地方でAIエンジニアを育成し、開発まで完結!DIVXが提唱する「霧島モデル」で実現する地方創生と高速開発の全貌

AI技術の進化は、私たちの働き方やビジネスのあり方を大きく変えつつあります。そんな中、株式会社divxは、鹿児島県霧島市に開設したサテライトオフィス「霧島ラボ」において、地方でのAIエンジニア育成と開発完結を実現する「霧島モデル」を確立したと発表しました。このモデルは、地元で採用した人材を短期間でAIエンジニアとして育成し、要件定義からアプリのストア申請まで、開発の全工程を地域内で完結させることを可能にしました。これにより、従来の開発効率を2〜5倍に向上させるなど、目覚ましい成果を上げています。

霧島ラボのメンバー

「霧島モデル」とは?地方の可能性を拓く新たな挑戦

「霧島モデル」は、地方における新たな働き方とAI人材育成の可能性を示す画期的な取り組みです。このモデルの核となるのは、「地方で採用した人材を、AIを活用することで短期間でエンジニアとして育成し、その地域で開発が完結できる体制を構築する」という考え方です。官民が密接に連携し、採用・育成・開発という一連のサイクルを地域内で生み出しています。

霧島ラボで働くメンバーの多くは、エンジニア以外の多様なバックグラウンドを持っています。しかし、生成AI(文章や画像を自動で生成するAI)の活用を前提とした独自の学習環境と、日次・週次で行われる丁寧な振り返りによって、実務で通用するレベルのノウハウを短期間で習得しています。このように、未経験者であっても早期にAI人材として活躍できる状態にすることこそが、「霧島モデル」の最も重要な要素と言えるでしょう。

株式会社divxは、2023年に鹿児島県霧島市と立地協定を結び、サテライトオフィス「霧島ラボ」を開設しました。霧島市からの支援を受けながら、地域に根ざした人材育成と産業連携の実証を進めており、今回のアプリ開発もその一環として実施されました。

霧島ラボでの会議風景

地方人材のAI化と開発完結を可能にする具体的なプロセス

「霧島モデル」がどのようにして地方でのAI人材育成と開発完結を実現しているのか、その具体的なプロセスを見ていきましょう。

1. 要件整理からプロトタイピングまでAIが支援

開発の最初の段階である「要件整理」から、AIが積極的に活用されています。営業段階でのヒアリング情報をもとに、AIが顧客の要望を反映した試作品(プロトタイプ)を短時間で生成します。このプロトタイピング作業も、霧島ラボの地方採用メンバーが担当しており、AIを使いこなして顧客の要望を即座に形にするスキルを習得しています。

これにより、顧客は開発の初期段階で完成イメージを具体的に把握でき、開発者との認識のずれを大幅に減らすことができます。結果として、手戻りが少なく、効率的な開発が実現します。

2. 実装フェーズでの高速化と効率化

実際のプログラムを記述する「実装フェーズ」では、AIがコード記述やテストの一部を支援します。これにより、開発にかかる時間が劇的に短縮され、従来1カ月以上を要した開発が最短約7日で完了するケースも出ています。AIが定型的な作業を自動化することで、地方採用メンバーは、顧客との細かな調整、仕様の検討、改善提案といった、「上流の判断が必要な領域」に多くの時間を割けるようになりました。これが、開発効率の大幅な向上に繋がっています。

継続的なスキル向上を支える仕組み

「霧島モデル」では、AI活用による開発スピードの向上と同時に、品質の担保も重視しています。そのために、以下のような取り組みを通じて、継続的なスキル向上を図っています。

  • AI活用の振り返り会: プロジェクト終了後には「AI活用の振り返り会」を実施し、チーム内で知見を共有します。具体的には、効率的なプロンプト(AIへの指示)の活用法、複数のAIモデルの使い分け方、設計段階でのゴール設定の重要性など、実践的なノウハウが共有されます。

  • 開発者の責任と品質管理: AIが生成した提案に対して、最終的な判断責任は開発者が持つという方針を徹底しています。これにより、開発者はAIの出力を鵜呑みにせず、コード全体への影響範囲を把握したり、品質管理に関する独自の運用ルールを策定したりすることで、継続的な改善サイクルを回しています。

これらの取り組みにより、未経験からスタートしたメンバーであっても、AIエンジニアとして短期間で実務レベルの高度なスキルを習得し、高品質なソリューションを安定して提供できる体制が構築されています。

熱量が交差する場所「小浜ヴィレッジ(obama village)」

霧島ラボの拠点である「小浜ヴィレッジ(obama village)」は、単なるオフィススペースではありません。ここは、「地方を元気にしたい」「霧島をもっと面白くしたい」という熱い情熱を持った人々が全国から集まる、活気に満ちた場所です。霧島ラボのメンバーは、この開放的な環境で多様な価値観に触れることにより、柔軟な発想力を養っています。

地域の人々や様々な分野の専門家との交流から得られる「生きた学び」は、チームの結束力を高めるだけでなく、開発するアプリの品質や仕様策定において重要な指針となっています。小浜ヴィレッジは、このような「生きたコミュニティ」を土台に、地方DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功事例を次々と生み出し、霧島をさらに活性化させ、全国に誇れるモデル地区へと進化させています。

関係者からのコメント:地方創生への期待と手応え

「霧島モデル」の確立と成果に対し、各方面から大きな期待と手応えが寄せられています。

霧島市 市長 中重 真一氏

霧島市 中重 真一市長

中重市長は、株式会社divxが霧島市初のAI関連企業として、地域におけるDX推進を支援してきたことを高く評価しています。今回の「霧島モデル」による取り組みは、企画から実装までを地元人材だけで行うことで、新たな雇用の創出や、若い世代が最先端のAI分野に触れる機会を生み出している点に大きな意義があると考えています。また、これまで主に都市部で進められてきた高度なIT開発が霧島市で着実に進展していることを心強く感じており、今後も都市部と地域をつなぐ人材の流れを創出し、移住・定住の促進に取り組む姿勢を示しています。

株式会社Obama Village 代表 有村 健弘氏

株式会社Obama Village 代表 有村 健弘氏

有村氏は、霧島から最先端のAI人材が育ち、新たなキャリアが小浜で生まれることを心から歓迎しています。divxの取り組みは、地方でも高度なデジタル開発が完結することを示す象徴であり、Obama Villageが掲げる「生きるをつくる、未来の村。」というビジョンを実践するものだと述べています。地域に根差した企業と共に、若い才能が成長し続ける循環をつくり、霧島・小浜から新しい価値を発信していくことに意欲を示しています。

株式会社divx 代表取締役社長 物部 英嗣氏

物部社長は、地方創生の出発点は「雇用の創出」にあると考えています。特に地方では、高等教育を受けていながら、正社員としての働き方の選択肢が限られている子育て世代の女性が多く、その能力が十分に活かされていない現状があると指摘しています。

ITの仕事は、本来、場所や物理的な制約を受けにくい分野であるにもかかわらず、これまでのIT産業では「経験者を都市部で採用する」ことが前提とされ、地方で人材を育成し、開発まで担うモデルは十分に確立されてきませんでした。divxは創業当初から、未経験人材を含めた育成を前提に事業を組み立ててきました。霧島ラボでは、エンジニアを現地で採用するのではなく、現地で育成することを前提に、生成AIを活用した学習・開発プロセスを設計しています。

その結果、これまでIT業務の経験がなかったメンバーが、要件整理から実装までを担い、実際にアプリケーションを完成させる段階に到達しました。今回の取り組みは、地方においても人材育成と開発が両立することを示す、実用レベルの事例であると強調しています。今後は、この仕組みを霧島市での実証に留めることなく、他地域や自治体、企業との連携を通じて展開し、地方における持続的な雇用創出とAI人材育成の新しいモデルを提示していくと述べています。

株式会社divx 霧島ラボリーダー 遠矢 彩加氏

霧島ラボリーダーの遠矢氏は、AIを活用することで、地方という地理的なハンデや、エンジニアとしての経験の差を圧倒的なスピードで埋められることが証明されたと語り、これが霧島ラボのメンバーにとって大きな自信となったことを明かしています。最新のAI技術と小浜ヴィレッジでの豊かな交流が融合することで、単なるシステム構築に留まらない、「使う人の体温に寄り添った開発」が実現できていると感じているとのことです。霧島の豊かな自然に囲まれながら、最先端の技術を武器に全国へ価値を届ける、そんな新しい働き方の選択肢をここ霧島からさらに広げていけるよう、これからも挑戦し続けたいと意欲を語っています。

「霧島モデル」の成果:実際に開発されたアプリケーション

今回の取り組みでは、霧島ラボがiOS/Android向けを含む2種類のアプリケーションを、UI/UX設計(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス:使いやすさや体験設計)から実装、ストア申請まで一貫して担当しました。いずれも短期間での開発が求められるプロジェクトでしたが、総コード量は約10万行に達する規模となりました。

1. iOS/Androidアプリ

このアプリは一般ユーザー向けのモバイルアプリで、Flutter(フラッター:iOSとAndroidの共通部分をまとめて開発できる技術)によるクロスプラットフォーム開発に加え、iPhone専用機能を扱うためにSwift(スウィフト:Apple製品のアプリ開発に用いられるプログラミング言語)でのネイティブ実装(約2.8万行)も行う構成を採用しています。FlutterとSwiftを併用するため、1つのアプリでも実質的に2種類の開発が必要となる点が特徴です。主要機能を約1カ月で実装し、その後2週間でストア申請まで完了するという、高速開発の成果を示しました。

2. BtoB向けSaaS型ソリューション

もう一つは、Webとアプリが連携するSaaS(サース:サービスとしてのソフトウェア)型のプロダクトです。TypeScript(タイプスクリプト:JavaScriptを拡張して作られたプログラミング言語)を用いたバックエンド(サーバー側の処理)との接続を含む複雑な要件を、約1.5カ月という短期間で製品化しています。

これら異なる2つのアプリを約2.5カ月で、地方採用メンバーのみで並行開発し、ストア公開からSaaSモデルの構築まで対応したことは、「霧島モデル」による早期AI人材育成の具体的な成果を明確に示しています。

今後の展望:全国へ広がる「霧島モデル」の可能性

株式会社divxは、今回の「霧島モデル」で得られた知見をもとに、地方拠点におけるAI開発の運用モデルをさらに整理し、他地域での拠点展開や、全国の自治体・企業との協業を積極的に検討していく方針です。また、地元採用による人材育成の仕組みづくりや、各地域の課題に対するAI活用の可能性についても、引き続き霧島市と連携しながら、その実証と展開を進めていくとしています。

「霧島モデル」は、単なるAI技術の導入に留まらず、地方における新たな雇用の創出、人材育成、そして地域経済の活性化に貢献する、持続可能な地方創生の新しいモデルとして、全国にその可能性を広げていくことでしょう。

株式会社divxについて

株式会社divxは、2021年に創業したクリエイティブカンパニーであり、AI技術を活用したソフトウェア開発およびソリューション提供を行っています。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術による変革)推進を支援するため、デジタル分野におけるコンサルティングからサービス開発・運用まで、一貫した対応が可能な体制を構築しています。

同社は2022年にAWSセレクトティアサービスパートナーの認定を受けるなど、クラウドサービスに関する高い技術力も評価されています。各分野の専門知識を持つメンバーで構成された総合クリエイティブチームが連携することで、シームレスかつ迅速なサービス開発を実現し、顧客のビジネスニーズに柔軟に対応しています。

オフィシャルサイト:
https://www.divx.co.jp/

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