療現場に明るい未来をもたらすことが期待されます。

※1:フィリップス調べ。ディテクターベース・スペクトラルCTにおいて、撮影から再構成までの工程にAIを統合したCTシステムとして。
※2:本AI技術は、自動的に装置の性能・精度が変化するものではありません。
※3:社内で取得したファントムデータ。
※4:畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の学習により設計された再構成アルゴリズム。

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