JAXAとクーガーが語る!2030年宇宙拠点を支える「生命維持システム」と日本のAI技術の可能性【Sphear #6 開催】

JAXAと語る“宇宙で生き続ける”ための技術

宇宙移住の夢を現実にするAIの力:Sphear #6 開催

かつてはSFの世界でしかなかった「宇宙での生活」が、今、現実のものとして私たちに近づいています。月面基地の建設、火星への長期探査ミッション、そして一般の人々が宇宙を旅する宇宙旅行の商用化など、人類は新たなフロンティアである宇宙へとその活動範囲を広げようとしています。

このような壮大な挑戦において、最も重要な要素の一つが「宇宙で生き続ける」ための技術です。地球を離れた極限環境で、人間が安全に、そして快適に生活し続けるためには、食料、水、空気といった生命維持に不可欠な資源を安定的に供給し、管理するシステムが欠かせません。

そこで注目されているのが、人工知能(AI)の力です。限られた資源、地球からの遠隔操作が困難な状況、そして予期せぬトラブルなど、宇宙という特殊な環境で人間の判断力を補い、時にはそれを超える能力を発揮するのがAIです。ロケットやロボットの自律制御、探査機のナビゲーション、環境認識、通信の最適化といった多岐にわたる分野で、AIは宇宙開発の成功に決定的な役割を果たすと期待されています。

このような背景のもと、クーガー株式会社は、AIの力で人類の宇宙移住に貢献することを目指すコミュニティ「Sphear(スフィア)」を運営しています。そしてこの度、第6回目となるリアルイベント「JAXAと語る“宇宙で生き続ける“ための技術──Sphear #6」を、2026年2月6日(金)に東京・代官山で開催します。本イベントでは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の生命維持システムの第一人者と、AI分野の専門家が登壇し、宇宙での生命維持技術の最前線と、そこにAIがどのように貢献できるのかを深く掘り下げていきます。

JAXAとクーガーが深掘りする「宇宙で生き続ける」ための技術とは?

宇宙で人間が生活するためには、地球上と同じように、呼吸するための空気、飲むための水、食べるための食料、そして適切な温度や湿度といった環境が常に維持されている必要があります。しかし、宇宙ステーションや月面基地のような閉鎖された空間では、これらの資源は非常に限られており、地球から補給し続けるのはコストと時間の面で現実的ではありません。そこで重要になるのが、資源を効率的に「再生」し、「循環」させる生命維持システムです。

ECLSS:JAXAが挑む閉鎖環境での生命維持システム

JAXAが取り組む「ECLSS(Environmental Control and Life Support System)」は、日本語で「環境制御・生命維持システム」と訳されます。これは、宇宙飛行士が安全に活動できるよう、宇宙船や宇宙基地内の環境を適切に保つための包括的なシステムです。ECLSSの主な役割は以下の通りです。

  • 空気の再生: 宇宙飛行士が吐き出す二酸化炭素(CO2)を除去し、消費した酸素(O2)を生成・供給します。例えば、CO2を水と反応させて酸素を生成する技術や、植物の光合成を利用する方法などが研究されています。

  • 水の再生: 宇宙飛行士の尿や汗、シャワーの排水、結露水などを回収し、高度な浄化技術を用いて飲用水や生活用水として再利用します。これは、限られた水を最大限に活用するための非常に重要な技術です。

  • 温度・湿度管理: 宇宙空間は極めて過酷な温度環境にありますが、ECLSSは宇宙船内の温度と湿度を人間が快適に過ごせる範囲に保ちます。

  • 微量有害物質の除去: 宇宙船内で発生する様々な微量の有害ガスや粒子状物質を除去し、空気の品質を維持します。

これらのシステムは、地球上では当たり前のように存在する環境を人工的に作り出し、維持するためのものであり、非常に複雑で高度な技術が求められます。JAXAは、日本の優れた環境技術を活かし、将来の国際有人探査への貢献を目指しています。

BLSS:植物と微生物が拓く持続可能な宇宙生活

クーガー株式会社CEOの石井敦氏が提唱する「BLSS(Bioregenerative Life Support System)」は、「生物再生型生命維持システム」と呼ばれ、植物や微生物の力を活用して生命維持環境を生み出すことを目指しています。ECLSSが物理化学的なプロセスを中心に資源を再生するのに対し、BLSSは生物の自然なサイクルを取り入れることで、より持続可能で安定したシステムを構築しようとするものです。

具体的には、植物の栽培によって食料を生産し、同時に光合成によって酸素を供給し、二酸化炭素を吸収します。また、微生物の働きを利用して廃棄物を分解し、水や肥料として再利用するといった、地球上の生態系を模倣したシステムを宇宙空間で再現しようとします。これにより、食料、水、空気の自給自足を目指し、長期的な宇宙滞在を可能にすることが期待されています。

BLSSは、ECLSSのような物理化学システムを補完し、より閉鎖的で自立した宇宙居住環境の実現に貢献するでしょう。そして、この複雑な生物学的プロセスを効率的かつ安定的に制御するために、AIの力が不可欠となります。

AIが宇宙の生命維持に不可欠な理由

宇宙の生命維持システムは、極めて緻密な制御が求められると同時に、予期せぬ事態にも対応できる柔軟性が必要です。ここでAIが果たす役割は非常に多岐にわたります。

  1. 極限環境での自律制御と異常検知: 宇宙空間では、地球からのリアルタイムな遠隔操作は困難です。AIは、多数のセンサーから得られる膨大な環境データを常時監視し、空気の成分、水の品質、温度、湿度などの微妙な変化を検知します。そして、システムの異常を早期に発見し、自律的に調整を行うことで、生命維持環境を安定させます。例えば、特定のガスの濃度が上昇した場合、AIが自動的に除去システムを起動したり、最適な換気量を計算したりすることが可能です。
  2. 限られた資源の最適化と効率運用: 宇宙では、すべての資源が貴重です。AIは、水や空気、電力といった資源の消費量を予測し、最も効率的な運用計画を立案します。植物の育成であれば、光量、水やり、栄養素の供給などをAIが最適化することで、最小限の資源で最大の収穫を得ることが期待できます。これにより、長期滞在における資源の枯渇リスクを低減します。
  3. クルーの健康管理と心理的サポート: AIは、宇宙飛行士のバイタルデータ(心拍数、体温など)や活動パターンを分析し、健康状態の変化やストレスレベルを監視することも可能です。必要に応じて、適切な休息や運動を促したり、心理的なサポートプログラムを提案したりすることで、クルーの心身の健康維持に貢献します。これは、閉鎖環境での長期滞在における重要な課題の一つです。

このように、AIは宇宙の生命維持システムにおいて、監視、分析、予測、制御、最適化といったあらゆる側面で中心的な役割を担い、人類が宇宙で「生き続ける」ための基盤を築くと考えられます。

登壇者が語る最前線の知見:JAXA桜井氏とクーガー石井氏

本イベントでは、宇宙とAIの最前線で活躍する二人の専門家が登壇します。

JAXA研究開発部門 研究領域主幹 桜井誠人氏

桜井誠人氏

桜井誠人氏は、JAXA研究開発部門第二研究ユニットの研究領域主幹であり、早稲田大学大学院応用化学科で博士(工学)を取得されています。専門は化学工学で、特に宇宙でも発生するマランゴニ対流(表面張力駆動対流)の研究に取り組んでこられました。現在は、宇宙における空気や水の再生技術に注力されており、日本が培ってきた優れた環境技術を活かして、将来の国際有人探査への貢献を目指しています。桜井氏からは、ECLSSが支える宇宙居住の現実と、JAXAにおける生命維持システムの最新の研究状況について、貴重な知見が語られるでしょう。

クーガー株式会社 CEO 石井敦氏

石井敦氏

石井敦氏は、クーガー株式会社のCEOとして、AI・ロボティクス分野で長年の経験を持つエキスパートです。日本IBM、楽天、ライコスでの大規模検索エンジン開発を経て、日米韓を横断するオンラインゲーム開発を統括。その後もAmazon Robotics Challenge上位チームへの技術支援、ホンダへのAI学習シミュレーター提供、NEDOクラウドロボティクス開発統括など、数々の実績を積み重ねてきました。現在は、人型AIプラットフォーム「LUDENS」の開発を進めており、スタンフォード大学でのAI特別講義の講師を務めるなど、国内外で幅広く活動されています。石井氏からは、植物や微生物の力を活用するBLSSという挑戦と、生命維持に必要なAI制御の可能性について、具体的なビジョンが示されることでしょう。

また、イベントの進行役は、報道記者として活躍後、宇宙と社会をつなぐコミュニケーションを探求されている天野真梨花氏が務めます。

天野真梨花氏

イベント詳細:参加して宇宙の未来を体感しよう

「JAXAと語る“宇宙で生き続ける“ための技術──Sphear #6」は、宇宙開発の最前線に触れ、AIが拓く未来の可能性を直接感じられる貴重な機会です。

  • 日時: 2026年2月6日(金)19:00〜22:00(開場 18:45)

  • 会場: シアターギルド代官山(東京都渋谷区猿楽町11−6)

  • 参加費: 3,000円(事前決済)

  • 定員: 30名(先着順・要申込)

    • 本イベントは会場開催のみで、オンライン配信はありません。

タイムテーブル

  • 18:45 開場(受付開始)

  • 19:00-19:10 「Sphear(スフィア)──AIで人類の宇宙移住に挑む」

  • 19:10–19:40「植物や微生物の力で生命維持環境を生み出す、BLSSという挑戦」石井 敦(クーガー株式会社 CEO)

  • 19:40–20:20「ECLSS(エクルス)が支える宇宙居住の現実」桜井 誠人(JAXA研究開発部門 研究領域主幹)

  • 20:20–20:50 パネルディスカッション 桜井 誠人、石井 敦、天野 真梨花(進行)

  • 20:50–21:00 ライトニングトーク *知見や情報の共有など(営業トークは禁止)

  • 21:00–22:00 懇親会(軽食・ドリンク付き)登壇者・参加者同士のネットワーキングタイム

お申し込み方法

参加をご希望の方はこちらのページからお申し込みください。
お申し込みページ

Sphearコミュニティ:宇宙×AIで未来を共創する場

過去のSphearイベントの様子

Sphear(スフィア)は、「宇宙 × AI」を軸に、月・火星移住の実現を加速させることを目的としたコミュニティです。このコミュニティは、AI、ロボティクス、宇宙工学といった専門領域にとどまらず、エンジニア、デザイナー、建築家、教育者、心理学者、アーティストなど、多様なバックグラウンドを持つ人々が一堂に会し、自由な発想と対話を通じて新たな未来を構想する場として機能しています。

なぜ今「宇宙×AI」が重要なのか

月面基地の建設、宇宙旅行の商用化、火星への長期探査ミッションなど、人類の次のフロンティアにおける挑戦は、まさにSFの世界が現実になりつつある状況です。このような極限環境での活動には、AIがその真価を最も発揮できる領域が数多く存在します。

地球からの遠隔操作の限界、限られた資源、想定外のトラブルへの対応など、これらの課題を乗り越えるためには、人間の判断力を補完・拡張するだけでなく、ロケットやロボットの自律制御、探査機のナビゲーション、環境認識、通信の最適化といった、AI・ロボティクス・ヒューマンインタラクション(人とAI・ロボットの連携)の総合的な活用が不可欠です。

Sphearは、このような未来を実現するために、異なる専門分野の人々が協力し、知見を共有し、新たなアイデアを生み出すことを目指しています。過去のイベントでも、AIによる月・火星への道、ロケット、ロボット、月面探査の最前線に関する講演が行われ、多くの参加者が熱心に聴講する様子が見られました。

Sphearイベントの様子

Sphearイベントレポート公開中!

過去のSphearイベントで語られた内容やパネルディスカッションの詳細は、以下のイベントレポートで読むことができます。ぜひご覧ください。

Sphearイベントレポート

宇宙開発に貢献したいあなたへ:こんな方におすすめ

本イベントは、以下のような関心を持つ方々に特におすすめです。

  • 宇宙やAIに強い関心があり、最新の動向を知りたい方

  • 宇宙関連スタートアップやJAXAの技術に興味がある方

  • ロボティクス、画像認識、自然言語処理といったAI技術に携わっており、その応用分野を広げたいと考えている方

  • ユーザーインタラクションやヒューマンインターフェースの未来に関心がある方

  • 領域横断的なプロジェクトへの参加や、新たな仲間との出会いを求めている方

まとめ:日本の技術が宇宙の未来を切り拓く

「JAXAと語る“宇宙で生き続ける“ための技術──Sphear #6」は、人類が宇宙で持続的に活動するための生命維持システムと、それを支えるAI技術、そして日本の強みに焦点を当てる貴重なイベントです。JAXAの長年にわたる研究と、クーガー株式会社が持つ最先端のAI・ロボティクス技術が融合することで、宇宙開発の新たな可能性が拓かれることでしょう。

日本の優れた環境技術や精密なロボティクス技術、そして進化を続けるAI技術は、ECLSSやBLSSといった生命維持システムの高度化に大きく貢献できると期待されています。本イベントを通じて、参加者は宇宙移住という壮大な目標に向けた具体的な技術的課題と、その解決策としてのAIの役割について深く理解を深めることができるはずです。

宇宙という究極のフロンティアで、日本の技術とAIがどのように活躍していくのか。その未来を共に考え、議論する場として、Sphear #6は多くの人にとって刺激的な体験となるでしょう。

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