2025年11月25日、パソコン工房・グッドウィルを運営する株式会社ユニットコムは、クリエイター向けパソコンシリーズ「SENSE∞(センス インフィニティ)」およびワークステーションブランド「SOLUTION∞ Workstation(ソリューション インフィニティ ワークステーション)」から、AMD Radeon™ AI PRO R9700を搭載したBTOパソコンの販売を開始しました。この新しいグラフィックカードは、AIの進化が加速する現代において、特にAI開発者や高度なコンテンツクリエイターにとって大きな注目を集めることでしょう。本記事では、この革新的なグラフィックカードの魅力と、それがもたらす可能性について、AI初心者の方にもわかりやすく詳しくご紹介します。
AMD Radeon™ AI PRO R9700とは?

AMD Radeon™ AI PRO R9700は、AI処理能力を強化するために特別に設計されたプロフェッショナル向けのグラフィックカードです。グラフィックカードは、パソコンで画像や映像を表示するだけでなく、最近ではAIの複雑な計算処理にも重要な役割を担っています。このR9700は、AMD RDNA™ 4 アーキテクチャという最新の設計思想を採用しており、その最大の特長は、最大1,531TOPS(INT4/スパース性利用時)という驚異的なAI演算性能と、32GBという大容量のGDDR6ビデオメモリを搭載している点にあります。
TOPSとは「Tera Operations Per Second」の略で、1秒間に何兆回もの計算ができるかを示す、AIの計算能力を表す単位です。この数値が高いほど、AIがより速く、より複雑な処理を実行できることを意味します。例えば、大量のデータを使ったAIモデルの学習や、作成したAIモデルを使って推論(判断)を行う際に、その真価を発揮します。
また、32GBのGDDR6ビデオメモリは、グラフィックカードがAIの処理に使う専用の高速な記憶装置です。AIモデルは非常に大きなデータを扱うことが多いため、このメモリが多いほど、より複雑で大きなAIモデルをスムーズに扱えます。特に、ローカル環境(自分のパソコン内)でのAI推論や、既存のAIモデルを特定の目的に合わせて微調整する「ファインチューニング」といった、メモリへの負荷が高い作業において、優れた性能を発揮することが期待されます。
Radeon™ AI PRO R9700のすごいポイントを深掘り!
ここからは、AMD Radeon™ AI PRO R9700が持つ具体的な機能や技術について、さらに詳しく見ていきましょう。
AMD RDNA™ 4 アーキテクチャで何が変わる?
AMD RDNA™ 4 アーキテクチャは、このグラフィックカードの心臓部にあたる設計思想です。この新しいアーキテクチャは、前世代から大きく進化しており、GPU(グラフィック処理装置)の性能を飛躍的に向上させることを目指しています。具体的には、計算処理を行う部品である「コンピュートユニット(CU)」の構成や、それらを制御する仕組みが最適化されました。これにより、処理性能が向上するだけでなく、消費電力あたりの効率も大幅に改善されています。
さらに、RDNA™ 4 アーキテクチャでは、「第2世代AIアクセラレータ」が搭載されています。これは、画像認識や予測といったAIの特定の処理を、より効率的かつ高速に行うための専用機能です。また、「第3世代レイトレーシングアクセラレータ」も搭載されており、これは光の屈折や反射をリアルタイムで高速に計算する技術です。これにより、3Dグラフィックのレンダリング(CG制作)において、より現実感のある映像を迅速に作り出すことが可能になります。
大容量32GBビデオメモリがもたらす恩恵
Radeon™ AI PRO R9700に搭載された32GBのGDDR6ビデオメモリは、AI処理の効率を大きく向上させる重要な要素です。AIモデルは、学習データや推論に必要な情報を一時的に記憶しておく必要がありますが、このメモリが少なすぎると、パソコンのメインメモリ(システムメモリ)にアクセスする回数が増え、処理が遅くなってしまいます。
32GBという大容量のビデオメモリがあれば、AIモデルのデータ展開をグラフィックカード上で直接行えるため、システムメモリへのアクセスによる遅延を大幅に解消できます。これにより、AIがよりスムーズに、途切れることなく処理を進めることが可能になります。また、メモリが不足して処理が一時停止してしまう「スワップ」が発生するリスクも抑えられるため、複雑な推論や、複数のAIモデルを同時に実行するような状況でも、高いパフォーマンスと安定性を維持できるでしょう。
オープンソース「AMD ROCm™ ソフトウェア」で広がる可能性
AMD ROCm™(Radeon Open Compute)ソフトウェアは、AIや機械学習(ML)の開発、そして科学技術計算などの高性能コンピューティング(HPC)向けに設計されたオープンソースのプラットフォームです。オープンソースであるため、開発者は自由にコードを閲覧、改変、配布でき、自分たちのニーズに合わせて柔軟にカスタマイズすることが可能です。
ROCm™ソフトウェアは、AMD GPUの性能を最大限に引き出すことを目的としており、開発者に柔軟で効率的な開発環境を提供します。また、現在広く使われているPyTorchやTensorFlowといった主要なAIフレームワークとの連携も可能で、既存のAI開発環境にスムーズに組み込むことができます。現在はLinux OSに対応していますが、Windows OSへの対応も間もなく予定されており、より多くの開発者がこの強力なツールを活用できるようになるでしょう。
PCI Express 5.0対応でデータ転送も超高速
Radeon™ AI PRO R9700は、PCI Express 5.0という最新のデータ転送規格に対応しています。PCI Expressは、グラフィックカードやストレージなどの部品が、パソコンのCPUやメモリとデータをやり取りするための「高速道路」のようなものです。数字が大きいほど、その道路の幅が広く、データの流れが速くなることを意味します。
PCI Express 5.0に対応することで、AIが扱う膨大なデータをグラフィックカードとCPU間で高速かつ効率的に転送することが可能になります。これは、特に大規模なAIモデルの学習や、複数のグラフィックカードを組み合わせて処理を行う「マルチGPU構成」において、ボトルネック(処理の遅延要因)を解消し、全体のパフォーマンスを向上させる上で非常に重要です。高い拡張性と安定性を備えており、次世代のAI開発環境において信頼性の高い基盤を提供することに貢献するでしょう。
どんな人が使うと便利?SENSE∞とSOLUTION∞ Workstation
今回発表されたBTOパソコンは、クリエイター向けパソコン「SENSE∞」とワークステーションブランド「SOLUTION∞ Workstation」の2つのシリーズで展開されています。それぞれ異なるユーザー層をターゲットにしており、AMD Radeon™ AI PRO R9700の強力な性能を最大限に活かすことができます。
「SENSE∞」シリーズは、主に3Dデザイナー、動画編集者、画像処理を行うクリエイターなど、コンテンツ制作に携わる方々に向けたパソコンです。Radeon™ AI PRO R9700のレイトレーシング性能やAIアクセラレータは、リアルなCG制作や高解像度動画の高速編集、AIを活用した画像生成や加工といった作業の効率を劇的に向上させるでしょう。
一方、「SOLUTION∞ Workstation」シリーズは、より高度な計算処理が求められるプロフェッショナル向けのワークステーションです。AI開発者、データサイエンティスト、研究者など、大規模なAIモデルの学習、複雑なシミュレーション、大量のデータ分析を行うユーザーに最適です。大容量ビデオメモリと高いAI演算性能は、ディープラーニングのモデルトレーニング時間を短縮し、より複雑なアルゴリズムの実装を可能にすることで、研究開発のスピードアップに貢献するはずです。
AMD Radeon™ PROシリーズの詳細については、以下のページも参考にしてみてください。
AMD Radeon™ PRO | 価格・性能・比較
環境にも配慮!グリーン購入法適合商品

今回発表された一部のモデルは、グリーン購入法適合商品として提供されます。グリーン購入法とは、国などが環境負荷の少ない製品やサービスを優先的に購入することを義務付ける法律です。この法律に適合する製品は、環境省が毎年公表する「基本方針」の判断基準を満たしていると事業者が判断したものです。これは、高性能なパソコンを選ぶだけでなく、環境への配慮も重視したいと考えるユーザーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
注目のモデルをご紹介
AMD Radeon™ AI PRO R9700を搭載したBTOパソコンから、代表的なモデルをいくつかご紹介します。これらのモデルは、BTO(Build to Order=受注後生産方式)に対応しているため、用途や予算に合わせてカスタマイズすることも可能です。

SENSE-F189-LC265K-ARX
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販売価格: 504,700円(モニタは別売)
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主なスペック: Windows 11 Home、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265K、DDR5 64GBメモリ、1TB NVMe対応 M.2 SSD、AMD Radeon™ AI PRO R9700 32GB GDDR6、850W 80PLUS® GOLD認証電源。
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特徴: 最新のインテル製CPUと大容量メモリを組み合わせた、クリエイター向けの高性能モデルです。AIを活用した画像・動画編集や3Dモデリング作業に最適でしょう。
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製品ページ: SENSE-F189-LC265K-ARX
SENSE-F1B8-LCR99Z-ARX
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販売価格: 564,800円(モニタは別売)
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主なスペック: Windows 11 Home、AMD Ryzen™ 9 9950X3D、DDR5 64GBメモリ、1TB NVMe対応 M.2 SSD、AMD Radeon™ AI PRO R9700 32GB GDDR6、850W 80PLUS® GOLD認証電源。
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特徴: AMD Ryzen™ 9 プロセッサーを搭載し、マルチタスク性能とゲーミング性能にも優れたモデルです。AI開発とエンターテイメントの両方を楽しみたい方にもおすすめです。
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製品ページ: SENSE-F1B8-LCR99Z-ARX
SOLUTION-W100-LX259-ARX
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販売価格: 1,348,000円(モニタ・キーボード・マウスは別売)
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主なスペック: Windows 11 Pro for Workstations、インテル® Xeon® w7-2595X プロセッサー、DDR5-4800 ECC Registered DIMM 128GBメモリ、2TB NVMe対応 M.2 SSD、AMD Radeon™ AI PRO R9700 32GB GDDR6、1200W 80PLUS® PLATINUM認証電源。
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特徴: インテル® Xeon®プロセッサーとECCメモリを搭載した本格的なワークステーションです。信頼性と安定性が求められるAI開発や大規模なデータ処理に力を発揮します。
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製品ページ: SOLUTION-W100-LX259-ARX
SOLUTION-W115-LCTP9Z-ARX
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販売価格: 3,898,000円(モニタ・キーボード・マウスは別売)
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主なスペック: Windows 11 Pro for Workstations、AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 9995WX、DDR5-4800 ECC Registered DIMM 256GBメモリ、2TB NVMe対応 M.2 SSD、AMD Radeon™ AI PRO R9700 32GB GDDR6、1200W 80PLUS® PLATINUM認証電源。
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特徴: AMD Ryzen™ Threadripper™ PROを搭載した、最高峰のパフォーマンスを誇るワークステーションです。膨大なデータセットを扱うAI研究や、複数のAIモデルを並行して開発するような、非常に負荷の高い作業に最適です。
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製品ページ: SOLUTION-W115-LCTP9Z-ARX
まとめ
AMD Radeon™ AI PRO R9700を搭載したSENSE∞およびSOLUTION∞ Workstationの登場は、AI開発やクリエイティブワークの現場に新たな可能性をもたらすでしょう。このグラフィックカードは、最新のRDNA™ 4 アーキテクチャ、大容量の32GBビデオメモリ、そしてオープンソースのROCm™ソフトウェアサポートにより、AIの推論やモデルのファインチューニングといった作業を、より高速かつ効率的に実行することを可能にします。
AI技術の進化は目覚ましく、それに伴い、より高性能なハードウェアへの需要も高まっています。AMD Radeon™ AI PRO R9700を搭載したこれらのBTOパソコンは、AI初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザーがAIの力を最大限に引き出し、次世代のイノベーションを創出するための強力なツールとなるでしょう。パソコン工房は、24時間365日体制のコールセンターと全国の店舗ネットワークで、購入後のサポートも万全です。最新のAI技術を体験したい方は、ぜひこれらの新製品を検討してみてはいかがでしょうか。

