大分で始動!次世代AI教育指導者育成プロジェクトの全貌
AI(人工知能)技術の進化は目覚ましく、私たちの生活や社会に大きな変化をもたらしています。このような時代において、AIを正しく理解し、活用できる能力、つまり「AIリテラシー」は、すべての人にとって不可欠なスキルとなりつつあります。特に、未来を担う子どもたちへのAI教育は、喫緊の課題と言えるでしょう。
大分県では、この重要な課題に対応するため、株式会社APC(本社:大分県大分市、代表取締役:佐藤栄介)、国立大学法人大分大学(大分県大分市、学長:北野正剛)教育学部 萩嶺直孝准教授、そして大分県立情報科学高等学校(大分県大分市、校長:橋本武晴)が協力し、画期的なプロジェクトを立ち上げました。この「次世代AI教育指導者育成プロジェクト」は、教員を志す大学生が、将来的に中高生へAIに関する初等教育を行えるようになるための指導者育成を目指すものです。

プロジェクト発足の背景:なぜ今、AI教育指導者が必要なのか?
近年、AI技術は急速に普及し、教育現場においてもその活用が期待されています。しかし、教員自身がAIツールを使いこなし、その特性や倫理を理解しているかというと、まだ十分とは言えない状況です。教員のAIリテラシー向上は、現代の教育において避けて通れない課題となっています。
このプロジェクトは、教員志望の大学生が大学在学中からAIに関する知識とスキル、そして「AIリテラシー」を高めることを目的としています。これにより、彼らが実際の教育現場でAIを効果的に活用し、中高生の生徒たちがAIと適切に向き合うための「AI初等教育」の授業を実施できるようになることを目指しています。
プロジェクトは、単にAI教育を行うだけでなく、協賛企業を募ることで、次世代を担う人材育成をテーマとした「持続可能な産学連携のロールモデル」を確立しようとしています。これは、地方におけるAI教育のエコシステム(生態系)を構築し、地域全体のAI人材育成と活性化に貢献しようとする壮大な試みと言えるでしょう。
大分大学教育学部 萩嶺准教授からの期待
大分大学教育学部の萩嶺准教授は、このプロジェクトの意義について次のようにコメントしています。
「本プロジェクトは、教職を志す大学生が在学中からAIリテラシーを高め、教育現場で主体的に活用できる力を養うことを目的としています。AIは教育の質を向上させ、教員の負担を軽減する可能性を持っています。大学生がこの段階からAIを正しく理解し、中高生に向けて授業を実施できる力を身につけることは、次世代の教育を支える大きな一歩になると考えています。」
さらに、株式会社APCや情報科学高校との連携についても、「産学官が一体となって取り組みを進められることを大変心強く感じています。本プロジェクトを通じて、地域から新しい教育モデルを発信し、全国の教育現場に広がることを期待しています」と述べ、地域発の教育改革への強い意欲を示しています。これは、大分から全国へ、新たなAI教育の波を起こそうとするものです。
初回の授業の様子と講師紹介
プロジェクトでは、すでに具体的な活動が始まっています。

初回の授業では、IT業界や製造業、サービス業など多岐にわたる分野で営業企画やコンサルティングの実績を持つ神崎千夏氏が講師を務めました。神崎氏は、日本最大級のAI人材コミュニティ「CDLE (Community of Deep Learning Evangelist)」の中核メンバーとして、生成AIの活用情報を発信している専門家です。現在は、中小企業の経営課題解決に向けたAI導入支援にも取り組んでいます。
神崎氏は、自身の豊富な経験と知見を活かし、参加した大学生たちにAIの基礎から実践的な活用方法までを分かりやすく指導しました。参加者は熱心に耳を傾け、AI教育指導者としての第一歩を踏み出しました。
講師からのコメント:社会的意義と全国展開への期待
神崎千夏氏も、このプロジェクトの社会的意義に深く感銘を受けているとコメントしています。
「若年層へのAI教育普及、地方中小企業の人材確保支援、教育学部学生の実践経験創出という三位一体の取り組みは、まさにAI人材育成の理想的なエコシステムです。特に、地域経済の活性化と人材循環を同時に実現する発想は、地域経済活性に欠かせない取り組みだと感じています。」
また、株式会社APCの先進的な教育哲学と実行力に共感し、CDLEネットワークの社会実装の一環として、CDLEメンバーのリソースを最大限活用したいとの意向も示しています。この大分での成功モデルが全国各地域へと展開されることで、日本全体のAI人材育成基盤が強化されることを強く期待しており、継続的なパートナーシップへの意欲を表明しています。
情報科学高校でのトライアル授業:実践の場を創出
教員志望の大学生が実践的な指導経験を積むため、大分県立情報科学高校では、大分大学教育学部の学生によるトライアル授業が以下の日程で実施されます。
| 日付 | 12月5日(金) | 12月12日(金) |
|---|---|---|
| 時間 | 2限目(9:50-10:40) | 2限目(9:50-10:40) |
| 3限目(10:50-11:40) | 3限目(10:50-11:40) | |
| 4限目(11:50-12:40) | 4限目(11:50-12:40) | |
| 学科 | ・デジタル創造科(情報科) 2クラス | ・ビジネスソリューション科(商業科) 2クラス |
| ・AIテクノロジー科(工業科) 1クラス |
これらの授業を通じて、大学生は実際の教育現場で中高生と向き合い、AI教育の難しさや楽しさを肌で感じながら、指導者としてのスキルを磨いていきます。情報科学高校の生徒たちにとっては、大学生から直接AIに関する学びを得る貴重な機会となるでしょう。
今後の展望:体験型授業でAIの仕組みを深く理解
プロジェクトの今後の予定として、AIを使用する際のルールや注意点といった「AIリテラシー」に加え、「学習」をテーマにした授業内容が検討されています。具体的には、株式会社APCが提供するAI教育講座パッケージ「AIミネルバNovice」を活用し、その中で扱うツールを使って「教師あり学習」や「教師なし学習(強化学習)」といったAIの主要な学習方法を体験できる授業を、大分大学教育学部の学生と情報科学高校の生徒が協力して作成する予定です。
将来的には、これらの授業内容を大分県下の中学校で実施することも検討されており、より広範な年齢層へのAI教育の普及を目指しています。これは、AIの基礎的な仕組みを実践的に学ぶことで、子どもたちがAIを単なる道具としてではなく、その可能性と限界を理解し、主体的に活用できる力を育むことを目的としています。
AIミネルバとは?:AIを利活用できる人材育成を目指して
このプロジェクトで活用される「AIミネルバ」は、高度情報社会を生き抜くために必要となる能力の習得をテーマにしたAI教育講座パッケージです。特に「AIミネルバNovice」は、「AIを利活用し、ビジネス展開できる人材育成」を目的とした、AI初心者でも分かりやすい講座として設計されています。
AIミネルバNoviceの体験型授業では、以下のような内容を体系的に学ぶことができます。
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自然言語処理の仕組み: 私たちが日常的に使う言葉をAIがどのように理解し、処理しているのかを学びます。
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画像認識AIの作成: AIがどのように画像の中の物体を識別しているのか、実際に簡単な画像認識AIを作成する体験を通じて理解を深めます。
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深層学習の仕組み: AIの進化を支える「ディープラーニング」の基本的な考え方や構造について分かりやすく解説します。
これらの基礎知識から活用法までを学ぶことで、学生はAIに関して体系的かつ実践的な理解を深めることができます。
また、AIへの指示を出す「プロンプティング」に必要な要素である「考える」「伝える」を公式として覚え、反復的なクイズを解くことで、公式の構成要素の特徴を自分自身で抽出し、法則性を導き出す訓練を行います。これにより、「考え方・伝え方」を習得し、AIをより効果的に使いこなす能力を養います。
「AIを利活用する」とは、世の中にある多様なAIサービスの中から、状況や環境に応じて最適なものを選び、使いこなすことです。AIミネルバNoviceでは、これを実現するために不可欠な「試行錯誤」ができるようになるための能力育成講座も取り扱っています。AIの可能性を最大限に引き出すためには、柔軟な思考と実践的なアプローチが求められるのです。
株式会社APCのAI教育講座「AIミネルバNovice」について詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.oita-apc.co.jp/service/processing/education/aiminerva_novice/
まとめ:地域から広がるAI教育の未来
大分で始まった「次世代AI教育指導者育成プロジェクト」は、教員志望の大学生がAI教育の最前線に立つための力を育むだけでなく、地域における持続可能な産学連携モデルを確立し、地方のAI教育エコシステムを構築するという、非常に意欲的な取り組みです。
このプロジェクトを通じて、AIリテラシーの高い教員が育ち、彼らが中高生に質の高いAI教育を提供することで、未来を担う子どもたちはAIと共存し、その可能性を最大限に引き出す力を身につけることができるでしょう。大分から発信されるこの新しい教育モデルが、全国各地の教育現場に広がり、日本全体のAI人材育成と地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されます。
本件に関するお問い合わせ先
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株式会社APC
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TEL:097ー573ー6616
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担当:佐藤聡彦
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ウェブサイト:https://www.oita-apc.co.jp
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国立大学法人大分大学 教育学部 萩嶺研究室
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TEL:097-554-7547
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担当:萩嶺直孝
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大分県立情報科学高等学校
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TEL:097ー553-1212
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担当:教頭 中村高志
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