生成AIはITエンジニアの生産性を本当に向上させる?paiza調査で判明したコーディング時間削減の実態とAIツールの活用最前線

生成AIはITエンジニアの生産性を本当に向上させる?paiza調査で判明したコーディング時間削減の実態とAIツールの活用最前線

近年、IT業界で急速に進化し、注目を集めている「生成AI」。コードの自動生成やドキュメント作成支援など、その応用範囲は多岐にわたります。しかし、実際に生成AIがITエンジニアの生産性をどれほど向上させているのか、その実態はまだ広く知られていないかもしれません。

ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza(パイザ)」を運営するpaiza株式会社は、paizaに登録しているITエンジニアを対象に、生成AI導入による生産性への影響に関する詳細な調査を実施しました。この調査結果は、生成AIがITエンジニアの業務にどのような変化をもたらしているのか、そして今後のキャリアパスを考える上で何が重要になるのかを浮き彫りにしています。

本記事では、この「paiza生成AI調査レポート」に基づき、生成AIの導入がITエンジニアの生産性に与える具体的な影響、コードの読み書き時間の変化、経験年数による生成AIへの依存度の違い、活用フェーズ、そして愛用されているAIツールランキングまで、AI初心者にも分かりやすい言葉で詳しく解説します。

paiza生成AI調査レポート 生成AIはITエンジニアの生産性を向上させるのか? paiza

生成AI導入でコーディング時間が週平均8時間短縮!半数以上のITエンジニアが実感

今回の調査で最も注目すべきは、生成AIの導入によって「週あたりのコーディング時間が減った」と実感しているITエンジニアが50.7%に上った点です。これは、実に半数以上のエンジニアが生成AIの恩恵を受けていることを示しています。

具体的には、平均で週に約8時間ものコーディング時間が短縮されたと報告されています。これは、1ヶ月に換算すると約32時間、つまり約0.2人月分に相当する時間です。この時間の短縮は、単純な作業の効率化だけでなく、エンジニアがより創造的な業務や、システムの全体設計といった高度な業務に時間を割り振ることを可能にしていると考えられます。

一方で、約4割のエンジニアはコーディング時間に変化がないと回答しています。この結果は、生成AIを効果的に使いこなすための学習コストや、既存の業務フローへの統合にはまだ課題があることを示唆しているでしょう。生成AIの導入は単にツールを導入するだけでなく、それを使う側のスキルや環境整備も重要であることがうかがえます。

生成AI導入によるコードを書く時間の変化 paiza

生成AI導入によるコードを読む時間の変化:増減が分かれる多様な実態

生成AIの導入は、コードを書く時間だけでなく、「コードを読む時間」にも影響を与えています。この点については、「増えた」「減った」「変わらない」がほぼ均等に分かれるという興味深い結果が出ました。

具体的には、コードを読む時間が「増えた」と回答したエンジニアが38.5%、「減った」が31.2%、「変わらない」が30.3%となっています。

コードを読む時間が増えたエンジニアは、生成AIが生成したコードの正確性や品質を確認するために、より多くの時間を費やしていると考えられます。AIが生成したコードは完璧ではないため、人間によるレビューが不可欠です。特に複雑なロジックやセキュリティに関わる部分では、慎重な確認が求められるでしょう。

反対に、コードを読む時間が減ったエンジニアは、AIによるコードの要約機能や、自動でコメントを生成する機能などを活用している可能性があります。これらの機能は、コードの全体像を素早く把握したり、他者が書いたコードを理解したりする際の助けとなります。

この結果は、生成AIの活用方法が多岐にわたり、個々のエンジニアのスキルレベルや担当する業務内容、さらにはチームの運用体制によって、その影響が異なることを示唆しています。生成AIの導入は、一様ではなく、多様な形でエンジニアの業務プロセスに変化をもたらしていると言えるでしょう。

生成AI導入によるコードを読む時間の変化 paiza

生成AIへの依存度:実務経験5年未満のエンジニアの7割以上が「戻れない」と回答

「生成AIを使わない開発に戻れるか」という問いに対しては、実務経験の有無によって明確な差が見られました。

実務経験5年未満の経験の浅いエンジニアでは、「非常にそう思う」「そう思う」を合わせて71.6%もの人が「生成AIを使わない開発には戻れない」と回答しています。この結果は、経験の浅いエンジニアが、生成AIが提供する即時的なアウトプットや、学習支援機能に強く依存していることを示唆しています。

彼らにとって生成AIは、コードの書き方や問題解決のヒントを迅速に提供してくれる強力なアシスタントであり、学習プロセスを加速させるツールとなっているのかもしれません。生成AIによって、これまで時間がかかっていた情報収集や試行錯誤のプロセスが短縮され、より効率的に開発を進められると感じていることがうかがえます。

生成AIを使わない開発には戻れないと思いますか?【実務経験5年未満】@paiza

一方、実務経験5年以上のベテランITエンジニアでは、「生成AIを使わない開発には戻れない」と回答した割合は59.4%でした。これは5年未満のエンジニアと比較すると低い割合であり、ベテランエンジニアの方が生成AIへの依存度が比較的低いことを示しています。

生成AIを使わない開発には戻れないと思いますか?【実務経験5年以上】paiza

経験豊富なエンジニアは、自身の知識や経験に基づいて問題解決やコード作成を行う能力が高いため、生成AIをあくまで補助ツールの一つとして捉えている傾向があるのかもしれません。彼らは、AIの提案を鵜呑みにするのではなく、その妥当性を判断し、必要に応じて修正・改善を加えることで、より質の高い成果を目指していると言えるでしょう。

この結果は、生成AIがエンジニアのスキルレベルに応じて異なる形で活用されている実態を浮き彫りにしています。経験の浅いエンジニアにとっては学習と効率化の強力な味方となり、経験豊富なエンジニアにとってはさらなる生産性向上と創造性発揮のための触媒となっていると言えそうです。

生成AIの活用フェーズランキング:実装フェーズがトップに

生成AIが開発プロセスのどのフェーズで最も活用されているかという問いでは、「実装フェーズ」が59.7%と最も高く、次いで「調査フェーズ」が59.1%という結果になりました。

生成AI利用フェーズランキング(複数回答可)paiza

実装フェーズでの活用が最も進んでいるのは、生成AIの得意分野の一つであるコード自動生成やスニペット(短いコード片)提案が、エンジニアの生産性向上に大きく貢献しているためと推察されます。

生成AIが登場する以前は、エンジニアはゼロからプログラムを実装する際に、過去の類似コードを自身で検索し、引用・編集することが一般的でした。しかし、生成AIは膨大な過去データを学習しているため、文脈に応じたコードを瞬時に生成したり、効率的なスニペットを提案したりすることができます。これにより、エンジニアはルーティンワークにかかる時間を削減し、より複雑な問題解決やアーキテクチャ設計に集中できるようになっています。

「調査フェーズ」が2位になったことも注目に値します。これは、新しい技術やライブラリの使い方、エラーの原因究明など、情報収集のプロセスにおいても生成AIが有効活用されていることを示しています。生成AIは、膨大なドキュメントやオンライン情報を素早く分析し、必要な情報を提供することで、調査にかかる時間を大幅に短縮できる可能性があります。

この結果から、生成AIはエンジニアの作業において、まさに「触媒」や「アシスタント」としての役割を強く果たしていることが再確認されました。特に、具体的な成果物につながる実装や、知識の獲得を支援する調査において、その価値が最大限に発揮されていると言えるでしょう。

ITエンジニアが愛用する生成AIツールランキング:ChatGPTが圧倒的1位

ITエンジニアが実際にどのような生成AIツールを愛用しているかについても調査が行われました。その結果は以下の通りです。

  1. ChatGPT (77.3%)
  2. Gemini (53.3%)
  3. GitHub Copilot (41.0%)
  4. Claude Code (15.3%)
  5. Cursor (14.6%)
  6. 自身が所属している企業の生成AIを使用している (13.9%)
  7. Gemini CLI (7.2%)
  8. Cline (6.3%)
  9. Gemini Code Assist (4.9%)
  10. ChatGPT Codex (4.4%)

ITエンジニアが愛用する生成AIツールランキング (複数回答可) paiza

ChatGPTが圧倒的なシェアで1位を獲得していることは、生成AIが単なるコード生成だけでなく、より幅広い用途で活用されていることを示唆しています。ChatGPTは、自然言語処理能力が高く、質問応答、文章作成、アイデア出し、デバッグ支援など、多様なタスクに利用できます。多くのエンジニアが、日々の業務における様々な場面でChatGPTを「相談相手」や「思考の補助」として活用していると考えられます。

2位のGeminiも同様に汎用性の高いAIツールであり、ChatGPTとともに、エンジニアが多角的に生成AIを活用している実態を裏付けています。

3位にランクインしたGitHub Copilotは、コードエディタに統合され、リアルタイムでコードを提案する機能が特徴です。これは、まさにITエンジニアの実務的な補助ツールとして特化しており、実装フェーズでの生産性向上に直結していると言えるでしょう。コードの自動補完や関数生成など、開発作業をスムーズに進めるための強力なサポートを提供しています。

このランキングは、ITエンジニアが生成AIを、単なるコーディング支援だけでなく、問題解決、学習、情報収集といった幅広い側面で活用していることを明確に示しています。

paiza株式会社 代表取締役社長/CEO 片山良平氏のコメントと今後の展望

paiza株式会社の代表取締役社長/CEOである片山良平氏は、今回の調査結果を受けて、生成AIがITエンジニアの生産性に大きく寄与していることを再確認したと述べています。

片山氏は、生成AIがエンジニアの作業における「触媒」や「アシスタント」としての役割を果たしているとしつつも、「生成AIを使わない開発に戻れるか」という設問で示された経験年数による「依存度」の違いにも言及しています。この違いは、生成AIの活用が進む中で、AIが生成したコードを適切に評価し、より高度な開発に活かしていくためには、ITエンジニア自身の確かなスキルが不可欠であることを示唆しています。

生成AIに「依存」するのではなく、エンジニアが自らのキャリアを主体的に築き、絶え間なく成長できる環境を提供することの重要性をpaizaは強調しています。paizaは「世界を変えるのは、異能だ。」をコンセプトに、「人と企業に絶え間ない成長を促す唯一無二のプラットフォーム」作りを目指しており、今後もIT人材を採用する企業、育成する教育機関、そして活躍を目指す個人に役立つサービスの提供を続けていくとしています。

調査概要とpaizaについて

調査概要

  • 調査名: 「生成AI時代のエンジニアのスキルアップに関する意識調査(2025年版)」

  • 調査対象: paiza登録ITエンジニア629名

  • 調査期間: 2025年7月3日(木)~7月19日(金)

  • 調査方法: インターネットによる調査

paizaについて

paizaは、ITエンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォームです。オンラインプログラミングテスト「paizaスキルチェック」でスキルを可視化し、それを基に転職・就職ができる独自のサービスを提供しています。2025年9月現在、登録者数は約92万人、4,800社以上の企業が採用に利用しており、「paizaスキルチェック」の総受験回数は3,320万回に達しています。

「paiza転職」をはじめ、「paiza新卒」「EN:TRY」「paizaフリーランス」といった転職・就職サービスや、プログラミング学習サービス「paizaラーニング」を展開し、現役エンジニアから未経験者まで、幅広いIT人材のキャリア形成を支援しています。

まとめ:生成AIはITエンジニアの強力なパートナー、しかしスキルアップの重要性は変わらず

今回のpaiza生成AI調査レポートは、生成AIがITエンジニアの生産性向上に大きく貢献している実態を明確に示しました。コーディング時間の短縮や、実装フェーズでの活用拡大は、生成AIが開発現場における強力なアシスタントとしての地位を確立しつつあることを物語っています。

特に、経験の浅いエンジニアにとって生成AIは、学習と効率化を加速させる不可欠なツールとなりつつあります。しかし、コードの品質チェックや、より高度な設計・問題解決には、依然として人間であるエンジニアの確かなスキルと判断力が求められます。

生成AIは、エンジニアの仕事を奪うものではなく、むしろ新たな価値を生み出すための「触媒」や「パートナー」としての役割を担っていくでしょう。これからのITエンジニアは、生成AIを効果的に活用しつつも、自身の専門スキルを磨き続け、AIでは代替できない創造性や問題解決能力を高めていくことが、キャリアを築く上でますます重要になると言えます。

paizaが目指す「異能をのばせ。」というコンセプトは、まさにこのような生成AI時代におけるエンジニアの成長を後押しするものでしょう。生成AIの進化とともに、ITエンジニアの働き方や求められるスキルも変化し続けますが、主体的に学び、成長し続ける姿勢が、未来のIT業界を切り拓く鍵となるはずです。

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