お好み焼チェーン「千房」がAIで電話対応8割自動化!人手不足解消と24時間予約受付を実現したDX戦略とは

お好み焼チェーン「千房」がAIで電話対応8割自動化!人手不足解消と24時間予約受付を実現したDX戦略

お好み焼・鉄板焼チェーンとして国内外で約60店舗を展開する「千房」が、店舗運営のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させています。この度、対話型音声AI SaaS「アイブリー」とAIインターネットFAXサービス「IVRy AI FAX」を導入し、電話応答業務の約8割を自動化することに成功しました。これにより、飲食業界全体が直面する人手不足という大きな課題に対し、AIを活用した具体的な解決策を提示しています。

千房

飲食業界の深刻な課題:千房が直面していた壁

「お好み焼を世界へ」というビジョンを掲げ、常に新しい挑戦を続ける千房ですが、店舗運営においてはいくつかの深刻な課題に直面していました。これらの課題は、多くの飲食店が共通して抱えるものでもあります。

1. 繁忙時の電話応答による接客への影響

ランチやディナーのピークタイム、週末などの繁忙時には、当日予約や旅行会社からの問い合わせの電話が集中します。この電話対応に追われることで、店舗スタッフは目の前にいるお客様への接客に十分な時間を割くことが難しくなり、接客品質の低下につながる懸念がありました。

2. 外国人スタッフ増加に伴う教育コスト

近年、飲食業界では外国人スタッフの活躍が不可欠となっています。千房でもスタッフの約半数が外国籍であり、日本語での複雑な電話応答の教育は大きな負担となっていました。また、電話対応に不慣れな若手スタッフへの教育も、時間とコストがかかる課題でした。

3. FAX対応の遅延による機会損失リスク

旅行会社などからの団体予約や問い合わせは、依然としてFAXで届くケースが多くあります。従来の紙ベースでのFAX運用では、担当者不在時に確認が遅れたり、複数店舗での情報共有がスムーズにいかなかったりすることで、予約の取りこぼしや問い合わせへの対応遅延が発生し、機会損失につながるリスクを抱えていました。

これらの課題を解決し、スタッフが本来の業務である「目の前のお客様への最高の接客」に集中できる環境を整えるため、千房は電話・FAX業務のデジタル化と自動化を急務と捉えていました。

課題解決の切り札:対話型音声AI「アイブリー」と「IVRy AI FAX」とは?

千房が導入したのは、株式会社IVRyが提供する2つのサービスです。それぞれの機能について、AI初心者の方にも分かりやすく解説します。

対話型音声AI SaaS「アイブリー」

「アイブリー」は、AI(人工知能)が人間の代わりに電話で対応してくれる「対話型音声AI SaaS(サース)」です。「SaaS」とは、Software as a Serviceの略で、インターネットを通じて提供されるソフトウェアサービスのこと。つまり、専用の機器を導入することなく、インターネット環境があればAIによる電話対応サービスを利用できるのが特徴です。

アイブリーの主な機能と特徴は以下の通りです。

  • 24時間365日の自動応答:AIが営業時間外でも電話を受け付け、定型的な問い合わせや予約案内を自動で対応します。これにより、電話対応のためにスタッフが常駐する必要がなくなり、顧客はいつでも情報にアクセスできます。

  • 通話内容の自動文字起こし・要約・分析:AIが電話での会話内容を自動でテキスト化し、重要なポイントを要約。さらに、通話データを分析することで、よくある質問(FAQ)の自動生成や、顧客の問い合わせ意図の分類、電話対応の品質指標(KPI)のモニタリングまで行います。これにより、電話対応の傾向を把握し、サービス改善に役立てられます。

  • 予約フォームのSMS送付:電話で予約を希望するお客様に対して、自動音声でWeb予約フォームのURLをSMS(ショートメッセージサービス)で送ることができます。これにより、お客様は電話を切った後、自分のペースで予約手続きを進められ、Web予約への誘導がスムーズになります。

  • 「ハルシネーションゼロ」技術による信頼性:AIは時に誤った情報を生成してしまうことがありますが、アイブリーは独自技術「ハルシネーションゼロ」により、誤った情報を返答するリスクを極限まで抑え、信頼性の高い自動応答を実現しています。

  • 既存システムとの連携:Salesforceなどの顧客管理システム(SFA/CRM)やデータウェアハウスと連携することで、電話から得られる非構造化データ(会話内容など)を「経営資源」として活用し、データに基づいた意思決定を支援します。

  • ハイブリッド運用:AIによる自動応答だけでなく、複雑な問い合わせには有人対応にスムーズに切り替えることも可能です。

アイブリーは、大企業から中小企業まで、業種・規模を問わず幅広い企業に導入されており、現在47都道府県・98業界以上で累計50,000件以上のアカウントが発行され、累計発着信数は7,000万件を超えています。

アイブリーの詳細については、以下の導入事例記事やサービスページをご覧ください。

AIインターネットFAXサービス「IVRy AI FAX」

「IVRy AI FAX」は、従来の紙ベースのFAX運用をデジタル化するサービスです。FAXで送られてきた内容をデータとして取り込み、インターネットを通じて複数の担当者が同時に確認できる仕組みを提供します。

  • FAX内容のデータ化と即時共有:届いたFAXは自動的にデジタルデータに変換され、責任者全員がパソコンやスマートフォンから即座に確認できます。これにより、担当者が不在でもFAXが放置されることがなくなり、確認漏れや対応遅延を防ぎます。

  • 相互チェック体制の確立:複数人でFAX内容を共有・確認できるため、誤対応や見落としのリスクを軽減し、より確実な情報管理が可能になります。

これにより、千房はFAX業務における確認漏れをゼロにし、迅速な対応を実現しました。

導入効果:スタッフ負担軽減と顧客体験向上を両立

これらのAIサービスの導入により、千房の店舗運営には目覚ましい改善が見られました。

1. 電話応答の約8割自動化と24時間予約受付・Web予約増加の実現

特に当日予約の電話が多い店舗では、アイブリーが定型的な問い合わせや予約案内を自動で対応することで、電話応答業務の約8割を自動化することができました。さらに、自動音声とSMSによる予約フォーム送付を組み合わせることで、営業時間外でも24時間予約を受け付けられる体制が構築され、Web予約の比率も高まりました。

千房株式会社 営業本部 第1エリア 石垣 輔 氏は、「導入の結果、忙しい時間帯の電話応答の約8割を自動化でき、現場の負担は大きく軽減されました。また、SMSで予約フォームを案内できるようになり、営業時間外も含めて24時間予約が可能になりました。大阪・関西万博をきっかけにご年配の方もスマートフォン操作に慣れ、Web予約が増えているのを実感しています。」と語っています。

2. 目の前のお客様への接客品質向上と生産性向上

電話応答に割かれていた時間が大幅に削減されたことで、店舗スタッフはその時間を、お客様へのきめ細やかな接客や、新人スタッフの育成、店舗の清掃・準備など、本来注力すべき業務に再配分できるようになりました。これにより、目の前のお客様への接客品質が向上し、店舗全体の生産性も向上。責任者も調理場を離れる必要が減り、スムーズな調理オペレーションに貢献しています。

石垣氏は、「アイブリー導入により、繁忙時でも電話応答に追われることなく、スタッフが目の前のお客様に集中できるようになりました。外国籍スタッフや電話応対が苦手な若手にとっても、受電の負担が減ったことで安心して業務に取り組めています。」と、現場の具体的な変化を述べています。

3. FAX業務の確認漏れゼロと迅速な対応を実現

「IVRy AI FAX」の導入により、FAXで届く予約や問い合わせ内容がデータ化され、責任者全員がパソコンやスマートフォンから即座に確認できる体制が確立しました。これにより、担当者不在による返信漏れを防ぐ相互チェック体制が機能し、FAXに関する問い合わせの電話自体も減少しました。

今後の展望:AIが創出する「ゆとり」を未来へ

千房は、今回のアイブリーとIVRy AI FAXの導入効果を高く評価し、今後、全店への展開も視野に入れた戦略的なDX施策として、AI活用をさらに推進していく方針です。AIが生み出した時間的な「ゆとり」を、人材育成や新しい仕組み作り、そしてお客様との長期的な信頼関係構築に活かしていくことを目指しています。

株式会社IVRyも、千房のDX推進を強力にサポートし、飲食業界における人手不足の解消と顧客体験向上の両立に貢献していくとしています。

株式会社IVRy 代表取締役/CEO 奥西 亮賀 氏は、「日本の『お好み焼』文化を牽引し、常に挑戦を続ける千房様にアイブリーをご活用いただけたことを光栄に思います。飲食業界の深刻な人手不足と外国人スタッフ増加によるコミュニケーション課題に対し、現場の負担となる『電話業務』というボトルネックをAIで解消できたことは大きな成果です。スタッフが目の前のお客様への最高の『体験価値』提供に集中できる環境こそ、外食産業のDXにおける本質であると私たちは考えています。」と、今回の導入の意義を強調しています。

まとめ:AIが拓く飲食業界の新たな可能性

千房の事例は、AI技術が飲食業界の深刻な人手不足という課題に対し、いかに効果的な解決策を提供できるかを示す好例です。電話応答の自動化、24時間予約受付、FAX業務のデジタル化といった具体的な成果は、スタッフの負担を軽減し、顧客体験を向上させるだけでなく、企業の生産性向上にも大きく貢献します。

AIが創出する時間的な余裕は、スタッフがより創造的で価値の高い業務に集中できる環境を整え、結果としてお客様へのサービス品質向上につながります。これは、単なる業務効率化に留まらず、飲食業界全体のサービスレベルを底上げし、新たな顧客体験を創造する可能性を秘めていると言えるでしょう。

今回の千房の取り組みは、DX推進を検討している他の飲食店やサービス業にとって、AI活用の具体的なヒントと勇気を与えるものとなるでしょう。AI技術は、これからも様々な業界で、私たちの日々の業務や生活をより豊かにしていくことが期待されます。

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