東京大学 江崎浩教授、ハイレゾの顧問(テクニカルアドバイザー)に就任!
現代社会において、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、その裏側を支える計算能力の重要性は日々増しています。特に、AIの複雑な計算を高速で行うための「GPU」という専門的な半導体は、AI開発に欠かせない存在です。
そんなGPUをクラウドサービスとして提供し、AI開発を強力に後押ししているのが、株式会社ハイレゾです。同社は、GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を展開し、日本国内の地方にAIデータセンターを建設することで、AI技術の発展と地方創生の両立を目指してきました。
この度、ハイレゾは、アジア・グローバルサウス市場への事業拡大を目指し、組織体制をさらに強化するため、東京大学大学院の江崎浩教授を顧問(テクニカルアドバイザー)として迎えることを発表しました。江崎教授は、次世代インターネットやサイバーセキュリティ、スマートシティといった分野の第一人者であり、日本のITインフラの未来を提言してきた重鎮です。この強力なタッグが、日本のAIインフラと国際展開にどのような影響を与えるのか、AI初心者の方にもわかりやすく詳しく見ていきましょう。

ハイレゾとAIデータセンター「GPUSOROBAN」とは?
まずは、株式会社ハイレゾがどのような事業を展開しているのか、そしてその中心にある「GPUSOROBAN」とは何かを理解することから始めましょう。
AI開発を支える「GPUクラウドサービス」
ハイレゾは、2019年からGPUデータセンターの運営を手がけ、GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を提供しています。GPUとは、画像処理やAIの学習など、大量の並列計算を高速に処理することに特化した半導体です。私たちが普段使っているパソコンのCPU(中央演算処理装置)が「何でもこなせる万能な頭脳」だとすれば、GPUは「特定の計算をものすごく速くこなす専門の頭脳」とイメージすると良いでしょう。
画像生成AIや、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)といった最新のAI技術は、膨大なデータを学習し、複雑な計算を行う必要があります。これらの処理には非常に高い計算能力が求められ、GPUが不可欠です。「GPUSOROBAN」は、高性能なNVIDIA製のGPUサーバーをクラウドを通じて提供することで、これらのAI開発を強力にサポートしています。これにより、企業や研究機関は高価なGPUサーバーを自社で購入・運用することなく、必要な時に必要なだけGPUの計算能力を利用できるようになります。
地方創生に貢献する独自のAIデータセンターモデル
ハイレゾの事業の大きな特徴は、AIデータセンターの建設・運営方法にあります。同社はこれまで、日本国内の地方にある遊休施設を積極的に活用し、環境負荷を抑えた独自の建設モデルでAIデータセンターを開設してきました。これは、ただ単にデータセンターを建てるだけでなく、地方の活性化にも貢献するという強い意志の表れです。
例えば、2019年には石川県志賀町でGPUデータセンターの運営を開始。2024年には香川県高松市に中四国地方初となるAI開発用GPU専用データセンターを開設しました。さらに、2025年8月には佐賀県玄海町の廃校を利活用したGPUデータセンターの新規開設を予定しており、2026年には香川県綾川町に中四国地方2拠点目となるGPUデータセンターを開設する計画です。これらの取り組みは、地方に新たな雇用を生み出し、地域経済を活性化させるだけでなく、情報通信技術(ICT)インフラの地方分散にも寄与しています。
「GPUSOROBAN」は、その高い性能とコスト効率の良さから、累計2,000件を超える利用実績を誇ります。IT業界はもちろんのこと、製造業、建設業、そして大学研究機関といった幅広い分野で、AI開発や研究に活用されています。また、ハイレゾは2022年6月にNVIDIAから「Best CSP Partner of the Year」を受賞し、2024年4月には経済産業省による「クラウドプログラム」供給確保計画にも認定されており、その技術力と事業モデルは国からも高く評価されています。
東京大学 江崎浩教授の顧問就任の背景と意義
今回、ハイレゾが東京大学大学院の江崎浩教授を顧問(テクニカルアドバイザー)として迎えた背景には、同社が目指す「アジア・グローバルサウス市場への展開」という大きな目標があります。
アジア・グローバルサウス市場への挑戦
近年、AI開発の需要は世界中で爆発的に拡大しており、特にアジアやアフリカ、ラテンアメリカといった「グローバルサウス」と呼ばれる地域では、その成長が著しいとされています。ハイレゾは、日本国内で培ってきた環境負荷を抑えたデータセンター建設・運営のノウハウと、低コストで高性能なGPUクラウドサービスを提供する「GPUSOROBAN」の強みを活かし、これらの成長市場に事業を展開していくことを目指しています。
しかし、海外市場への展開は、技術的な課題だけでなく、現地の法規制、文化、インフラ事情など、多岐にわたる専門知識と戦略が求められます。そこで、ハイレゾは、情報通信技術の分野で長年の経験と深い知見を持つ江崎浩教授の力を借りることにしました。
江崎教授の専門性と「ワット・ビット連携」
江崎浩教授は、東京大学大学院情報理工学系研究科の教授として、次世代インターネット、サイバーセキュリティ、スマートシティなどの最先端技術の研究に取り組んでいます。これらの分野は、まさにこれからの社会を支える基盤となるものであり、AIデータセンター事業とも密接に関連しています。
特に注目すべきは、江崎教授が提言している政府の構想「ワット・ビット連携」です。「ワット・ビット連携」とは、日本のITインフラを地方に分散させ、地域社会に還元していくことを目指す構想を指します。具体的には、再生可能エネルギーが豊富な地方でデータセンターを運営し、そこで生み出される「ビット」(情報)を地域で活用するとともに、データセンターの熱を地域で利用するなどの連携を通じて、エネルギー効率の向上と地方創生を同時に実現しようというものです。
ハイレゾが地方の遊休施設を活用してAIデータセンターを建設し、地方創生に貢献している事業モデルは、まさにこの「ワット・ビット連携」の理念と深く合致しています。江崎教授を顧問に迎えることで、ハイレゾは、江崎教授の持つ技術的な深い洞察力と政策的な視点を取り入れ、事業戦略を一層強化し、アジア・グローバルサウス市場への展開を加速できると期待されます。
江崎浩教授のプロフィールとこれまでの功績
江崎浩教授のキャリアは、日本の情報通信技術の発展と深く結びついています。その輝かしい経歴は、ハイレゾにとって計り知れない価値をもたらすでしょう。

日本のITインフラを牽引してきた第一人者
江崎教授は、1987年に東芝に入社後、1998年に東京大学大型計算機センター(現 情報基盤センター)助教授に就任。2005年には東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻教授となり、以来、日本の情報通信技術教育と研究の最前線で活躍し続けています。
その専門性は多岐にわたり、次世代のインターネットプロトコルであるIPv6の研究開発や普及に大きく貢献しました。また、サイバーセキュリティの重要性が高まる中で、その分野の研究と政策提言にも積極的に関わっています。
デジタル庁や日本データセンター協会の要職を歴任
江崎教授は、学術界だけでなく、産業界や政府機関においても重要な役割を担ってきました。2009年には日本データセンター協会の副理事長・運営委員長に就任し、日本のデータセンター業界の健全な発展に尽力しました。データセンターは、インターネットやAIサービスを支える心臓部であり、その基盤を整備する上で江崎教授の知見は不可欠でした。
さらに、2021年にはデジタル庁のChief Architect(チーフアーキテクト)という要職を務め、日本のデジタル化推進における技術的な方向性をリードしました。これは、政府のデジタル戦略において、最先端の技術動向を把握し、具体的なアーキテクチャ設計に反映させるという、非常に重要な役割です。2022年には日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の理事長に就任し、インターネット資源の管理と普及においても中心的な役割を担っています。2023年には北海道顧問(再生エネルギー活用促進担当)にも就任しており、地方での再生可能エネルギー活用とITインフラの連携という、まさに「ワット・ビット連携」を体現するような活動にも関わっています。
これらの経験を通じて、江崎教授は、技術の深い専門知識に加え、産業政策、政府戦略、そして社会実装における幅広い視点と豊富な経験を培ってきました。これらの知見は、ハイレゾが国内での事業をさらに発展させ、特にアジア・グローバルサウスという新たな市場へ展開していく上で、極めて貴重な羅針盤となるでしょう。
「ワット・ビット連携」が描く日本の未来とハイレゾの役割
江崎教授が提言する「ワット・ビット連携」は、単なる技術的な構想に留まらず、日本のエネルギー問題、地方創生、そしてデジタル化の未来を大きく左右する可能性を秘めています。
電力とITインフラの最適な融合
「ワット・ビット連携」の核心は、電力(ワット)と情報(ビット)の最適な連携にあります。具体的には、再生可能エネルギーの導入が進む地方で、データセンターなどのITインフラを整備し、そこで生み出される膨大な計算能力やデータを地域経済の活性化に繋げようという考え方です。
例えば、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは、発電量が天候に左右されるため、安定的な供給が課題となることがあります。しかし、データセンターは大量の電力を消費するため、再生可能エネルギーの供給が豊富な地域に設置することで、エネルギーの地産地消を促進し、電力系統の安定化にも貢献できます。また、データセンターから排出される熱を、地域の農業施設や温浴施設で活用するといった、新たな地域連携の可能性も生まれます。
地方創生とデジタル格差の解消
ITインフラの地方分散は、東京一極集中を解消し、地方に新たな産業と雇用を生み出す「地方創生」の強力なエンジンとなります。高品質なデータセンターが地方に存在することで、その地域でのAI開発やデジタル産業の育成が促進され、結果として地方の活性化に繋がります。これは、デジタル技術の恩恵を全国津々浦々に広げ、地域間のデジタル格差を解消する上でも非常に重要な取り組みです。
ハイレゾがこれまで、石川県、香川県、佐賀県といった地方にGPUデータセンターを開設し、今後も拡大を計画しているのは、まさにこの「ワット・ビット連携」の理念を実践していると言えるでしょう。地方の遊休施設を活用することで、建設コストを抑え、環境負荷を低減しながら、地域の特性を活かしたデータセンター運営を実現しています。江崎教授の顧問就任は、ハイレゾがこの「ワット・ビット連携」の旗手として、その役割をさらに深く、そして広範に果たしていくことを示唆しています。
ハイレゾが描く未来:アジア・グローバルサウス市場への展開と社会貢献
江崎浩教授の顧問就任は、株式会社ハイレゾにとって、単なる組織強化に留まらない、未来を見据えた戦略的な一歩です。この強力なタッグは、ハイレゾの事業展開にどのような影響を与え、社会にどのような価値をもたらすのでしょうか。
グローバル市場での競争力強化
ハイレゾは、日本国内で培った「環境負荷を抑えた独自の建設モデル」と「低コストで高性能なGPUクラウドサービス提供」という強みを活かし、AI開発需要が爆発的に拡大するアジア・グローバルサウス市場への展開を目指しています。江崎教授の持つ次世代インターネット、サイバーセキュリティ、スマートシティといった分野の深い知見は、これらの海外市場で事業を展開する上で不可欠な技術的・政策的アドバイスを提供することでしょう。これにより、ハイレゾはグローバルな競争力を一層強化し、世界中のAI開発を支援する存在へと成長していくことが期待されます。
持続可能な社会への貢献
ハイレゾの事業モデルは、地方の遊休施設活用や環境負荷の低減を重視しており、これは持続可能な社会の実現に貢献するものです。江崎教授が提言する「ワット・ビット連携」の理念とも合致しており、両者の協業は、エネルギー効率の良いデータセンターの普及、再生可能エネルギーの活用促進、そして地方創生といった、多岐にわたる社会課題の解決に寄与すると見られます。
AI技術の民主化と発展
「GPUSOROBAN」が低コストで高性能なGPUリソースを提供することで、資金力のある大企業だけでなく、スタートアップ企業や大学の研究機関など、より多くの主体がAI開発に挑戦できる環境が整います。これは、AI技術の「民主化」を促進し、社会全体のAIイノベーションを加速させることに繋がります。江崎教授の参画により、ハイレゾは技術的な信頼性をさらに高め、より安全で効率的なAI開発プラットフォームを提供することで、AI技術の健全な発展に貢献していくでしょう。
株式会社ハイレゾのコーポレートサイト:
https://highreso.jp/
GPUSOROBANのサービスサイト:
https://soroban.highreso.jp/
まとめ
株式会社ハイレゾが東京大学の江崎浩教授を顧問に迎えたことは、日本のAIインフラと、その国際展開にとって非常に大きな意味を持つニュースです。ハイレゾの革新的なAIデータセンター事業と、江崎教授の深い知見と経験が融合することで、アジア・グローバルサウス市場への挑戦が加速し、持続可能な社会の実現とAI技術のさらなる発展に貢献していくことが期待されます。今後のハイレゾの動向、そして江崎教授との協業が生み出す新たな価値に、引き続き注目していきましょう。

