エーエスピーコム、生成AIのハイブリッドAPIツール「Apex.ai」とSFA/CRM「InfAjast」で企業業務のAI活用を加速

株式会社エーエスピーコムは、企業における生成AIの本格的な活用を支援するため、ハイブリッドAPIツール製品「Apex.ai」と、同製品を搭載したSFA/CRMパッケージ「InfAjast」の提供を2025年11月4日より開始しました。これにより、企業が長年蓄積してきた貴重なデータを、より手軽に生成AIと連携させ、業務の効率化と生産性向上を実現できるようになります。
企業における生成AI活用の課題
近年、生成AIは様々な分野で注目を集め、多くの企業がその可能性に期待を寄せています。しかし、実際に企業の業務で生成AIを本格的に活用しようとすると、大きな壁に直面することが少なくありません。
特に課題となるのが、企業内に散在する膨大な情報や文書、そして基幹システムに蓄積された既存データです。これらのデータを生成AIが理解し、業務に役立つ形で利用するためには、事前準備(データの前処理)に莫大な時間と手間がかかるのが実情でした。例えば、異なる形式のデータを統一したり、AIが学習しやすい形に変換したりする作業は、専門知識と多くの工数を必要とします。
このような背景から、生成AIの導入検討は進むものの、実務での本格的な活用には至らないケースが多く見受けられました。
「Apex.ai」とは?既存システムと生成AIを繋ぐ革新的なハイブリッドAPIツール
エーエスピーコムが開発した「Apex.ai」は、このデータ前処理の課題を解決し、企業が持つ既存の業務アプリケーションや基幹システムのデータを、生成AIとシームレスに連携させることを可能にする画期的なAPIツールです。
データ「ベクトル化」でAIの理解を深める

「Apex.ai」の核となる技術の一つが「ベクトル化」です。これは、テキストや画像といった様々な種類のデータを、AIが計算しやすい数値の並び(ベクトル)に変換する技術を指します。人間が言葉や画像で情報を認識するように、AIはベクトル化されたデータを通して情報を「理解」し、関連性を効率的に見つけ出すことができます。
従来の生成AIの活用方法では、大量の文書やテキストをそのままAIに読み込ませて理解させる「RAG(Retrieval Augmented Generation)」のようなアプローチが主流でした。しかし、「Apex.ai」はこれとは異なり、企業の業務システムの「設計データ」自体をベクトルデータベース化するための共通仕様を開発しました。
これにより、数値と項目といった構造化された情報を、ベクトルデータベースを通じて自然な文章として取り出すことが可能になります。これは、単に文書の内容を理解するだけでなく、システムの構造やデータ間の関係性までをAIが把握できることを意味します。
ハイブリッドなアプローチで実業務に対応
「Apex.ai」は、生成AIとAIエージェントのハイブリッドなAPIツール製品です。AIエージェントとは、特定の目的を達成するために自律的に行動するAIプログラムのことで、生成AIが情報を生成する能力と組み合わせることで、より複雑な業務プロセスを自動化・効率化できます。
各企業が長年蓄積してきた業務アプリケーションや基幹システム内のデータを、生成AIが利用しやすい形に変換し、意味付けする作業は、通常であれば非常に手間がかかります。「Apex.ai」は、このフォーマット作業を簡便に行うことを可能にします。その結果、既存のシステムを大幅に改修することなく、軽微なカスタマイズだけでAI対応化を実現できるのです。
Apex.aiを支える技術基盤
「Apex.ai」の開発には、ビジネスのためのAIとして知られるIBM watsonx.aiや、AIエージェント製品であるwatsonx orchestrateが活用されています。さらに、生成AIの基盤モデルとしては、IBMがエンタープライズ向けに独自に開発したオープンソースの「Granite」が採用されており、高い信頼性と性能を両立しています。
「InfAjast」への機能追加で営業業務を強化
「Apex.ai」の提供開始と同時に、エーエスピーコムのSFA/CRM(営業支援・顧客管理システム)パッケージ「InfAjast」にも、「Apex.ai」機能を追加できるオプションが提供されます。
これにより、「InfAjast」を利用する企業は、顧客情報や営業活動データといった豊富な情報を「Apex.ai」を通じて生成AIと連携させ、より高度な営業支援を実現できるようになります。例えば、顧客の過去の購買履歴や問い合わせ内容に基づいて、最適な提案資料を自動生成したり、営業担当者が次のアクションを決定する際の判断材料をAIが提供したりするなど、営業業務の生産性が大幅に向上することが期待されます。
「Apex.ai」が実現する主な機能
「Apex.ai」は、既存システムのデータを生成AIと連携させることで、以下のような革新的な機能を提供します。
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対象システムの設計情報登録: データベース、画面、処理、トリガーといった業務システムの詳細な設計情報を登録し、AIがシステムの構造を深く理解できるようにします。
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自然文からの条件項目やSQLのWhere句要素の自動生成: ユーザーが「〇〇の顧客で、売上が××円以上のリストを出して」といった自然な言葉で指示するだけで、AIがデータベース検索に必要な条件(SQLのWhere句など)を自動で生成します。これにより、専門知識がなくても簡単にデータを取り出せるようになります。
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自然文からの条件項目の値を自動設定: 自然文の指示から、検索条件となる値(例:「今月の売上」「先週のタスク」など)をAIが自動で判断し、設定します。
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音声toテキストからのデータ処理: 音声で入力された指示をテキストに変換し、それを基にデータ処理を実行します。これにより、ハンズフリーでの操作や、より直感的なデータ活用が可能になります。
これらの機能は、企業が日々行うデータ検索、レポート作成、情報分析などの業務を劇的に効率化し、従業員がより創造的な業務に集中できる環境を作り出すでしょう。
今後の展望とAIエージェントエコシステムへの貢献
エーエスピーコムは今後、「Apex.ai」の機能をさらに拡張し、企業の多様なニーズに合ったAIコンポーネントとして提供していく予定です。また、IBMのエージェント・エコシステムである「IBM Agent Connect」に参画し、AIエージェントと高度な自動化の拡大にも貢献していく計画です。
これにより、企業の実業務における生成AIの本格活用を強力に推進し、ビジネスプロセスの変革を支援することが期待されます。
株式会社エーエスピーコムについて
株式会社エーエスピーコムは、「いま無いものは私たちが作る」をモットーに、ソフトウェアを通じてあらゆるモノ作りに挑戦する企業です。前身事業からのノウハウを継承し、2003年6月に株式会社エーエスピーコムとして編成されて以来、2025年には創業35年を迎える歴史を持つ企業です。「継続と進化」を掲げ、お客様へのシステムを通じたサービス強化に貢献しています。
会社概要
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会社名: 株式会社エーエスピーコム
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代表取締役: 奥原 啓史
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設立: 2006年6月20日
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資本金: 2,005万円
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所在地: 京都府京都市中京区烏丸通姉小路下る場之町599番地 CUBE御池 4F
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コーポレートサイト: https://www.aspcom.co.jp/
日本アイ・ビー・エム株式会社からの祝辞
日本アイ・ビー・エム株式会社 テクノロジー事業本部 エコシステム共創本部⻑ 執⾏役員の村澤賢一氏より、以下のような祝辞が寄せられています。
「この度は『Apex.ai』、および『InfAjast(インフアジャスト)』の提供開始、おめでとうございます。AIエージェント時代のエコシステムを切り拓くIBM Agent Connectにもいち早くご賛同いただき、Apex.aiエージェントを連携いただけることを大変嬉しく思います。Apex.aiには当社のAIやエージェント製品、基盤モデルを採用いただきました。企業の実業務における生成AIの本格活用の推進に向け、Apex.aiがお客さまの様々な業務アプリケーション、データと連携し、拡張的に活用されることを期待しています。」
この祝辞は、「Apex.ai」がIBMの先進的なAI技術とエージェントエコシステムに深く連携し、企業における生成AIの本格活用を強力に推進する可能性を示唆しています。
まとめ
エーエスピーコムが提供を開始した「Apex.ai」と「InfAjast」は、企業が抱える生成AI活用の課題、特に既存データの連携と前処理の複雑さを解決する画期的なソリューションです。AI初心者の方でも理解できるよう、ベクトル化やハイブリッドAPIの概念を分かりやすく解説しましたが、これらの技術が企業の業務システムに蓄積された宝の山とも言えるデータを、より簡単に、そして効果的に生成AIと結びつけることを可能にします。
これにより、データ検索の効率化、レポート作成の自動化、営業支援の高度化など、多岐にわたる業務プロセスで生産性の向上が期待されます。エーエスピーコムのこれらの新製品は、企業が生成AIを実業務で本格的に活用し、デジタル変革を加速させるための強力な一歩となるでしょう。


