はじめに:ドローン測量の現状とZenmuse L3登場の意義
近年、ドローン技術の進化は目覚ましく、測量やインフラ点検といった様々な産業分野でその活用が広がっています。特に、広大なエリアや危険な場所での作業において、ドローンは時間とコストを大幅に削減し、安全性を向上させる強力なツールとなっています。しかし、従来のドローン測量には、天候の影響を受けやすい、植生が密な場所でのデータ取得が難しい、といった課題も存在しました。
このような課題を解決し、さらに業務効率を飛躍的に向上させる革新的なテクノロジーとして、DJIの最新航空LiDARペイロード「Zenmuse L3」が登場しました。株式会社セキドは、この次世代LiDARシステムの取り扱いを開始し、日本のドローンビジネスの最先端を支えています。Zenmuse L3は、高精度なLiDARシステムとデュアル1億画素RGBカメラを搭載し、これまでのドローン測量の常識を覆す可能性を秘めています。
本記事では、AI初心者の方にもわかりやすい言葉で、Zenmuse L3の画期的な機能や、それがどのようにして業務の効率化と精度向上に貢献するのかを詳しく解説していきます。

DJI Zenmuse L3とは?次世代LiDARシステムの全貌
Zenmuse L3は、ドローンに搭載して使用する、高度な測量用ペイロードです。その最大の特長は、高精度LiDARシステムとデュアル1億画素RGBカメラ、そして高精度POSシステムを組み合わせている点にあります。これらの技術が一体となることで、広範囲の地形データを迅速かつ正確に取得することが可能になります。
LiDARシステムとは?その重要性
LiDAR(ライダー)とは、「Light Detection and Ranging」の略で、レーザー光を照射し、その反射光が戻ってくるまでの時間から対象物までの距離を計測する技術です。この技術の最大のメリットは、光の特性を利用するため、日中の明るさや影の影響を受けにくく、さらに植生や構造物の隙間をすり抜けて地面の形状を直接的に捉えることができる点にあります。従来の写真測量では困難だった、密林の中の地形や、複雑な構造物の詳細な形状なども、LiDARを使えば正確にデータ化できるのです。
Zenmuse L3に搭載されているLiDARシステムは、1535nm波長の長距離レーザーを使用しており、最大950mという驚異的な測距範囲を誇ります。これは、ドローンをより高い高度で飛行させても、地上の細かな情報まで正確に捉えられることを意味します。また、反射率が低い10%の物体にも対応できるため、暗い色のアスファルトや水面に近い場所など、これまで測定が難しかった対象物でも安定したデータ取得が期待できます。
さらに、Zenmuse L3は従来よりも高い測距再現性を実現しており、繰り返し測定しても非常に安定した結果が得られます。この高精度なデータは、1:500や1:1000といった高い縮尺が求められるマッピングプロジェクトにおいても、非常に信頼性の高い基盤となるでしょう。

デュアル1億画素RGBカメラの驚異的な性能
Zenmuse L3はLiDARだけでなく、デュアル1億画素のRGBマッピングカメラシステムも搭載しています。このカメラは、4/3型CMOSセンサーとメカニカルシャッターを備えており、高精度かつ効率的な写真測量を可能にします。メカニカルシャッターは、高速で移動するドローンからでも画像の歪みを抑え、シャープな画像を撮影するために非常に重要です。
飛行高度100mで地上画素寸法(GSD)1cmを達成できるというのは、非常に高い解像度を意味します。GSDが1cmということは、写真上の1ピクセルが地上の1cm四方を表すため、非常に詳細な地物まで識別できることになります。これにより、細かな構造物の点検や、地形の変化の把握など、多岐にわたる用途で活用できるでしょう。
また、デュアルRGBマッピングカメラは、最大107°という広い水平視野角(FOV)を提供します。視野角が広いということは、一度の飛行でより広範囲のエリアをカバーできるため、飛行回数を減らし、測量にかかる時間を大幅に短縮できます。LiDARデータと高解像度画像を同時に取得できることで、よりリッチで正確な3Dモデルや地図を作成することが可能になり、業務の質を格段に向上させます。

高精度POSシステムによる位置情報取得
Zenmuse L3は、高精度なPOS(Positioning and Orientation System)システムも内蔵しています。POSシステムは、ドローンの正確な位置(緯度、経度、高度)と姿勢(傾き、向き)をリアルタイムで把握するための重要なコンポーネントです。LiDARやカメラで取得したデータは、このPOSシステムの情報と組み合わされることで、地上の正確な位置に紐付けられます。
高精度なPOSシステムがあることで、取得した点群データや画像データは、測量基準点に頼らずとも高い相対精度と絶対精度を持つことができます。これにより、測量作業の準備段階での手間を削減し、後処理における精度向上にも大きく貢献します。
Zenmuse L3が実現する業務効率化と精度向上
Zenmuse L3が提供するこれらの革新的な技術は、航空測量業務にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。主なポイントをいくつかご紹介します。
広範囲を短時間でカバー:1日最大100km²の測量能力
Zenmuse L3は、その長距離LiDARシステムと広視野角カメラ、そして効率的なデータ処理能力により、1日で最大100km²もの広大なエリアをカバーできる能力を持っています。これは、従来の測量方法では数週間から数ヶ月かかっていたような大規模なプロジェクトでも、圧倒的なスピードで完了できることを意味します。
広域測量が必要な大規模な開発プロジェクトや、広範囲にわたるインフラの定期点検などにおいて、Zenmuse L3は時間とコストを劇的に削減し、プロジェクト全体の期間短縮に貢献するでしょう。
難しい地形でも高精度データ:密林や都市部での活用
LiDARの特性である「透過性能」は、Zenmuse L3の大きな強みの一つです。密生した森林や複雑な都市部の建物群など、従来の写真測量では樹木の葉や建物の影に隠れて正確な地形データを取得することが困難でした。しかし、Zenmuse L3のLiDARは、レーザー光が植生をすり抜け、地表面のデータを直接取得できるため、このような難しい地形でも高精度な3Dデータを作成することが可能です。
これにより、林業における森林資源調査、河川の氾濫シミュレーションのための地形解析、都市開発における正確な現状把握など、これまで手作業や時間のかかる方法で行われていた作業が、ドローンとZenmuse L3によって効率的かつ高精度に実施できるようになります。
1:500、1:1000縮尺マッピングへの最適化
測量分野では、最終的な地図や図面の縮尺によって求められる精度が大きく異なります。1:500や1:1000といった縮尺は、非常に詳細な情報が求められる都市計画、道路設計、土地造成などのプロジェクトで用いられます。Zenmuse L3は、その高精度なLiDARデータと高解像度RGBカメラにより、これらの要求の厳しいマッピングプロジェクトに最適化されています。
取得されるデータは非常に精密であるため、測量結果の信頼性が高く、その後の設計や計画に安心して利用することができます。これにより、プロジェクトの手戻りを減らし、全体の品質向上にも繋がります。
シームレスなエンドツーエンドソリューション:DJIエコシステムとの連携
Zenmuse L3の真価は、単体での性能だけでなく、DJIが提供する包括的なエコシステムとの完全な統合によって最大限に発揮されます。データ取得から処理、そして活用までの一貫したワークフローが提供されることで、ユーザーは複雑なマッピング作業も効率的に、そして直感的に完了させることができます。

データ取得から処理、活用までの一貫したワークフロー
DJIエコシステムでは、ドローンのフライト計画からデータ収集、そして収集したデータの処理、さらには解析結果の活用まで、全てのステップがスムーズに連携します。例えば、DJI Pilot 2アプリを使って飛行ルートを計画し、Zenmuse L3を搭載したドローン(例えばMatrice 400 RTK)でデータを取得します。この際、D-RTK 3多機能ステーションと連携することで、さらに高精度な位置情報をリアルタイムで補正しながら取得できます。
取得したデータは、DJI Terraという専用ソフトウェアで処理されます。DJI Terraは、点群データの生成、オルソモザイク画像の作成、3Dモデルの構築など、測量に必要なあらゆるデータ処理を高速かつ高精度で行うことができます。さらに、DJI Modifyを使えば、生成された3Dモデルの編集や修正も可能です。そして、DJI FlightHub 2などのプラットフォームを利用することで、チーム内でのデータ共有や管理、遠隔地からのプロジェクト進捗監視なども実現します。
このように、DJIエコシステムは、ハードウェアとソフトウェアが密接に連携し、ユーザーにとって使いやすい操作性を提供することで、複雑な測量・マッピング作業の効率化を強力にサポートします。
Zenmuse L3の具体的な活用シーン
Zenmuse L3は、その高性能と汎用性から、幅広い産業分野での活用が期待されています。いくつかの具体的な活用シーンを見てみましょう。
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航空測量:地図作成、地形解析
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土地開発や都市計画における高精度な現状把握。
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ダムや河川の管理における地形変化のモニタリング。
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森林資源の正確な計測と管理。
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インフラ点検:送電線、橋梁などの安全確認
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高所や危険な場所にある送電線、鉄塔、橋梁などの詳細な点検。
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LiDARデータにより、電線のたわみや構造物の変形をミリ単位で検出。
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定期的な点検により、劣化状況を早期に発見し、事故を未然に防ぐ。
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地形調査:地質調査、災害リスク評価
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土砂災害のリスクが高い地域の地形を詳細に解析。
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火山や活断層周辺の地盤変動をモニタリング。
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建設予定地の地質調査を効率的に実施。
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災害対応:被災状況の迅速な把握
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地震や洪水などの災害発生後、広範囲の被災状況を迅速に3Dデータ化。
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救助活動や復旧計画立案のための正確な情報提供。
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がれきの下の地形や、アクセス困難な場所の状況把握。
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これらの活用シーンはほんの一部であり、Zenmuse L3の登場により、これまで不可能だった、あるいは非常に困難だった多くの業務が、より安全に、より迅速に、そしてより高精度に実現できるようになるでしょう。
Zenmuse L3をもっと知るための情報
株式会社セキドでは、Zenmuse L3の効果をより多くの事業者の方にお伝えし、ドローンを使った測量・マッピングの業務効率化やこれまでにない新たな活用を実現していただくため、無料のWebセミナーを開催しています。

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先行して実施された様々な実証事例をもとに、Zenmuse L3の機能や活用方法がどこよりも早く分かりやすく紹介されます。ドローン測量に興味のある方はもちろん、現在の業務における課題解決策を探している方にもきっと役立つ情報が得られるでしょう。
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実証データでわかるZenmuse L3の性能
また、DJI Enterprise製品の専任スタッフが、実証データをもとにZenmuse L3の性能を検証したWebコンテンツも公開されています。歴代モデルとの比較や、これまでにない新機能についても徹底的に解説されており、Zenmuse L3の具体的な性能や優位性を深く理解することができます。
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LiDAR技術の革新:DJI Zenmuse L3の性能と活用事例完全ガイド
これらの情報源を活用することで、Zenmuse L3がもたらす革新をより深く理解し、自身のビジネスへの導入を検討する貴重な機会となるでしょう。
まとめ:未来のドローン測量を拓くZenmuse L3
DJI Zenmuse L3は、高精度なLiDARシステムとデュアル1億画素RGBカメラ、そしてDJIエコシステムとのシームレスな連携により、航空測量業務の効率化と精度向上を劇的に推進する革新的なソリューションです。広範囲を短時間でカバーし、密林や都市部といった難しい地形でも高精度なデータを取得できる能力は、測量、インフラ点検、地形調査、災害対応など、多岐にわたる分野で新たな可能性を切り開きます。
これまでのドローン測量の課題を克服し、より高品質で効率的なデータ取得と活用を可能にするZenmuse L3は、まさに未来のドローン測量技術を牽引する存在と言えるでしょう。この最先端技術が、多くの企業の業務変革と産業の発展に貢献していくことに期待が高まります。

