AIと食の力で患者支援を革新!おいしい健康が製薬・医療機器企業向けSaaS「Patient Success Program(PSP)」を提供開始
AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』を運営する株式会社おいしい健康は、製薬・医療機器企業向けのSaaS型患者支援プログラム「Patient Success Program(PSP)」の提供を開始しました。このプログラムは、AIと「食」の力を活用し、患者の治療伴走と生活習慣の改善を支援する新しいデジタルプラットフォームです。
近年、医療現場では薬物療法だけでなく、患者一人ひとりの生活習慣の改善や行動変容を組み合わせた「包括的治療」の重要性が高まっています。しかし、医療従事者が医療機関外で患者の生活を継続的に支援することは容易ではありません。このような背景から、デジタル技術やAIを活用した日常的な治療伴走への注目が集まっています。

SaaSとは?AIとは?初心者にも分かりやすく解説
SaaS(Software as a Service)とは
SaaSとは、「Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)」の略称です。これは、インターネットを通じて提供されるソフトウェアサービスのことを指します。従来のソフトウェアは、利用者が自身のコンピューターに直接インストールして使うのが一般的でしたが、SaaSではインターネットに接続できる環境があれば、ウェブブラウザや専用アプリからいつでもどこでもサービスを利用できます。これにより、初期費用を大幅に抑えられる、常に最新の機能が提供される、メンテナンスの手間が不要といった多くのメリットがあります。
AI(Artificial Intelligence)とは
AIとは、「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称で、人間の知的な活動をコンピューターで再現しようとする技術のことです。AIは、膨大なデータからパターンを学習し、それに基づいて推論や判断、予測を行うことができます。今回の「Patient Success Program(PSP)」では、患者の健康状態や疾患、食の好みに合わせて最適な献立やレシピを提案するなど、一人ひとりにパーソナライズされた食事・栄養管理にAIが活用され、より効果的な患者支援を実現します。
開発の背景:包括的治療へのシフトと製薬業界の変化
医療の進歩により多様な治療薬が開発される一方で、病気の治療には薬だけでなく、日々の食事や運動といった生活習慣の改善が不可欠であるという認識が広まっています。この「包括的治療」という考え方は、患者の健康と生活の質(QOL)を向上させる上で極めて重要です。
製薬業界においても、単に医薬品を提供するだけでなく、「患者の健康とQOLの実現」という、より本質的な価値の創出を目指す動きが活発化しています。これは「Beyond the pill(薬を超えて)」と呼ばれる概念で、医薬品以外の領域での患者支援活動が拡大しています。多くの製薬企業が患者支援プログラムを展開していますが、その一方で、患者が継続して利用するようなサービスの開発の難しさ、支援の費用対効果(ROI)の不透明さ、そして複雑な法規制への対応といった課題も浮上しています。
株式会社おいしい健康はこれまで、「Food as Medicine(食を薬とする)」というコンセプトのもと、食とデータサイエンスを組み合わせたヘルスケアプラットフォームを構築し、製薬企業と500件以上の患者支援プロジェクトを実現してきました。この経験を通じて、「医薬品から患者へ、さらにはその先にあるデータとエビデンスへ」という製薬企業のニーズの変化を強く認識し、今回のSaaS型患者支援プログラム「Patient Success Program(PSP)」の開発に至ったといいます。

SaaS型患者支援プログラム「Patient Success Program(PSP)」とは?
今回リリースされた「Patient Success Program(PSP)」は、おいしい健康がこれまでに実施してきた20件以上の臨床研究から得られた知見を基に開発されました。糖尿病や肥満症、喘息といった慢性疾患から、がん(オンコロジー)や希少疾患に至るまで、幅広い疾患領域に対応できるよう設計されています。このプログラムは、おいしい健康アプリをプラットフォームとして活用し、予防・保健指導のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する研究開発(日本医療研究開発機構(AMED)からの支援を受けて実施)の知見も取り入れられています。
これらの実績から、PSPは以下の特長を備えています。
-
高い継続率: 豊富なコンテンツが患者の継続利用を促します。
-
アプリのカスタマイズ性: さまざまな疾患に対応できるよう、アプリを柔軟にカスタマイズできます。
-
厳密な患者情報管理: 患者の個人情報を厳重に管理し、プライバシー保護に配慮しています。
-
倫理審査・法規制への対応: 医療分野特有の複雑な倫理審査や法規制に適切に対応しています。
-
迅速なデータ生成と論文化: 収集したデータを迅速に解析し、エビデンス構築のための論文化を支援します。
本プログラムの大きな特徴は、SaaSモデルを採用している点です。これにより、製薬企業は初期費用を大幅に抑えながら、ニーズや予算に応じて利用者数や実施期間を柔軟に調整できます。また、プログラムの終了時(出口戦略)においても、SaaSモデルならではのソフトランディングが可能です。
さらに、PSPはアプリによるデジタルサポートだけでなく、管理栄養士による食事相談などの人的伴走も組み合わせて提供されます。これにより、多様な背景を持つ患者一人ひとりのニーズに応じたきめ細やかなサポートが実現されます。

導入の流れと主な機能:データ活用でエビデンス構築を支援
Patient Success Program(PSP)は、製薬企業との支援契約に基づき、疾患ごとにカスタマイズされた上で、医療機関や主治医を通じて患者に案内されます。患者はアプリの利用規約に同意することで、食事や服薬など、治療生活における「困り事(ペイシェントジャーニー)」に応じた日常的な伴走支援や健康サポートを受けられます。
おいしい健康は、本プログラムの導入から運用まで、多岐にわたる支援を提供します。具体的には、アンメットニーズ(まだ満たされていない医療ニーズ)調査、プログラムのカスタマイズ設計・開発、法規制対応、倫理審査の承認取得、カスタマーサポート、そしてデータ解析などが含まれます。特にデータ解析においては、患者の同意を得て収集されたデータを匿名化処理した上で統計解析し、その結果を製薬企業に提供することで、エビデンス構築を強力に支援します。
おいしい健康Patient Success Program(PSP)の主な機能
PSPには、患者の治療生活を包括的にサポートするための多様な機能が搭載されています(オプション機能を含む)。
-
ユーザー認証・管理: 患者情報の安全な管理とアクセス制御を行います。
-
ガイドラインに基づくレシピ・献立提案: 各疾患の診療ガイドラインや医師の指示に基づき、AIが最適な献立やレシピを提案します。
-
食事記録・栄養解析: 食べたものを記録することで、栄養バランスを自動で解析し、食生活の改善を促します。
-
管理栄養士への相談: 専門の管理栄養士に直接食事に関する相談ができ、個別の悩みに対応します。
-
運動など食事以外の伴走コンテンツ: 食事だけでなく、運動を含む生活習慣全般の改善をサポートするコンテンツを提供します。
-
歩数・体重・血圧・睡眠などのバイタル記録: 日常の健康データを記録し、自身の体の変化を「見える化」します。
-
症状記録: 疾患の症状を記録することで、体調の変化を把握し、医療従事者との情報共有を円滑にします。
-
服薬記録: 薬の飲み忘れ防止や、服薬状況の管理をサポートします。
-
チュートリアル: アプリの利用方法を分かりやすく解説し、スムーズな導入を支援します。
-
オンライン調査票: 定期的なアンケートを通じて、患者の状態や満足度を把握します。
-
データ管理・解析: 収集したデータを一元的に管理し、詳細な分析を行うことで、治療効果の評価や新たな知見の発見に繋げます。
-
論文化支援: データ解析の結果を基に、学術論文としての発表を支援し、エビデンスの社会還元を促進します。

患者、臨床、製薬会社における「三方よし」のベネフィット
Patient Success Program(PSP)は、患者、医療機関(臨床)、製薬会社の三者すべてにメリットをもたらす「三方よし」のモデルを目指しています。
患者のベネフィット:治療中の日常生活支援とQOL向上
-
病気があっても“食事をおいしく、暮らしをゆたかに”: 患者の健康状態に合わせたAI献立や管理栄養士監修のレシピ検索機能により、治療中でも食事を楽しみながら、豊かで健康的な生活を送れるよう支援します。
-
治療において大切なデータをワンストップで「見える化」: 栄養摂取状況、活動量、服薬状況、体重、症状など、疾患ごとに重要なデータをアプリで一元管理し、自身の状態を客観的に把握できます。
-
管理栄養士とAIが、いつもあなたのそばに: 食事の仕方や治療以外の生活における困り事について、管理栄養士やAIからのサポートをいつでも受けられるため、安心して治療に取り組めます。
臨床(医療機関)のベネフィット:デジタルツールを活用した包括的治療の促進
-
患者への生活指導の効率化、アドヒアランスの向上: デジタルツールを活用することで、患者への生活指導が効率化され、治療への患者の積極的な参加(アドヒアランス)が向上します。
-
栄養専門職の業務支援、人材不足への対応: 管理栄養士などの栄養専門職の業務負担を軽減し、医療現場における人材不足の課題解決に貢献します。
-
患者満足や通院継続への貢献、医学管理料等の業務支援: 患者の満足度向上や通院継続を促し、医療機関の経営面(医学管理料などの算定)も支援します。
-
臨床成績の向上、学会発表、論文化: 収集されたデータは、臨床成績の向上に役立つだけでなく、学会発表や学術論文の作成にも活用され、医療の発展に貢献します。
製薬会社へのベネフィット:医療への貢献と事業成長の両立
-
真のアウトカムへの貢献、製品評価の向上: 医薬品の効果を最大化する包括的治療を支援することで、患者の治療成果(アウトカム)に貢献し、製品の評価を高めます。
-
低コストでのPatient support programの導入、Exit(縮小・終了): SaaSモデルにより、初期費用を抑えつつ、柔軟なプログラム導入・運用が可能となり、必要に応じた縮小や終了もスムーズに行えます。
-
迅速なデータジェネレーション、エビデンス構築・発信力強化: 患者の生活行動データや服薬データを迅速に収集・解析し、医薬品のエビデンス構築を加速させ、情報発信力を強化します。
-
生活行動、服薬データを組み合わせた「デジタルフェノタイプ分析」と治療支援モデルの構築: 患者の多様なデータを組み合わせた「デジタルフェノタイプ分析」を通じて、個別化された治療支援モデルを構築し、最適な治療法の提供に繋げます。
今後の展開:患者中心医療の新たなプラットフォームへ
Patient Success Program(PSP)は、既に複数の製薬企業と連携し、リリースに向けた準備が進められています。今後は、糖尿病や肥満症といった慢性疾患、がん、希少疾患など、さらに幅広い疾患領域へと展開していく予定です。これにより、PSPは「患者中心医療の新たなプラットフォーム」としての地位を確立し、より多くの患者の健康とQOL向上に貢献することを目指しています。
AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』の概要
「Patient Success Program(PSP)」の基盤となるのが、AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』です。このアプリは、ユーザーの健康状態や疾患、食の好みなどに合わせて、AIが最適な献立やレシピを提案するパーソナライズされた食事管理サービスです。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」や各種診療ガイドライン、医師の食事指示に基づいて、予防やダイエット、疾患別の食事管理を家庭で手軽に実践できるようサポートします。
-
アプリ名:『おいしい健康』
-
Google Play Store:https://oishi-kenko.com/katgut/android-kenko_google-play
株式会社おいしい健康について
株式会社おいしい健康は、『Food as Medicine』をコンセプトに掲げ、データサイエンスに基づく食事・栄養療法(Data science-based Nutrition:DBN)の実現を通じて「世界から病気をなくす」ことを目指すヘルスケア・スタートアップです。同社は、アプリ『おいしい健康』のほか、医療機関向け生活指導SaaS『Kakaris(カカリス)』を展開しており、世界中の人々の健康と幸福、そして医療が抱える社会課題の解決に貢献しています。
まとめ
株式会社おいしい健康が提供を開始したSaaS型患者支援プログラム「Patient Success Program(PSP)」は、AIと管理栄養士によるパーソナライズされた食事・栄養管理を通じて、患者の治療継続とQOL向上を支援する画期的なサービスです。包括的治療の重要性が高まる現代において、製薬・医療機器企業が患者支援プログラムをより効果的かつ効率的に導入・運用できる道を開きます。患者、医療機関、製薬会社の「三方よし」を実現するこのプログラムは、今後のヘルスケア分野におけるデジタル技術活用の新たなスタンダードとなることでしょう。AIを活用した患者中心医療の進化に、今後も注目が集まります。

