未来の鉄道業界を担う若者たちが、2025年の鉄道業界をどのように見ていたのか、その興味深い調査結果が発表されました。
学校法人21世紀アカデメイアの「東京ホスピタリティ・アカデミー」は、鉄道業界を目指す学生を対象に「2025年の鉄道業界」に関するアンケート調査を実施しました。この調査は、単なる「鉄道ファン」の視点ではなく、将来的に業界で働くことを目指す若者たちの意識や価値観を浮き彫りにすることを目的としています。今回の記事では、この調査結果を基に、2025年の鉄道業界の動向と、未来の鉄道マンたちが抱く期待や関心について詳しく解説します。

鉄道業界「今年の漢字」は【変】!その深層を探る
調査結果によると、2025年の鉄道業界を象徴する「今年の漢字」として最も多く選ばれたのは「変」でした。これは、鉄道業界が大きな変革の時期を迎えているという、学生たちの認識を強く示しています。
「変」が選ばれた理由
「変」が選ばれた理由として、学生からは以下のような声が寄せられました。
-
「鉄道業界は『安全』という使命は変わらず、変化し続けている」
-
「今まで残っていたものがなくなり、新しいものに置き換わっていったから」
-
「これまで当たり前だった日常を見直す動きが激しかったから(特に発車メロディーの変更など)」
これらのコメントからは、学生たちが鉄道業界の根幹である「安全」への意識は持ちつつも、時代の変化とともに既存の慣習やサービスが刷新されていく様子を肌で感じていることが分かります。特に、長年親しまれてきたものが姿を消し、新たな技術やサービスが導入される過程に、大きな関心を寄せているようです。
「新」「改」も上位にランクイン
「変」に続いて上位にランクインしたのは「新」と「改」でした。
-
「新」:新型車両のデビューや新たなサービス構想(中央線のグリーン車導入、常磐線特急を使った夜行特急など)に対する期待が理由として挙げられました。これは、常に進化し続ける鉄道技術やサービスへのポジティブな注目を示しています。
-
「改」:運賃や時刻表の改正が多かったことが理由として挙げられました。これは、利用者の生活に直接影響を与える変更点に対して、学生たちが現実的な視点を持っていることを示唆しています。
これらの漢字が上位を占めることは、2025年が鉄道業界にとって、変革、刷新、そして改善が多岐にわたって進んだ一年であったと、未来の業界を担う学生たちが認識していることを明確に表しています。
番外編の漢字が示す多様な視点
上位3つの漢字以外にも、学生からはユニークな視点を示す漢字が挙げられました。
-
「旅」:大阪・関西万博の開催により、多くの旅行客やインバウンド(訪日外国人観光客)が訪れたことに注目が集まりました。これは、鉄道が観光産業において果たす役割の大きさを認識していることを示します。
-
「楽」:キャッシュレス化の進展やタッチ決済での乗車が可能になり、鉄道利用が便利になったこと、そして「楽しい」という感情に繋がることを願う声がありました。利便性向上とエンターテイメント性の両面から鉄道を捉える視点が見て取れます。
-
「釜」:引退するJR貨物の電気機関車を撮影するために現地へ向かい、無事に写真に収めることができたという、個人的な体験に基づく声です。これは、鉄道に対する深い愛情や趣味としての側面を示しています。
-
「音」:SixTONESの発車メロディー使用中止を残念に思う声です。特定の文化的な要素にも学生たちが敏感に反応していることが分かります。
-
「事」:事故・インシデントが多かった印象という、安全運行への懸念を示す声です。
-
「感」:鉄道における安心・安全・快適さ、正確さ、技術の高さを実感し、日本の鉄道の素晴らしさを再認識するとともに、運行を支える人々への感謝の気持ちを表す声です。これは、業界への深い敬意と理解を示しています。
これらの番外編の漢字からは、学生たちが多角的な視点から鉄道業界を捉え、単なる交通手段としてだけでなく、文化、経済、社会、そして個人的な感情に深く結びついた存在として認識していることがうかがえます。

未来の鉄道マンが選ぶ「印象に残ったニュース」トップ10
2025年に学生の心に深く刻まれた鉄道ニュースは何だったのでしょうか。調査では「印象に残ったニュース」のトップ10も選出されました。この結果から、学生たちがどのような情報に注目し、何を重視しているのかが見えてきます。
消えゆく鉄道文化への関心:引退・終了ニュースの背景
印象に残ったニュースとして特に多くの関心を集めたのは、「引退」や「終了」といった、消えゆく鉄道文化に関するものでした。具体的には、「ドクターイエロー引退」「JR東日本の電気機関車の旅客運用終了」「Suicaのペンギン引退発表」「E3系引退」などが10大ニュースにランクインしました。これ以外にも、「大和路線201系引退」「横須賀線E217系引退」「寝台特急カシオペア引退」「はちおうじ号・おうめ号廃止」「銀釜引退」といった、数多くの引退や廃止に関するニュースが挙げられています。
この結果は、新型車両の発表や新サービスの導入といったポジティブなニュースよりも、長年親しまれてきたものが姿を消すことに対する学生たちの強い思い入れを示しています。彼らにとって鉄道は、単なる移動手段ではなく、歴史や文化を内包する存在であり、その変化に対して特別な感情を抱いていることがうかがえます。
一方で、「E3系つばさを荷物新幹線に改造し、荷物輸送専用車両として活用」や「小田急ロマンスカーVSEをロマンスカーミュージアムで展示」といった、引退後の車両活用や保存に関する取り組みにも注目が集まりました。これは、単に「終わり」として消費するのではなく、その後の「在り方」まで含めて鉄道文化を評価しようとする、学生たちの成熟した視点を示しています。鉄道が交通インフラに留まらず、文化的資産として認識されていることが強く感じられます。
鉄道×アイドルのコラボレーション:新たなアプローチの成功
10大ニュースには、「SixTONESの発車メロディ使用中止」や「東京モノレールと日向坂46のコラボ」がランクインしました。これら以外にも、「HKT48」「櫻坂46」「FRUITS ZIPPER」など、多くの女性アイドルグループと鉄道会社によるPRコラボレーションが挙げられました。
この結果は、鉄道×アイドルのコラボレーションが、鉄道に関心のない層へのアプローチや話題づくりに成功しているだけでなく、鉄道業界を志すほど強い関心を持つ層にも深く印象を残していることを明らかにしました。発車メロディや車内演出といった鉄道の象徴的な要素に新たな意味が加わることで、鉄道ファンにとっても、より特別な体験へと昇華していると推測できます。これは、鉄道業界が多様な層に魅力を伝えるための、新しいマーケティング戦略の有効性を示唆していると言えるでしょう。
その他の注目ニュース
10大ニュースには、以下のような内容も含まれていました。
-
京王電鉄の新型車両「2000系」発表
-
JR東日本が運賃改定を発表
-
中央快速線でグリーン車サービスを開始
-
首都圏の路線でワンマン運転化を発表
これらのニュースは、新型車両の導入によるサービス向上、運賃改定といった経営戦略、そしてワンマン運転化に見られるような運行効率化への取り組みなど、鉄道業界が直面する多岐にわたる課題や進化の方向性を反映しています。学生たちは、これらのニュースを通じて、業界の現在と未来を複合的に捉えようとしていることが分かります。

調査から見えてくる未来の鉄道業界
今回の調査結果からは、未来の鉄道業界を担う学生たちの、鉄道に対する深い理解と多様な価値観が浮き彫りになりました。
文化的資産としての鉄道の価値
「引退・終了」のニュースへの高い関心や、引退後の車両活用への注目は、学生たちが鉄道を単なる交通インフラとしてだけでなく、歴史や文化を伝える「文化的資産」として捉えていることを強く示しています。彼らは、過去の遺産を尊重しつつ、未来へと繋ぐことの重要性を認識していると言えるでしょう。これは、鉄道会社が今後、単なる輸送サービス提供者としてだけでなく、地域の文化や歴史を守り、伝承する役割も担うべきだというメッセージを含んでいるのかもしれません。
新しい層へのアプローチの重要性
「鉄道×アイドル」のコラボレーションへの注目は、鉄道業界がより広範な層に魅力を伝え、ファンを拡大していくための新しいアプローチが成功していることを示しています。特に、若い世代の関心を引きつけるためには、従来の鉄道ファンに向けた情報発信だけでなく、エンターテイメント性や多様なメディアとの連携が不可欠であると、学生たちは感じていると推測できます。これにより、鉄道がより身近で魅力的な存在として、社会に浸透していく可能性を秘めているでしょう。
業界の変化への期待と課題
「今年の漢字」で「変」「新」「改」が上位を占めたことは、学生たちが鉄道業界の現状を「変化の時期」と捉えていることを示唆しています。技術革新、環境問題への対応、少子高齢化、労働力不足など、鉄道業界は多くの課題に直面しています。しかし、学生たちはこれらの変化を前向きに受け止め、新しい技術やサービス、そして持続可能な運営への期待を抱いていると見受けられます。
今回の調査は、未来の鉄道業界を担う若者たちが、業界の多面的な価値を理解し、変化を恐れず、むしろその変化の先に新たな可能性を見出そうとしていることを示しています。彼らの視点は、これからの鉄道業界の発展において、重要な指針となることでしょう。
調査実施団体「東京ホスピタリティ・アカデミー」について
本調査を実施した「東京ホスピタリティ・アカデミー」は、学校法人21世紀アカデメイアが運営する専門学校です。1967年に開校し、約60年の歴史を持つこの学校は、ブライダル、ホテル、旅行、航空、鉄道といったホスピタリティ分野の専門家を育成しています。
ホスピタリティ分野のプロを育成
「東京ホスピタリティ・アカデミー」は、就職率100%という実績を誇り、これまでに3万3千人以上の卒業生を観光サービス業界に送り出してきました。100種類以上の選択科目を通じて、学生一人ひとりが学びを自由にカスタマイズできるのが特徴です。リアルな実習施設と業界経験豊富な講師陣による指導により、即戦力となる人材を育成し、東京から世界へと送り出しています。鉄道分野においても、運転士、車掌、駅務員、車両メンテナンスなど、多様な職種を目指す学生が学んでいます。
詳細は以下の公式サイトで確認できます。
東京ホスピタリティ・アカデミー
21世紀アカデメイアの教育理念「ファイブ・スター・プロフェッショナル」
「東京ホスピタリティ・アカデミー」を運営する学校法人21世紀アカデメイアは、急速に進展する第4次産業革命時代において、人材に求められる条件が根本から変化していると認識しています。単なる知識や技能だけでは活躍できない時代において、人間だけが発揮できる高度な能力「5つのプロフェッショナル力」を身につけた人材を「ファイブ・スター・プロフェッショナル」と名付け、その育成に力を入れています。

この「5つのプロフェッショナル力」とは、以下の通りです。
- 創造的コミュニケーション力:仲間の知恵を集め、創造的なアイデアを生み出す力
- 異業種コラボレーション力:異なる業種の人材とも円滑に協働できる力
- 共感的チームワーク力:仲間が互いに励まし支援するチームを創る力
- 成長場リーダーシップ力:仲間が互いに学び合い成長する場を創る力
- 創発的プロジェクト力:いかなる状況変化にも柔軟に対応してプロジェクトを運営できる力
これらの能力を育成するため、21世紀アカデメイアでは独自の「セブン・ステップ・カリキュラム」を開発し、すべての学生に提供しています。この実践体験的なカリキュラムを通じて、学生たちは社会で真に活躍できるリーダーシップと適応力を身につけていきます。

21世紀アカデメイアは、東京だけでなく、富士五湖、名古屋、大阪、福岡など全国に展開しており、ロサンゼルスにも拠点を持っています。1万人以上の在校生が学び、これまでに30万人以上の卒業生を輩出しています。

21世紀アカデメイアに関する詳細情報は、以下の公式サイトで確認できます。
学校法人21世紀アカデメイア
まとめ:変化の時代を生きる鉄道業界の展望
2025年の鉄道業界に関する学生意識調査は、未来の鉄道を担う若者たちが、業界の変革を前向きに捉え、多角的な視点から鉄道の価値を見出していることを示しました。彼らは、消えゆく鉄道文化に敬意を払い、その継承のあり方にも関心を持つ一方で、新しい技術やサービス、そして多様なコラボレーションを通じて、鉄道がより魅力的で社会に貢献する存在となることを期待しています。
「今年の漢字」に「変」が選ばれたように、鉄道業界はこれからも変化し続けることでしょう。しかし、この調査結果が示すように、未来の鉄道マンたちは、その変化を恐れることなく、むしろ新たな可能性を追求していく意欲に満ちていると言えます。彼らの柔軟な発想と情熱が、これからの鉄道業界をより豊かなものにしていくに違いありません。鉄道業界は、これらの若い世代の視点を取り入れながら、持続可能な発展を目指していくことが期待されます。

