製造業の未来を拓く!LIGHTzとストックマークがAIで「熟練技術者の暗黙知」を資産化し、技術マーケティングを高度化

製造業の未来を拓く、AIによる「技術マーケティング」高度化

日本の製造業は、長年にわたり培われてきた熟練技術者の知識や経験に支えられてきました。しかし、少子高齢化が進む現代において、これらの貴重な知識が個人の「暗黙知」として留まり、次世代への継承が困難になるという大きな課題に直面しています。そんな中、株式会社LIGHTz(ライツ)とストックマーク株式会社が業務提携を発表し、製造業の「技術マーケティング」をAIで高度化する新たな取り組みを開始しました。

この提携は、熟練技術者の持つ「暗黙知」をAIの力で「資産」として活用し、研究開発や事業企画における新たな用途探索を加速させることを目指しています。AI初心者の方にも理解しやすいように、その背景から具体的なソリューション、そしてこの提携が日本の製造業にもたらす可能性について詳しくご紹介します。

技術マーケティングにおける「暗黙知」をAI資産へ

日本の製造業が直面する課題:技能継承と技術マーケティングの重要性

現在、日本の製造業では「技能継承」が喫緊の経営課題となっています。労働政策研究・研修機構の調査※1によると、多くの企業が技能継承の重要性を認識しているものの、「うまくいっている」と回答した企業は4割にも満たないのが現状です。さらに、約8割の企業が将来の技能継承に「不安がある」と回答しており、現場の知見が失われることへの強い危機感が浮き彫りになっています。

※1:引用「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査結果」

特に問題となっているのが、自社の優れた技術資産をどのように新しい市場や新規事業へと結びつけるかという「技術マーケティング」の領域です。どの技術がどのような市場の課題に適用できるかという判断は、長年の経験を持つ熟練者の「勘所」、つまり「暗黙知」に大きく依存していました。このため、組織全体での用途探索や市場開拓がなかなか進まないという課題がありました。

また、研究開発(R&D)、事業企画、マーケティング、セールスといった技術マーケティングを担う各部門では、社内の技術文書や膨大な外部の市場データを分析し、戦略を立てる際に、ベテランの判断基準が「ブラックボックス化」していることが、生成AIを導入しようとする際の大きな障壁となっていました。

業務提携の目的:AIで「技術」と「市場ニーズ」をつなぐ

今回の業務提携は、これらの課題を解決するために、ストックマーク株式会社が持つ「大規模言語モデル(LLM)」や「データ構造化技術」と、株式会社LIGHTzが持つ「熟練者の思考プロセス(暗黙知)を言語ネットワークとして可視化する技術」を融合させることを目的としています。

具体的には、「技術」と「市場ニーズ」をつなぐベテランの知見をAIに実装することで、これまで属人的だった高度な用途探索や市場開拓を組織全体で実現します。これにより、製造業がより積極的に意思決定を行い、新たな価値を創造できるよう支援します。

両社の強みと具体的なソリューション:暗黙知の可視化からAI実装まで

本提携によって提供されるソリューションは、以下の6つのステップで構成されています。これにより、属人化された知識が組織全体の資産へと変換され、事業企画、R&D、マーケティング、セールスの各部門間の連携が強化されるAI環境が提供されます。

1. 技術マーケティング戦略の策定・業務変革コンサルティング

企業の技術や市場の特性を深く理解した専門家(コンサルタント)が、生成AIの活用を前提に、業務プロセスを再設計します。具体的には、「技術から新しい市場を創出する」ことや、「市場のニーズから既存技術の活用方法を探る」といったプロセスを構築します。また、社内に眠る大量の非構造化データ(文書や図面など、決まった形ではないデータ)を解析し、R&Dからセールスまでの一連の業務の流れを全体的に見渡し、新たな価値を生み出すための技術マーケティングモデル(意思決定の基準)を作り上げます。

2. 「技術」と「市場」をつなぐデータの構造化(SATの活用)

ストックマーク株式会社のデータ構造化プラットフォーム「SAT」を活用します。このSATは、独自の「製造業特化VLM(Vision Language Model)」というAI技術を用いて、社内の技術文書や図面といったデータをAIが扱いやすい「AI-ready」な状態に整理します。さらに、過去10年間で3.5万ものウェブサイトから収集・構造化されたビジネス情報を活用することで、各企業の技術と最新の市場トレンドを紐付け、用途探索の精度を飛躍的に高めます。

3. 用途探索ロジックの形式知化(汎知化とブレインモデル®)

株式会社LIGHTz独自の「汎知化®(はんちか)」という手法により、「この技術特性があれば、この業界のこの課題に活用できる」といった、ベテラン技術者の思考の分岐点や判断のロジックをモデル化します。このモデルを「ブレインモデル®」と呼びます。これまで言語化が難しかった「用途探索のセンス」をAIが学習できるデータへと変換することで、熟練者の知見を形式知(誰にでも理解・共有できる知識)として活用できるようになります。

4. 技術マーケティング特化型「AIエージェント」の構築

「汎知化®」によって可視化された「ブレインモデル®」と、「SAT」によって構造化された社内外のデータを、ストックマーク株式会社が持つ「製造業特化LLM(大規模言語モデル)」と統合します。これにより、技術マーケティングに特化した「AIエージェント」が構築されます。このAIエージェントは、一般的なAIでは難しいR&Dや営業部門の専門的な業務をサポートし、自社の技術の新たな活用先をAIとの対話を通じて瞬時に導き出せる環境を実現します。

5. 日々の業務の中で蓄積する暗黙知の収集、組織知化

株式会社LIGHTzが開発した暗黙知抽出AIエンジン「Re:Quid(リキッド)」を活用し、日々の業務の中で蓄積されるデータから、新しい知識やノウハウ(暗黙知)を自動的かつ効率的に収集します。これにより、熟練者の思考をAI化するだけでなく、組織全体の知見を「集合知(組織全体で共有・活用できる知識)」としていくプロセスも支援します。

6. 基幹システムの内製化支援

特定のベンダーに依存することなく、各企業の技術資産に最適なシステム構成(アーキテクチャ)を構築します。トップエンジニアが伴走し、技術マーケティングにおけるAI活用のノウハウを企業内へと移転することで、企業が自力でAIシステムを運用・改善できる力を養います。また、プライベートクラウドのような安全な環境でのシステム構築も支援します。

両社代表からのメッセージ

ストックマーク株式会社 代表取締役CEO 林 達氏

「多くの企業が生成AIの導入を検討する中で、最大の課題は『自社の核となる知識が整理されていない』という現実です。特に製造現場では、重要なノウハウの多くが熟練者の個人的なスキルに依存しており、約8割の企業が将来の技能継承に不安を感じています。今回のLIGHTz社との提携は、この『暗黙知』という最後のフロンティアを切り拓くものです。LIGHTz社の卓越したコンサルティングによって引き出された『匠の知恵』を、当社のデータ構造化プラットフォーム『SAT』や製造業特化型LLMへと統合します。これにより、単なる効率化を超え、ベテランの知見を誰もが自由に活用できる『価値創造の仕組み』を再発明し、日本の製造業の競争力を一段上のレベルへと引き上げてまいります。」

株式会社LIGHTz 代表取締役社長CEO 乙部 信吾氏

「私たちはこれまで、『汎知化』と『ブレインモデル®』という2つの技術で、専門家が持つ暗黙知を集合知へと昇華させ、『組織として戦える力(ナレッジ)』をクライアント企業に提供してきました。今回、挑戦させていただく技術マーケティング領域の要は、単なる市場調査力だけでなく、技術の潜在的な可能性や、産業の弱点を見抜く『目利き力』です。R&D、事業企画といった製造業の最上流プロセスの支援に強みを持つストックマーク社と連携することで、まるで熟練技術者が隣にいるかのような感覚でAIを活用し、新しい市場を創出できる、そんなワクワクする未来を皆様に提供してまいります。ストックマークと当社は創業時期も近く、10年の長きにわたり、共に切磋琢磨しながら製造業DXの業界で互いの技を磨いてきました。今回、このような素晴らしいパートナーシップの実現に尽力いただいた代表の林様、ストックマーク社の役員・従業員の皆様、ステークホルダーの皆様に深く御礼を申し上げます。今後、両社が共創する未来にご期待いただけたらと思います。」

ストックマーク株式会社について

ストックマーク株式会社は、「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用して、多くの企業の変革を支援しています。製造業向けのAIエージェント「Aconnect」や、あらゆるデータを構造化して企業の資産に変えるプラットフォーム「SAT」を運営しています。また、企業に特化した生成AIの開発や、独自のシステム構築も支援しています。

Stockmark AIでビジネスを変革する6つのソリューション

  • 会社名: ストックマーク株式会社

  • 所在地: 東京都港区南青山一丁目12番3号 LIFORK MINAMI AOYAMA S209

  • 設立: 2016年11月15日

  • 代表者: 代表取締役CEO 林 達

  • 事業内容: 最先端の生成AI技術を活用した、企業のナレッジマネジメント・生成AIの業務適用を支援するサービスの開発・運営

  • URL: https://stockmark.co.jp/

株式会社LIGHTzについて

LIGHTzは「人の知恵をつなぎ、社会を灯す(ともす)」をミッションとし、熟練者の知見を可視化・構造化する「汎知化®」技術を核に製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するテック企業です。独自開発した「ブレインモデル®」テクノロジーを活用し、暗黙知を組織の集合知に変えることで、大手製造業の技術伝承や生産性改善に貢献しています。

  • 会社名: 株式会社LIGHTz

  • 所在地: 茨城県つくば市千現2-1-6(つくば研究支援センター内)

  • 設立: 2016年10月5日

  • 代表者: 代表取締役社長CEO 乙部 信吾

  • URL: https://lightz-inc.com/

まとめ:製造業DXを加速する新たな一歩

今回のLIGHTzとストックマークの業務提携は、日本の製造業が長年抱えてきた技能継承と技術マーケティングの課題に対し、AIという強力なツールで具体的な解決策を提示するものです。熟練者の「暗黙知」をAIで形式知化し、組織全体の「集合知」として活用することで、研究開発から事業企画、マーケティング、セールスに至るまで、バリューチェーン全体での意思決定を高度化し、新たな価値創出を加速させます。

この取り組みは、製造業のDXをさらに推進し、国際競争力を高める上で極めて重要な一歩となるでしょう。AI初心者の方も、この画期的な提携が日本の産業にもたらす未来にぜひご注目ください。

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