FEIDIASが「人間のようなAIアバター」を実現する「NEUVOX」のトライアルを開始!オプテージとGMI Cloudと協業し、次世代の会話体験へ
近年、AI(人工知能)技術は目覚ましい進化を遂げており、私たちの生活やビジネスに様々な変化をもたらしています。特に、文字や画像認識といった分野から始まり、今ではまるで本物の人間が話しているかのような音声や、リアルな動画をAIが作り出すことができるようになりました。しかし、AIアバターと人間が直接会話をする「双方向対話」の分野では、まだいくつかの課題が残されています。
例えば、AIアバターとの会話で「少し間が空いてしまう」「ロボットのように機械的な話し方をする」と感じたことはないでしょうか。このような対話のタイムラグや不自然なイントネーションは、人間同士のスムーズな会話とは大きく異なる点でした。
こうした課題に対し、AIとクリエイティブの融合を推進する株式会社FEIDIAS(以下、FEIDIAS)、関西電力グループの株式会社オプテージ(以下、オプテージ)、そしてGPUクラウドプロバイダーのGMI Cloudは、3社で協力し、次世代のAIソリューション「NEUVOX(ニューボックス)」のサービス化に向けたトライアルを開始しました。この画期的な取り組みは、AIアバターとの会話を「まるで人間同士のようなテンポの良い会話」へと進化させることを目指しています。
次世代AIソリューション「NEUVOX」とは?
FEIDIASが開発する「NEUVOX」は、同社が展開する、自然な発声や表情に特化したAIアバター「AGENTIA(エージェンティア)」を基盤とした、双方向対話型のAIソリューションです。このNEUVOXが目指すのは、従来のAIチャットボットでは不可能だった、人間とAIが「食い気味に返答する」「スムーズに割り込む」といった、途切れることのない自然な会話を実現することです。これは、私たちが普段、友人や家族と話すような、ごく自然な会話のテンポをAIアバターで再現しようという試みです。
NEUVOXには、リアルタイムで口の動きを声に合わせて同期させる「リップシンク」技術や、様々な言語に対応する「多言語対応音声生成技術」が搭載されています。これらに加えて、従来のAI音声サービスが抱えていた「対話のタイムラグ」という大きな課題を解決するための、独自の新しい技術が組み込まれています。この新技術は現在、特許出願中です。
「音声テキスト化」を排除したダイレクト認識(特許出願中)
従来のAIチャットボットでは、私たちが話した「音声」を、まず「テキスト(文字)」に変換する(Speech to Text)という工程が必要でした。この時、音声を細かく区切り(チャンク化)、その区切られた単位でテキストに変換するため、どうしても数秒の「待機時間」が発生してしまい、会話が途切れる原因となっていました。
しかし、NEUVOXではこのプロセスを根本から見直しました。特許出願中のFEIDIAS独自の技術では、音声を細かく区切ったり、テキストに変換したりする中間処理を挟まずに、音声を「真に連続的に」入力し、直接認識・処理します。この「ダイレクト認識」により、対話のボトルネックとなっていた部分が解消され、人間とAIアバターの間で、まるで人間同士が話すかのような「食い気味の応答」や「スムーズな割り込み」といった、シームレスで途切れない双方向対話が可能になります。
日本語特有の「自然なイントネーション」の再現
もう一つの大きな課題は、日本語の話し方における「イントネーション」でした。現在普及している多くのAIアバターは、日本語特有の「ピッチアクセント」(音の高低)を正確に再現するのが苦手で、どうしても機械が読み上げているような、抑揚の少ない話し方になってしまうことがありました。
NEUVOXでは、この課題にも新たな技術で対応しています。音声生成の段階で、日本語の自然なイントネーションを作り出すための新技術を採用しました。前述の「テキスト化を経ない入力処理」と組み合わせることで、AIアバターが話す言葉が、文脈や感情に合わせて「人間らしい話し方」を再現できるようになります。これにより、AIアバターとの会話がより自然で、感情豊かなものになることが期待されます。
なぜ今、AIアバターの高度化が必要なのか?背景とトライアルの目的
AIアバター技術の高度化は、単に会話をスムーズにするだけでなく、深刻化する社会課題の解決にも貢献することが期待されています。特に、小売りや接客業、様々な窓口業務といったサービス業では、近年、労働力不足が深刻な問題となっています。このような状況下で、AIアバターが人間と同じようにスムーズな対話ができれば、人手不足の解消に大きく貢献できる可能性があります。
本トライアルは、まさにこの社会課題の解決を目指し、AIと人間の双方向対話の社会実装を飛躍的に加速させることを目的としています。具体的には、NEUVOXの音声・動画生成をさらに高度化し、処理速度を高速化すること。そして、多くの利用者が同時に使えるように「拡張性(スケーラビリティ)」を確保すること、さらに運用コストを削減できる可能性を検証します。
このトライアルは、オプテージとGMI Cloudが2025年4月に発表した戦略的パートナーシップに基づく、有償トライアルの第1号案件となります。オプテージが提供する「NVIDIA B200搭載GPUサーバ」や高速な通信ネットワークといったAIインフラ基盤上で、GMI Cloudの「GMI Cluster Engine(マルチテナント技術)」や「GMI Inference Engine(AI推論プラットフォーム)」といった技術を活用し、AIを使ったビジネス開発を推進していきます。
3社が協力して実現する「未来のAIインフラ」
今回のトライアルでは、FEIDIAS、オプテージ、GMI Cloudの3社がそれぞれの強みを活かして協力し、次世代のAIアバターソリューションの実現を目指しています。この連携は、AIアバターが社会に広く普及するために不可欠な要素をすべてカバーしています。

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FEIDIASの役割:双方向対話型AIソリューション「NEUVOX」の開発を主導しています。彼らの強みは、AIによる高精度な動画生成や音声処理技術にあります。AIアバターが自然な表情で、人間らしい声で話すための核となる技術を提供します。
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オプテージの役割:AIを動かすための「土台」となるインフラ(基盤)を提供します。具体的には、高性能な計算処理を行うための特別なコンピューターである「NVIDIA B200搭載GPUサーバ」や、AIアバターがスムーズに動作するための高速な通信ネットワークなどです。オプテージは、AIインフラを必要な形で一括して提供できる能力を持っています。
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GMI Cloudの役割:AIの「脳」とも言える部分を動かすプラットフォームを提供します。「GMI Cluster Engine(マルチテナント技術)」は、複数の企業や利用者が同じシステムを効率よく使えるようにする技術です。また、「GMI Inference Engine(AI推論プラットフォーム)」は、AIが学習した結果を使って実際に判断や応答をするための基盤です。GMI Cloudは、このようなAIプラットフォームを構築する技術に優れています。
これら3社の技術と知見が一体となることで、高精度で応答の遅延が少ないAIアバターの導入を検討している企業に対し、「NEUVOX」の提供を進めていくことになります。これにより、より多くの場所でAIアバターが活躍できる基盤が整っていくでしょう。
「待たされるAI」から「人間と対話できるAI」へ:NEUVOXが描く未来
FEIDIASの「AIによる高精度な動画生成・音声処理技術」、オプテージの「AIインフラのワンストップ提供力」、そしてGMI Cloudの「AIプラットフォーム構築技術」が連携することで、労働力不足が深刻化する日本社会に対して、AIによる革新的なソリューションを提供できると期待されています。
3社は、「NEUVOX」を単なるチャットボットとしてではなく、受付業務、無人店舗での接客、遠隔での顧客対応など、あらゆるデジタル接点に展開していく計画です。これにより、これまで「質問してもすぐに返事が来ない」「一方的な情報提供しかできない」といった「待たされるAI」から、あたかも人間と話しているかのようにスムーズで自然な「人間と対話できるAI」への大きな変化(パラダイムシフト)を主導していくことを目指しています。
さらに、NEUVOXの開発を通じて培われた高度な音声生成技術は、GMI Inference Engineを通じてSaaS(Software as a Service)サービスとしても提供される予定です。SaaSとは、インターネットを通じてソフトウェアを利用する形式のことで、これにより、エンターテインメント、カスタマーサポート、教育など、幅広い業界でこの革新的な技術が手軽に利用できるようになるでしょう。
各社の概要
株式会社FEIDIASについて
株式会社FEIDIASは、生成AIを活用したクリエイティブ制作・運用支援を提供し、企業の表現領域における属人化や高コスト構造の変革を推進するAI×クリエイティブ企業です。クリエイティブの生産性向上と品質の安定化を実現するとともに、コミュニケーション設計の最適化を通じてブランド価値の継続的な向上を支援します。AI×クリエイティブの社会実装を通じて、社会課題の解決と新たな価値創造を目指しています。
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社 名:株式会社FEIDIAS
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代表者:代表取締役CEO 鹿野 智裕
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本 社:東京都港区東麻布1-9-11 GROWTH BY IOQ 1302
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設 立:2022年
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U R L:https://feidias.jp/
株式会社オプテージについて
株式会社オプテージは、独自の光ファイバーネットワークを基盤として、法人のお客さまには情報と通信が一体となった通信ネットワーク・ソリューションサービスを、個人のお客さまには高速・高品質なインターネットサービス「eo(イオ)光ネット」に加え、トリプルキャリア対応の携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」などを提供している関西電力100%出資の総合情報通信事業者です。
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社 名:株式会社オプテージ(関西電力グループ)
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代表者:代表取締役社長 名部 正彦
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本 社:大阪府大阪市中央区城見2丁目1番5号
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設 立:1988年
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U R L:https://optage.co.jp/
GMI Cloudについて
GMI Cloudは、米国カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、最先端のGPUインフラとAI推論プラットフォームを提供するグローバル企業です。世界でわずか7社しかない「NVIDIA Reference Platform Partner」として、最新GPUへの迅速なアクセスに加え、マルチモーダルAIモデルや推論オーケストレーション等のソリューションを提供。世界各地に展開する自社データセンター網を通じて計算リソースのボトルネックを解消し、スケーラブルかつ低コストな次世代AIサービスの実現を支援します。
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社 名:GMI Cloud
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代表者:CEO Alex Yeh
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本 社:Mountain View, California, USA
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設 立:2023年
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U R L:https://www.gmicloud.ai/
まとめ:AIアバターがもたらす新たなコミュニケーションの可能性
FEIDIAS、オプテージ、GMI Cloudの3社による「NEUVOX」のトライアルは、AIアバターとのコミュニケーションを新たな次元へと引き上げる画期的な一歩です。従来のAIが抱えていた「対話のタイムラグ」や「不自然な話し方」といった課題を、特許出願中の新技術と高性能なAIインフラの連携によって解決しようとしています。
この取り組みが成功すれば、小売業やサービス業における労働力不足の解消に貢献するだけでなく、私たちが日常的にAIと接するあらゆる場面で、より自然で人間らしい対話が可能になるでしょう。「待たされるAI」から「人間と対話できるAI」への進化は、私たちの生活やビジネスにおけるコミュニケーションのあり方を根本から変える可能性を秘めています。今後の「NEUVOX」の展開に大いに注目していきましょう。

