米ナスダック上場SuperX、2025年度決算発表と2億ドル超投資で「AIファクトリー構想」を加速!初心者にもわかるAIインフラの未来

AI技術の進化が目覚ましい現代において、その基盤となる「AIインフラ」の重要性が増しています。そんな中、米ナスダックに上場するSuperX AI Technology Limited(以下、SuperX)が、2025年度の通期決算を発表しました。この発表は、同社が従来の事業からAIインフラソリューションへと大きく舵を切ったことを明確に示すものであり、2億ドルを超える大規模な投資と戦略的な合弁事業を通じて、グローバルなAIファクトリー構想を加速させる意向が示されています。

SUPERX

SuperXの大きな変革:AIインフラソリューションへの転換

SuperXは、もともとインテリアデザイン事業を主軸としていましたが、2025年に企業のリブランディングを完了し、社名も「SuperX AI Technology Limited」へと変更しました。これは、事業の重心を「フルスタックAIインフラストラクチャ・ソリューション」へと移行させるという、まさに画期的な変革です。

「フルスタックAIインフラストラクチャ・ソリューション」とは、AIの運用に必要なすべての基盤(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データセンターなど)を包括的に提供するサービスのことです。AIが私たちの生活やビジネスに深く浸透するにつれて、高性能なAIを安定して動かすための強力なインフラが必要不可欠になります。SuperXは、このニーズに応えるべく、AIインフラの提供に特化した企業へと生まれ変わったのです。

2025年度の財務業績は、主に従来のインテリアデザイン事業と、リブランディング後に始まったAI事業の一部が反映されています。これは、SuperXが新たな成長時代を迎える上での重要な「歴史的ベースライン」となります。

2025年度財務概要:成長に向けた投資の成果

2025年6月30日を期末とする年度において、SuperXの収益は360万米ドルでした。特に注目すべきは、2025年6月の企業リブランディング完了後の1ヶ月間で、AIサーバーおよび関連IT機器の販売による収益が約100万米ドル増加した点です。これは、AI事業への転換が早くも収益に貢献し始めていることを示しています。

一方で、純損失は2120万米ドルとなりましたが、これはSuperXがAI製品やサービスの立ち上げ、そして「フルスタックAIインフラソリューション」の研究開発に積極的に投資した結果、非現金費用(例えば、設備投資の減価償却費など)、人件費、その他の専門費用が増加したことによるものです。つまり、この損失は将来の大きな成長に向けた「先行投資」と捉えることができます。

バランスシートを見ると、2025年6月30日時点で1720万米ドルの現金および現金同等物を保有し、総資産は5210万米ドルに達しています。この強固な財務基盤が、SuperXの新たなAI事業への大規模な投資を支えるものとなります。

より詳細な財務情報やSuperXの新事業に関する情報は、同社の最新のForm 20-F年次報告書で確認することができます。

2025年度終了後のAI事業における重要な進展:AIファクトリー構想の具体化

2025年度の終了後、SuperXは新たな戦略を迅速に実行し、2025年7月から10月の間に複数の重要な進展を遂げました。これらは、同社が目指す「AIファクトリー構想」の具体的な形を示しています。

戦略的投資と合弁事業でAIインフラを強化

AIファクトリー構想を加速させるため、SuperXは複数の企業と戦略的な合弁事業を設立し、AIインフラの各分野を強化しています。

  1. AIデータセンター電源:SuperX Digital Power

    • 中恒電氣(Zhongheng Electric)との合弁会社「SuperX Digital Power」を設立しました。この合弁事業の目的は、AIデータセンター向けの高圧直流(HVDC)電源インフラを共同で推進することです。

    • 高圧直流(HVDC)電源とは?

      • 従来のデータセンターで使われる交流(AC)電源ではなく、直流(DC)電源を高電圧で供給する技術です。これにより、電力変換のロスを減らし、エネルギー効率を大幅に向上させることができます。AIデータセンターは大量の電力を消費するため、HVDC電源は運用コスト削減と環境負荷低減に大きく貢献します。
    • SuperX Digital Powerは、すでに2つの主力製品を発表しています。

      • 「SuperX Panam-800VDC」:新規AIデータセンター向けに設計されたエンドツーエンドのソリューションです。最初からHVDC電源を導入することで、最高の効率と性能を実現します。

      • 「SuperX Aurora-800VDC」:既存のデータセンターを改修し、HVDC電源システムを導入するためのソリューションです。既存の設備を活かしつつ、効率を向上させることができます。

  2. AI液冷技術:SuperX Cooltech

    • 澄天偉業(Cheng Tian Wei Ye)と合弁会社「SuperX Cooltech」を設立しました。AIチップは非常に多くの熱を発生させるため、効率的な冷却が不可欠です。この合弁会社は、先進的なAI液冷ソリューションを提供します。

    • AI液冷技術とは?

      • 空気で冷却する従来の方式では追いつかないほど発熱量の大きいAIチップを、液体を使って直接冷却する技術です。これにより、冷却効率が劇的に向上し、より高密度なAIサーバーの配置が可能になります。また、ファンによる騒音や電力消費も削減できます。
    • 提供されるソリューションには、以下のものが含まれます。

      • 冷却分配ユニット(CDU):データセンター全体で冷却液を効率的に分配・循環させる装置です。

      • 高性能マイクロチャネル・コールドプレート(MCLP):AIチップに直接接触させ、熱を効率的に液体に伝えるための部品です。

      • 統合熱管理システム:データセンター全体の熱を最適に管理するための包括的なシステムです。

  3. NVIDIAエコシステムへのアクセス:MicroInferenceの株式取得

    • シンガポールを拠点とするNVIDIAパートナーネットワーク(NPN)ソリューションプロバイダーであるMicroInferenceの過半数株式を取得しました。NVIDIAはAIチップの分野で圧倒的なシェアを持つ企業であり、その技術エコシステムへのアクセスは、SuperXにとって極めて重要です。

    • これにより、SuperXはサプライチェーンを強化し、NVIDIAの最新かつ最も先進的なAI技術を迅速に確保し、ソリューションに組み込む能力を高めました。これは、高性能なAIインフラを提供する上で不可欠な要素です。

  4. グローバル・サービスデリバリー能力:SuperX Global Service

    • 華勝天成(Teamsun)と合弁会社「SuperX Global Service」を設立しました。これは、SuperXが提供するAIインフラソリューションを世界中で導入し、運用・保守するためのグローバルなサービス体制を構築するものです。

    • 提供されるサービスには、マルチチャネルのサービスアクセス(多様な窓口からのサポート)、導入、保守、管理サービスが含まれます。これにより、顧客はSuperXのAIインフラを安心して利用できるようになります。

グローバリゼーションの展開:世界各地への足がかり

SuperXは、グローバルなAIインフラプロバイダーとしての地位を確立するため、世界各地での展開を加速しています。

  • 日本供給センターの設立計画

    • 地域市場へのエンドツーエンドのソリューションデリバリーとシステム統合を加速するため、日本に新たなAI供給センターを設立する計画を発表しました。このセンターは2025年末までに稼働を開始する予定です。日本市場におけるAIインフラ需要の高さに対応し、迅速なサービス提供を目指します。
  • 米国事業の展開

    • シリコンバレーに全額出資の米国子会社「SuperX AI Technology USA」を設立しました。この拠点は、研究開発、ソリューション設計、および米国市場開拓の中心となります。こちらも2025年末までに稼働を開始する予定です。世界最先端のAI技術が集まるシリコンバレーに拠点を置くことで、技術革新を加速させる狙いがあります。

フルスタック製品とソリューションの発表:最先端技術を市場へ

SuperXは、最新のAI技術を搭載した製品とソリューションを次々と発表しています。

  • 新世代AIサーバー

    • 「XN9160-B200」および「XN9160-B300」といった新世代AIサーバー、ならびに統合型マルチモデル・サーバー(MMS)シリーズを発表しました。これらのサーバーは、AIモデルの学習や推論に必要な計算能力を大幅に向上させることを目的としています。
  • キャビネットレベルAIプラットフォーム

    • NVIDIA GB300チップを搭載した新型キャビネットレベルAIプラットフォームを発表しました。NVIDIA GB300は、AI処理に特化した高性能チップであり、これを搭載したプラットフォームは、卓越したパフォーマンスとスケーラビリティ(規模に応じて柔軟に拡張できる能力)を提供します。
  • モジュラー型AIファクトリー・ソリューション

    • 「モジュラー型AIファクトリー・ソリューション」は、コンピューティング、冷却、電源といったデータセンターの主要な要素を統合した、データセンター規模のソリューションです。このソリューションの最大の特長は、導入サイクルを6ヶ月以内に短縮することを目指している点です。AIインフラの迅速な構築を可能にし、市場の急激な需要に対応します。

2026年度の展望:AIファクトリー構想の加速と大規模投資

SuperXは、2026年度に向けて非常に壮大な戦略的ロードマップを掲げています。同社は現在、アジア太平洋地域および全世界でAIインフラ能力を拡大することに全面的に注力しています。これは、AIの普及に伴い、世界中で高性能なAIインフラの需要が爆発的に増加している現状に対応するためのものです。

この戦略実行を強力に支援するため、SuperXは2025年3月以降、長期投資家から7000万米ドルを超える投資を獲得しました。さらに、2025年10月には機関投資家と1億7000万米ドルを超える追加投資契約を締結し、その財務体力と成長の可能性を一層強固なものにしています。合計で2億4000万米ドル(約360億円、1ドル150円換算)を超える大規模な投資は、SuperXのAIファクトリー構想に対する市場の高い期待と信頼を反映していると言えるでしょう。

SuperXは、アジア太平洋地域で未来のAIファクトリーを構築するというビジョンに共感する戦略的パートナーの参加を今後も歓迎するとしています。これは、単独で全てを行うのではなく、専門性を持つ企業との連携を通じて、より強力で広範なAIエコシステムを構築しようとする姿勢を示しています。

2026年度のSuperXの優先事項は以下の通りです。

  • 研究開発能力と産業チェーン能力の統合:最近の買収や合弁事業で得られた技術力や生産・供給体制を一つにまとめ、効率的かつ強力なAIインフラ提供体制を確立します。

  • AIファクトリーの展開推進:主要な市場(日本や米国を含む)において、AIファクトリーの具体的な展開を加速させます。これは、AIインフラの物理的な拠点構築を意味します。

  • 主要な技術プロバイダーや金融機関とのパートナーシップ強化:NVIDIAのような技術リーダーや、大規模な投資を支える金融機関との連携を深め、事業基盤をさらに強固にします。

  • グローバルサービスとデリバリーの拡大:フルスタックAIインフラへの加速する需要に対応するため、世界中でのサービス提供体制と製品の配送網を拡大します。これにより、どの地域の顧客にも高品質なAIインフラを届けられるようになります。

SuperX AI Technology Limitedについて

SuperX AI Technology Limited(NASDAQ: SUPX)は、AIインフラソリューションを専門とするプロバイダーです。AIデータセンター向けに、独自のハードウェア、先進的なソフトウェア、そしてエンドツーエンドのサービスを含む包括的なポートフォリオを提供しています。

同社のサービスは、高度なソリューション設計と計画、コスト効率の高いインフラ製品の統合、そしてエンドツーエンドの運用と保守をカバーしています。主要な製品には、高性能AIサーバー、800ボルト直流(800VDC)ソリューション、高密度液体冷却ソリューション、AIクラウド、AIエージェントなどがあります。

シンガポールに本社を置き、大企業、研究機関、クラウドおよびエッジコンピューティングの展開を含む、世界中の機関投資家向けにサービスを提供しています。AIインフラの最前線で活躍するSuperXの今後の動向に注目が集まります。

詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。

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