多くの企業が直面するAI活用の課題とDX推進の重要性
近年、AI(人工知能)はビジネスの様々な分野でその可能性を示し、多くの企業がAIの活用に大きな期待を寄せています。しかし、実際にAIをビジネスに導入しようとすると、多くの企業が共通の課題に直面しています。例えば、「データが部署ごとにバラバラに存在し、どこにどのようなデータがあるのか分からない」「AIを活用するために必要なデータをためる場所(基盤)がない」といった問題です。
これらの課題は、AIの導入を阻むだけでなく、企業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を遅らせる要因にもなります。AIを効果的に活用し、新しい価値を創造するためには、まず企業内のデータを効率的に集約・管理し、誰もがアクセスしやすい環境を整えることが不可欠です。
マクニカがニッパツの研究開発におけるDXを強力に支援
こうした課題に対し、株式会社マクニカは、日本発条株式会社(以下、ニッパツ)の研究開発本部への支援を通じて、具体的な解決策を提示しました。マクニカは、クラウド型データ・インテリジェンス・プラットフォーム「Databricks(データブリックス)」を提供することで、ニッパツの研究開発におけるデータ基盤の集約、AI活用、そしてデータの民主化を推進しました。
この取り組みは、ニッパツが抱えていたデータ管理とAI活用に関する長年の課題を解決し、研究開発の効率化と新たな価値創造に大きく貢献しています。
Databricksとは?AI活用を加速するデータプラットフォームの全貌
Databricksは、データの蓄積、加工、分析、そしてAIモデルの開発から運用までを、一つのプラットフォームで一貫して行える画期的なクラウド型データ・インテリジェンス・プラットフォームです。これにより、企業は複雑なシステム連携に悩むことなく、効率的かつ低コストでAI活用環境を構築できます。
Databricksの大きな特長は、部門を超えたデータ活用を促進し、異なるスキルを持つ利用者同士が協力してデータ分析やAI開発を進められる点にあります。これにより、これまでサイロ化されていたデータが連携され、組織全体のデータ活用能力が飛躍的に向上します。
Databricksで実現できること
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データの統合: 企業内に散らばる様々な形式のデータを一箇所に集め、統一された形で管理できます。
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データ加工・分析: 集めたデータをAIが使いやすい形に整えたり、ビジネス上の洞察を得るための分析を行ったりできます。
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AIモデル開発: データの分析結果をもとに、予測や自動化を行うAIモデルを開発できます。
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AIモデル運用: 開発したAIモデルを実際にシステムに組み込み、継続的にその性能を監視・改善できます。
これらのプロセスをすべてDatabricks上で行えるため、データ活用の専門家から現場の研究者まで、あらゆるユーザーがスムーズにAIを取り入れられるようになります。
ニッパツがDatabricks導入に至った背景:研究開発の現場が抱える課題
ニッパツの研究開発本部では、AIを研究開発に積極的に活用するための環境整備を検討していました。具体的には、以下のような課題を抱えていました。
- AI活用のためのデータ蓄積基盤がない: 研究活動で得られる膨大なデータを効率的に保存し、AIが利用できる形式で管理するシステムが不足していました。データが個々の担当者や部署に分散し、必要なデータを見つけ出すのに時間がかかっていました。
- 管理データの項目や保存場所が統一されていない: 研究データの種類やフォーマットがバラバラで、どこに何が保存されているのかが不明確でした。これにより、データの検索性や再利用性が低下し、非効率な状況が生じていました。
- AIモデルをチューニング・最適化するための開発環境が不足: AIモデルを開発しても、その性能を向上させるための試行錯誤(チューニングやパラメータ探索)を効率的に行える環境が整っていませんでした。これにより、AIモデルの予測精度向上に限界があると感じていました。
これらの課題は、ニッパツがAIを活用した研究開発を加速させる上で、乗り越えなければならない重要な障壁でした。
なぜDatabricksが選ばれたのか?その特長と選定理由
ニッパツがこれらの課題を解決するためにDatabricksを選定したのには、明確な理由があります。Databricksが持つ以下の特長が、ニッパツの要望と見事に合致したのです。
1. ワンストップでのデータ活用
Databricksは、データの蓄積、加工、分析、そして結果の可視化までを、単一のプラットフォームで一気通貫して実現できます。これにより、これまで別々のツールやシステムを連携させる必要があった複雑な作業工程が大幅に簡素化され、研究者はデータの準備に費やす時間を減らし、本来の研究活動に集中できるようになります。
2. 現場定着のしやすさ
研究開発の現場では、長年使い慣れたExcelデータが多く存在します。Databricksは、このようなExcelデータを容易に取り込み、活用できる機能を備えています。そのため、新しいシステムへの移行に対する心理的な抵抗が少なく、現場の研究者がスムーズに新しい基盤を導入し、使いこなせるようになることが期待されました。使い慣れた形式のデータを活用できることは、システム導入の成功において非常に重要な要素です。
3. 高い汎用性と柔軟性
Databricksは、AIモデルの開発からデータウェアハウス(DWH)としての利用まで、幅広いニーズに対応できる高い汎用性を持っています。Python(パイソン)などのプログラミング言語を用いた多様なデータ処理に対応しているだけでなく、画像データのような非構造化データも柔軟に扱えます。これにより、ニッパツの研究開発における多様なデータ形式や分析手法にも対応でき、将来的な拡張性も確保できます。
4. 導入ハードルの低さ
Databricksは、使用量に応じて課金される「スモールスタート」が可能です。これにより、初期投資や導入に伴うリスクを抑えながら、まずは小規模で導入し、効果を確認しながら段階的に活用範囲を広げていくことができます。これは、特に新しい技術を導入する企業にとって、非常に魅力的なポイントでした。
マクニカによるきめ細やかな技術支援と定着化サポート
Databricksの導入は、単にツールを提供するだけでは成功しません。マクニカは、Databricksの利活用に関する豊富な知識と経験を活かし、ニッパツの導入プロセス全体を強力にサポートしました。
具体的には、データベース開発の初期構想段階から提案を行い、導入段階ではハンズオン(実地指導)形式でサポートを実施。さらに、導入後のトレーニングを通じて、現場の研究者がDatabricksを使いこなせるようになるための定着化支援も行いました。このようなきめ細やかなサポートが、ニッパツにおけるDatabricksの成功的な導入と活用を後押ししました。
Databricks導入後の劇的な変化と効果
Databricksの導入後、ニッパツの研究開発本部では目覚ましい効果が見られました。

1. 情報集約とアクセス性の飛躍的向上
これまで担当者ごとに分散していた研究データがDatabricksに集約され、アクセスするだけで必要な情報を数分で取得できるようになりました。これにより、データを探す手間が大幅に削減され、研究効率が向上しました。
2. データ管理の属人化解消と情報基盤の実現
データ管理が特定の担当者に依存する「属人化」が解消され、研究開発本部全員が利用できる統一された情報基盤が実現しました。これにより、情報の共有がスムーズになり、組織全体のコラボレーションが促進されました。
3. AIモデル予測精度の向上
AIモデルのチューニングやパラメータ探索の試行回数が増えたことで、AIモデルの予測精度が大きく向上しました。これは、Databricksが提供する効率的な開発環境のおかげであり、より高精度な予測モデルが研究開発に貢献するようになりました。
4. 新しい価値創出への貢献
従来はアクセスしにくかった異分野の研究データにも容易にアクセスできるようになりました。これにより、異なる分野の知見を組み合わせた新しい発想や、予期せぬ発見が生まれ、新たな価値の創出につながっています。
今後のDatabricks活用とマクニカの展望
現在、ニッパツの研究開発本部では約10名がDatabricksを活用していますが、今後は部署(BU)を横断して利用者を拡大していく予定です。また、Databricksのアプリケーション作成機能や、誰もが直感的に使えるユーザーインターフェース(UX)を活かし、さらに使いやすい情報基盤の構築を目指しています。
マクニカは、今後もお客様に寄り添ったきめ細やかな技術支援とサポート力を通じて、日本企業のデータ活用によるビジネス推進を支援していくとしています。
まとめ:AIとデータの力で研究開発の未来を切り拓く
マクニカとニッパツの事例は、AI活用とデータ民主化がいかに研究開発の現場を変革し、企業の競争力を高めるかを示す好例です。Databricksのような先進的なプラットフォームと、マクニカのような経験豊富なパートナーの支援があれば、多くの企業が抱えるデータ活用の課題を乗り越え、DXを加速させることが可能です。この取り組みは、日本の産業界におけるAI活用の新たなスタンダードを築くものとなるでしょう。
関連情報
ニッパツとマクニカに関する詳細情報、および本事例の詳細はこちらからご覧いただけます。
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【事例の詳細はこちら】
https://www.macnica.co.jp/business/dx/manufacturers/databricks/case_02.html -
ニッパツ(日本発条株式会社)について:
https://www.nhkspg.co.jp/ -
株式会社マクニカについて:
http://www.macnica.co.jp
製品に関するお問い合わせ先:
株式会社マクニカ Databricks担当
TEL:045-476-2010
E-mail:databricks-sales@macnica.co.jp

