セーフィーが映像AI開発プラットフォーム「Safie AI Studio」を提供開始
クラウド録画サービスで国内シェアNo.1を誇るセーフィー株式会社は、映像AIの開発プラットフォーム「Safie AI Studio(セーフィー エーアイ スタジオ)」の提供を開始しました。このプラットフォームは、映像データを活用したAIソリューションを「素早く・低コストで・セキュアに」開発できる画期的なサービスです。これにより、人の目を代替する映像データに「知能」を付加した「映像AIソリューション」を、誰もが手軽に開発できるようになります。
近年、社会では労働力不足が深刻化しており、さまざまな産業で効率化や自動化が求められています。Safie AI Studioは、このような社会課題に対し、より確度の高い解決策を提供することを目指しています。物理的なAI(フィジカルAI)やAIエージェントの発展に貢献し、現場で働く人々の業務を支援することで、あらゆる産業や社会の課題を解決する「現場AX(AI Transformation)」を加速させていくことが期待されています。

なぜ今、映像AI開発プラットフォームが必要なのか?
セーフィーがSafie AI Studioを提供する背景には、これまでの取り組みと、AI開発が抱える課題がありました。
現場DX推進とAI開発の障壁
セーフィーは、2014年の設立以来、30万台を超えるクラウドカメラを導入し、さまざまな産業の現場で映像データを活用した「現場DX(デジタルトランスフォーメーション)」を推進してきました。建設現場での安全管理、小売店舗での顧客行動分析、製造ラインでの品質チェックなど、多岐にわたる現場の「不」(不便、不満、不足など)に向き合い、映像データを活用することで業務の改善や効率化を支援してきました。
しかし、映像データをさらに高度な意思決定や業務改善に活用するためには、AIの活用が不可欠です。AIを導入することで、これまで人間が行っていた監視や判断をAIが代替し、より正確で迅速な対応が可能になります。例えば、異常の自動検知、作業員の安全確認、顧客の行動パターン分析などが挙げられます。
一方で、AIの開発には大きな課題が存在していました。
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コスト: 高度なAIモデルの開発には、専門知識を持つ人材や高性能なコンピューティングリソースが必要であり、多大な費用がかかります。
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技術的ハードル: AI開発には機械学習やディープラーニングといった専門的な知識が不可欠であり、多くの企業にとって導入の障壁となっていました。
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学習データ不足: AIを賢く育てるためには、大量で質の高い学習データが不可欠ですが、これを収集・整理することは容易ではありません。
これらの課題が、多くの企業がAI活用に踏み出せない要因となっていました。
NEDO事業を通じた実績と「三方よし」のエコシステム
セーフィーは、このような課題を解決するため、2025年1月よりNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択された「AIソリューションプラットフォーム」事業を通じて、建設や介護の現場で映像AIソリューションの開発に取り組んできました。この経験が、Safie AI Studioの基盤となっています。
Safie AI Studioは、これらのAI開発における障壁を取り除き、映像データとAIの開発をシームレスに行える環境を提供します。このプラットフォームは、Safieのカメラ利用者、開発者、そしてSafie AI Studioが連携する「三方よし」のエコシステムを実現します。つまり、カメラで映像を記録する現場、AIソリューションを開発する企業、そしてその両者を繋ぐプラットフォームが、それぞれにメリットを享受できる仕組みです。
あらゆる産業における現場の映像データを、いつでも、どこでも、誰でも簡単に活用できる「現場DX」を基盤に、AIが課題解決を加速する「現場AX」へと進化させる、これこそがセーフィーが提供する映像プラットフォームの目指す方向性です。
Safie AI Studioが提供する3つの価値
Safie AI Studioは、AI開発をより身近なものにするために、以下の3つの主要な価値を提供します。
1. 素早く・低コストで:映像AIソリューションビジネスの量産
従来のAI開発では、企画から開発、導入までに長い時間と多額の費用がかかることが一般的でした。Safie AI Studioは、映像AIソリューション構築に必要な機能をワンストップで提供することで、開発工数を大幅に削減します。例えば、映像の収集・管理、AIモデルの学習・評価、そして現場へのデプロイ(導入)までの一連のプロセスをプラットフォーム上で効率的に行えます。
さらに、エッジAI(カメラや現場に近いデバイスでAI処理を行う技術)の活用などにより、データ転送コストやクラウド処理コストを抑え、リーズナブルな価格で利用できる点が大きな魅力です。これにより、これまで費用面でAI導入を諦めていた中小企業やスタートアップ企業でも、映像AIソリューションを開発し、ビジネスに活用する機会が広がります。
2. セキュアに:プラットフォームのアセット活用
AIを開発する上で、学習データの質と量は非常に重要です。セーフィーは、これまで30万台を超えるカメラの稼働実績から、多様な現場データを蓄積してきました。Safie AI Studioでは、これらの豊富な現場データを、セキュアな環境でAIの学習に活用することが可能です。
「セキュアに」という点は、映像データを取り扱う上で最も重要な要素の一つです。セーフィーは、強固なセキュリティ基盤の上でAI開発・運用を行うことで、利用者が安心して映像データを活用できる仕組みを提供します。また、セーフィーが定める「セーフィー データ憲章」に基づき、データの適切な取り扱いと保護に努めており、お客様の同意なく映像データを活用することはありません。これにより、プライバシー保護の観点からも安心して利用できる環境が保証されます。
3. 現場AX:省力化、自動化から最適化へ
「現場AX(AI Transformation)」とは、単なるデジタル化(DX)を超え、AIが現場の状況を自律的に判断・分析し、最適なアクションを促すことで、現場の生産性を飛躍的に向上させることです。
Safie AI Studioは、現場DXを基盤として、この現場AXをスピーディに実現します。例えば、カメラが捉えた映像から特定の物体を検知したり、異常な動きを認識したりする汎用的な物体検知はもちろんのこと、建設現場での「重機接近検知」や小売店舗での「カート検知」など、各業界や現場特有のニーズに最適化されたAIを「素早く・低コストで・セキュアに」開発し、導入できる環境を提供します。これにより、これまで人手に頼っていた監視や判断業務をAIが代替し、省力化、自動化、そして最終的には現場全体の最適化へと繋がります。

セーフィーの描く未来と社会への貢献
セーフィー株式会社 執行役員 AIソリューションプラットフォーム推進室 室長の植松 裕美氏は、Safie AI Studioの提供開始にあたり、以下のようにコメントしています。
「セーフィーはこれまで、映像プラットフォームとして30万台を超えるカメラの映像データを安全に蓄積し、インフラを構築してきました。しかし、現場の真の課題解決には、映像という『原油』を価値ある情報へと変換するプロセス、すなわちAIによる『精製』が不可欠です。今回提供を開始する『Safie AI Studio』は、まさに映像AIの『精製工場』としての役割を担います。これまで膨大なコストと期間を要していたAI開発を、既存モデルの活用や再学習を通じて『素早く・低コストで・セキュアに』量産できる環境へとアップデートしました。今後は、映像だけでなくSafieが連携する様々なセンサーなどの多様なデータを取り込むマルチモーダル化や、生成AIとの連携を加速させ、人々の『第3の眼』として、あらゆる現場の意思決定を高度化する『現場AX』の社会実装に挑み続けます。」
今後の展望:マルチモーダル化と「AIの2026年問題」への対策
Safie AI Studioの展開により、建設、小売、製造をはじめとしたあらゆる産業現場に対し、各業界や各社固有の課題、独自のロジック等に特化しカスタマイズできる映像AIソリューションを迅速に開発・提供することが可能になります。
今後は、映像データだけでなく、Safieが連携する様々なセンサーから得られる多様なデータ(例えば、温度、湿度、音、振動など)を取り込む「マルチモーダル化」を推進していく予定です。これにより、AIはより多角的な情報を基に現場の状況を判断できるようになり、さらに高度なソリューションが生まれるでしょう。また、最新の「生成AI」との連携も加速させ、より複雑な課題解決や新たな価値創造を目指します。
さらに、実用化が加速すると言われているフィジカルAIやAIエージェントにとって、Safie AI Studioは物理的な「眼」となり、「知能」となる役割を担うことが期待されています。これにより、各業界の課題解決に役立つ映像データがさらに集積され、AIの学習データ不足が指摘される「AIの2026年問題」への対策としても機能すると考えられています。映像AIソリューションが社会に浸透することで、より多くの課題解決やお客様のニーズに応える映像プラットフォームへの進化をセーフィーは目指しています。
クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」について

Safieは、カメラとインターネットをつなぐだけで、いつでもどこでも映像を確認できるクラウド録画サービスです。テクノ・システム・リサーチ社調べの「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2024)」において、エンジン別カメラ登録台数ベースで55.3%のシェアを誇り、国内No.1の実績を持っています。
「映像から未来をつくる」というビジョンのもと、人々の意思決定に映像がお役立ていただける未来を創造し、企業から個人まで誰もが手軽に利用できる映像プラットフォームを目指しています。小売り、土木・建設、製造、医療など、あらゆる現場のDXを率先して推進し、「映像データであらゆる産業の”現場”をDXする」というビジネスコンセプトを掲げています。
セーフィーは、データガバナンスに関しても高い意識を持って取り組んでいます。データガバナンスに関する取り組みや、2022年4月1日に発行されたデータ憲章を通じて、ステークホルダーの皆様と協調して啓発活動に取り組むと共に、社外有識者からの助言を受けながら、プライバシー保護などに関する指針及び実務上の運用基準の見直しを行っています。これにより、映像データの適切な取り扱いと保護を徹底し、信頼性の高いサービス提供に努めています。
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データガバナンスに関する取り組み:https://safie.co.jp/csr/advisoryboard/
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データ憲章(2022年4月1日発行):https://bucket.safie.link/pdf/csr/advisoryboard/safie_data_charter_JP.pdf
まとめ
セーフィーが提供を開始した「Safie AI Studio」は、映像AI開発の敷居を下げ、誰もが「素早く・低コストで・セキュアに」AIソリューションを開発できる画期的なプラットフォームです。このプラットフォームは、深刻化する労働力不足をはじめとする社会課題の解決に貢献し、現場のDXをさらに進化させ、AIが自律的に判断・分析を行う「現場AX」の実現を加速させます。
今後、マルチモーダル化や生成AIとの連携を通じて、さらに高度なAIソリューションが生まれることが期待されており、さまざまな産業の現場に新たな価値をもたらすでしょう。Safie AI Studioは、映像データが持つ可能性を最大限に引き出し、未来の社会を形作る重要なインフラとなることが期待されます。
Safie AI Studioに関する詳細やお問い合わせは、以下のサービス紹介ページをご確認ください。
https://safie.jp/ai-studio/

