「動かす」技術で世界の産業を支える株式会社椿本チエイン(以下、椿本チエイン)が、Webサイト多言語化AIソリューション『WOVN.io(ウォーブン・ドットアイオー)』を導入し、その産業用機械製品情報サイトを6言語対応としました。これにより、世界中のエンジニアや機械設計者に向けて、500シリーズ・5,000ページに及ぶ膨大な製品情報を、現地の言葉で正確かつスピーディーに提供できるようになります。この取り組みは、海外市場での顧客接点創出とグローバル競争力のさらなる強化を目的としています。

椿本チエインとは?世界を「動かす」技術のパイオニア
椿本チエインは1917年の創業以来、モノづくりの根幹をなす「動かす」技術を追求し続けてきた企業です。産業用スチールチェーンや自動車エンジン用タイミングチェーンシステムでは世界シェアNo.1を誇り、その技術はパワートランスミッション事業、モビリティ事業、マテリアルハンドリング事業といった幅広い分野で活用されています。同社の製品は、工場や自動車、物流など、私たちの身の回りにあるあらゆる産業の基盤を支えています。
現在、椿本チエインは世界28の国・地域に拠点を展開し、海外売上比率は約7割に達するなど、グローバル企業としての地位を確立しています。特にパワートランスミッション事業部では、欧州、アメリカ、インド、東南アジアといった地域でのさらなる販促強化が喫緊の課題となっていました。
グローバル展開における情報発信の壁:多言語対応の課題
国内では高いブランド認知度を誇る椿本チエインですが、海外市場においては、その認知度向上が重要な課題でした。同社の産業用機械製品情報サイトは、世界中のエンジニアや機械設計者に対し、「生産性の向上」や「環境負荷の低減」といった製品の付加価値に加え、最新のCADデータや製品仕様といった技術的な情報を正確に提供する、重要なマーケティングチャネルと位置付けられています。
これまでも英語と簡体字には対応していましたが、産業用機械製品は専門用語が多く、翻訳業務は技術知識を持つ限られた社内スタッフが兼務していました。このため、翻訳作業が特定の担当者に集中し、「属人化」している点が大きな課題でした。属人化とは、特定の業務が特定の人にしかできない状態を指し、担当者が不在の際に業務が滞るリスクがあります。
また、椿本チエインの製品ラインナップは500シリーズにも及び、カスタマイズを含めるとその組み合わせは膨大です。製品ページも5,000ページ規模という大規模なサイトであるため、人手による翻訳運用では、情報の更新スピードや対応できる言語の拡張に限界がありました。さらに、近年急速に高まる英語や簡体字以外の言語ニーズに対応しきれていない状況でした。
産業用機械製品は、そのスペックや機能の正確な理解が受注に直結します。そのため、海外市場で現地語による正確な製品情報を幅広く提供することは、顧客満足度の向上やWebサイトが検索結果で上位表示されるための「SEO対策」にも不可欠です。このような背景から、多言語での情報発信体制を根本的に見直す必要がありました。
WOVN.io導入の決め手:AIが実現する効率的な多言語化
これらの課題を解決し、各地域のニーズに応じた多言語展開を効率的に推進することで、海外からの売上最大化を目指すべく、椿本チエインはWOVN.ioの導入を決定しました。WOVN.ioは、Webサイトを最大45言語・79のロケール(言語と地域の組み合わせ)に多言語化できるAIソリューションです。
WOVN.ioが選ばれた主な理由は以下の4点です。
1. AI自動翻訳による運用負荷軽減と高速な情報発信
WOVN.ioの最大の特長は、高精度なAI翻訳基盤『Maestro』です。このMaestroは、多様な翻訳方式や機能を組み合わせることで、精度の高い自動翻訳を実現します。椿本チエインのように500シリーズ・5,000ページにも及ぶ大量の製品情報を持つ大規模サイトでも、技術用語やスペックといった専門的な内容を正確に表現しながら、人手に頼らず効率的に多言語での情報発信が可能となります。これにより、翻訳にかかる時間や労力を大幅に削減し、運用担当者の負担を軽減できます。
2. WOVN.copilot併用で安心の翻訳品質を実現
WOVN.ioでは、生成AIと人間の力を組み合わせた『WOVN.copilot』を併用することで、スピーディーかつ「事故のない」翻訳品質を実現できます。特に、自社内に翻訳確認が難しい言語(例えばスペイン語やヒンディー語など)のネイティブスピーカーがいない場合でも、WOVN.copilotを活用することで、安心して高品質な翻訳を提供できるようになります。これにより、翻訳の正確性が求められる製品情報においても、信頼性の高い情報発信が可能になります。
3. 複雑な設定不要で海外SEO対策が可能
海外のエンジニアや機械設計者が、多言語でWeb検索をした際に、椿本チエインの製品サイトが検索エンジンに表示されることは、顧客接点創出の必須要件です。「SEO対策」とは、検索エンジンの検索結果で上位に表示されるようにWebサイトを最適化する取り組みのことです。WOVN.ioを導入すれば、複雑な設定を行うことなく多言語サイトを検索エンジンにインデックス(登録)させることができ、高い水準で技術的なSEO要件を満たします。これにより、海外からのアクセス増加が期待できます。
4. 個人情報取得除外機能で高いセキュリティを確保
企業のWebサイト、特に製品サイトでは、ユーザーのログイン情報や個人情報を取り扱うことがあります。WOVN.ioには、ページ単位や部分単位など、細かな粒度で機密情報や個人情報をWOVN.ioのシステムに送信しないように設定できる「個人情報取得除外機能」が搭載されています。これにより、マイページへのログインなどセキュリティ認証が必要な椿本チエインの製品サイトでも、安全に多言語化ソリューションを利用することが可能です。
導入後の成果と今後の展望
WOVN.ioの導入後、椿本チエインの産業用機械製品情報サイト(https://tt-net.tsubakimoto.co.jp)は、日本語に加え、英語、韓国語、簡体字、繁体字、スペイン語、ヒンディー語の6言語に対応しました。導入後は、これまでアクセスが少なかった地域からの流入が増加するなど、海外の顧客との接点が着実に拡大し始めています。

椿本チエインは今後も、ビジネスを展開する各地域の事業成長スピードに合わせて、柔軟かつ戦略的に対応言語を追加していくことを視野に入れています。製品サイトを「多言語での情報発信のハブ」として機能させ、世界中のエンジニアが、必要な時に、最適な言語で同社の革新的な技術にアクセスできる環境を整えることで、グローバルにおける競争力をさらに高めていく計画です。
WOVN.ioを提供するWovn Technologies株式会社(https://wovn.io/ja)は、「企業のグローバリゼーションを、AIで加速する」をミッションに掲げ、今後も企業のグローバル展開と情報発信力向上を支える多言語化AIソリューションとして、製品開発とサポートを継続していくとのことです。
まとめ:AI多言語化が切り拓くグローバルビジネスの未来
椿本チエインによるWOVN.ioの導入事例は、AIを活用した多言語化ソリューションが、企業のグローバルビジネスにおいていかに重要であるかを明確に示しています。膨大な製品情報を抱える企業にとって、従来の人的リソースに頼った翻訳作業は、時間、コスト、品質、そしてスピードの面で限界がありました。
しかし、WOVN.ioのようなAI翻訳基盤と、それを補完するWOVN.copilotの活用により、これらの課題を一挙に解決し、効率的かつ高品質な多言語情報発信が可能となります。さらに、海外SEO対策やセキュリティ機能も充実しているため、グローバル市場での競争優位性を確立するための強力なツールとなり得ます。
今回の椿本チエインの取り組みは、日本企業が世界の舞台でさらなる成長を遂げる上で、AIを活用した情報発信戦略が不可欠であることを示唆しています。AI初心者の方も、この事例を通じて、AIがビジネスのグローバル化にどれほど貢献できるかを感じていただけたのではないでしょうか。多言語化はもはや選択肢ではなく、グローバル展開を目指す企業にとって必須の戦略と言えるでしょう。

