AIボイスボットで高速バス予約が24時間対応に!「高速バスドットコム」が実現した業務効率化と顧客満足度向上

高速バス業界のDXを牽引!AIボイスボットで実現した24時間電話受付と大幅な業務効率化

近年、AI(人工知能)技術の進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスのさまざまな場面でその恩恵が広がりつつあります。特に、顧客対応の最前線であるコンタクトセンターにおいて、AIの導入は人手不足の解消や顧客満足度の向上に大きく貢献しています。

今回ご紹介するのは、高速・夜行バス予約サイト「高速バスドットコム」を運営するオンライントラベル株式会社が、モビルス株式会社のAI音声自動応答システム「MOBI VOICE(モビボイス®)」を導入し、24時間365日対応の電話受付を実現した事例です。この取り組みにより、問い合わせ件数が大幅に増加する中でも、人員を約3割削減するという驚くべき業務効率化と顧客利便性の向上を両立しました。

AI初心者の方にも分かりやすいように、この革新的な事例の背景、導入されたAIボイスボットの仕組み、そしてその具体的な成果と今後の展望について詳しく解説していきます。

高速バス業界が抱える課題:観光需要の高まりと人手不足の深刻化

観光需要が再び高まる中、多くの業界で人手不足が深刻化しています。特に、利用者からの問い合わせに対応するコンタクトセンター業界では、この問題が顕著です。

モビルス株式会社が実施した「第5回 お客さま窓口の利用実態調査(2024)」によると、問い合わせ手段として「問い合わせフォーム(31.6%)」に次いで「問い合わせ窓口に電話(28.9%)」が多く利用されていることが明らかになっています。この結果は、デジタル化が進む現代においても、緊急性や複雑な手続きを伴う問い合わせでは、依然として電話が重要な役割を担っていることを示しています。

しかし、電話対応には「オペレーターが稼働できる時間帯に限りがある」という大きな制約があります。深夜や休日といった営業時間外に発生する緊急性の高い問い合わせ(例えば、急なキャンセルや予約変更、忘れ物に関する確認など)に迅速に対応できないことは、利用者の不満につながり、企業の顧客満足度を低下させる原因となっていました。また、限られた人員で多くの問い合わせに対応しようとすれば、オペレーターの業務負荷が増大し、疲弊を招くことにもなります。

「高速バスドットコム」が直面していた具体的な課題

オンライントラベル株式会社が運営する「高速バスドットコム」は、全国の高速・夜行バスを検索、予約、決済できる便利なポータルサイトです。これまでも、利用者からのキャンセルや予約変更、遺失物の照会といった問い合わせには、電話やチャットボット、有人チャットといった複数の方法で対応していました。

しかし、電話対応はオペレーターが稼働できる月~土曜日の10時から17時という営業時間内に限定されていました。そのため、深夜や営業時間外に発生する急な問い合わせに対しては、十分な対応が難しい状況でした。これは、利用者の利便性を損なうだけでなく、緊急性の高い問い合わせを見過ごしてしまうリスクもはらんでいました。

すでに有人チャットやチャットボットといったデジタルチャネルを導入していたにもかかわらず、電話での問い合わせが一定数寄せられる状況は続いていました。特に繁忙期には、コンタクトセンターのスタッフだけでは対応しきれず、他部門から人員の応援を受けることで、なんとか対応している状態でした。このような状況から、オンライントラベル株式会社は、応答率や利便性の向上、オペレーターの業務負担軽減に加え、24時間365日対応できる電話受付体制の構築が喫緊の課題であると考えていました。

こうした背景から、利用者の利便性向上と業務負担軽減の両立を目指し、電話対応の効率化が急務となっていました。そこで、すでに他のソリューションで導入実績があり、信頼性の高いモビルスの「MOBI VOICE」の導入へと至ったのです。

「MOBI VOICE」とは? AIが実現する賢い電話自動応答システム

「MOBI VOICE(モビボイス®)」は、AI(人工知能)技術を活用して電話での問い合わせ対応を自動化するボイスボットシステムです。一般的な自動音声ガイダンスとは異なり、利用者の発話内容をAIが正確に理解し、まるで人間と話しているかのように自然な会話で対応できるのが大きな特徴です。

具体的には、AIや音声認識・音声合成エンジンを活用し、利用者が話した内容から、例えば「キャンセルしたい」「予約を変更したい」「忘れ物をした」といった意図を汲み取ります。さらに、MOBI VOICEはデータベースとシステム連携することで、利用者の予約情報や変更内容といった必要な情報を自動で取得し、手続きをそのまま進めることができます。これにより、利用者は営業時間外であっても、電話一本で予約のキャンセルや変更、メールの再送といった手続きを完結できるようになります。

MOBI VOICEによる自動応答の流れ

ボイスボットでの自動応答の流れ

このフロー図が示すように、利用者の問い合わせはまずMOBI VOICEが受け付けます。AIが事前ヒアリングを行い、データベースと連携して必要な情報を確認。自動で対応可能な問い合わせはそのまま完結させ、もし複雑な内容でオペレーターの対応が必要な場合は、AIがこれまでの会話内容や取得したデータをオペレーターにスムーズに引き継ぎます。これにより、オペレーターは最初から状況を把握した上で対応を開始できるため、対応時間の短縮と質の向上につながります。

「高速バスドットコム」では、MOBI VOICEの導入により、これまで営業時間内に限られていた「キャンセル受付」「予約変更(キャンセル・新規予約)受付」「遺失物の照会」「メールの再送」といった問い合わせを、24時間365日、AIボイスボットが自動で受け付けられるようになりました。

MOBI VOICEの詳細については、AI電話自動応答、ボイスボット「MOBI VOICE」をご覧ください。

AIボイスボット導入で得られた驚きの成果

「高速バスドットコム」におけるMOBI VOICEの導入は、利用者の利便性向上とコンタクトセンターの業務効率化に目覚ましい成果をもたらしました。

問い合わせ件数増加でも自動応答で完結

導入後の2025年7月の月間電話問い合わせ件数は、前年同月と比較して約1.3倍の8,185件に増加しました。観光需要の回復に伴い問い合わせ自体が増える中で、このうち34%にあたる2,768件をAIボイスボットによる自動応答で完結できたのです。これにより、利用者は深夜や休日であっても、オペレーターを待つことなく必要な手続きを完了できるようになり、顧客利便性が大きく向上しました。

このグラフが示すように、ボイスボット導入後の2025年7月には、問い合わせ総数が増加したにもかかわらず、ボイスボットによる自動応答が全体の34%を占め、効率的な対応が実現していることが分かります。

コンタクトセンターの負担軽減と人員削減

自動応答化の結果、コンタクトセンターの有人対応件数の割合は、前年同月の59%(3,708件)から28%削減され、31%(2,512件)となりました。これにより、オペレーターが対応する必要がある電話の数が大幅に減少しました。

さらに、この変化は稼働人員の削減にも直結しました。月間の稼働人員は、導入前の181名から導入後には132名へと、約27%もの削減を達成しています。限られた人員でより多くの問い合わせに対応できる効率的な体制が構築されたことで、現場のオペレーターの負担が大幅に軽減されました。

応対オペレーター数の削減効果

このグラフは、曜日ごとのオペレーター数の変化と月間での削減効果を明確に示しています。オペレーターが電話対応に費やしていた時間が削減されたことで、スタッフは他の業務、例えばメールやチャット対応、あるいはより複雑な顧客課題の解決といった業務に注力できるようになりました。これにより、全社的な生産性向上はもちろんのこと、アルバイトスタッフのスキルアップにも貢献しているとのことです。

全社的な業務効率化と持続可能な体制構築

従来の繁忙期には、コンタクトセンターのスタッフだけでは電話対応が追いつかず、他部門からの応援が不可欠でした。しかし、AIボイスボットの導入後は、自動応答によって電話応対件数が安定的に抑制されるようになり、他部門からの応援が不要になりました。これは、コンタクトセンターだけでなく、全社的な業務効率化につながる大きな成果と言えるでしょう。

オペレーターが電話対応に縛られる時間が減ったことで、メールやチャットといった他のチャネルでの顧客対応にもより一層注力できるようになり、顧客接点全体の質向上に貢献しています。

利用者の利便性を追求する「高速バスドットコム」の未来

オンライントラベル株式会社は、今回のAIボイスボット導入をデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の第一歩と位置づけています。今後は、さらにAIを活用した「MOBI BOT AI Vector Search(モビボット エーアイ ベクター サーチ)」の導入を検討しています。

この技術を導入することで、利用者がFAQ(よくある質問)サイトで入力した単語とFAQの単語が完全に一致しない場合でも、AIが文脈を理解して適切な候補回答を提示できるようになります。これにより、利用者はよりスムーズに自己解決できるようになり、問い合わせの手続きを自動で完結できる仕組みの実現を目指しています。

オンライントラベル株式会社は、利用者が安心してサービスを利用できるよう、利便性と業務効率化を両立する持続可能なオペレーション体制の構築を進めていく方針です。最先端の技術を活用し、人手不足という社会課題を解決しながら、高速バス・夜行バスの予約・利用体験をより便利で快適なものにするための取り組みを継続していくとのことです。

モビルス株式会社も、「MOBI VOICE」をはじめとするCX(顧客体験)ソリューションの提供を通じて、オンライントラベル株式会社の業務効率化と顧客満足度向上に貢献していくと述べています。さらに、営業時間外の問い合わせに課題を抱える旅行・交通業界全体の課題解決にも貢献し、顧客体験を向上させる企業の活動を支援していく方針です。

本事例に関する詳細なインタビューは、オンライントラベルへの導入インタビューでご覧いただけます。

まとめ

「高速バスドットコム」におけるAIボイスボット「MOBI VOICE」の導入事例は、AI技術がコンタクトセンターの課題解決にどれほど有効であるかを示す好例です。24時間365日対応の電話受付を実現し、問い合わせ件数が増加する中でも人員を約3割削減するという成果は、人手不足に悩む多くの企業にとって大きなヒントとなるでしょう。

AIボイスボットは、単に自動応答を行うだけでなく、利用者の発話を理解し、データベースと連携して具体的な手続きまで完結できる点で、従来のシステムとは一線を画します。これにより、利用者はいつでも必要な情報にアクセスでき、企業は限られたリソースをより付加価値の高い業務に集中させることが可能になります。まさに、AIが顧客満足度と業務効率化の両方を飛躍的に向上させる可能性を秘めていることを証明する事例と言えるでしょう。

AI技術の進化はこれからも止まることなく、私たちの社会に新たな価値をもたらし続けるでしょう。この事例は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、持続可能なビジネスモデルを構築するための一歩として、非常に重要な意味を持っています。

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