現代の企業活動において、ITはもはや不可欠な存在です。そのIT環境を支える「情報システム部門(情シス)」は、企業の円滑な運営に欠かせない重要な役割を担っています。しかし、多くの情シス部門が人手不足、ノウハウの属人化、そして複雑化するIT環境への対応といった、さまざまな課題に直面しています。日々増え続ける問い合わせ対応やIT資産の管理に追われ、本来注力すべき企業の成長戦略やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進になかなか時間を割けない、という声も少なくありません。
このような状況の中、PSソリューションズ株式会社は、情報システム部門の運用負荷をAIと専門家の力で軽減する新しいマネージドサービス「with セキュア運用」の提供を2026年2月26日に開始しました。このサービスは、情シス部門が抱える長年の課題を解決し、より戦略的な業務に集中できる環境を整えることを目指しています。
「with セキュア運用」とは?AIと専門家が支える新しい運用支援
「with セキュア運用」は、情報システム部門の業務、特に「ヘルプデスク」と「IT資産管理」に特化した運用支援サービスです。ただ単に外部に業務を委託するだけでなく、AI(人工知能)と運用に精通した専門チームが連携する「ハイブリッド体制」で、高品質かつ継続的な運用改善を支援します。
このサービスは、ソフトバンク株式会社のグループ企業に求められる厳しいセキュリティ基準をはじめ、国際的な情報セキュリティマネジメントシステムであるISMSや、米国国立標準技術研究所が定めるNISTなどの考え方に基づいた「標準プロセス」を基盤としています。これにより、どの担当者が業務を行っても一定の品質が保たれ、業務の属人化を防ぎながら、セキュリティレベルの高い運用を定着させることが可能になります。
情報システム部門の業務は多岐にわたりますが、「with セキュア運用」では、業務プロセスをパッケージとして提供します。問い合わせの受け付けから、対応状況の可視化、実際の対応、そして将来の問い合わせに役立つ「ナレッジ化(知識の蓄積)」まで、一連の流れを体系的に設計することで、効率的で安心できる運用を実現します。
「with セキュア運用」が解決する3つの課題
「with セキュア運用」は、情報システム部門が直面する主要な課題に対して、具体的な解決策を提供します。
1. 「守り」から「攻め」へのシフト
情シス部門は、日々の問い合わせ対応やIT資産管理といった「守りの業務」に多くの時間を費やしがちです。これにより、企業の成長に直結するDX推進やIT戦略の立案といった「攻めの業務」に十分なリソースを割けないというジレンマを抱えています。「with セキュア運用」は、これらの煩雑な定型業務の運用負荷を軽減することで、情シス部門がより付加価値の高い、戦略的な業務に集中できるよう支援します。これにより、情シス部門は企業の競争力強化に直接貢献できるようになるでしょう。
2. 属人化による不安の解消
「あの業務は、あの人しか分からない」といった属人化は、情シス部門にとって大きなリスクです。担当者の異動や退職が発生した場合、業務が滞ったり、品質が低下したりする恐れがあります。「with セキュア運用」では、運用を標準化し、業務で得られた知見を「ナレッジ」として蓄積・共有する仕組みを構築します。これにより、特定の個人に依存しない運用体制が確立され、担当者が変わっても安定した品質で業務が継続できるようになります。
3. セキュリティーが守られる仕組み
現代において、セキュリティ対策は企業経営の最重要課題の一つです。しかし、自社で一からセキュリティルールを策定し、それを運用に落とし込むのは非常に大きな負担です。「with セキュア運用」は、ソフトバンクグループの基準やISMS、NISTといった国際的なセキュリティフレームワークに沿って標準化された運用ルールと手順を提供します。これにより、企業は自社での負担を抑えつつ、一定の高いセキュリティ水準を満たした運用を確実に定着させることが可能になります。

「with セキュア運用」の5つの特長:AIが情シス運用を継続的に強化
このサービスがどのようにして情シス部門の課題を解決し、運用品質を高めていくのか、その具体的な特長を5つご紹介します。
1. セキュリティー基準に沿った標準プロセスで、セキュア運用の定着を支援
「with セキュア運用」の最大の強みの一つは、その運用プロセスが非常に高いセキュリティ基準に基づいて設計されている点です。ソフトバンクグループに求められる厳格なセキュリティ基準に加え、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やNIST(米国国立標準技術研究所)といった国際的な枠組みや観点を取り入れています。これにより、運用ルール、手順、記録・証跡の残し方までが標準化され、特定の個人に依存しない、均一で高いセキュリティ水準の運用が実現します。業務の透明性が高まり、継続的な改善を支援する基盤となります。
2. 個社ごとに学習されるヘルプデスク回答
ヘルプデスク業務では、企業ごとに異なる社内マニュアルやFAQ(よくある質問)、過去の問い合わせ履歴が重要な情報源となります。「with セキュア運用」では、これらの各社固有のナレッジをAIが学習し、個別の状況に合わせた最適な回答を提示します。運用を続ける中でAIが新たなナレッジを蓄積・更新していくため、利用傾向に応じて回答精度が継続的に向上し、従業員の自己解決率を高めることにもつながるでしょう。これにより、情シス担当者の負担を大幅に軽減できるでしょう。
3. AIエージェントとプロフェッショナルによる品質向上
AIは多くの定型的な問い合わせに迅速に対応できますが、複雑な問題や緊急性の高いトラブルには人間の判断と専門知識が不可欠です。「with セキュア運用」では、AIによる一次対応で解決できない問い合わせに対しては、運用に精通したプロフェッショナルチームが調査・対応を行います。さらに、このプロフェッショナルの対応内容はAIエージェントの学習データとしてフィードバックされ、AIの回答品質や対応能力が継続的に向上します。AIと人間の専門家が連携するこのハイブリッド運用モデルにより、運用の安定化と属人化の抑制を同時に実現し、どんな問い合わせにも対応できる柔軟性を確保します。
4. BPaaS型で、運用プロセスの定着まで支援
BPaaS(Business Process as a Service)とは、単にツールを提供するだけでなく、業務プロセスそのものをサービスとして提供するモデルです。「with セキュア運用」はまさにこのBPaaS型で、セキュリティ基準に沿って標準化された運用プロセスをパッケージとして提供します。具体的には、ヘルプデスク業務における「受け付け・可視化・対応・ナレッジ化」から、IT資産管理における「台帳整備・棚卸し・是正・最適化」まで、一連の業務を包括的に支援します。これにより、企業は業務の型化(標準化)をスムーズに進め、運用品質の改善サイクルを定着させることが可能になります。
5. 定額で、運用全体をまとめて任せやすい
多くの企業にとって、IT運用のコストは大きな課題です。しかし、「with セキュア運用」は、電話窓口やAIチャットボットを含むヘルプデスク業務に加え、アカウント管理、各種ログ運用、棚卸しといったIT資産管理領域の運用も、定額料金でまとめて支援します。これにより、コストの予測がしやすくなり、予算管理が容易になるだけでなく、情シス部門は複数のベンダーと契約する手間を省き、運用全体を一元的に任せることができます。
具体的な支援内容:ヘルプデスクとIT資産管理
「with セキュア運用」は、情シス業務の中でも特に負荷が高い「ヘルプデスク」と「IT資産管理」の2つの領域において、具体的な支援を提供します。これらの業務は、セキュリティ基準に沿った標準プロセスに基づき、BPaaS型で提供されます。

1. ヘルプデスク領域
従業員からの問い合わせ対応は、情シス部門の日常業務の大部分を占めます。
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問い合わせ窓口の整備: 電話窓口やAIチャットボットなど、多様な問い合わせチャネルを整備し、従業員がスムーズにサポートを受けられる環境を構築します。
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受け付け・1次切り分け、対応状況の可視化: 問い合わせを受け付け、内容に応じて適切に分類(1次切り分け)し、チケットシステムで対応状況を可視化・管理します。
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対応・調査・エスカレーション: AIで解決できない複雑なトラブルや、専門的な調査が必要な案件については、専門チームが対応し、必要に応じて上位部署へエスカレーションを行います。
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アラート運用、インシデント運用: セキュリティアラートやシステム障害(インシデント)を検知し、迅速に対応するとともに、その記録を適切に残します。
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完了処理とナレッジ化: 問い合わせが解決した後、その内容をFAQや手順書として整備・更新し、将来の同様の問い合わせに役立つナレッジとして蓄積します。再発防止にもつながります。
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問い合わせ分析と改善提案: 問い合わせの傾向を定期的に分析し、運用ルールの見直しやシステム改善など、継続的なサービス品質向上のための提案を行います。
2. IT資産管理領域
企業が保有するIT機器やソフトウェア、アカウントなどの管理は、セキュリティとコスト効率の両面で非常に重要です。
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IT資産の台帳整備・台帳管理: デバイス(PC、スマートフォンなど)、アカウント(各種システムログイン情報)、SaaS(クラウドサービス)などを対象に、正確な台帳を作成し、一元的に管理します。
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アカウント管理、アプリケーション管理: 従業員の入社・退職に伴うアカウントの登録・変更・削除や、アプリケーションの利用状況管理など、日々の運用を支援します。
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認証ログ運用、SaaSログ運用、デバイスログ運用: 認証履歴、SaaSの利用ログ、デバイスの操作ログなどを定期的に取得・確認し、セキュリティリスクの早期発見や不正利用の防止に役立てます。
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パッチ・脆弱性運用: システムやソフトウェアのセキュリティパッチ適用状況を把握し、脆弱性への対応状況を管理・記録します。
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棚卸し運用: 定期的なIT資産の棚卸しを実施し、台帳との差異を確認。必要に応じて是正対応を管理します。
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IT資産の可視化と最適化: IT資産の利用状況を可視化し、無駄なコストの削減や、セキュリティ統制強化に向けた改善提案を行います。
なぜ今「with セキュア運用」が必要なのか:情報システム部門の現状とニーズ
現代の企業を取り巻く環境は、テクノロジーの進化とともに急速に変化しています。この変化が、情報システム部門に新たな課題をもたらしています。
複雑化するIT環境と運用業務の拡大
近年、SaaS(Software as a Service)の利用拡大や、従業員が様々なデバイスを利用するようになったことで、企業のIT環境はかつてないほど複雑化しています。これに伴い、情シス部門に求められる運用業務も大きく拡大しています。問い合わせ対応、アカウントや端末の管理、各種ログの確認、そして日々発生する新たな脆弱性への対応など、業務の範囲は広がる一方です。
人手不足、ノウハウ不足、属人化の課題
多くの企業で、情報システム部門は慢性的な人手不足に悩まされています。専門知識を持つ人材の確保が困難な上、限られた人員の中で多様な業務をこなすため、特定の個人に業務知識が集中する「属人化」が進みがちです。これにより、担当者が不在になると業務が滞る、あるいは品質が低下するといったリスクが高まります。また、新しい技術やセキュリティ脅威への対応ノウハウが不足しているケースも少なくありません。
運用業務を外部に委託したいというニーズは高いものの、自社の業務プロセスや手順書が十分に整備されていない、効率化やセキュリティ強化を進めたいが時間やノウハウがない、といった理由から、なかなか運用改善に着手できない企業も多いのが現状です。特に、ソフトバンクグループのように高いセキュリティ水準が求められる環境では、運用ルールの整備と品質の平準化がより一層重要になります。
セキュリティー監査を見据えた標準化のニーズ
前述のような状況の中で、企業はセキュリティ監査への対応も求められます。適切な統制が整っていないと、情報漏洩などのリスクだけでなく、企業の信頼性にも関わります。そのため、定義された業務プロセスをパッケージとして利用でき、セキュリティ基準に沿った運用ルール・運用プロセスを前提に、継続的に運用品質を高める運用モデルへの期待が高まっています。
PSソリューションズ株式会社が実施した調査(N=400)では、中小・中堅企業の情報システム部門の意思決定者を対象に、ヘルプデスクやIT資産管理など複数の項目の中から最も価値を感じる提供価値について尋ねました。その結果、情シス部門の体制規模にかかわらず、「セキュリティ監査の支援」や「セキュリティ専門知識に依存しない標準フローの提供」といった、監査対応を見据えた標準プロセスの提供に対するニーズが非常に高いことが明らかになりました。特に、少人数体制の情シス部門(2~5人など)では、セキュリティ基準に沿って標準化された運用プロセスへの期待が強く示されています。この結果は、「with セキュア運用」がまさに現代の情シス部門が本当に必要としているサービスであることを裏付けています。

PSソリューションズの今後の展望
PSソリューションズ株式会社は、「with セキュア運用」を通じて、情報システム部門の運用の標準化と改善サイクルの強化に貢献し、安心して任せられるIT運用の実現を目指します。今後も、情シス業務の変化に合わせて支援領域と運用プロセスの拡充を進め、企業のIT運用の安定化と継続的な改善を支援していく方針です。
まとめ
PSソリューションズ株式会社が提供を開始した「with セキュア運用」は、情報システム部門が抱える人手不足、属人化、そして複雑なセキュリティ対応といった長年の課題に対し、AIと専門家によるハイブリッドな運用支援で応える画期的なサービスです。
セキュリティ基準に沿った標準プロセス、個社ごとのナレッジ学習、BPaaS型での業務支援、そして定額制という特長により、情シス部門は日々の運用負荷から解放され、企業のDX推進や戦略立案といった、より価値の高い業務に集中できるようになります。
情シス業務の効率化とセキュリティ強化を同時に実現したい企業にとって、「with セキュア運用」は強力なパートナーとなるでしょう。この機会に、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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