金融DXを加速!ナウキャストが大和アセットマネジメント専用生成AI「DAM-AICore」とAI-Readyデータ基盤を開発

金融業界の未来を拓く、生成AIとデータ基盤の融合

近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、特に「生成AI」と呼ばれる技術は、私たちの働き方やビジネスのあり方を大きく変えようとしています。生成AIは、テキスト、画像、音声など、様々なコンテンツを自ら生み出すことができるAIのことで、例えば文章作成の補助やデータ分析、アイデア出しなど、多岐にわたる業務での活用が期待されています。

金融業界においても、生成AIの活用は急速に進んでいます。運用、営業、ミドルバックオフィスといった業務の効率化や高度化を目指し、多くの企業がその導入を検討しています。このような背景の中、次世代金融インフラを提供するFinatextグループの株式会社ナウキャスト(以下、ナウキャスト)が、大和アセットマネジメント株式会社(以下、大和アセットマネジメント)専用の生成AIアプリケーション「DAM-AICore(ダムエーアイコア)」を開発したと発表しました。

この開発は、単にAIツールを導入するだけでなく、AIが最大限の能力を発揮するための「AI-Ready」なデータ基盤の構築と並行して進められています。生成AIとデータ基盤という両輪で、大和アセットマネジメントのデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に支援する画期的な取り組みです。

大和アセットマネジメント専用生成AIアプリケーション「DAM-AICore」とは

「DAM-AICore」は、大和アセットマネジメントの全社員約700名が順次利用を開始する、社員専用の生成AIアプリケーションです。このアプリケーションの最大の特徴は、複数の高性能な生成AIサービスを統合して利用できる点にあります。具体的には、OpenAI社のGPTシリーズやAnthropic社のClaudeシリーズなど、最先端のAIモデルを活用することが可能です。

独自環境と柔軟なカスタマイズ

「DAM-AICore」は、大和アセットマネジメントのAWS(Amazon Web Services)環境上に独自に構築されています。これにより、UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)や機能面において、幅広いカスタマイズが可能となっています。汎用的なSaaS(Software as a Service)型とは異なり、企業の特定の業務プロセスやニーズに合わせて最適化できるため、より高い利便性と業務への適合性を実現します。

搭載される主要機能

現在、「DAM-AICore」には以下の主要機能が搭載されており、今後も資産運用業務に特化した機能が追加開発される予定です。

  • URL読み込み機能: ウェブ上の記事や資料のURLを入力するだけで、その内容をAIが読み込み、要約したり質問に答えたりすることができます。情報収集の効率が大幅に向上します。

  • データ分析機能: 大量の数値を扱うデータに対して、AIが傾向を分析したり、グラフを作成したりするなど、データに基づいた意思決定を支援します。複雑なデータも分かりやすく可視化されることで、より深い洞察が得られるでしょう。

  • 各種ファイルアップロード機能: 社内文書やレポートなどのファイルをアップロードし、AIに分析させることができます。例えば、契約書のレビューや報告書の作成補助など、ドキュメント業務の効率化に貢献します。

  • プロンプトライブラリ: 生成AIに指示を出すための「プロンプト」と呼ばれる文章のテンプレート集です。効果的なプロンプトを簡単に利用できるため、AI初心者でも質の高いアウトプットを得やすくなります。

  • ドキュメントレビュー機能: AIが文書の内容を精査し、誤字脱字のチェックはもちろん、内容の整合性や規定への準拠などを自動で確認します。これにより、ヒューマンエラーの削減とレビュー時間の短縮が期待できます。

DAM-AICoreのチャット画面イメージ

DAM-AICoreのドキュメントレビュー画面イメージ

これらの機能は、金融業界特有の複雑な業務に対応できるよう、今後さらにカスタマイズされていくことでしょう。2025年10月に開発に着手し、同年12月以降、全社員に順次展開されているとのことです。

AI-Readyなデータ基盤構築の重要性

生成AIがどれだけ高性能であっても、そのアウトプットの精度は、インプットされるデータの質に大きく左右されます。そこで不可欠となるのが「AI-Ready」なデータ基盤です。AI-Readyとは、組織やデータがAIを効果的に活用するための準備が整っている状態を指します。単にAIツールを導入するだけでなく、そのAIが正しく機能するための土台がしっかりできていることが重要になります。

ナウキャストは今回、クラウドベースのデータプラットフォームである「Snowflake」を基盤として、AI-Readyなデータ基盤の構築に着手しました。このデータ基盤には、大和アセットマネジメントの社内データはもちろん、外部の多様なデータもAI活用可能な状態で格納されます。

SnowflakeとBoxの連携によるデータ活用

構築されたデータ基盤は「DAM-AICore」と連携することで、より高精度なアウトプットを実現します。さらに、大和アセットマネジメントが既に利用しているクラウドストレージサービス「Box」も「DAM-AICore」と連携させる予定です。これにより、「Snowflake」に集約された構造化データと、「Box」に保管されている非構造化データ(文書ファイルなど)を横断的に利用できるようになります。

このようなデータ連携は、AIがより広範囲の情報を参照し、多角的な分析を行うことを可能にします。結果として、AIの回答の質や提案の精度が飛躍的に向上し、社員の業務支援ツールとしての価値を最大限に引き出すことにつながります。

ナウキャストが提供する包括的なDX支援

今回の「DAM-AICore」開発とデータ基盤構築の背景には、ナウキャストが長年にわたり培ってきた実績とノウハウがあります。ナウキャストは、生成AIとデータを活用して企業のDXを一気通貫で支援する「データAIソリューション事業」を展開しています。

金融業界に特化した実績とセキュリティ

これまで、専用データ基盤の構築、アセスメント、生成AIを活用した営業支援ツールの開発、企業独自の生成AI環境構築などを通じて、金融業界をはじめとする様々な企業の業務効率化および高度化を支援してきました。また、Finatextグループ内に証券会社や保険会社を擁しているため、金融機関に求められる非常に厳格なセキュリティ基準を遵守したシステム開発のノウハウを豊富に有しています。この実績と信頼性が、今回のプロジェクトをナウキャストが担当する大きな理由となりました。

ナウキャストの生成AI関連ソリューションの特徴

ナウキャストが提供する生成AI関連ソリューションには、以下のような特徴があります。

  1. 独自環境の構築: 汎用的なSaaS型ではなく、顧客企業の用途や利用形態に応じてUI/UXをはじめとする様々なカスタマイズが可能な独自の生成AI環境を提供します。これにより、企業ごとのニーズに合わせた最適なAI活用が実現します。
  2. 個社ニーズに応じたソリューション: 標準的なチャット機能に加えて、業界や企業固有の業務内容に応じた業務効率化・高度化を実現するため、業務プロセスに組み込んだカスタマイズ型の生成AIソリューションを開発します。
  3. データ基盤構築とデータ利活用推進: 生成AIの精度の高いアウトプットには、質の高いインプットデータとデータ基盤の整備が不可欠です。ナウキャストは、ビッグデータ解析で培った知見を活かし、生成AIとデータ両面から企業のDXを支援します。
  4. 伴走型のコンサルティングサービス: 生成AI環境の開発にとどまらず、その利用促進、役員向け勉強会の開催、企業独自の生成AIユースケースの選定・評価など、顧客企業の課題に寄り添った伴走型のコンサルティングサービスを提供しています。

これらの特徴により、ナウキャストは単なる技術提供者ではなく、顧客企業のDXパートナーとして、その成長を強力にサポートしています。

ナウキャストの生成AI関連ソリューションに関するお問い合わせは、以下のフォームから可能です。
お問い合わせフォーム

Finatextグループと株式会社ナウキャストについて

Finatextグループ

Finatextグループは、「金融を“サービス”として再発明する」をミッションに掲げ、次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するフィンテック企業グループです。ユーザー視点から金融サービスのあり方を見直し、パートナー事業者と共に新しい金融サービスを開発しています。株式会社Finatext、オルタナティブデータ解析サービスの株式会社ナウキャスト、証券ビジネスプラットフォームの株式会社スマートプラス、次世代型デジタル保険のスマートプラス少額短期保険株式会社といった事業会社を擁し、「金融がもっと暮らしに寄り添う世の中」の実現を目指しています。
公式サイト:Finatextホールディングス

株式会社ナウキャスト

株式会社ナウキャストは、東京大学経済学研究科渡辺努研究室における「東大日次物価指数(現:日経CPINow)」プロジェクトを前身として2015年に設立された、オルタナティブデータのリーディングカンパニーです。Finatextグループにおいてビッグデータ解析事業を担い、POSデータ、クレジットカード決済データ、求人広告データなどの「オルタナティブデータ」を多数扱い、生成AIを活用した事業者の業務支援に取り組んでいます。独自の経済指数を開発し、経済統計のリアルタイム化や企業の経営戦略の見える化を行い、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府機関などの資産運用や経済調査業務を支援しています。
公式サイト:ナウキャスト

今後の展望

ナウキャストは今後も、「DAM-AICore」の利用状況から得られるフィードバックを基に、資産運用業務に特有の課題を解決する機能の追加開発を進めていくとのことです。また、引き続きデータ基盤の構築を推進し、生成AIとデータ基盤の両面から大和アセットマネジメントのDXへの取り組みに継続的に伴走していく方針です。

この取り組みは、金融業界における生成AI活用の新たなモデルケースとなるでしょう。AI技術とデータ基盤の統合によって、より高度で効率的な金融サービスの提供が実現し、業界全体のデジタルトランスフォーメーションがさらに加速することが期待されます。AI初心者の方々も、こうした先進的な事例を通して、AIが社会やビジネスにもたらす可能性を理解するきっかけになるはずです。AIの進化は止まることなく、私たちの未来をより豊かにしていくことでしょう。

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