顔認証で変わる未来のオフィス:セキュリティと利便性の融合
現代社会において、企業のセキュリティ対策は非常に重要な課題となっています。特に、クラウドサービスの利用拡大や多様な働き方の普及により、どこからでも安全にシステムへアクセスできる環境が求められています。同時に、オフィスへの入退室管理といった物理的なセキュリティも欠かせません。これまでは、ITシステムと物理的な入退室システムでそれぞれ異なる認証方法や顔情報の管理が必要で、企業のIT管理者にとっては大きな負担となっていました。
こうした課題に対し、株式会社ソリトンシステムズの多要素認証サービス「Soliton OneGate(ソリトン ワンゲート)」と、パナソニック コネクト株式会社の顔認証クラウドサービス「KPAS(ケイパス)クラウド」が連携し、2026年3月から画期的な新機能の提供を開始します。この連携により、PCへのログオンやクラウドサービスへのアクセス、さらにはオフィスへの入退室まで、すべてを「顔認証」で一元的に管理できるようになります。これにより、IT管理者の負担が大幅に軽減され、企業全体のセキュリティレベルが向上し、デジタルトランスフォーメーション(DX)がさらに加速することが期待されています。

Soliton OneGateとKPASクラウドとは?それぞれの役割を理解する
今回の連携を理解するために、まずは「Soliton OneGate」と「KPASクラウド」がそれぞれどのようなサービスなのかを詳しく見ていきましょう。
Soliton OneGate:多様な認証でITセキュリティを強化するIDaaS
「Soliton OneGate」は、企業のITセキュリティを強化するための「IDaaS(Identity as a Service)」と呼ばれるサービスです。IDaaSとは、クラウド上でID(本人確認情報)の管理や認証機能を提供するサービスのこと。これにより、社員が様々なクラウドサービスを利用する際に、一度の認証で複数のサービスにログオンできる「シングルサインオン」を実現したり、社員のID情報を一元的に管理したりできます。
OneGateの大きな特長は、高いセキュリティレベルを確保するための「多要素認証」を提供している点です。多要素認証とは、例えば「パスワード(知っている情報)」だけでなく、「スマートフォン(持っている情報)」や「顔(本人である情報)」といった複数の異なる要素を組み合わせて本人確認を行う方法です。これにより、万が一パスワードが漏えいしても、他の要素がなければ不正アクセスを防ぐことができます。
OneGateは、顔認証、スマートフォン認証、デジタル証明書など、多様な認証方法に対応しており、企業のクラウドサービスや社内システムへの不正アクセスを強力に防ぎ、大切な情報資産を保護する役割を担っています。
KPASクラウド:世界最高水準の顔認証技術で物理セキュリティを実現
一方、「KPASクラウド」は、パナソニック コネクトが提供する顔認証クラウドサービスです。パナソニック コネクトの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストで世界トップクラスの評価を獲得している、非常に高精度な技術です。顔の向きや経年変化、メガネやマスクの着用といった様々な条件下でも高い精度を誇り、国内外で多くの導入実績があります。
KPASクラウドは、主にオフィスの入退室管理などの「フィジカルセキュリティ(物理的なセキュリティ)」の領域で活用されています。顔認証によって、鍵やカードを使うことなくスムーズかつ安全な入退室を実現し、セキュリティと利便性を両立させます。
一つの顔情報でITと物理セキュリティを統合する新機能
今回の連携によって、「Soliton OneGate」で登録された顔情報を、「KPASクラウド」による入退管理にも活用できるようになります。これは、企業にとって非常に大きなメリットをもたらします。
IT管理者の負担を大幅に軽減:顔情報の一元管理
これまで、多くの企業ではPCログオンやクラウドサービスへのアクセス認証用の顔情報と、オフィス入退室管理用の顔情報を別々に登録・管理する必要がありました。これは、IT管理者にとって「顔情報の二重管理」という大きな負担となっていました。新しい社員が入社するたび、異動があるたび、あるいは顔情報に変更があった場合に、複数のシステムで顔情報を登録し直す手間が発生していたのです。
今回の連携機能では、OneGateに登録した顔情報をAPIを通じてKPASクラウドと連携させるため、顔情報を二重に登録・管理する必要がなくなります。これにより、IT管理者は一つのシステムで顔情報を管理するだけで済むようになり、運用にかかる時間や労力を大幅に削減できます。これは、まさに「管理業務の効率化」と「人的ミスの削減」に直結する、DX推進において重要な一歩と言えるでしょう。
セキュリティの向上:ITと物理セキュリティの統合
この連携は、単に管理を楽にするだけでなく、企業全体のセキュリティレベルを大きく向上させます。PCログオンやクラウドアクセスなどの「ITセキュリティ」と、オフィス入退室といった「フィジカルセキュリティ」の両方で、同じ高精度な顔認証技術を利用できるようになるためです。
これにより、社員は手ぶらでスムーズにオフィスに入り、そのままPCにログオンし、必要なクラウドサービスにアクセスするといった一連の動作を、すべて顔認証で行うことができます。認証プロセスが統一されることで、セキュリティポリシーの一貫性が保たれ、不正なアクセスや侵入のリスクを低減できます。
ユーザーの利便性向上:手ぶらで安心・安全な認証体験
社員にとっても、この連携は大きなメリットがあります。パスワード入力やICカードの提示といった手間がなくなり、顔を認証するだけで様々なシステムや場所へアクセスできるようになるため、日々の業務における認証体験が格段に向上します。まさに「手ぶらで安心・安全な認証体験」の実現です。これにより、社員のストレスが軽減され、業務効率の向上にも繋がります。

機能連携の背景と今後の展望
高まる多要素認証の重要性と顔認証の普及
近年、企業のネットワークセキュリティを取り巻く環境は大きく変化しています。業務システムのクラウド化が急速に進み、社外からのアクセスが増加する中で、不正アクセスや認証情報の漏えいリスクを防ぐための多要素認証の重要性がますます高まっています。ソリトンシステムズとパナソニック コネクトは、すでに2024年にOneGateの多要素認証にパナソニック コネクトの顔認証技術を追加することで、ネットワークセキュリティにおける厳格で安全なユーザー認証を実現するための取り組みを進めてきました。
このような流れの中で、顔認証技術は社会的に幅広い用途で活用が進んでいます。しかし、企業においては、顔情報を用途ごとに異なるシステムへ登録・管理しなければならないケースが増加し、IT管理者の運用負担や個人情報管理の複雑化が課題となっていました。そこで、両社は「あらゆるシーンを一つの顔情報で管理・利用したい」というニーズに応えるべく、今回の連携を実現しました。
OneGate新機能の詳細:API連携によるスムーズなデータ連携
本機能は、OneGate上に登録されたユーザー情報(顔情報を含む)を、API(Application Programming Interface)を介してKPASクラウドの入退連携機能とデータ連携させることで実現されます。APIとは、異なるソフトウェアやシステム同士が情報をやり取りするための「窓口」のようなものです。これにより、OneGateで管理されている顔情報が、KPASクラウドで入退時の顔認証に利用できるようになります。
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OneGateの役割: PCログオンやクラウドアクセスなど、ネットワーク領域の本人確認(多要素認証)と、顔情報の登録・管理(連携)を提供します。
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KPASクラウドの役割: オフィス拠点における入退管理(入退時の顔認証・運用)を提供します。
この連携の最大の特長は、用途ごとに顔情報を二重登録・二重管理する必要がない点です。

DX加速への貢献と今後の共創
今回の連携は、身分証のデジタル化が進む現代において、IT管理者の負荷を軽減しつつ、手ぶらで安心・安全な認証体験を従業員に提供することで、社会全体のDX加速に大きく貢献します。
ソリトンシステムズとパナソニック コネクトは、今後も両社の多様で先進的なテクノロジーを活かした価値創造を推進し、多要素認証にとどまらないさらなる共創活動を進めていくとしています。この連携は、2026年3月から提供開始予定で、OneGateで顔認証オプションを利用する場合、KPASクラウドの入退連携機能とのデータ連携が標準で提供されます。なお、KPASクラウドはパナソニック コネクトから別途提供されるサービスです。
パナソニック コネクトの本人確認ソリューションについて
パナソニック コネクトは、顔認証をはじめとした多様な本人確認ソリューションを保有しています。同社の顔認証技術は、40年以上にわたるカメラの画像処理技術と、顔の特徴を学習するディープラーニング技術を駆使しており、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証ベンチマークテスト(NIST FRVT 1:1および1:N)において、世界トップクラスの評価を獲得しています。
この高精度な顔認証技術は、顔の向きや経年変化、メガネやマスクの影響を受けにくいという特長を持ち、国内外で1日220万回を超える快適な利用体験を提供しています。さらに、顔認証と公的な身分証明書を組み合わせたソリューションも幅広く展開しており、全国7か所の空港で導入されている「顔認証ゲート」や、医療機関向けの「顔認証付きカードリーダー」、自治体や金融、流通業界など業界に合わせて開発ができる「顔認証カードリーダー開発キット」など、様々な業界で厳格かつ効率的な本人確認を実現しています。
顔認証にとどまらず、iPhoneのマイナンバーカードを活用した公的モバイルID認証サービス「VeriMe(ベリミー)」も提供しており、事業者やユーザーにとって安全で利便性の高い本人確認プロセスを実現しています。パナソニック コネクトは、今後も認証現場での使いやすさを追求し、顧客企業との実証実験を通じて、安全・安心、かつ効率的な本人確認に貢献していく方針です。
株式会社ソリトンシステムズについて
株式会社ソリトンシステムズは、IT・エレクトロニクス業界において、常に新しい技術トレンドを見据え、数々の「日本で初めて」を実現してきた企業です。設立以来、認証を中心としたITセキュリティからサイバー対策製品まで、幅広いソリューションを提供しています。また、携帯電話回線4G、5GやWi-Fiを利用したハイビジョンレベルの映像伝送システム、リモートドライブなどにも取り組んでいます。国産メーカーとして、オリジナルの「もの創り」と「独創」にこだわった製品とサービスを提供し続けています。
まとめ:顔認証が拓く、より安全で便利な未来
ソリトンシステムズの「Soliton OneGate」とパナソニック コネクトの「KPASクラウド」の連携は、企業のセキュリティと利便性を大きく向上させる画期的なソリューションです。ITシステムへのアクセスと物理的な入退室管理を一つの顔情報で一元管理できることで、IT管理者の運用負担が大幅に軽減され、企業全体のセキュリティレベルが強化されます。
この連携は、単なる技術的な進歩にとどまらず、社員がより快適に、より安全に業務を行える環境を整備し、企業のDXを加速させる重要な一歩となります。顔認証技術のさらなる進化と、両社の継続的な共創により、私たちの社会はきっと、より安全で便利な未来へと進んでいくことでしょう。2026年3月の提供開始が待ち望まれます。

