
株式会社パパゲーノが運営する就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」は、事業所紹介資料を全面的にアップデートし、新たな工賃体系と就職支援の強化、そして生成AIを活用した支援の実践を明らかにしました。今回の変更は、精神・発達障害のある方が社会で自分らしく活躍できるよう、より実践的で手厚いサポートを提供することを目指しています。
パパゲーノ Work & Recoveryとは?
「パパゲーノ Work & Recovery」は、精神・発達障害のある方を対象とした就労継続支援B型事業所です。ここでは、単に作業を行うだけでなく、「リカバリー(自分らしい生き方の回復)」を重視した支援が行われています。リカバリーとは、病気や障害があっても、その人らしく充実した人生を送ることを指します。この事業所は、2023年の開設以来、特に生成AIといった最新のIT技術を活用した支援に力を入れてきました。
ITスキルを身につけながら、企業の営業事務、Webデザイン、ライティングといった実践的な業務を経験できるのが大きな特徴です。これにより、利用者は就職に向けた具体的なスキルと自信を培うことができます。
事業所紹介資料アップデートの背景
今回の資料アップデートの背景には、2025年からの「施設外就労」および「施設外支援」の本格的な開始があります。
「施設外就労」とは、事業所の外にある企業などで実際に働くことで、より実践的な環境でスキルを発揮し、一般就労への移行を目指す制度です。また、「施設外支援」は、利用者の就職活動を事業所の外でサポートする制度で、ハローワークへの同行や職場見学など、就職に向けた具体的な支援が含まれます。
これらの制度を本格的に導入することで、利用者がより多様な経験を積み、就職への道を切り拓けるよう、工賃体系の見直しや就職支援の強化が実施されました。また、パパゲーノが大切にしている支援の考え方を「支援員7原則」として明確にし、利用を検討している方々や関係機関に、より深く事業所の理念を理解してもらえるよう努めています。
主なアップデート内容を詳しく解説
工賃体系の刷新:時給480円・630円を新設

今回のアップデートで最も注目される点の一つが、工賃体系の刷新です。従来の時給230円・430円に加え、新たに時給480円・630円の工賃区分が新設されました。これは、下高井戸拠点での「施設外就労」の開始や、事業所内での生産活動の拡充に伴うものです。
工賃とは、就労継続支援B型事業所で働く利用者に支払われる賃金のことです。新たな工賃区分が設けられたことで、利用者はより高い工賃を得られる可能性が広がります。例えば、週5日終日利用の場合、時給630円であれば月額75,600円の工賃が見込まれるとのことです。これは、利用者の生活を支える上で大きな助けとなり、モチベーション向上にもつながるでしょう。施設外就労を通じて、より一般就労に近い形で働く経験を積むことで、工賃アップの機会も増えることが期待されます。
就職支援の強化:施設外支援の開始

就職活動は、多くの人にとって大きな壁となりがちです。特に精神・発達障害のある方にとっては、一人で進めるのが難しい場面も少なくありません。「パパゲーノ Work & Recovery」では、就労継続支援B型の「施設外支援」制度を新たに導入し、利用者の就職活動をより手厚くサポートする体制を整えました。
施設外支援では、以下のような具体的なサポートが提供されます。
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個別の就職支援: 利用者一人ひとりに合わせた求人検索、応募書類(履歴書や職務経歴書など)の作成指導、模擬面接の実施など、就職活動の基本から丁寧にサポートします。
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職場見学や企業実習: 障害者雇用に積極的な企業への見学機会をセッティングしたり、実際の職場で働く企業実習をサポートしたりすることで、働くイメージを具体的に持ち、自分に合った職場を見つける手助けをします。
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ハローワークへの同行: ハローワークでの手続きや相談に同行し、利用者が安心してサービスを利用できるよう支援します。
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面接同行: 企業との面接に支援員が同行し、利用者が安心して面接に臨めるようサポートします。
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就職後の定着支援: 就職して終わりではなく、就職後も職場に定着できるよう、定期的な面談や相談を通じてサポートを継続します。
これらの手厚い支援により、年間5〜10名の方が企業に就職して卒業している実績があります。今後もさらに就職支援を強化していく予定とのことです。
支援の考え方を明文化:「支援員7原則」を掲載

「パパゲーノ Work & Recovery」では、支援員が利用者と関わる上で大切にしている考え方を「7原則」として明確にしました。これは、利用者一人ひとりに寄り添い、質の高い支援を提供するための指針となります。
以下にその7原則を詳しく見ていきましょう。
- 「他者貢献 & 自分らしさの探求」を重視する:他者の役に立つこと(Work)と、自分自身の興味や価値観を探求すること(Recovery)の両方を大切にし、バランスの取れた生き方を支援します。
- 利用者さんの「自分らしい生き方の回復」を第一に考える:画一的な支援ではなく、利用者が「こう生きたい」と願う姿を実現できるよう、個別のニーズに応じたサポートを最優先します。
- 疾患名や属性でカテゴライズせず、その人を見て理解する:診断名や障害の種類だけで利用者を判断せず、一人の人間としてその人の個性や強み、課題を深く理解しようと努めます。
- PC作業だからこそ、通所時の挨拶や声かけも大切にする:IT系の作業が中心であっても、人とのコミュニケーションを疎かにせず、日々の挨拶や声かけを通じて良好な人間関係を築くことを重視します。
- 本人のいないところで勝手に決めない:利用者の意思決定を尊重し、重要な事柄は必ず本人と相談し、同意を得てから進めます。
- 課題ではなく「できること」に目を向ける:苦手なことや課題ばかりに注目するのではなく、利用者が持っている強みや「できること」に焦点を当て、それを伸ばす支援を行います。
- ルールを減らし、自由に挑戦できる環境・風土を作る:過度な制約を設けず、利用者が新しいことに積極的に挑戦できるような、柔軟で開かれた環境づくりを目指します。
これらの原則は、精神保健福祉の基礎理論であるリカバリー、社会モデル、IPSモデル(個別就労支援)、ストレングスモデル(強み活用)、そしてバイステックの7原則に基づいています。これらの理論をチーム全体で共有し、日々の支援に活かすことで、利用者が安心して自分らしく成長できる場を提供しています。
パパゲーノ Work & Recoveryの独自性:生成AIを活用した先進的な支援

「パパゲーノ Work & Recovery」が他の就労継続支援B型事業所と大きく異なる点の一つは、生成AIの積極的な活用です。AI(人工知能)と聞くと難しく感じるかもしれませんが、ここでは誰もが使いやすい形でAIが支援に組み込まれています。
生成AIとは?
生成AIとは、テキストや画像、音声など、さまざまな新しいコンテンツを「生成」できるAIのことです。例えば、文章の要約や作成、アイデア出し、プログラミングコードの生成など、幅広い分野で活用されています。ChatGPTなどがその代表例です。
パパゲーノ Work & Recoveryでの生成AI活用
この事業所では、障害のある利用者と支援者の双方が生成AIを活用することで、個人の可能性を広げています。
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業務の効率化と品質向上: 生成AIは、資料作成、文章の校正、情報収集、アイデア出しなど、様々な業務を効率化できます。これにより、利用者はより専門的で創造的な作業に集中できるようになります。例えば、AIに文章のたたき台を作ってもらい、それを基に自分の言葉で修正・加筆するといった形で活用します。これにより、苦手な作業の負担を軽減しつつ、成果物の質を高めることができます。
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新しいスキルの習得: 生成AIの操作自体が、現代社会で求められる重要なスキルの一つです。利用者はAIツールを使いこなすことで、ITリテラシーを高め、一般就労で役立つ実践的な能力を身につけられます。
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個別支援の充実: 株式会社パパゲーノが開発・提供するAI支援記録アプリ「AI支援さん」は、支援現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するツールです。これにより、支援員は利用者の記録作成などの事務作業を効率化し、より多くの時間を個別の支援に充てることができます。利用者の日々の様子や成長をAIが分析し、最適な支援計画の立案にも役立てることで、一人ひとりに合わせたきめ細やかなサポートが可能になります。
充実したIT環境
事業所内には、MacBook Airや業務マニュアルを読み込ませたAIチャットボットが完備されています。これにより、利用者は最新のIT環境で快適に作業に取り組むことができ、わからないことがあればすぐにAIチャットボットに質問して解決できるため、自律的な学習と作業を促進します。
実践的なDX業務
IPSモデル(Individual Placement and Support:個別就労支援)の考え方を重視し、利用者は企業の営業事務、Webデザイン、ライティングなど、実際の企業から受託した業務に取り組みます。これは、単なる訓練ではなく、社会貢献を実感しながら、一般就労に必要な実務経験を積むことができる貴重な機会となります。AIを活用することで、これらの業務を障害のある方が取り組みやすい形に分解・調整し、企業のDXにも貢献しています。
パパゲーノ Work & Recoveryが選ばれる理由

パパゲーノ Work & Recoveryの利用者22名へのアンケート調査結果によると、この事業所が選ばれる理由として、以下の点が挙げられています。
- パソコンスキルを学べるから(81%): 最新のITスキル、特に生成AIの活用方法を学べる環境が、多くの利用者にとって魅力となっています。
- スタッフが良さそうだから(57.1%): 支援員7原則に代表される、利用者一人ひとりに寄り添う温かい支援体制が評価されています。
- 静かに作業できそうだから(52.4%): 集中して作業に取り組める、落ち着いた環境が提供されていることがわかります。
- AIなど新しい技術に触れられるから(47.6%): 生成AIをはじめとする最先端技術に触れ、活用できる機会があることは、将来を見据えたスキルアップを目指す利用者にとって大きなメリットです。
- 交通の便が良いから(47.6%): 八幡山、下高井戸、用賀という東京都内の活動拠点はいずれも交通の便が良く、通所しやすい点が評価されています。
- 工賃が高いから(47.6%): 今回の工賃体系刷新により、さらに高い工賃を目指せるようになったことも、選ばれる理由の一つです。
これらの理由から、「パパゲーノ Work & Recovery」が、利用者のニーズに応え、具体的なスキルアップと就職支援を提供していることがわかります。
株式会社パパゲーノについて
株式会社パパゲーノは、「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指し、「リカバリーの社会実装」を事業を通して行う会社です。精神・発達障害のある方を対象とした就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」の運営に加え、支援現場のDXアプリ「AI支援さん」の開発・提供も行っています。
同社は、ITとAIの力を活用することで、障害のある方が社会で活躍できる機会を創出し、より多くの人が自分らしい生き方を見つけられるよう、多角的にサポートしています。
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公式ホームページ: https://papageno.co.jp/
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公式YouTube: https://www.youtube.com/@papageno_jp
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パパゲーノAI福祉研究所: https://ai-fukushi.net/
事業所概要
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事業所名:パパゲーノ Work & Recovery
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サービス種別:就労継続支援B型
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活動拠点:八幡山 / 下高井戸 / 用賀(東京都杉並区・世田谷区)
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サービス提供時間:9:30〜16:30
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平均工賃月額:約3万円
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電話番号:050-8888-7970
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メールアドレス:info@papageno.co.jp
<見学・体験利用のお申し込み>
https://papageno.co.jp/work-and-recovery/
まとめ:生成AIが拓く新たな就労支援の形
就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」の今回のアップデートは、精神・発達障害のある方の就労支援に新たな可能性を示すものです。施設外就労・施設外支援の導入による実践的な経験の機会拡大、工賃体系の刷新による経済的な安定への貢献、そして何よりも生成AIを積極的に活用することで、利用者が自身の強みを最大限に活かし、社会で活躍できる道筋を具体的に示しています。
「支援員7原則」に明文化された利用者中心の支援理念と、最先端のIT・AI技術の融合は、「自分らしい生き方の回復」というパパゲーノのミッションを強力に推進するでしょう。今後も「パパゲーノ Work & Recovery」が、多くの利用者の就職とリカバリーを支援し、誰もが「生きててよかった」と実感できる社会の実現に貢献していくことが期待されます。AI初心者の方でも安心して利用できる環境が整っており、これからの就労支援のモデルケースとして注目される存在となるでしょう。

