現代社会において、企業活動のデジタル変革(DX)は喫緊の課題であり、これを推進するためには高度なデジタルスキルを持つ人財の育成が不可欠です。このような背景のもと、株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)と近畿大学工学部情報学科が連携し、未来を担うデジタル人財の育成に向けた産学連携の取り組みを開始しました。
この取り組みの第一弾として、2025年11月には近畿大学工学部情報学科の学生向けに、DX推進の根幹を支える統合基幹業務システム(ERP)およびSAPの基礎を紹介する講座が実施されました。この講座が学生から高い評価を受けたことを受け、2026年2月5日(木)には同様の講座の追加開催が決定しています。

デジタル人財育成の背景と目的
近畿大学工学部情報学科では、AIやデータサイエンスといった最先端の知識を学び、高度情報化社会を支える人財の育成を目指しています。しかし、企業におけるDX推進においてその重要性が高まるERPについて、学生からは「複雑で理解しづらい」という声が聞かれていました。
このような状況に対し、NTTデータグループにおけるSAP事業の中核を担うNTTデータGSLは、長年にわたり培ってきたSAPに関する豊富なノウハウを活かし、近畿大学工学部情報学科と共同でデジタル人財育成の取り組みを立ち上げました。この連携の目的は、学生たちにERPの役割や魅力を分かりやすく伝え、将来のキャリア形成に役立つ実践的な知識を提供することにあります。
未来を担うデジタル人財へ!SAP・ERP基礎講座の全貌
本講座は、将来デジタル人財として社会で活躍が期待される学生を対象に、企業経営におけるERPの役割や、SAPの最新動向を分かりやすく伝えることを目的としています。また、NTTデータGSLが全社的な人財育成のために2019年に設立した企業内大学「GSL大学」を中心とした育成制度についても紹介し、学生たちが社会に出て働く姿を具体的にイメージできるよう支援します。
講座概要
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開催日:2026年2月5日(木)
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場所:近畿大学広島キャンパス(広島県東広島市)メディアセンター H101教室
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参加学生:近畿大学工学部情報学科の学生 約20名
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講師:株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ 第一事業本部長 八木将樹氏
講座内容の詳細
SAPとERPの基本を学ぶ
講座ではまず、SAPとERPの概要について解説されます。SAP社は、企業の業務プロセスを効率化し、可視化するERPを中核としたDX推進に必要なソリューションを提供する世界的な企業です。創業以来着実な成長を続け、近年では特にクラウド事業が好調を牽引していることが紹介されます。
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の会計、人事、生産、販売、物流といったあらゆる業務プロセスを統合的に管理し、効率化を図るためのシステムです。これは、企業の「脳」のようなもので、各部門でバラバラに管理されがちな情報を一元化することで、企業全体の生産性を向上させる役割を担います。
ERPがなぜ企業経営に必要か
ERPは、現場の業務プロセスを部門の垣根を越えてシームレスに連携させます(水平統合)。これにより、例えば販売データが即座に生産計画や在庫管理、会計処理に反映されるようになります。さらに、管理部門や経営層は、グループ全体の現場業務で蓄積された情報をリアルタイムで活用し、迅速かつ正確な意思決定を行うことができます(垂直統合)。この結果、業務の実態が経営へ、そして経営の意志が業務へと循環する仕組みが実現され、企業経営の最適化に貢献します。
基幹系システムの進化とERPの現在地
講座では、1980年代のERP普及期から、直近のAIエージェントの登場による企業のデータ活用のあり方の変遷が紹介されます。特に注目されるのは、近年におけるSAPのカバー領域の広がりです。従来のSAPの主力であったSAP S/4HANA(ERP)だけでなく、SAP Sales Cloud、SAP IBP、SAP Business Data CloudといったSaaS(Software as a Service)型の周辺ソリューションが充実し、より広範なビジネスニーズに対応できるようになっています。
SAPにおけるAI活用の最前線
SAP社が掲げる「AIファースト」「スイートファースト」戦略についても深く掘り下げられます。SAPアプリケーションから生成される様々なデータに加え、SAP以外のデータも一元管理し、AIエージェント「Joule」を活用することで、これまでよりも容易にデータ分析やコンテンツ作成などのタスクを実行できるようになることが紹介されます。これにより、企業の業務効率が飛躍的に向上し、より戦略的な意思決定が可能になります。
NTTデータGSLで描くキャリアパス
NTTデータGSLでは、SAPソリューションを活用し、顧客企業の業務改革やDX推進を支援しています。講座では、この具体的な業務内容に加え、「教え合い、学び合う」文化が根付くGSL大学を中心とした育成の仕組みが紹介されます。また、社員の働き方や新卒新入社員への会社によるサポート体制についても触れられ、学生が将来のキャリアを具体的にイメージできるよう支援します。
学生が語る!講座への高い評価と期待
2025年11月に開催された前回の講座では、参加学生から非常に高い評価が寄せられました。主なコメントは以下の2つの観点に集約されます。

(1) SAPやERPの理解に関するコメント
学生からは「SAPの機能が非常に充実しており、アドオン(追加開発)が不要な場合もあることに驚いた」「ERPとAIの両方の知識が重要である点が印象的だった」といった声が多く聞かれました。また、SAPが企業の海外展開に貢献し、常に進化し続ける姿勢やその安定性に触れ、「将来性を感じた」という学生もいました。講座での質疑応答を通じて、大学の授業で学んだ知識が実際の業務でどのように活かされているかを具体的に理解できたことも、高く評価されています。
(2) NTTデータGSLの教育体制や働くイメージに関するコメント
「GSL大学という学び合う仕組みや、若手社員が先輩に教える文化に驚き、教育体制の充実ぶりに感銘を受けた」という学生が多くいました。さらに、社員同士の交流やイベント、ワークライフバランスへの配慮に好印象を持ち、「ここで働きたい」という意欲が高まったとの声も寄せられています。その他、講座の内容や今後のNTTデータGSLの選考・ワークショップへの参加意向についても、多くの学生から前向きな意見が聞かれました。
産学連携に寄せる期待
今回の産学連携の取り組みに対し、関係者からは大きな期待が寄せられています。
近畿大学工学部情報学科 准教授 木村有寿氏のコメント

近畿大学工学部情報学科の木村有寿准教授は、「情報システムを学ぶ学生にとって、企業のデジタル基盤を担うSAP社製品に関する知識は、将来のキャリア形成において非常に重要です。しかし、学内で学ぶ理論や技術だけでは、企業での具体的な活用や経営への貢献を実感する機会は多くありません」と述べ、この産学連携の意義を強調しました。
さらに、「現場での豊富な経験と完成度の高い社内教育システムを持つNTTデータGSLと連携し、実務に即した講座を開催することで、学生は企業事例やデータドリブン経営の仕組みを学び、自分の学びが社会でどう活きるかを理解し、挑戦意欲を高めることができます。こうした産学連携は、デジタル変革を担う次世代人財育成に不可欠です。今後もNTTデータGSLの知見とネットワークを活かし、社会をより良い方向に導くデジタル人財の輩出に協力いただけることを強く期待しています」と、今後の連携に対する期待を語りました。
NTTデータGSL 第一事業本部長 八木将樹氏のコメント

NTTデータGSLの第一事業本部長である八木将樹氏は、「この度、近畿大学の木村先生とともに本取り組みを開始できたことを大変光栄に思います。SAPは企業のDX推進において重要な役割を担っていますが、学生の皆さんにとっては、その具体的な活用イメージや社会へのインパクトが分かりづらい場合もあります。今回、当社の知見を分かりやすくお伝えすることで、SAPやERPへの理解を深める一助となれば幸いです」と述べ、講座の目的について言及しました。
また、「近年、SAPは従来のERP領域に加え、SaaS型サービスによるカバー範囲を急速に拡大しており、新しい技術を柔軟に学び続ける姿勢が求められます。当社では、若手社員が新技術を積極的に習得し、GSL大学の公開講座で先輩に教えるなど、早期から活躍できる環境を整えています。今後も産学連携を通じて、日本のデジタル人財育成に貢献してまいります」と、企業としての育成体制と社会貢献への意欲を示しました。
今後の展望:デジタル人財育成のさらなる推進
NTTデータGSLと近畿大学工学部情報学科は、今後もこの産学連携の取り組みを積極的に推進していく方針です。学生がSAPやERPについての理解を深めるだけでなく、その知識を活かすフィールドとしてNTTデータGSLがあることも知ってもらうよう努めます。
特に、採用プロセスについては、学生との定期的な面談や情報交換を通じて、これまで以上に透明化を図ることで、企業と学生の間のミスマッチを防止することが期待できるでしょう。このような取り組みを通じて、学生はより具体的なキャリアパスを描き、企業は未来を担う優秀なデジタル人財を確保できるWin-Winの関係構築を目指します。
【参考情報】GSL大学とは
GSL大学は、NTTデータGSLが目指す姿に向けて、組織全体の成長を支援するために2019年に設立された企業内大学です。その主な目的は、組織の成長のために個々人の価値向上と組織全体の価値向上を支援すること、そして組織の維持・拡大を支援することにあります。社員が主体的に学び、教え合う文化を醸成することで、常に変化するビジネス環境に対応できる高い専門性を持つ人財を育成しています。
【参考情報】株式会社NTTデータ グローバルソリューションズについて
NTTデータGSLは、日本企業のグローバル展開に伴うシステムグローバル化需要の拡大に対応するため、2012年7月に設立されました。NTTデータグループのSAPグローバル体制の一翼を担い、国内グループ会社に分散していたSAPソリューションと業務ノウハウの一体化を図っています。
SAP® ERPシステムの導入から保守運用、拡張開発支援まで、多岐にわたるサービスをワンストップで提供することで、NTTデータグループにおけるSAP事業の中核会社として、企業の戦略的な事業経営をサポートしています。同社は、SAPビジネスへの貢献度や顧客満足度において極めて高く評価され、2013年より毎年「SAP AWARD OF EXCELLENCE」賞を受賞しているSAP社の主要パートナー企業です。
まとめ
NTTデータGSLと近畿大学工学部情報学科の連携は、DX推進が加速する現代において、企業と学術機関が協力して未来のデジタル人財を育成する重要な一歩となります。学生たちは、この講座を通じて、ERPやSAPといった企業経営の根幹を支えるシステムの重要性や、AIとの融合によって生まれる新たな可能性を深く理解することができます。
この取り組みは、学生が学んだ知識を実社会でどのように活かせるかを具体的にイメージする機会を提供し、彼らの学習意欲とキャリア形成への意識を高めるでしょう。今後もこのような産学連携がさらに広がり、日本のデジタル競争力強化に貢献していくことが期待されます。
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