「お客様の声」は、企業が成長し、より良いサービスを提供するために不可欠な情報です。しかし、日々寄せられる膨大な量の声を一つひとつ分析し、具体的な改善策に繋げるのは容易ではありません。この課題に対し、AI(人工知能)を活用した新しいソリューションが注目されています。
株式会社RightTouchが提供するAI×VoCソリューション「QANT VoC」が、ウェルスナビ株式会社に導入されました。この導入により、ウェルスナビは「お客様の声」をより深く理解し、顧客体験の向上と業務の効率化を目指します。

VoC(Voice Of Customer)とは?なぜ重要なのでしょうか?
VoCとは、「Voice Of Customer」の略で、日本語では「お客様の声」と訳されます。これは、顧客が企業に対して寄せる意見、要望、質問、苦情、感謝の言葉など、あらゆるコミュニケーションを指します。
企業にとって、VoCは非常に価値の高い情報源です。なぜなら、VoCには、顧客がサービスや製品に対して実際に感じていること、つまり「真のニーズ」や「潜在的な不満」が隠されているからです。これらの声を丁寧に拾い上げ、分析し、改善に繋げることで、企業は以下のようなメリットを得ることができます。
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顧客満足度の向上: 顧客の不満を解消し、要望に応えることで、顧客は「自分の声が聞かれている」と感じ、企業への信頼感が高まります。
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製品・サービスの改善: 顧客のフィードバックは、既存の製品やサービスの弱点を発見し、より魅力的な製品を開発するための貴重なヒントとなります。
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新規事業の創出: 潜在的なニーズを発見することで、新たな市場機会やビジネスモデルの創出に繋がる可能性もあります。
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ブランドイメージの向上: 顧客の声に真摯に向き合う姿勢は、企業の良い評判を築き、ブランド価値を高めます。
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競合優位性の確立: 顧客のニーズをいち早く捉え、迅速に改善を行うことで、競合他社との差別化を図ることができます。
しかし、VoCの収集と分析には多くの課題が伴います。特に、大量のデータの中から意味のある情報を抽出し、具体的なアクションに繋げるには、時間と労力、そして高度な分析スキルが必要です。
ウェルスナビが抱えていた「お客様の声」分析の課題
ウェルスナビでは、日々のカスタマーサポートを通じて、お客様からの問い合わせデータが大量に蓄積されていました。これらのデータには、お客様の貴重な意見や要望、困りごとなどが含まれています。
しかし、これまでの状況では、これらの膨大なデータを人が一件ずつ読み解いて分析する必要がありました。そのため、すべてのデータを網羅的に取り扱うことは非常に困難でした。結果として、改善活動は、お客様から明確に「意見」「要望」「苦情」として申し出があったものに焦点が当てられることが多かったのです。
この方法では、お客様が明確には言葉にしていないものの、潜在的に抱えている要望や不満を見逃してしまう可能性がありました。例えば、「もう少しこうだったら使いやすいのに」と感じていても、あえて意見として伝えていないケースなどです。このような「潜在的なお客様の声」を捉えられないことは、顧客体験の向上やサービス改善の機会損失に繋がりかねません。
QANT VoCが実現する「お客様の声」の見える化と改善サイクル
RightTouchが提供する「QANT VoC」は、このような課題を解決するために開発されたAI×VoCソリューションです。このシステムは、生成AIの高度な能力を活用し、お客様の声を「聞く」だけでなく「活かす」ことを目指しています。
QANT VoCの主な機能と、それがどのように課題解決に貢献するのかを詳しく見ていきましょう。
1. 生成AIによる文脈理解と自動整理・分類
QANT VoCは、生成AIが問い合わせ内容やアンケートコメントの文脈を深く理解する能力を持っています。これにより、お客様がどのような課題を抱えているのか、何を要望しているのかを自動で整理し、適切なカテゴリに分類することが可能です。これまでの人が一件ずつ行っていた手作業の負担を大幅に削減し、より網羅的かつ正確な分析を実現します。
2. 改善すべきテーマや優先度の明確化
AIがお客様の声を分析することで、企業が優先的に取り組むべき改善テーマや、その優先度を明確にすることができます。例えば、「特定の機能に関する問い合わせが急増している」「ある手続きで多くの顧客がつまずいている」といった傾向を自動で検出し、可視化します。これにより、勘や経験に頼ることなく、データに基づいた意思決定が可能になります。
3. 柔軟な分析ダッシュボード
QANT VoCは、分析結果をダッシュボード形式で提供します。このダッシュボードでは、課題の切り口や分析軸を柔軟に変更できるため、カスタマーサポート部門、プロダクト開発部門、マーケティング部門など、各部門が必要な観点からデータを定量的かつ視覚的に把握できます。これにより、部門間の情報共有が促進され、共通認識のもとで改善活動を進めることができます。
4. 抽出された課題をアクションとして管理
分析によって抽出された課題は、単なるデータとして終わらせるのではなく、具体的な「アクション」として管理されます。関連部門が迅速に対応できる仕組みを通じて、お客様の声を確実に施策へと反映するオペレーション基盤を構築することが可能です。これにより、「お客様の声を聞いたけれど、結局何も変わらない」という状況を防ぎ、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)をスムーズに回すことができます。
ウェルスナビは、こうしたQANT VoCの機能に着目し、問い合わせデータを定量的に分析し、課題抽出から改善提案までを一貫して行える仕組みを整備するために導入を決定しました。
ウェルスナビでのQANT VoC活用イメージ
ウェルスナビでは、QANT VoCを導入することで、以下のような多様な領域での活用を想定しています。これにより、お客様の声を事業活動のあらゆる側面に反映させ、より高品質なサービス提供を目指します。
1. カスタマーサポート領域での活用
カスタマーサポートは、お客様と企業が直接接する重要な窓口です。QANT VoCは、問い合わせ内容からお客様がどのようなことで困っているのか、その傾向を詳細に分析します。例えば、「ログインに関する問い合わせが多い」「特定の情報が見つからない」といったパターンをAIが自動で検出し、それに基づいてFAQ(よくある質問)の改善を自動で提案します。
これにより、お客様は自己解決できる機会が増え、カスタマーサポートへの問い合わせ自体が減ることで、より効率的なサポート体制が構築されます。また、お客様の声から手続きやプロセスのつまずきポイントを特定し、根本的なプロセス変更を行うことで、お客様の体験そのものを向上させることを目指します。
2. プロダクト領域での活用
プロダクト開発において、お客様の生の声は非常に貴重な情報源です。QANT VoCは、お客様がプロダクトを利用する際に感じる要望や、改善してほしい点を具体的に抽出します。これにより、既存機能の改善やUI(ユーザーインターフェース)の使いやすさ向上に繋がるヒントが得られます。
さらに、お客様がお金について抱えている困りごとや、将来的にこんな機能があったら良いといった潜在的な要望についても把握することが可能です。これらの情報は、新しい機能の開発や、全く新しいプロダクトの企画・開発に繋がる可能性を秘めています。
3. マーケティング領域での活用
マーケティング活動においても、お客様の声は非常に重要です。QANT VoCは、Webページやメールなどのマーケティングコンテンツを見たお客様からの問い合わせを分析します。例えば、「この広告を見たけれど、〇〇がよく分からなかった」といった声から、訴求内容の分かりにくさや、情報不足といった課題を特定できます。
これにより、Webサイトのコンテンツ改善、メールマガジンの内容見直し、広告メッセージの最適化など、各種マーケティング施策の精度を高めることが可能になります。お客様が本当に知りたい情報や、響くメッセージを届けることで、より効果的なコミュニケーションを実現します。
ウェルスナビ株式会社からの期待の声
ウェルスナビ株式会社カスタマーサービスグループ シニアディレクターの塚原崇氏は、今回のQANT VoC導入について、次のようにコメントしています。
「ウェルスナビはお客様に長期に渡ってご利用いただくプロダクトです。そのためには、お客様に安心して、簡単に使っていただけることが重要ですので、私たちはこれまでも、頂いたお客様の声をもとに各種改善を進めてまいりました。今後はQANT VoCによって、さらに潜在的なお客様の声も見える化できるようになります。お客様のさまざまな声をもとに、私たちはこれからも改善を進めていき、お客様にとって使いやすいプロダクトを提供することで、『働く世代に豊かさを』というミッションを実現したいと考えています。」
このコメントからは、お客様の声を重視し、長期的な視点でサービス改善に取り組むウェルスナビの姿勢と、QANT VoCへの大きな期待が伺えます。
「QANT VoC」について
「QANT VoC」は、「お客様の声を”聞く”から”活かす”へ」というコンセプトのもと、カスタマーサポート部門を起点として顧客の声をあらゆる部門に連携し、「お客様中心の経営」を実現するプロダクトです。
電話、チャット、メールなど、さまざまなサポートチャネルを通じてコンタクトセンターに蓄積されるお客様の声(問い合わせデータ)を、生成AIを用いた独自開発の分析モデルにより、データの加工・分析、そして改善提案までをワンストップで全自動化します。
QANT VoCに関する詳細情報は、以下のURLから確認できます。
https://qant.jp/product/voc
株式会社RightTouchについて
株式会社RightTouchは、「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」をミッションに掲げ、人とAIの協働でPDCAを持続的に回せる循環型モデル「カスタマーサポートオートメーション」を推進する基盤「QANT(クアント)」を開発・提供しています。
VoC分析やWebサポート、コンタクトセンターオペレーション向けなど複数のプロダクトを通じて、工数削減とともに、CX(顧客体験)やEX(従業員体験)の飛躍的な向上を実現しています。金融、インフラ、小売など、さまざまな業界のエンタープライズ企業のカスタマーサポート(CS)変革を支援している企業です。株式会社プレイドからカーブアウト(分離独立)したスタートアップとして、注目を集めています。
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名称:株式会社RightTouch
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所在地:東京都港区三田3-2-8 THE PORTAL MITA 5F
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代表者:代表取締役 野村修平/長崎大都
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設立日:2021年10月27日
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事業内容:カスタマーサポートプラットフォーム「QANT」の開発、提供
まとめ:AIが拓く顧客体験向上の新たな時代
ウェルスナビ株式会社によるRightTouchのAI×VoCソリューション「QANT VoC」の導入は、「お客様の声」を企業活動の核として捉え、データとAIの力で顧客体験と業務効率を革新する先進的な取り組みと言えるでしょう。
AIがお客様の声を深く理解し、これまで見過ごされがちだった潜在的なニーズや課題を可視化することで、企業はより迅速かつ的確にサービスを改善できるようになります。これにより、顧客満足度の向上はもちろんのこと、製品開発、マーケティング戦略、そしてカスタマーサポートのあらゆる側面で、質の高い顧客体験を提供することが可能になります。
今回の導入事例は、AI技術が単なる業務効率化ツールに留まらず、企業の成長戦略において不可欠な存在となっていることを示しています。今後、さらに多くの企業がAIを活用して「お客様の声」を最大限に活かし、顧客中心の経営を実現していくことが期待されます。AI初心者の方々も、このような具体的な事例を通じて、AIが私たちの生活やビジネスにもたらす可能性を理解する一助となれば幸いです。

