はじめに:DX時代の情報検索課題と生成AIへの期待
現代のビジネス環境において、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に取り組んでいます。その一環として、紙媒体の文書をデジタル化する「ペーパーレス化」が急速に進展しています。これにより、企業内には膨大な量のデジタル文書ファイルが蓄積されるようになりました。
しかし、文書ファイルが増える一方で、必要な情報を探し出す手間や時間は増大する傾向にあります。キーワード検索だけでは目的の文書にたどり着くまでに何度も試行錯誤が必要になったり、関連性の高い情報を見逃してしまったりすることも少なくありません。結果として、従業員が本来の業務に集中できる時間が削られ、企業の生産性低下につながるという課題が浮上しています。
このような状況の中、近年注目を集めているのが「生成AI」の活用です。生成AIは、人間が話すような自然な言葉(自然言語)を理解し、質問に対して適切な情報を探し出し、時には新たな文章を生成する能力を持っています。この技術を文書検索に応用することで、これまで時間を要していた情報探しが劇的に効率化されるのではないかと、多くの企業から期待が寄せられています。
『eValue V Air ドキュメント管理』とは?
株式会社OSKが提供する『eValue V Air』は、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するための統合パッケージです。その中でも『eValue V Air ドキュメント管理』は、企業内のあらゆる文書ファイルを一元的に管理し、共有・活用するための基盤を提供します。文書のバージョン管理やアクセス権限設定など、企業の情報資産を安全かつ効率的に運用するための機能が充実しています。
文書検索の未来を変える「スマート検索」の登場
株式会社OSKは、この『eValue V Air ドキュメント管理』に、生成AIとRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を組み合わせた新たな機能「スマート検索」を搭載し、2025年11月26日(水)より提供を開始します。
「スマート検索」は、従来のキーワード検索とは一線を画し、ユーザーが自然な言葉で質問するだけで、AIがその文脈を正確に理解し、目的の文書を迅速に探し出すことを可能にします。
生成AIとRAG技術とは?AI初心者にもわかりやすく解説
AI初心者の方にも分かりやすいように、ここで「生成AI」と「RAG技術」について簡単に説明します。
生成AI(Generative AI)とは、テキストや画像、音声などのデータから、まるで人間が作ったかのような新しいコンテンツを「生成」できるAIのことです。例えば、あなたが「今日の天気は?」と質問すれば「晴れでしょう」と答えたり、「〇〇について説明して」と頼めば、その内容をまとめた文章を作り出したりします。私たちが普段使っているチャットボットや画像生成ツールにも、この生成AIの技術が使われています。
しかし、生成AIは時に、事実に基づかない情報をあたかも真実かのように生成してしまうことがあります。これは「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれ、生成AIの課題の一つとされています。特にビジネスにおいて、誤った情報に基づいて判断を下すことは大きなリスクとなります。
そこで重要になるのが、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術です。RAGは「検索拡張生成」と訳され、生成AIの弱点であるハルシネーションを克服し、より正確で信頼性の高い情報を提供する技術です。
RAGの仕組みは、大きく分けて2つのステップで構成されます。
- Retrieval(検索):ユーザーが質問を入力すると、AIはまず、企業内に蓄積された膨大な文書ファイル(データベース)の中から、質問に関連性の高い情報を探し出します。
- Augmented Generation(拡張生成):次に、探し出された「正確な情報」を参考にしながら、生成AIが質問に対する回答を生成します。これにより、AIは“知らないことを勝手に作り出す”のではなく、“知っている情報に基づいて”回答を作成するため、より信頼性の高い情報を得られるようになります。
「スマート検索」は、このRAG技術を駆使することで、企業の文書管理システムの中から、必要な情報を正確かつ効率的に探し出し、分かりやすい形で提供することを可能にしているのです。

「スマート検索」がもたらす4つの画期的な特長
「スマート検索」は、従来の文書検索の課題を解決し、情報活用のあり方を大きく変える4つの特長を備えています。
1. 親しみやすいチャット形式のインターフェース
「スマート検索」の最大の特長の一つは、まるで人間と会話するように、自然な言葉で質問を入力できるチャット形式のインターフェースです。従来の検索システムでは、特定のキーワードを正確に入力する必要がありましたが、スマート検索では「〇〇の申請方法を教えて」といった日常会話に近い表現で質問が可能です。
これにより、ユーザーは検索方法を学ぶ手間を省き、直感的に操作できます。AI初心者の方でも迷うことなく、すぐに目的の情報にたどり着けるため、システム導入後のスムーズな利用促進に貢献するでしょう。
2. 要約表示で確認時間を短縮
検索結果として表示されるのは、関連する文書のリストだけではありません。「スマート検索」は、AIが文書の内容を理解し、質問に対する回答の「要約」を提示します。例えば、「育児休業の申請方法を教えて」と質問すれば、関連する規程や案内文書から、申請に必要なステップや書類を簡潔にまとめた要約が表示されます。
これにより、ユーザーは複数のファイルを個別に開き、一つずつ内容を確認する手間を省けます。要約を読んで必要な情報が含まれているかを確認し、さらに詳細が必要な場合にのみ元の文書を開く、という効率的な情報収集が可能になります。これは、情報探索時間の劇的な短縮につながり、業務効率の向上に大きく貢献します。
3. アクセス権に準じた検索結果表示でセキュリティを確保
企業内の文書には、機密情報や個人情報など、特定の従業員にのみアクセスが許可されるべきものが含まれています。スマート検索は、生成AIを利用した検索時にも、既存のドキュメント管理システムに設定されているアクセス権限を厳密に適用します。
つまり、ユーザーがアクセス権限を持たない文書の内容は、検索結果として表示されることも、要約されることもありません。これにより、情報漏洩のリスクを低減し、企業における重要な情報資産のセキュリティを確保した上で、安全にAIを活用した情報検索が行えます。企業の情報統制を維持しながら、利便性を高めることができるのは大きなメリットです。
4. 常に最新情報を検索できる版管理連携
企業内の文書は、規程の改定や情報の更新によって、常に最新版へと更新されていきます。古い情報に基づいて業務を進めてしまうと、思わぬトラブルやミスにつながる可能性があります。「スマート検索」は、『eValue V Air ドキュメント管理』の「版管理機能」と連携しています。
これにより、AIは常に文書の最新情報のみを検索対象とします。ユーザーは、検索結果が常に最新のものであるという安心感を持って情報活用を進められます。古い情報に惑わされることなく、正確で信頼性の高い情報に基づいた意思決定や業務遂行が可能になります。
「スマート検索」導入で企業が得られる具体的なメリット
「スマート検索」の導入は、企業に多岐にわたる具体的なメリットをもたらします。これらのメリットは、単なる業務効率化に留まらず、企業全体の競争力向上にも寄与するでしょう。
業務効率の大幅な向上
情報探索に費やされていた時間を大幅に削減できることで、従業員は本来の業務やより付加価値の高い業務に集中できるようになります。例えば、1日に数十分かかっていた情報探しが数秒で完了するようになれば、その差は年間で数百時間にも及び、企業全体の生産性向上に直結します。
コスト削減
従業員が情報探索に費やす時間が減ることで、人件費という観点でのコスト削減効果も期待できます。また、情報が見つからずに発生していた再確認や手戻りの作業も減るため、間接的なコスト削減にもつながります。
従業員満足度の向上
必要な情報がすぐに見つかる環境は、従業員のストレスを軽減し、業務へのモチベーションを高めます。情報探索の煩わしさから解放されることで、従業員はよりクリエイティブな仕事や顧客対応に集中できるようになり、結果として従業員満足度の向上に貢献します。
迅速な意思決定
経営層や管理職は、最新かつ正確な情報を迅速に手に入れられることで、より的確でスピーディーな意思決定を下せるようになります。これは、市場の変化に迅速に対応し、競争優位性を確立する上で不可欠です。
ナレッジマネジメントの強化
企業内に散在する文書や知識が、AIによって容易に検索・活用できるようになることで、企業全体のナレッジマネジメントが強化されます。個人の経験や知識に依存することなく、組織全体の知識資産を有効活用できる基盤が構築されます。
DX統合パッケージにおける生成AI連携の未来
今回の「スマート検索」は、DX統合パッケージ『eValue V Air』において初めて生成AI連携を実現した機能です。株式会社OSKは、これを皮切りに、今後ERP(統合基幹業務システム)、ワークフロー、グループウェアなど、『eValue V Air』の各機能への生成AI連携を順次拡大していく計画です。
これにより、企業内のあらゆる業務プロセスにおいて、生成AIがより実用的かつ効果的なDX支援を実現するでしょう。例えば、ERPシステムでのデータ分析支援、ワークフローにおける申請書作成の自動化提案、グループウェアでの情報共有の効率化など、その可能性は無限大に広がります。OSKは、これからも先進技術を活用し、企業のDX推進を強力にサポートしていく姿勢を示しています。
サービス提供開始日と利用料金について
「スマート検索」機能は、2025年11月26日(水)より提供が開始されます。
利用料金については、『eValue V Air ドキュメント管理』をご利用中のお客様は、2026年1月まで無償で本機能をご利用いただけます。その後、2026年2月からは有償プランに移行する予定です。有償プランの料金は、1ユーザーあたり月額 200円~(税抜) となっています。導入を検討している企業は、無償期間中にその利便性を実際に体験し、導入のメリットを実感できる機会となるでしょう。
関連情報
『eValue V Air』および『eValue V Air ドキュメント管理』に関する詳細情報は、以下の製品紹介ページでご確認いただけます。
株式会社OSKの企業情報については、以下のコーポレートサイトをご覧ください。
お客様お問い合わせ先
製品に関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
株式会社OSK マーケティング本部 販売促進課
TEL : 03-5610-1651
FAX : 03-5610-1692
e-mail: webmaster@kk-osk.co.jp
まとめ:情報検索の新たな時代へ
株式会社OSKが提供するDX統合パッケージ『eValue V Air ドキュメント管理』に搭載される新機能「スマート検索」は、生成AIとRAG技術を組み合わせることで、企業の文書検索に革命をもたらします。AI初心者にも優しいチャット形式のインターフェース、要約表示による確認時間の短縮、アクセス権に準拠したセキュリティ、そして常に最新情報を検索できる版管理連携といった特長は、情報探索の時間を劇的に削減し、業務効率を大幅に向上させるでしょう。
この機能は、企業が直面する情報過多の課題を解決し、従業員の生産性向上、コスト削減、そして迅速な意思決定を支援します。DX統合パッケージにおける生成AI連携の第一歩として、今後さらに多様な業務領域でのAI活用が期待されます。
「スマート検索」の登場は、単なる検索機能の進化に留まらず、企業における情報活用のあり方、ひいては働き方そのものを変革する可能性を秘めていると言えるでしょう。情報が企業の重要な資産となる現代において、この新しいツールが企業のDX推進を強力に後押しし、新たなビジネス価値を創出するきっかけとなることは間違いありません。

