EEFULホールディングスは、介護情報サイト「EEFUL DB(イーフル・ディービー)」を再リニューアルしました。今回のアップデートでは、AIによる対話型検索をサービスの中心に据え、AIエージェント「かいとくん」を導入することで、介護情報を「調べ、理解し、考える」ためのプラットフォームとして再設計されています。

EEFUL DBとは?
EEFUL DBは、介護に関する様々な情報を提供するウェブサイトです。これまでも、介護事業所の検索機能や関連ニュースの提供を通じて、介護に関わる人々をサポートしてきました。特に2025年10月には、AIチャット機能の搭載やデザイン刷新といったリニューアルを実施し、介護情報をより身近にするための取り組みを進めています。今回の再リニューアルは、その取り組みをさらに発展させ、AI技術を核とした情報探索体験の提供を目指しています。
AIによる対話型検索が介護情報の探し方を変える
介護事業所を探す際、従来のウェブサイトでは「地域」「サービス種別」といった条件を一つずつ選択していく方法が一般的でした。しかし、介護の状況は人それぞれ異なり、複雑な条件や微妙なニュアンスを伝えたい場合も少なくありませんでした。そこでEEFUL DBは、今回のリニューアルでAIによる「対話型検索」をサービスの中心に据えることで、この課題を解決しようとしています。
対話型検索とは、まるで人と会話するように、自分の希望や状況をAIに伝えることで、最適な情報を探し出す方法です。例えば、「世田谷区で認知症の父が通えるデイサービスを探しています」といった具体的な相談を、自然な言葉でAIに話しかけることができます。AIは、その言葉の裏にある意図やニーズを理解し、適切な介護事業所の情報を提示してくれます。
これにより、介護業界で働く専門家から、初めて介護に直面するご家族まで、誰もが直感的に、そして効率的に必要な情報にたどり着くことが可能になります。条件を細かく指定する手間が省けるだけでなく、漠然とした不安や要望でも、対話を通じて具体的な解決策を見つけ出す手助けとなります。

親しみやすいAIエージェント「かいとくん」が案内役に
今回の再リニューアルでは、AIによる対話型検索をより身近に感じてもらうために、AIエージェントを「かいとくん」という親しみやすいキャラクターとして再設計しました。かいとくんは、単なる機能としてのAIではなく、ユーザーの情報探索をサポートする「案内役」として機能します。

かいとくんに対しては、「特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いは?」といった制度や施設に関する疑問、あるいは「自宅で受けられる介護サービスにはどんなものがある?」といった具体的なサービス内容に関する質問など、介護に関するあらゆる疑問を自然な言葉で投げかけることができます。かいとくんは、これらの質問に対し、まるで相談相手のように分かりやすく、かつ正確な情報を提供してくれます。

この親しみやすいキャラクターの裏側には、高度なAI技術が組み込まれています。介護情報という複雑で専門的な文脈を正確に理解し、一貫性のある回答を導き出すための技術基盤が、かいとくんの案内を支えているのです。ユーザーは、まるで友人に相談するような感覚で、複雑な介護情報にアクセスし、理解を深めることができるでしょう。
「かいとくん」の名前の由来
AIエージェント「かいとくん」の名前は、EEFUL DBを運営する株式会社EEFULホールディングスのロゴマークにある「凧」をモチーフにしています。

同社のロゴデザインは、EFLの文字を組み合わせてできる凧のような絵図がモチーフとなっており、「凧」が一人ひとりと繋がりながら広い社会を見渡すように、劇的に変化する社会の中で全体を捉えつつも、一人ひとりの生活が豊かになることを大切にする、という企業理念が込められています。この理念が、ユーザーに寄り添い、情報探索をサポートする「かいとくん」の役割にも反映されていると言えるでしょう。
事業所情報の充実と情報構造の見直し
今回の再リニューアルでは、対話型検索の導入だけでなく、サイト全体の情報構造と事業所情報の充実にも力が入れられています。介護事業所情報は大幅に拡充され、従来の検索条件が見直されたほか、新しいフィルター機能が追加され、画面のユーザーインターフェース(UI)も最適化されました。
これにより、ユーザーは目的の事業所にこれまで以上に確実にアクセスできるようになりました。例えば、特定のサービス内容や施設の設備、対応可能な介護度など、細かなニーズに合わせて事業所を絞り込むことが容易になっています。また、ニュース・トピックスもカテゴリ別に整理され、必要な情報に素早くたどり着けるようになりました。
EEFUL DBは、単に「介護事業所を探す」だけでなく、「介護に関する情報を深く調べ、正確に理解し、自身の状況に合わせて考える」ための総合的な情報環境としての役割を強化しています。
リニューアルを支える先進のAI技術
AIによる対話型検索やAIエージェント「かいとくん」の実装には、最先端のAI技術が活用されています。特に、介護情報のように文脈理解が求められる領域に対応するため、「情報検索・理解基盤」が独自に構築されました。
EEFUL DBでは、全国の介護事業所情報を「ベクトル変換技術」によって意味単位ごとに構造化しています。これは、文字情報だけでなく、その言葉が持つ意味や関連性を数値データとして表現する技術です。これにより、AIは単語の一致だけでなく、ユーザーの意図や状況に合わせた情報をより正確に認識できるようになります。
さらに、この構造化された情報と「RAG(Retrieval Augmented Generation)」、そして「大規模言語モデル(LLM)」を組み合わせています。
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大規模言語モデル(LLM):ChatGPTなどに代表されるAI技術で、人間のように自然な文章を生成したり、質問に答えたりする能力を持っています。しかし、一般的なLLMは学習データに基づくため、最新情報や特定の専門分野においては不正確な情報を生成する「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象が起こる可能性があります。
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RAG(Retrieval Augmented Generation):このハルシネーションの問題を解決し、より正確な情報を提供するために導入された技術がRAGです。RAGは、ユーザーの質問に対し、まず信頼できる情報源(今回はEEFUL DB内の構造化された介護事業所情報など)から関連性の高い情報を「検索(Retrieval)」し、その情報を基にLLMが回答を「生成(Generation)」する仕組みです。これにより、LLMが架空の情報を生成するリスクを大幅に減らし、常に最新かつ正確な介護情報を提供することが可能になります。
この技術基盤により、ユーザーは検索画面からでも、AIエージェント「かいとくん」との会話からでも、自然な言葉で希望や状況を伝えるだけで、同じ精度と一貫性を持った情報にたどり着くことができます。さらに、会話の流れを文脈として活用するため、質問を重ねるほどAIの理解が深まり、より適切な情報へと導かれる体験が実現されています。
EEFUL DBは、AIを単なる検索手段としてではなく、複雑な介護情報を整理し、ユーザーがそれを理解し、自身の状況に合わせて考えるプロセスを強力に支える存在として、その進化を続けています。
プロダクト責任者が語るリニューアルへの想い
今回のリニューアルについて、株式会社EEFULホールディングスのVP of Productである桝谷一磨氏がコメントを寄せています。

桝谷氏は、「今回のリニューアルでは、検索機能そのものよりも、人がどうやって介護情報にたどり着くかを重視しました。AIエージェント『かいとくん』は、その入口として設計しています。」と語っています。また、「条件や専門知識がなくても、自然な言葉で相談でき、対話を通じて理解が深まっていく。介護に関わる立場の違いを問わず、使いやすい体験を目指しました。」と述べ、ユーザー中心の設計思想を強調しています。
桝谷一磨氏は1992年生まれで、約10年にわたり多様なITプロジェクトに携わってきた経験を持ちます。SIer、SES、Web業界での経験を通じて、エンジニアリングからプロジェクト推進まで幅広い実務に従事。2025年よりEEFULホールディングスに参画し、「AI時代の開発」をテーマに、新規事業およびプロダクト開発の責任者としてAI技術を活用したサービス設計を推進しています。
株式会社EEFULホールディングスについて
株式会社EEFULホールディングスは、超高齢社会を支える持続可能なケアシステムの創造を目指し、前身である株式会社emomeを2023年に設立しました。介護事業の運営・プロデュースに加え、映像を活用したレクリエーション事業「シニアカレッジ」など、介護事業所の魅力を高める取り組みを二本柱として展開しています。
同社の基幹戦略である「CCRCC(Continuing Caring Retirement Communal City)」は、「既存の街を壊さず、足りない部分だけをソフトサービスで補い、高齢期になっても暮らし慣れた地域で安心して生き続けられる環境を整える」という発想から生まれた“未来都市”構想です。この戦略の実現に向け、エリアドミナント戦略とクロスセル戦略を組み合わせ、介護事業所のM&Aやロールアップを推進しています。さらに、介護前のアクティブシニア層を対象としたコミュニティ事業も視野に入れ、地域に根ざした包括的なケアインフラの構築を目指しています。
2025年11月に株式会社EEFULホールディングスに社名変更し、「介護を、未来を支える次の産業へ」というビジョンの実現を加速させています。
関連リンク
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EEFUL DB: https://eeful-db.com
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EEFULホールディングス ホームページ: https://eeful-hd.com
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介護レクリエーションクラウド「シニアカレッジ」 ホームページ: https://senior-college.jp
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福利厚生アプリ「福利厚生くん」ホームページ: https://fukurikosei.eeful-db.com
参考:書籍概要

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書名:『未来をつくる介護 ― 高齢化時代の新しいライフスタイル開発』
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著者:森山 穂貴
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発売日:2025年11月14日
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出版社:クロスメディア・パブリッシング
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価格:1,980円(税込)
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仕様:四六判/ソフトカバー
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ISBN:978-4295411550
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Amazonリンク:https://www.amazon.co.jp/dp/4295411558
まとめ:AIが拓く介護情報プラットフォームの未来
今回のEEFUL DBの再リニューアルは、AI技術を駆使して介護情報の探索体験を根本から変革しようとする画期的な試みです。AIによる対話型検索と親しみやすいAIエージェント「かいとくん」は、介護に関わる人々が抱える情報収集の課題に対し、直感的で効率的、そして心強いサポートを提供します。高度なRAG技術と大規模言語モデルの組み合わせにより、信頼性と正確性を兼ね備えた情報提供が可能となり、ユーザーは安心して介護に関する「調べ、理解し、考える」プロセスを進めることができるでしょう。
超高齢社会が進行する中で、介護情報へのアクセス性の向上は喫緊の課題です。EEFUL DBは、この課題に対しAIという強力なツールで応え、介護を必要とする方々やそのご家族、そして介護に携わる専門家にとって、欠かせない情報プラットフォームへと進化を続けていきます。今後、EEFUL DBが日本の介護DXをさらに加速させ、持続可能なケアシステムの実現に貢献していくことに期待が寄せられます。

