電話窓口を廃止?サンデン・リテールシステムがモビルス導入で問い合わせ93%減、オペレーター75%削減を実現した秘訣

サンデン・リテールシステムがモビルス導入で電話窓口を廃止!問い合わせ激減、オペレーター大幅削減の成功事例

近年、多くの企業が直面している「人手不足」や「顧客からの問い合わせ対応の効率化」という課題。特にカスタマーサポートの現場では、電話が集中して「つながらない」といった顧客の不満や、オペレーターの負担増大が深刻化しています。

そんな中、自動販売機や冷凍・冷蔵ショーケース製造の大手であるサンデン・リテールシステム株式会社(以下、サンデン・リテールシステム)が、モビルス株式会社(以下、モビルス)の提供するチャット・LINEソリューションを導入し、従来の電話窓口を完全に廃止するという大胆な改革に踏み切りました。その結果、顧客からの問い合わせ件数を約93%削減し、オペレーター人員も約75%削減するという、目覚ましい成果を上げています。

この記事では、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で、サンデン・リテールシステムがどのようにしてこの大きな変革を成し遂げたのか、その背景、導入された具体的なシステム、そして得られた驚きの成果について詳しく解説します。さらに、将来的なAIエージェントの活用といった今後の展望にも触れていきます。

サンデン・リテールシステムとモビルスのロゴ

なぜ電話窓口を廃止したのか?サンデン・リテールシステムの課題

サンデン・リテールシステムは、飲料向け自動販売機や冷凍・冷蔵ショーケースの製造・販売で国内大手として知られています。特に近年では、コロナ禍をきっかけに無人販売の需要が高まり、飲食店を中心に設置が進む冷凍自動販売機「ど冷えもん」の開発・販売にも力を入れ、国内累計出荷台数は10,000台以上(2025年9月現在)に達しています。このような事業の拡大に伴い、顧客からの問い合わせも増加の一途をたどっていました。

従来の電話窓口が抱えていた問題点

同社のカスタマーセンターでは、冷却機器という製品の特性上、夏場の繁忙期や朝夕のピーク時に問い合わせの電話が集中する傾向がありました。多い日には1日数百件もの電話が殺到し、以下のような深刻な課題を抱えていたのです。

  • 受電率の低下と待ち時間の増加: 電話が混み合い、顧客がオペレーターになかなかつながらない状況が発生していました。これにより、顧客の不満が高まり、顧客体験(CX:Customer Experience)の低下を招いていました。

  • オペレーターの負担増大: 修理受付や不具合対応では、1件あたり1時間にも及ぶ複雑なケースもあり、オペレーターにかかる精神的・時間的負担は非常に大きいものでした。人手不足が叫ばれる中、このような状況は離職率の増加にもつながりかねません。

モビルスの「第5回 お客さま窓口の利用実態調査(2024)」でも、「オペレーターにつながらない」「待ち時間が長い」といった顧客の不満が多く寄せられており、サンデン・リテールシステムも同様の課題に直面していたことが分かります。

情報伝達の非効率性も課題に

また、カスタマーセンターの課題とは別に、大手コンビニエンスストア向けのコーヒーマシン設置業務においても、情報伝達の非効率性が問題となっていました。本部から全国のパートナー企業の設置担当者へ情報を伝えるまでに、複数の連絡者を介する必要があり、情報伝達のスピードと正確性に課題がありました。

これらの課題を解決し、「つながらない」ストレスの解消と生産性向上を実現するため、サンデン・リテールシステムは、有人チャット、チャットボット、そしてLINE公式アカウントでの情報配信システムという、新しい顧客対応の形を導入することを決断しました。

モビルスのソリューションで実現した新しい顧客対応の形

サンデン・リテールシステムが導入したのは、モビルスが提供する以下の3つのCXソリューションです。

  • MOBI AGENT(モビエージェント®): オペレーターがリアルタイムで顧客とチャットで対話する「有人チャットシステム」です。チャットボットでは対応しきれない複雑な問い合わせに、きめ細やかなサポートを提供します。

  • MOBI BOT(モビボット®): AIを活用して顧客からの問い合わせに自動で回答する「チャットボットシステム」です。簡単な質問であれば、24時間365日いつでも即座に解決できます。

  • MOBI CAST(モビキャスト®): LINEの友だちに対して、顧客属性などに基づいて最適な情報を配信できる「LINEセグメント配信システム」です。

WebサイトとLINE公式アカウントへの完全移行

サンデン・リテールシステムは、これらのシステムを導入し、製品・サービスに関する修理や点検の問い合わせ受け付けを、自社WebサイトとLINE公式アカウント「サンデン・リテールシステムお客様サポート」に集約しました。2025年3月には従来の電話窓口を廃止し、問い合わせ窓口をWebチャットとLINE公式アカウントに完全に移行しています。

LINE公式アカウント「サンデン・リテールシステムお客様サポート」利用の流れ

この新しい体制では、まずMOBI BOTが顧客からの問い合わせ内容を事前にヒアリングし、自動で適切な情報を提供したり、問い合わせ内容を振り分けたりします。チャットボットで解決できない場合や、より詳細な対応が必要な場合は、MOBI AGENTによる有人チャットにスムーズに連携されます。チャット形式のため、顧客は写真や動画を共有することも可能になり、現場の状況をオペレーターが容易に把握できるようになりました。これにより、より正確で迅速なサポートが可能になっています。

業務サポートにおけるLINE公式アカウントの活用

さらに、大手コンビニエンスストア向けのコーヒーマシン設置業務においても、LINE公式アカウント「サンデン・リテールシステム㈱業務サポート」を新設しました。ここでは、MOBI AGENT、MOBI BOTに加え、MOBI CASTが活用されています。

LINE公式アカウント「サンデン・リテールシステム(株)業務サポート」利用の流れ

MOBI CASTを使って、本部から全国数百名の設置担当者へ、マニュアルや技術資料の最新情報、部品の欠品情報、災害時の注意喚起などをダイレクトかつ一括で配信。これにより、情報展開のスピードと正確性が飛躍的に向上しました。以前は複数の担当者を介していた情報伝達が、LINE公式アカウントを通じて直接行えるようになったのです。

導入によって得られた驚きの成果

モビルスのソリューション導入により、サンデン・リテールシステムは、カスタマーセンター運営と情報伝達において、目覚ましい成果を達成しました。その具体的な内容を見ていきましょう。

1. 問い合わせ件数約93%削減、オペレーター人員約75%削減

最も顕著な成果は、問い合わせ件数とオペレーター人員の大幅な削減です。

  • 問い合わせ件数: 従来の電話による問い合わせは、多い日で1日数百件に上っていましたが、FAQ(よくある質問)の拡充と有人チャットへの切り替え・併用により、約93%減という驚異的な削減率を実現しました。

  • オペレーター人員: 問い合わせ件数の減少に伴い、オペレーターの必要人数も大幅に削減され、約4分の1となる約75%の省人化を達成しました。

カスタマーセンターでの削減効果

これは、チャットボットが多くの一次対応を自動で行い、有人チャットが電話よりも効率的に複数対応できるようになった結果と言えるでしょう。

2. 利用者とオペレーター双方のストレス軽減、応対時間目標も継続達成

電話応対では、オペレーターが1対1で対応するため、繁忙期には利用者が長時間待たされるストレスが発生していました。しかし、有人チャットでは、1人のオペレーターが同時に2人の利用者に対応できるようになり、「つながらない」状況が大幅に軽減されました。これにより、利用者の待ち時間ストレスが大きく緩和されたと考えられます。

オペレーターにとっても、大きなメリットがありました。電話では複雑な状況を口頭で把握する必要があり、精神的な負担が大きいものです。一方、チャットではテキストベースで問い合わせ内容を確認できるため、応対業務の効率化と心理的負担の軽減につながり、オペレーターからも好評を得ています。

さらに、チャットボットによる事前ヒアリングや、写真・動画の共有機能によって現場状況の把握が容易になった結果、1件あたりの応対時間が短縮されました。これにより、「平均900秒以内」という応対時間目標を数か月にわたって継続して達成しています。

3. LINE公式アカウントで情報共有を効率化し、担当者数を半減

機器設置業務における情報伝達の課題も、LINE公式アカウントの導入で解決されました。以前は本部、各支社の窓口担当者、パートナー企業の窓口担当者、現場の設置担当者と、複数の段階を経て情報が伝達されており、現場担当者が確認し、本部に返信が戻るまでに時間を要していました。しかし、LINE公式アカウントを開設したことで、本部から現場の設置担当者へ情報を直接伝えることが可能になりました。

このダイレクトな情報展開により、情報伝達のスピードと正確性が向上し、結果として情報展開の業務にあたる人数を半減することに成功しています。

また、技術資料の更新についても、これまでは問い合わせ時にバージョンの確認が必要でしたが、LINE公式アカウントで最新版を配信することで、全員が常に最新の情報にアクセスできるようになり、確認のためのやり取りも削減されました。

今後の展望:AIエージェント活用とサービス横展開

サンデン・リテールシステムは、今回の成功を基盤として、さらなる業務効率化と顧客体験(CX)向上を目指しています。

  • FAQシステムの強化とAIエージェントの導入: 現在蓄積されているFAQ情報をさらに活用し、チャットボット内での顧客自身による自己解決の仕組みを強化していく計画です。将来的には、より高度な対応が可能なAIエージェントの導入も視野に入れ、さらなる省人化と質の高いサポート体制の構築を検討しています。

  • LINE公式アカウント活用事例の横展開: コーヒーマシン設置業務で成功したLINE公式アカウントを活用したカスタマーサポートの事例を、冷凍・冷蔵ショーケースをはじめとする他のコンビニ向け製品やサービスにも横展開していく方針です。これにより、全国の現場設置担当者とのコミュニケーションを一層スムーズにし、コールドチェーン(低温物流網)を支える高品質なサービス提供の展開を計画しています。

モビルスも、サンデン・リテールシステムの取り組みを支援し、今後も「MOBI AGENT」、「MOBI BOT」、「MOBI CAST」をはじめとするCXソリューションの提供を通して、業務効率化や顧客満足度(CS)および顧客体験(CX)の向上に貢献していくとしています。

サンデン・リテールシステムとモビルスのソリューション

サンデン・リテールシステム株式会社について

サンデン・リテールシステム株式会社は、自動販売機や冷凍・冷蔵ショーケースの製造販売、医療機器・用具の製造販売などを手掛ける企業です。特に「ど冷えもん」などの冷凍自動販売機は、無人販売需要の高まりとともに注目を集めています。

モビルス株式会社について

モビルス株式会社は、コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供する企業です。新しいテクノロジーを取り込んだオペレーション支援生成AIサービス「MooA®(ムーア)」や、顧客コミュニケーションのノンボイス化とデジタル化を推進する「モビシリーズ」(有人チャット、チャットボット、ボイスボットなど)を提供しており、500社以上に導入されています。

モビルスが提供する主要ソリューション

MOBI AGENT(モビエージェント®)

有人チャットシステム「MOBI AGENT」は、チャットボットでは解決できない複雑な問い合わせに対して、オペレーターがきめ細やかな顧客対応を可能にするシステムです。オペレーター支援機能やチャットボット「MOBI BOT」との連携により、効率的な運用が可能です。コンタクトセンターや企業のお問い合わせ窓口など、幅広いシーンで活用されています。

MOBI BOT(モビボット®)

チャットボット「MOBI BOT」は、AIやその他のシステムと柔軟に連携し、問い合わせ対応から手続き処理までを自動化できるチャットボットです。有人チャット「MOBI AGENT」との連携により、顧客満足度向上に貢献します。金融、メーカー、自治体など、幅広い業種で利用されています。

MOBI CAST(モビキャスト®)

「MOBI CAST」は、LINEの友だちに対し、顧客属性やアンケート結果に基づいたセグメント配信が可能なLINEセグメント配信システムです。LINE公式アカウントのリッチメッセージ(LINEスタンプや画像、カルーセル等)に対応し、LINE通知メッセージ配信機能も搭載しています。マルチなアウトバウンド配信からチャットサポートへの連携まで幅広く活用できます。

まとめ

サンデン・リテールシステムの事例は、従来の電話中心のカスタマーサポートから、WebチャットやLINE公式アカウントを活用したデジタルシフトがいかに大きな変革をもたらすかを示す好例です。問い合わせ件数とオペレーター人員の大幅な削減だけでなく、顧客とオペレーター双方のストレス軽減、情報伝達の効率化といった多岐にわたる成果は、多くの企業にとって参考になるでしょう。

AIエージェントの導入検討やサービス横展開といった今後の展望も踏まえると、サンデン・リテールシステムは、コールドチェーン業界全体の効率化と顧客体験向上をリードする存在として、今後も注目されていくことでしょう。このようなデジタルトランスフォーメーション(DX)の成功事例は、人手不足や顧客対応の課題を抱える企業にとって、大きなヒントとなるに違いありません。

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