製造業DXを加速!SUPWATが約2億円の資金調達、「WALL」でAIが現場を変革する新時代へ

SUPWATが約2億円を調達!製造業DXプラットフォーム「WALL」の進化が止まらない

製造業の現場で「もっと効率的に、もっと賢く」という声が聞かれる中、その願いを形にするDXプラットフォーム「WALL」を展開する株式会社SUPWAT(スプワット)が、プレシリーズAラウンドにおいて約2億円の資金調達を完了したことを発表しました。この資金は、「WALL」のさらなる機能拡張や組織体制の強化に充てられ、製造業の未来を大きく変える可能性を秘めています。

SUPWATが目指す「知的製造業の時代」とは?

SUPWATは、「知的製造業の時代を創る」というビジョンを掲げ、製造業が抱える根深い課題にAIとテクノロジーで挑んでいます。製造業では、新しい製品を生み出すための研究開発、設計、そして生産技術開発といった一連の工程(これを「エンジニアリングチェーン」と呼びます)において、膨大な時間と労力が費やされています。特に、試行錯誤を繰り返す実験や解析のサイクルは時間がかかり、また、長年の経験を持つ熟練エンジニアの「勘と経験」が形式知として共有されにくいという課題がありました。

SUPWATが開発・提供する「WALL」は、このような製造業特有の課題を解決するために生まれたDXプラットフォームです。エンジニアリング業務における実験や解析のサイクルを効率化し、高速化するだけでなく、これまで暗黙知とされてきた熟練者の知見を「形式知化」することで、誰でもアクセスできるデータや知識として活用できるようにします。実際に「WALL」を導入した企業では、研究開発工程における実験・解析時間を60%以上削減したという実績も出ており、その効果はすでに実証されています。

SUPWAT

約2億円の資金調達で「WALL」のPMFを確実なものに

今回のプレシリーズAラウンドでの資金調達は、INSPiRE Mutualistic Symbiosis Fund 1投資事業有限責任組合株式会社インスパイアを引受先とする第三者割当増資によって実施されました。調達された約2億円は、「WALL」のPMF(プロダクトマーケットフィット)の完全達成と、次の成長ステージに向けた基盤強化を目的としています。

PMFとは、製品が市場のニーズに合致し、顧客に受け入れられている状態を指します。SUPWATは、「WALL」がすでに売上数百億円規模の自動車メーカー、自動車部品メーカー、素材、化学メーカーなど、多種多様な製造業エンタープライズ企業に導入されていることからも、その価値が認められていると言えるでしょう。

資金調達の背景には、「WALL」の継続的な機能開発があります。例えば、2024年9月には、機械学習モデルから得られたデータ分析結果を、生成AIの領域である大規模言語モデル(LLM)を使って解釈する技術に関する特許(特許第7560193号)を取得しました。この特許技術は、2024年12月より「WALL」に搭載されており、AIが導き出した結果の「理由」を人間が理解しやすい形で提示することを可能にします。

資金使途の具体的内容:機能拡張と「説明可能なAI」の実現

今回の資金調達で得られた資金は、「WALL」のさらなる機能拡張と、組織体制の強化、そして人材採用に充てられます。具体的な機能拡張の計画は以下の通りです。

1. 非構造化データへの対応とデータレイクの整備

製造業の現場には、図面データ、実験ノートのテキスト、画像、動画など、定まった形式を持たない「非構造化データ」が膨大に存在します。これらをAIで分析し、活用するためには、非構造化データに対応できる能力が不可欠です。また、これらの多様なデータを一元的に蓄積し、分析しやすい状態に保つための「データレイク」と呼ばれる基盤の整備も進められます。

データレイク機能は、2025年12月から「WALL」へのテスト実装が開始されており、2026年3月には本格的な提供が予定されています。これにより、「WALL」はより広範なデータを扱えるようになり、分析の精度と深さが増すことが期待されます。

2. 最適化アルゴリズムの強化とAI解釈機能の高度化

「WALL」の核となるのは、設計や製造プロセスを最適な状態に導くための「最適化アルゴリズム」です。このアルゴリズムがさらに強化されることで、より複雑な問題に対応し、より精度の高い最適解を導き出せるようになります。また、前述のLLMを活用したAI解釈機能もさらに高度化され、AIが導き出した結果がなぜそのようになったのかを、現場のエンジニアが納得できる形で「説明」できるようになります。

「説明可能なAI」とは?

AIの活用が進む中で、「なぜAIはその結論を出したのか?」という問いは非常に重要です。特に、製品の品質や安全性に直結する製造業においては、AIがブラックボックスのままでは、現場のエンジニアは安心してAIの提案を受け入れることができません。「説明可能なAI」とは、AIの判断プロセスや根拠を人間が理解できる形で提示する技術のことです。SUPWATは、特許取得済みのLLMによる分析結果解釈技術を核に、この「説明可能なAI」を普及させることで、現場エンジニアがAIを信頼し、活用できる環境を構築することを目指しています。

3. 今後の機能拡充と応用領域の拡大

「WALL」は今後、最適化、影響度分析、性能予測といった機能をさらに拡充し、設計から生産技術までの横断的な最適化を深化させていきます。また、AI解釈機能については、自動車、素材、化学といった既存の応用領域に加え、産業ごとのニーズに合わせたテンプレート化を進めることで、幅広い業種での実用性を高める計画です。

さらに、応用領域は製造業全体へと広がり、例えば、フードサプライチェーンの川上である農業機械の研究開発や、川下にあたる食品加工に使用される食品製造設備の研究開発など、多岐にわたる分野での高性能化・効率化に貢献できるものと期待されています。

組織体制の強化と積極的な人材採用

SUPWATは、事業成長の基盤を強化するため、組織面でも積極的な投資を行います。

  • カスタマーサクセス体制の整備: 導入企業が「WALL」を最大限に活用できるよう、サポート体制を強化します。

  • セキュリティ・品質保証の仕組み整備: 企業データの安全性を確保し、プロダクトの信頼性を高めます。

  • 研究機関との連携強化: 最新の技術動向を取り入れ、プロダクト開発に活かします。

  • 多様な人材の採用: 機械学習・最適化エンジニア、データサイエンティスト、製造業のドメインエキスパート、カスタマーサクセスや事業開発担当者など、幅広い職種で人材を募集しています。

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代表取締役CEO横山氏のコメント

株式会社SUPWAT 代表取締役CEOの横山卓矢氏は、今回の資金調達について次のようにコメントしています。

「今回のプレシリーズAは、『WALL』のPMFを確実にし、エンジニアリングチェーン全体の意思決定をデータ駆動へ移行させるための一歩です。少量データでも高精度に学習する基盤に、特許取得のAI解釈を組み合わせ、結果の“理由”と次アクションまでを提示できる状態を当たり前にします。現場で使えることに徹し、設計から量産立ち上げまでのスピードと再現性を引き上げ、『知的製造業の時代を創る』を実装していきます。」

このコメントからも、横山氏が「WALL」を通じて製造業の現場に真の変革をもたらそうとする強い意志と、AI技術の可能性を最大限に引き出すことへの情熱が感じられます。

株式会社SUPWATについて

株式会社SUPWATは、2019年12月に設立された製造テックベンチャーです。「知的製造業の時代を創る」をビジョンに、製造業のエンジニアリングチェーンを最適化するDXプラットフォーム「WALL」の開発・提供を行っています。

長年、製造業の現場で課題とされてきた研究開発・設計・生産技術開発における実験や解析の非効率性、そして熟練者の知見の形式知化の遅れに対し、AIをはじめとする先進技術で解決策を提供しています。

  • 社名: 株式会社SUPWAT

  • 所在地: 東京都中央区日本橋1丁目4−1 日本橋一丁目三井ビルディング5階

  • 設立: 2019年12月

  • 資本金: 66,000,000円(2024年2月末時点)

  • 代表者: 代表取締役CEO:横山卓矢

  • 事業内容: 製造業のエンジニアリングチェーンを最適化するDXプラットフォーム「WALL」の展開

  • URL:

まとめ:AIが拓く製造業の新たな地平

今回のSUPWATによる約2億円の資金調達は、製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とAI活用の大きな一歩と言えるでしょう。「WALL」が提供するエンジニアリングチェーンの最適化は、単なる効率化にとどまらず、熟練者の知見を形式知化し、AIによる「説明可能な」分析結果を提供することで、製造業全体の意思決定プロセスをデータ駆動型へと変革していきます。

非構造化データへの対応やデータレイクの整備、最適化アルゴリズムの強化、そしてLLMを活用したAI解釈機能の高度化は、AI初心者にとっても、AIが実際にどのようにビジネスの現場で役立つのかを具体的に示す好例となるはずです。今後、「WALL」が多様な製造業の現場でさらに普及し、日本の製造業が「知的製造業の時代」を切り拓いていくことに期待が高まります。SUPWATのこれからの展開に注目していきましょう。

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