【iREX 2025】Hyundai Motor Groupが革新的なAI搭載自律型モビリティプラットフォーム「MobED」量産モデルを発表!ロボットが拓く未来とは?

現代社会において、ロボット技術は私たちの生活や産業に大きな変革をもたらしつつあります。そんな中、Hyundai Motor Group(ヒョンデモーターグループ)は、東京で開催されている世界最大級のロボット展示会「International Robot Exhibition 2025 (iREX 2025)」において、画期的な自律型モビリティプラットフォーム「MobED(Mobile Eccentric Droid)」の量産モデルを発表しました。

このMobEDは、Hyundai Motor Group Robotics LABが開発した初の量産型モビリティロボットプラットフォームであり、人工知能(AI)の力を活用して、これまでのロボットの概念を大きく覆す可能性を秘めています。2022年のConsumer Electronics Show (CES)でコンセプトモデルとして初披露されて以来、MobEDは進化を続け、ついに量産体制が整った完全自律型ロボットとして登場しました。

MobEDのメイン画像と仕様表

Hyundai Motor Group Robotics LABの責任者であるドン・ジン・ヒョン常務は、「MobEDは、単なるモビリティプラットフォームを超え、多様な産業や日常生活に適応可能な次世代ソリューションを提供します。MobEDは、世界のロボティクス市場に新たな基準を打ち立て、人間とロボットが共存する未来を加速させるでしょう」と語っています。この言葉からも、MobEDが単なる移動手段に留まらない、幅広い可能性を秘めた存在であることが伺えます。

MobEDのプロモーションビデオは、Hyundai Motor Groupの公式YouTubeチャンネルで視聴できます。
公式YouTubeチャンネル

MobEDとは?次世代の自律型モビリティプラットフォーム

MobEDは、「Mobile Eccentric Droid」の略で、その名の通り「偏心した(Eccentric)移動(Mobile)するロボット(Droid)」を意味します。この「偏心」という点が、MobEDの最大の技術的特徴であり、どのような地形でも安定して走行できる秘密でもあります。

従来のロボットは、特定の環境や用途に合わせて設計されることがほとんどでした。しかし、MobEDは、AIと先進的なハードウェア技術を組み合わせることで、多様な環境に自律的に適応し、さまざまなタスクをこなせるように設計されています。これにより、ロボットの導入コスト削減や、運用の柔軟性向上に貢献することが期待されています。

MobEDの3つの革新的な特徴を徹底解説

MobEDは、その革新的なロボティクス機能を以下の3つの柱で定義しています。

1. Adaptive Mobility(アダプティブモビリティ):どんな場所でも安定走行を可能にするハードウェア

「アダプティブモビリティ」とは、MobEDがその名の通り、環境の変化に「適応(アダプティブ)」しながらスムーズに「移動(モビリティ)」できる能力を指します。この能力を支えているのが、MobEDの「偏心メカニズム」と呼ばれる最先端技術です。

想像してみてください。もしロボットの車輪の中心が、状況に応じてダイナミックに変化するとしたらどうでしょう?MobEDの偏心メカニズムは、まさにそのような働きをします。車輪の取り付け位置をわずかにずらすことで、車体の姿勢や高さをリアルタイムで調整し、でこぼこした路面や傾斜のある場所でも、プラットフォーム自体を常に水平に保ち、荷物や搭載物が安定するように設計されています。

この機能により、MobEDは、まるで生き物のように地形の変化に対応します。例えば、段差を乗り越える際には車体を持ち上げ、坂道を上る際には傾斜に合わせて姿勢を調整するといったことが可能です。これにより、狭い屋内通路から、屋外の舗装されていない道まで、非常に多様な環境でシームレスに走行できます。

さらに、MobEDのハードウェアは、Hyundai Motor Groupが自動車製造で培ってきた「オートモティブグレードエンジニアリング」によって支えられています。これは、自動車部品と同等の高い耐久性と精密さを持つ技術が採用されていることを意味します。研究室での試験だけでなく、実際の厳しい環境下でも信頼性が高く、長く使い続けられる設計になっているのです。

2. Intuitive Autonomy(インテュイティブオートノミー):誰でも簡単に使えるAI搭載自律走行

「インテュイティブオートノミー」とは、MobEDが「直感的に(インテュイティブ)」、つまり誰にでも簡単に「自律的(オートノミー)」に動かせることを意味します。AI初心者の方でも、まるでスマートフォンを操作するような感覚で、MobEDを使いこなせるよう設計されています。

  • 直感的な操作インターフェース: MobEDは、大型のタッチスクリーンコントローラーと、直感的に理解しやすい3D UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を採用しています。これにより、専門知識がなくても、視覚的に分かりやすい表示に従って簡単に操作できます。

  • 安全ナビゲーション: MobEDの自律走行の核となるのが、AIを搭載した「LiDAR-カメラフュージョンセンサー」です。LiDAR(ライダー)はレーザー光を使って周囲の距離や形状を正確に測定し、カメラは視覚情報、つまり色や模様などを捉えます。これら二つの異なるセンサーからの情報をAIが「融合(フュージョン)」させることで、周囲の環境をより正確に、そしてリアルタイムで認識できます。これにより、障害物を自律的に認識し、衝突を避けて安全に移動することが可能です。

  • 高精度な自律走行: MobEDは、「予測型ナビゲーションアルゴリズム」を搭載しています。これは、AIがセンサーデータに基づいて、次に起こる状況を予測し、最適なルートを選択する技術です。例えば、混雑した場所では人の動きを予測して迂回したり、狭い空間でも壁にぶつかることなく正確に進んだりすることができます。これにより、安全性と効率性を両立した移動を実現します。

MobEDの直感的な設計は、ロボティクス技術をより多くの人が利用できるようにするための大きな一歩と言えるでしょう。

3. Infinite Journey(インフィニットジャーニー):無限の可能性を秘めた多用途プラットフォーム

「インフィニットジャーニー」とは、MobEDが「無限の(インフィニット)」可能性を秘めており、さまざまな用途や目的に合わせて「旅(ジャーニー)」を続けられることを意味します。MobEDは、特定の用途に限定されず、幅広い産業分野や日常生活で活用できるように設計された「多用途プラットフォーム」です。

  • カスタマイズ可能なモジュール設計: MobEDは、モジュール構造を採用しており、さまざまなアタッチメント(追加機器)を簡単に追加・交換できます。ユニバーサルマウントレールとAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)に対応しているため、ユーザーはそれぞれのタスクに合わせて、カメラ、センサー、荷台、ロボットアームなど、多種多様なモジュールを自由に統合できます。これにより、1台のMobEDが、まるで変形ロボットのように様々な役割をこなせるようになります。

  • 屋内外でのシームレスな運用: MobEDは、その優れた走行性能と自律性により、屋内と屋外のどちらの環境でもスムーズに稼働できます。これにより、特定の環境専用のロボットを複数用意する必要がなくなり、設備投資や運用コストの削減に貢献します。

  • 将来を見据えたソリューション: モジュール設計と柔軟なシステムは、将来的に変化するニーズにも柔軟に対応できることを意味します。新しい技術が登場したり、新たな用途が生まれたりしても、MobEDはアップデートやモジュールの追加によって、長期的に利用し続けることが可能です。

例えば、配送業務では重い荷物を安定して運び、研究分野では実験機器を搭載してデータ収集を行い、物流倉庫では自動で資材を運搬し、映像制作ではカメラを搭載してなめらかな移動撮影を行うといった活用が考えられます。MobEDは、まさに「無限の可能性」を秘めたプラットフォームなのです。

用途に合わせて選べる2つのモデル:MobED ProとMobED Basic

MobEDは、ユーザーの多様なニーズに対応するために、2つの異なるモデルが用意されています。

  • MobED Pro: このモデルは、高度な自律性を求めるプロフェッショナルな用途向けに設計されています。LiDAR-カメラフュージョンや「フォローミー」モード(人を自動で追尾する機能)など、追加のセンサーと機能が統合されており、自律走行の信頼性が特に求められる屋外での商業用途や、複雑な環境での運用に最適です。

  • MobED Basic: 研究開発の基盤として設計されたモデルです。Proモデルとは異なり、事前に自律機能は搭載されていませんが、その分、ユーザーが独自のアプリケーションやアルゴリズムを構築できるような柔軟な環境が提供されています。これからロボット技術を学びたい方や、特定の機能を開発・検証したい研究者にとって理想的なプラットフォームと言えるでしょう。

これらの2つのモデルにより、MobEDは幅広いユーザーに対応し、ロボティクス技術の応用範囲をさらに拡大させます。

デザインとエンジニアリングの融合:MobEDの美しさと機能性

MobEDは、ただ高機能なだけでなく、そのデザインにも徹底したこだわりが見られます。デザインコンセプトは「Refined Edge(洗練されたエッジ)」。直線と流れるような曲線がシームレスに調和し、技術的な精密さと洗練された美しさを両立させています。統合されたセンサーや、後述する「Drive-and-Lift (DnL) モジュール」が、視覚的なバランスと上質さを演出し、MobEDの持つ先進性を際立たせています。

高品質な金属素材の使用により、妥協のない直線美が実現され、精密な加工によって、ダイナミックな動きを際立たせる優雅な曲線へと自然に移行します。表面の繊細な反射は、ロボットの動きを強調し、高度なエンジニアリングとデザインの調和を象徴しています。これは、単なる機械ではなく、機能性と美学が融合した一つの作品と言えるでしょう。

ロボティクス分野のゲームチェンジャーとなるエンジニアリング革新

MobEDの中核には、独自の「DnLモジュール」と呼ばれる革新的な技術があります。このモジュールは、姿勢制御、駆動、ステアリングモーターの機能を一つに統合しており、MobEDが前後左右、斜めなど、あらゆる方向にスムーズに移動することを可能にします。

このシステムの中心にあるのが、先ほども触れた「偏心ベースの姿勢制御メカニズム」です。これは、車輪の偏心回転を利用して、車体を常に水平に保ち、高さを動的に調整する仕組みです。これにより、でこぼこした地面や傾斜のある場所でも、車体が安定し、搭載された荷物や機器が揺れることなく移動できます。まるでカメラのジンバルのように、常に水平を保ちながら進むイメージです。

さらに、MobEDには、多関節ロボティクスから着想を得た「最適化ベースの制御アルゴリズム」が搭載されています。このアルゴリズムにより、不規則な地形での卓越した安定性が実現され、縁石のような障害物も確実に乗り越えることができます。これにより、MobEDは、工場や倉庫といった産業環境だけでなく、公園や街中といった屋外、さらにはオフィスや家庭といった屋内環境でも、効果的に機能します。

ナビゲーションにおいては、MobEDはLiDARセンサーとカメラを組み合わせることで、周囲の環境をリアルタイムで正確に認識します。このシステムは、AIを活用した予測ナビゲーションをサポートし、障害物を動的に回避しながら最適なルートを生成し、移動する物体(人や他の車両など)を認識・追跡します。これにより、混雑した場所や狭い空間でも、高い信頼性と安全性を持って運用できます。

操作性も革新的です。大型タッチスクリーンと直感的な3D UI/UXにより、自己マッピング(自身の位置を地図上に記録する)、位置指定、自律走行といった機能を簡単に利用できます。これらの技術の統合により、MobEDはロボティクスエンジニアリングの新しい基準を打ち立てています。

iREX 2025でのMobEDと今後の展望

Hyundai Motor Groupは、2025年12月3日から6日まで開催されるiREX 2025のブース(西ホール 3-4、W3-44)でMobEDを展示しています。来場者は、ブースで実際にMobEDに触れることができ、さまざまな地形を走行するライブデモンストレーションを通じて、その精度と適応性を体感できます。

デモンストレーションでは、MobED ProとBasicが、積載/荷降ろし、配送、ゴルフ、アーバンホッパー(都市内移動)、放送など、幅広いアプリケーションを実演します。自律走行や自動充電といった先進技術を搭載したMobEDが、どのように私たちの未来を変えていくのか、その可能性を間近で確認できる貴重な機会となるでしょう。

また、12月3日には東京ビッグサイト西ホール4にて、「A novel hybrid-type Mobile Robot Platform: MobED (Mobile Eccentric Droid)」と題した技術セミナーも開催されます。このセミナーでは、Robotics LABのビジョンや戦略、そしてMobEDに統合された技術と主要機能についての詳細な解説が行われます。
技術セミナー詳細

MobEDの量産は、2026年上半期に開始される予定です。製品の詳細や購入オプションについては、Hyundai Motor Group Robotics LABのウェブサイトで確認できます。
Hyundai Motor Group Robotics LABウェブサイト

MobEDの仕様表

まとめ:MobEDが拓くロボットと共存する未来

Hyundai Motor GroupがiREX 2025で発表した自律型モビリティプラットフォーム「MobED」は、その革新的な技術と多用途性によって、ロボティクス分野に新たな可能性をもたらします。

偏心メカニズムによる優れた地形適応性、AIとセンサーフュージョンによる高精度な自律走行、そしてモジュール設計による無限のカスタマイズ性。これらMobEDの主要な特徴は、配送、物流、研究、映像制作、さらには日常生活まで、さまざまなシーンでロボットがより身近な存在となる未来を描いています。

MobEDは、単なる移動ロボットではなく、人間とロボットがより安全に、そして効率的に共存できる社会を実現するための重要な一歩となるでしょう。2026年上半期の販売開始に向けて、MobEDがどのように私たちの生活や産業を変革していくのか、今後の展開に大いに注目が集まります。

Hyundai Motor Companyとその製品に関するより詳しい情報は、以下の公式サイトをご覧ください。
Hyundai Motor Company公式サイト

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