Apple Vision ProでWeb体験はこう変わる!OnePlanetとサービシンクが開発した「未来のWeb」を徹底解説

Apple Vision ProでWeb体験はこう変わる!OnePlanetとサービシンクが開発した「未来のWeb」を徹底解説

近年、IT技術の進化は目覚ましく、特に「空間コンピューティング」という新しい概念が注目を集めています。これは、私たちが普段見ている現実の世界と、デジタルな情報を融合させる技術のこと。Apple社が発表した「Apple Vision Pro」は、まさにこの空間コンピューティングを実現する画期的なデバイスとして、世界中で大きな話題となっています。

このような技術革新の波の中で、ARテックスタートアップの株式会社OnePlanet(以下、OnePlanet)と、Web制作のプロフェッショナルである株式会社サービシンク(以下、サービシンク)が、Apple Vision Pro向けの2種類のアプリケーションプロトタイプを共同で開発したことを発表しました。この取り組みは、「Webの技術をリアルに広げる」というサービシンクのビジョンと、OnePlanetの高度なAR(拡張現実)および空間コンピューティング技術が融合した結果です。本記事では、この「未来のWeb体験」が具体的にどのようなものなのか、そして私たちの生活にどのような変化をもたらすのかを、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で詳しくご紹介します。

Apple Vision Proを装着した人物

「Webの技術をリアルに広げる」ビジョンとは?

私たちが日々利用しているWebサイトは、スマートフォンやパソコンの画面という「二次元」の世界に存在しています。しかし、Apple Vision Proのような空間コンピューティングデバイスが登場することで、Webサイトの情報は現実の空間に「三次元」として広がる可能性を秘めています。

サービシンクは、長年培ってきたWeb制作の専門知識を活かし、このWebの技術を現実世界へと拡張する「Webの技術をリアルに広げる」というビジョンを掲げています。一方、OnePlanetは、AR(拡張現実)やXR(クロスリアリティ)といった空間コンピューティング技術のスペシャリストです。XRとは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった技術の総称で、現実世界と仮想世界を融合させる技術を指します。

今回の共同開発は、サービシンクの「Webを現実世界に持ち出したい」という思いと、OnePlanetの「新しい体験を創造したい」という技術力がぴったりと一致したことから始まりました。このプロジェクトの目的は、Webサイトの情報を空間に広げたときに、どのような新しいユーザー体験が生まれるのか、そしてそのための使いやすいデザインや操作方法(UI/UX)を探求することにあります。従来のWebブラウジングとは一線を画す、没入感のある新しいインターネット体験の可能性が、ここから見えてくるでしょう。

共同開発された2つの画期的なアプリケーション

OnePlanetとサービシンクは、将来的にスマートグラスが普及した世界をイメージし、2つの革新的なアプリケーションのプロトタイプを開発しました。これらのアプリケーションは、Webと現実世界をシームレスにつなぎ、私たちの日常をより豊かにすることを目指しています。

1. アイテム認識ARマニュアル

「アイテム認識ARマニュアル」は、現実世界にある特定の「モノ」をApple Vision Proが認識すると、そのモノに関連する取扱説明書などのWebコンテンツが、まるで目の前の空間に浮かび上がるかのように表示されるアプリケーションです。

機能の詳細

このアプリケーションの核となるのは、「物体認識」という技術です。事前に機械学習(AIがデータから学習する技術)によってスキャンされた物体を、Apple Vision Proのカメラが認識します。例えば、ある家電製品をカメラが捉えると、その製品に紐付けられたWebサイトがAR空間(拡張現実空間)に出現します。

このマニュアルがWebベースであることには大きなメリットがあります。それは、表示される情報をいつでも最新の状態に更新できることです。紙のマニュアルのように、一度発行したら内容を変更できないという制約がありません。製品のアップデートや新しい情報が出た際も、すぐにWebサイトを更新するだけで、ユーザーは常に最新の情報を空間上で確認できるようになります。

コンセプト

このアプリケーションが目指すのは、私たちの生活から「紙のマニュアルを探す手間」をなくし、より直感的で豊かな体験を提供することです。想像してみてください。自宅の給湯器の操作方法が分からなくなった時、紙のマニュアルを探し回る代わりに、Vision Proを装着して給湯器を見るだけで、目の前の空間に操作ガイドが浮かび上がるのです。エアコンのリモコンの使い方が分からなくても、リモコンに視線を向けるだけで、必要な情報が表示されます。

これにより、分からないことがあったときにすぐに解決できるようになり、ストレスが軽減されます。また、単に情報が表示されるだけでなく、それが現実のモノに重ねて表示されるため、より直感的に理解しやすくなるでしょう。これは、家電製品だけでなく、DIYの作業手順や、複雑な機械のメンテナンスなど、様々な場面での活用が期待されます。

2. ユーザー追従ブラウザ「Sphira Track」

「ユーザー追従ブラウザ『Sphira Track』」は、その名の通り、ユーザーの動きに合わせてブラウザウィンドウが常に一定の距離と角度を保ちながら追従するアプリケーションです。まるで専属の秘書が常に必要な情報を目の前に提示してくれるかのような体験が可能です。

機能の詳細

このブラウザは、ただユーザーの動きに合わせて平行移動するだけではありません。ユーザーが顔を向けたり、体を動かしたりするたびに、ブラウザウィンドウが常にユーザーの正面を向くように、滑らかに位置と向きを調整します。これにより、ユーザーは常に快適な視覚でWebコンテンツを閲覧できます。

さらに、サービシンクの藤原氏のアイデアから生まれた「管理ウィンドウ」機能も搭載されています。これは、複数のブラウザウィンドウを開いている際に、それらを一時的に格納したり、必要な時にすぐに呼び出したりできる機能です。これにより、空間上にたくさんのウィンドウが散らばってしまうことなく、効率的に情報を管理できるようになります。

オフィスのような空間に表示されたGoogle検索ページ

仮想空間に整列して表示された複数のGoogle検索ページ

コンセプト

従来のパソコンで利用するWebブラウザは、ディスプレイという物理的な場所に「固定」されていました。一方、スマートフォンで利用するWebブラウザは、常にユーザーと共に移動し、生活に密着しています。この「Sphira Track」は、後者のスマートフォンのようなブラウザ体験を、空間コンピューティングの世界で実現することを目指しています。

つまり、空間に固定されるPC的なWebブラウザに対し、常にユーザーと共にあるスマートフォン的なブラウザの「未来形」なのです。例えば、料理をしながらレシピサイトを確認したいとき、これまではスマートフォンを手に持ったり、スタンドに置いたりする必要がありました。しかし、「Sphira Track」があれば、ユーザーがキッチンを歩き回っても、レシピのウィンドウは常に目の前に追従して表示されます。

これにより、Webの情報が私たちの生活の中に、より自然に、より深く溶け込む体験が提供されます。作業中に手を離すことなく情報を確認できるため、効率も向上し、新しいライフスタイルが生まれるでしょう。これは、単なるブラウザの進化ではなく、Webと私たちの関わり方そのものを変える可能性を秘めています。

開発プロセスにおける挑戦と工夫

今回の共同開発プロジェクトは、両社の技術と知見を融合させるだけでなく、「未来のWeb」における「使いやすさ」の基準をゼロから定義するという、大きな挑戦でもありました。毎週のようにOnePlanetとサービシンクの間で活発なディスカッションが重ねられ、アイデアが磨き上げられていきました。

開発は、OnePlanetから提案された4つの企画からスタートしました。その中で、ユーザー追従ブラウザのアイデアは、当初「手で持ち運ぶ」形から、ユーザーの動きに「自動で追従する」形へと進化を遂げました。これは、密な連携と試行錯誤があったからこそ実現できた変化です。実際にプロトタイプを動かし、ユーザー体験を検証しながら、より良い形を追求していった結果と言えるでしょう。

新しい技術分野である空間コンピューティングにおいて、何が「使いやすい」のか、何が「自然な体験」なのかを確立することは容易ではありません。しかし、両社が協力し、柔軟な発想で課題に取り組んだことで、今回の画期的なプロトタイプが誕生しました。

未来への展望とAR技術の可能性

今回のOnePlanetとサービシンクの共同開発は、AR(拡張現実)とWebの技術をどのように組み合わせれば、最も良い相乗効果を生み出せるのかを探る、未来に向けた大きな一歩となりました。この取り組みを通じて得られた知見は、今後の空間コンピューティング技術の発展に大きく貢献することでしょう。

OnePlanetは、今回のプロジェクトで培った経験を活かし、今後もクライアントのビジョンに深く共感し、企画段階から開発までを一貫してサポートしていくとしています。彼らの技術とアイデアは、「まだ誰も見たことのない未来」を具現化するための強力なパートナーとなるでしょう。

Apple Vision Proのようなデバイスが普及することで、私たちのWeb体験は大きく変わることが期待されます。例えば、ショッピングでは、商品を仮想的に自宅に配置して試着したり、家具を部屋に置いてサイズ感を確認したりすることが可能になるかもしれません。教育分野では、歴史的な建造物を3Dで再現し、その場にいるかのような体験をしながら学ぶことができるでしょう。ビジネスシーンでは、遠隔地の同僚と同じ仮想空間で資料を共有し、まるで隣にいるかのように共同作業を進められる可能性も秘めています。

「アイテム認識ARマニュアル」は、生活の利便性を飛躍的に向上させ、「Sphira Track」は、Webを私たちの行動に寄り添わせることで、情報の取得方法や働き方、学び方までを変革するきっかけとなるでしょう。空間コンピューティング技術はまだ発展途上ですが、今回の開発が示すように、その可能性は無限大です。きっと、数年後には、私たちが想像もしなかったような新しいWeb体験が、当たり前になっていることでしょう。

各社概要

株式会社サービシンク

  • 代表者:代表取締役 名村 晋治

  • 所在地:東京都新宿区新宿1-10-3 太田紙興新宿ビル6F

  • 事業内容:Webサイトの企画・制作・コンサルティング、CMS導入支援 等

  • URL:https://servithink.co.jp/

株式会社OnePlanet

  • 代表者:代表取締役 村上 智彦

  • 所在地:千葉県長生郡一宮町一宮2998-2

  • 事業内容: AR/XR技術を活用したソリューション開発、UXデザイン

  • URL:https://1planet.co.jp/

まとめ

OnePlanetとサービシンクによるApple Vision Pro向けアプリケーションの共同開発は、単なる技術発表に留まらず、私たちの未来のWeb体験がどのように変化していくのかを示す、具体的な一歩です。現実世界とデジタル情報が融合する空間コンピューティングは、私たちの生活、仕事、学習のあり方を根本から変える可能性を秘めています。

「アイテム認識ARマニュアル」がもたらす直感的な情報アクセスや、「Sphira Track」が実現するパーソナルなWebブラウジングは、今後のスマートグラス普及に向けた重要なマイルストーンとなるでしょう。AI技術の進化と共に、ARやXRといった空間コンピューティング技術が、私たちの日常にどれほどの革新をもたらすのか、今後の展開に大いに期待が寄せられます。

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