岡山大学が関西高校で生成AI活用英語スピーチ出前授業を実施!未来を拓く高大連携教育の挑戦

岡山大学が関西高等学校で実践!生成AIで変わる英語スピーチ教育の最前線

2026年1月29日、岡山大学の研究・イノベーション共創機構は、関西高等学校で特別な出前授業を実施しました。今回の授業のテーマは、「生成AIを活用した英語スピーチ」。未来を担う高校生たちが、最先端のAI技術を使いながら、英語で自分の考えを表現する力を養うことを目的とした、画期的な取り組みです。

近年、AI(人工知能)の進化は目覚ましく、特に「生成AI」と呼ばれる技術は、私たちが情報を検索したり、文章を作成したりする方法を大きく変えつつあります。AI初心者の方のために簡単に説明すると、生成AIとは、私たちが与えた指示(プロンプト)に基づいて、まるで人間が作ったかのような文章や画像、音楽などを自動で生成するコンピュータープログラムのことです。この技術は、教育の現場でも大きな可能性を秘めており、今回の岡山大学の取り組みはその好例と言えるでしょう。

岡山大学データサイエンス部の学生が講師に!高校生に寄り添う実践的指導

この出前授業で講師を務めたのは、岡山大学データサイエンス部(DS部)の学生たちです。大学生が高校生を教える「高大連携」の形は、高校生にとっては年齢の近い先輩から直接指導を受けることで、より親近感を感じやすく、大学での学びや将来への興味を深めるきっかけにもなります。

セミナー風景

授業では、「自己理解」、「未来志向」、「課題発見」、「価値観」といった、高校生が自身の将来や社会との関わりを深く考える上で重要なテーマが設定されました。これらのテーマは、単に英語を学ぶだけでなく、生徒一人ひとりが自分自身の内面と向き合い、未来に対する具体的なビジョンを形成する手助けとなることを意図しています。

生成AIを「思考の補助ツール」として活用する新しい学び

授業の核となったのは、生成AIを効果的に活用したグループワークです。生徒たちは生成AIを使い、自分の考えを英語で整理し、スピーチとして発表する実践的な学習に取り組みました。

具体的な生成AIの活用例としては、以下のようなものがあります。

  • アイデア出しの補助: 自分の考えがまとまらない時、AIに質問を投げかけることで、多様な視点や関連キーワードを引き出し、思考を深めるヒントを得ます。

  • 表現の検討: 英語での適切なフレーズや表現、文法チェック、より自然な言い回しの提案を受け、スピーチ原稿の質を高めます。

  • 構成のアドバイス: スピーチの導入、本論、結論の組み立て方や、聴衆に響くストーリーテリングのヒントをAIから得ることで、効果的なスピーチ構成を学びます。

グループワーク

DS部の学生たちは、各グループを回りながら、生徒たちの意見を丁寧に引き出し、英語での表現方法やスピーチ構成についてきめ細やかにサポートしました。この授業の最大の特徴は、生成AIを「答えを出すためのツール」としてではなく、「考えを深め、表現を磨くための補助ツール」として活用する姿勢を示した点にあります。これにより、生徒たちはAIに依存することなく、自身の思考力や創造性を高めながら、効率的に英語スピーチを完成させる学習体験を得ることができました。

参加した高校生の声と講師学生のコメント

授業に参加した高校生からは、「英語は難しいと思っていたが、生成AIを使うことで挑戦しやすくなった」「自分の考えを英語で伝える楽しさを感じた」といった前向きな声が聞かれ、生徒たちが主体的に授業に参加する姿が印象的でした。生成AIが、英語学習への心理的なハードルを下げ、学習意欲を高める効果があることが伺えます。

講師を務めたグローバル・ディスカバリー・プログラム2年の朝倉愛莉さんは、「難しいテーマではありましたが、生成AIを活用することで自分の考えを整理し、英語で発表できたこと自体が大きな成果です。英語を使う機会が限られている中で、実際に使うことで世界の見え方が広がることを、皆さんにも感じてもらえたのではないかと思います」と語り、本授業が単なる英語学習に留まらない、より広い視野を開く機会となったことを強調しました。

スタートアップ創出を支援する「EDGE-PRIME Initiative」事業の一環

今回の出前授業は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が推進する「EDGE-PRIME Initiative」事業の一環として実施されました。この事業は、政府が掲げる「新しい資本主義」の実現に向けた重点投資の一つとして、スタートアップ(新興企業)を5年で10倍に増やすという目標を達成するために、起業を志す人材を育成する機会を抜本的に拡充することを目的としています。

具体的には、拠点都市を中心に、アントレプレナーシップ教育(起業家精神を育む教育)の機会を高校生等へ拡大する取り組みを支援しています。岡山大学は、この事業を通して、倉敷青陵高等学校、岡山学芸館高等学校に続く3回目の出前授業として、関西高等学校での実施に至りました。

集合写真

高大連携の取り組みは、大学が持つ専門的な知識や研究成果を高校教育に還元し、高校生に早期から将来のキャリアや社会の課題について考える機会を提供します。また、大学生にとっても、教える経験を通じて自身の理解を深め、リーダーシップやコミュニケーション能力を向上させる貴重な機会となります。この相乗効果は、次世代を担う人材育成において非常に重要です。

「EDGE-PRIME Initiative」事業では、今後も県内高校との連携を通じて、生成AIなどの先端技術を活用した実践的な学びの場を創出し、大学生と高校生が共に学び合う機会を広げていく計画です。

地域と地球の未来を共創する岡山大学の挑戦

岡山大学は、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されており、地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学を目指しています。今回の生成AIを活用した出前授業も、その一環として、高校生に未来を切り拓く力を育むための重要なステップと言えるでしょう。

J-PEAKS説明スライド

岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しており、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞も受賞しています。教育、研究、地域貢献の各分野でSDGs達成に貢献する取り組みを進めており、今回の出前授業も、質の高い教育(SDG 4)やパートナーシップ(SDG 17)といった目標に貢献するものです。

学長メッセージ

まとめ:生成AIが拓く教育の新たな可能性と未来への期待

岡山大学が関西高等学校で実施した生成AIを活用した英語スピーチの出前授業は、AI初心者の高校生にとっても、先端技術を身近に感じ、主体的な学びを深める貴重な機会となりました。生成AIを「思考の補助ツール」として活用するこのアプローチは、これからの教育のあり方を示す一つのモデルとなるでしょう。

岡山大学は、今後も「EDGE-PRIME Initiative」事業を通じて、地域社会と連携しながら、未来を担う人材の育成に力を入れていくことでしょう。このような実践的な学びの場が、多くの高校生にとって、自身の可能性を広げ、社会に貢献する力を育むきっかけとなることに期待が寄せられます。

岡山大学のさらなる取り組みにご期待ください。

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