据え置き型AI同時通訳機「ポケトークX」で言葉の壁をなくす社会へ:公共空間での実証実験が年内開始
現代社会において、人々の移動や交流はますます活発になり、さまざまな言語が飛び交う場面が増えています。しかし、異なる言語を話す人々がお互いを理解し合うことは、時に大きな課題となることがあります。この「言葉の壁」を乗り越え、誰もがスムーズにコミュニケーションできる社会を目指す画期的な動きが、今、注目を集めています。
ポケトーク株式会社は、2026年の販売開始を目指し、据え置き型のAI同時通訳機「ポケトークX(エックス)」を開発しました。この新しいデバイスは、年内にも実証実験を開始し、公共空間における多言語コミュニケーションの未来を大きく変える可能性を秘めています。AI技術を活用した同時通訳が、どのように私たちの社会インフラとなり得るのか、その詳細を詳しく見ていきましょう。

「ポケトークX」とは?:据え置き型AI同時通訳機がもたらす新しい対話体験
「ポケトークX」は、対面でのコミュニケーションにおける言語の障壁を取り除くことを目的に開発された、据え置き型のAI同時通訳機です。これまでの持ち運び型の通訳機とは異なり、特定の場所に設置して利用することを想定して設計されています。
このデバイスは、同社がこれまでに培ってきたAI同時通訳ソフトウェア「Sentio(センティオ)」の技術を基盤としています。AI初心者の方にも分かりやすく説明すると、AI同時通訳とは、人工知能(AI)が話された言葉をほぼリアルタイムで別の言語に翻訳し、音声やテキストで伝える技術のことです。まるで専門の通訳者がその場にいるかのように、異なる言語を話す人々の会話をスムーズにつなぎます。
「据え置き型」であることの最大のメリットは、設置場所で多くの人が気軽に利用できる点にあります。例えば、空港のカウンターや病院の受付、役所の窓口など、多くの人が訪れる公共の場所で、言語の違いを気にすることなく、誰もがすぐに会話を始められるようになるでしょう。
「ポケトークX」の画期的な特徴:自然で安心な多言語コミュニケーションを実現
「ポケトークX」は、ただ言葉を翻訳するだけではありません。より自然で、より安心して利用できる多言語コミュニケーションを実現するための、様々な工夫が凝らされています。
1. 両面ディスプレイによる直感的な対話
「ポケトークX」の最も目を引く特徴の一つが「両面ディスプレイ」です。これは、デバイスを挟んで向かい合う二人が、それぞれ自分の言語で翻訳されたテキストを同時に確認できるというものです。
通常、通訳機では一方が話した内容が翻訳されてもう一方に伝わりますが、この両面ディスプレイがあれば、会話の相手が何を話しているのか、そしてそれがどのように翻訳されているのかを、視覚的に瞬時に理解できます。これにより、まるで同じ言語を話しているかのように、自然なテンポで会話を進めることが可能になります。言葉が文字として表示されることで、聞き間違いや誤解も減り、より正確なコミュニケーションが期待できます。
2. 高感度デュアルマイクと高精度な翻訳能力
公共空間では、周囲の騒音によって話し声が聞き取りにくくなることがあります。「ポケトークX」は、高感度なデュアルマイクを搭載しており、騒がしい環境下でも双方の声を正確に捉えることができます。これにより、通訳の精度が保たれ、どんな場所でもクリアなコミュニケーションが実現します。
さらに、このデバイスは会話全体の流れやテーマをリアルタイムで解析し、同音異義語(例えば「はし」が「橋」なのか「箸」なのか)も文脈から的確に聞き分ける高い翻訳精度を持っています。AIが単語一つ一つを翻訳するだけでなく、会話全体の意図を理解しようとすることで、より自然で意味の通じる翻訳が可能になるのです。
3. 自動言語判別機能でスムーズな会話のスタート
多言語対応のデバイスを使う際、最初に「どの言語からどの言語へ翻訳するか」を設定する手間は、意外とコミュニケーションの妨げになることがあります。「ポケトークX」は、発話された言語を自動で認識し、設定操作なしに翻訳を開始する「自動言語判別機能」の実装を進めています。
この機能があれば、利用者は言語設定のボタンを探したり、相手に言語を尋ねたりすることなく、すぐに会話を始めることができます。これは、特に急を要する場面や、多くの人が利用する公共の場所において、非常に重要な機能です。誰もが平等に、そして迅速に対話を始められることは、多言語社会を支えるインフラとして不可欠な要素と言えるでしょう。
4. プライバシーとセキュリティを重視した設計
公共の場やビジネスの現場で利用されるデバイスにとって、プライバシーとセキュリティは非常に重要です。「ポケトークX」は、この点にも細心の注意を払って設計されています。
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不適切表現フィルター: 不適切な表現が通訳されることを自動で検知し、通訳前後の発言(1文全て)を非表示にする機能を搭載しています。これにより、安心して利用できる環境を提供します。
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会話データ即時削除機能: 通訳後の会話データをAIの学習に利用することなく、即座に削除する機能を備えています。個人情報や機密情報を扱う医療機関や行政窓口などでも、安心して利用できる設計です。
これらの機能により、「ポケトークX」は、利用者のプライバシーを保護し、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えることを目指しています。
「ポケトークX」が描く未来:多言語社会のコミュニケーションインフラへ
「ポケトークX」が目指すのは、単なる通訳機の提供にとどまりません。言語の違いによって生じる心理的・時間的な壁を取り除き、誰もが同じスピードで自然に対話できる社会の実現です。具体的には、以下のような場面での活躍が期待されています。
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公共空間: 空港、病院、行政窓口、ホテルのフロントなど、日々さまざまな言語が行き交う場所で、言語の壁を感じることなくサービスを受けられるようになります。
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観光施設: 海外からの観光客が、言葉の心配なく日本の文化やサービスを楽しめるよう、観光施設での導入が進むでしょう。
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ビジネス会議: グローバルなビジネス会議の現場で、言語の違いによるコミュニケーションロスをなくし、より効率的で深い議論を可能にします。
「ポケトークX」は、多言語コミュニケーションインフラの中核として、社会全体のコミュニケーションの平等性とアクセス性を支える基盤となることを目指しています。多様な現場で日常的に稼働することを前提に設計されており、言語の壁を意識せずに誰もが自由に交流できる社会の実現に貢献するでしょう。
エンタープライズ利用を支えるセキュリティと管理体制
企業や行政機関など、大規模な組織での導入を想定し、「ポケトークX」は非常に強固なセキュリティ設計を採用しています。データ保護や通信の安全性においては、HIPAA(米国医療保険の個人情報保護法)やISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格)といった国際的な情報セキュリティ基準に準拠しています。これにより、エンタープライズ用途にも対応する高い信頼性を確保し、安心して導入できる体制を整えています。
さらに、導入された「ポケトークX」や、ビジネスモデルのAI通訳機「ポケトークS2」を一元的に管理できる法人向けの管理プラットフォーム「Ventana(ベンタナ)」に対応しています。「Ventana」を活用することで、企業や自治体は以下のことが可能になります。
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一元管理: 導入した複数のAI通訳機をウェブブラウザ上でまとめて管理できます。
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利用状況のリアルタイム分析: 通訳・翻訳内容や利用頻度、使用言語などをリアルタイムで分析し、多言語対応の実態を可視化できます。
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通信SIMの期限管理や紛失時対応: デバイスの運用に必要な管理業務を効率化します。
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セキュリティと運用効率の両立: 大規模導入においても、高いセキュリティレベルを維持しつつ、効率的な運用を実現します。
これにより、企業や自治体は、安心かつ持続的に多言語コミュニケーションを支えるインフラ環境を構築し、グローバル化に対応した組織運営を進めることができます。
「ポケトーク」シリーズの全体像:広がるAI通訳の選択肢
ポケトーク株式会社は、「ポケトークX」だけでなく、多様なニーズに応えるAI通訳サービスを提供しています。
AI同時通訳「Sentio(センティオ)」

「Sentio」は、AI同時通訳のソフトウェアサービスです。相手が話す41言語を76言語の音声とテキストでリアルタイムに通訳し、まるで専属の同時通訳者がいるかのような体験を提供します。ウェブブラウザ上で利用できるため、スマートフォンやパソコン、タブレット端末など、インターネット接続が可能な様々なデバイスで手軽に利用できます。オンライン会議だけでなく、対面での利用も可能であり、ビジネスシーンにおける多言語コミュニケーションを強力にサポートします。
詳細はこちらで確認できます。
https://pocketalk.jp/forbusiness/livetranslation
AI通訳機「ポケトークS2」

「ポケトークS2」は、2024年10月に販売を開始した最新の携帯型AI通訳機です。91言語を音声・テキストに翻訳し、1言語をテキストのみに翻訳できます。従来機種よりもWi-Fiがなくても通信可能な国と地域が拡大し、世界170以上の国と地域で、Wi-Fiのない場所でもそのまま使えるモバイル通信機能を内蔵しています。バッテリーの持続時間も大幅に改善され、あらゆるシーンでの利用に対応できるようアップデートされました。
「ポケトーク アナリティクス」との連携によりセキュリティ面もさらに強化されており、グローバルにおけるセキュリティ基準に準拠することで、個人利用はもちろん、企業や団体、自治体での導入においても安心して利用できます。
詳細はこちらで確認できます。
https://pocketalk.jp/device
「ポケトークX」の販売情報

「ポケトークX」は、2026年の販売開始を予定しています。利用形態に合わせて、複数の料金プランが用意されています。
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月額レンタルまたはサブスクリプションプラン: 10,000円(+税)/月
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年額レンタルまたはサブスクリプションプラン: 100,000円(+税)/年
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買い切りプラン: 200,000円(+税)(※2年間・3年目以降は70,000円(+税)/年)
製品の詳細はこちらのURLで確認できます。
https://pocketalk.jp/pt-x
まとめ:言葉の壁をなくし、誰もが理解し合える社会へ
ポケトーク株式会社は、「言葉の壁をなくす」ことをミッションに掲げ、AI通訳を個人の利便性を超えた社会インフラへと発展させることを目指しています。「ポケトークX」は、そのミッションを具現化する基幹製品として、行政、医療、交通、観光、そしてビジネスといったあらゆる対面シーンで、誰もが母語のまま思いを伝え、理解し合える社会の実現に貢献するでしょう。
据え置き型AI同時通訳機「ポケトークX」の実証実験が年内に開始され、2026年には本格的な販売が始まることで、言語の壁による障壁が大きく軽減される未来がきっと訪れるでしょう。この革新的な技術が、私たちの生活や社会にどのような変化をもたらすのか、今後の展開に大いに期待が寄せられます。

