DATAFLUCTが菓子卸大手・山星屋へ「営業支援AIエージェント」を実装!300名の営業担当者の業務効率化と提案力向上を実現

DATAFLUCTが菓子卸大手・山星屋へ「営業支援AIエージェント」を実装!300名の営業担当者の業務効率化と提案力向上を実現

現代社会において、AI(人工知能)の進化は目覚ましく、私たちの働き方やビジネスのあり方を大きく変えつつあります。特に、営業活動の現場では、日々膨大な情報処理や資料作成に追われ、本来の「顧客との対話」や「価値ある提案」に十分な時間を割けないという課題を抱えている企業も少なくありません。

このような課題に対し、株式会社DATAFLUCT(データフラクト)は、菓子専門商社である株式会社山星屋(やまさぼしや)と協力し、営業担当者の業務を劇的に効率化し、提案力を向上させる「営業支援AIエージェント」の実証実験を開始しました。このAIエージェントは、山星屋の営業担当者300名への展開が予定されており、AIと人が協働する「営業 1+1」体制の確立を目指しています。

DATAFLUCT、菓子卸大手の山星屋へ営業支援AIエージェントを実装

菓子卸売業界が直面する課題とAI導入の目的

日本の菓子卸売業界は、近年、市場の縮小や人件費・物流費の高騰といった構造的な課題に直面しています。このような厳しい状況下で、業界最大手の一角を占める山星屋は、2027年度に売上高4,200億円という高い成長目標を掲げています。この目標達成には、従来の働き方を見直し、業務の効率化と高付加価値化が不可欠です。

今回導入される営業支援AIエージェントは、単に業務を自動化するだけではありません。その真の目的は、これまで個々の営業担当者が経験を通じて培ってきた「暗黙知」(言葉やデータでは表現しにくい、個人の感覚的な知識やノウハウ)をデータとして「形式知」(誰にでも理解・共有できる知識)に変換し、組織全体の知見として活用することにあります。これにより、顧客への提案品質を飛躍的に高めるとともに、市場の変化に柔軟に対応できる事業体質への転換を目指しています。

具体的には、次のような業務がAIエージェントによって支援されます。

  • 膨大な商品データベースからの情報検索

  • 提案資料のドラフト作成

  • 市場や競合他社の情報の収集と要約

  • 複雑な販売データの分析

これらは、これまで営業担当者の貴重な時間を奪っていた「周辺業務」と位置づけられています。AIエージェントがこれらの定型業務を肩代わりすることで、営業担当者はルーチンワークから解放され、顧客との関係を深めたり、顧客のニーズに深く寄り添った提案を考えたりといった、「人間にしかできない本質的な価値提供」に注力できる体制を構築する狙いです。

営業支援AIエージェントの具体的な機能

この実証実験では、DATAFLUCTが提供するデータ分析自動化AIエージェント「Airlake BI Agent(エアレイク ビーアイ エージェント)」が活用されています。これは、営業担当者の提案活動を強力に支援する「自律型営業AIエージェント」としての有効性を検証するものです。単なる情報検索にとどまらず、各営業担当者の知見を組織全体で共有し、提案の質を向上させるために、以下の3つの機能が実装されています。

営業支援型AIエージェントの概要

①対話型検索:自然言語で情報を検索し、分析とグラフ生成も自動化

「対話型検索」機能は、まるでAIと会話するように、自然な日本語で指示を出すだけで、必要なデータを検索し、分析、さらにはグラフまで自動で生成してくれる画期的な機能です。

例えば、「2024年4月から10月の菓子の月次売上金額推移をグラフで表示して」と入力するだけで、AIが膨大なデータの中から関連情報を解析し、最適なグラフを瞬時に作成します。これにより、これまで手作業で行っていたデータ集計や資料作成が不要になり、売上動向の把握や意思決定のスピードが大幅に向上します。AI初心者でも簡単に高度なデータ分析結果を得られるため、データ活用へのハードルが大きく下がります。

Airlake BI Agentの対話型検索機能

②資料抜粋機能:ナレッジを民主化し、属人化を解消

企業には、過去の成功事例や商品情報、市場データなど、膨大な社内資料が蓄積されています。しかし、これらの情報がどこにあるか分からない、誰に聞けばいいか分からない、といった理由で十分に活用されていないケースも少なくありません。特に経験の浅い社員にとっては、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかったり、先輩社員に頼らざるを得なかったりすることで、業務の属人化(特定の個人に業務が集中し、他の人が代替しにくい状態)を引き起こす原因となっていました。

「資料抜粋機能」は、AIデータ基盤「Airlake platform(エアレイク プラットフォーム)」上に蓄積された社内資料から、必要な情報をチャット形式で抽出・回答します。さらに、回答の根拠となるスライドのリンクや実際の画面を即座に表示することで、情報の裏付けを容易にします。この機能により、組織全体のナレッジ(知識)が「民主化」され、誰でも必要な情報にアクセスできるようになるため、属人化の課題が解消され、組織全体の提案レベルの標準化が実現します。

Airlake BI Agentの資料抜粋機能

③AI企業分析:工数削減と、質の高い提案を可能に

顧客企業への提案を行う際、その企業の状況を深く理解することは非常に重要です。しかし、得意先の企業分析資料や販売実績データを多角的に解析するには、多くの時間と労力がかかります。

「AI企業分析」機能は、AIがこれらのデータを数値とテキストの両面から分析し、顧客にとっての「インサイト」(示唆や本質的な洞察)を自動で生成します。これにより、営業担当者は複雑な分析業務から解放され、AIが提示したインサイトを基に、より顧客のニーズに寄り添った、質の高い提案に集中できるようになります。この機能は、営業活動における「思考の質」を向上させ、顧客満足度を高めることに貢献します。

Airlake BI AgentのAI企業分析機能

今後の展開と「営業 1+1」体制

DATAFLUCTと山星屋は、2026年3月から一部エリアでこの営業支援AIエージェントの導入を開始し、2027年春には山星屋の全営業担当300名がAIと共に活動する「営業 1+1」体制の完全確立を目指しています。この体制が実現すれば、営業担当者の経験の有無に関わらず、全社レベルで高度な提案力が標準化されることが期待されます。

今後の開発では、さらに高度な機能の追加が計画されています。例えば、膨大な商品データベースから「顧客Aに対して、春に売れ筋になりそうな新商品は?」といった複雑な条件を瞬時に照合する機能や、テキスト情報だけでなく、画像や音声などの多様なデータを統合して分析する「マルチモーダルデータ活用」も視野に入れています。

日々の営業活動の中で埋もれてしまいがちな、アナログな情報や個人の「暗黙知」をAIが構造化して蓄積することで、これまで属人化していた成功パターンや独自の提案ノウハウが「形式知」として共有されるようになります。これにより、過去の実績や事例にとらわれることなく、組織全体の集合知を武器に「お得意様(顧客)の課題解決に直結する提案」を再現性高く実行できる、卸売業の次世代モデルが構築されるでしょう。

関係者の声:AIとの協働がもたらす未来

山星屋の営業DX戦略部部長である江内田氏は、今回のプロジェクトについて「人財を最大の資産」とする同社にとって、単なる効率化ではなく、社員の可能性を解き放つ挑戦であるとコメントしています。AIがデータを武器に変え、営業担当者は人間にしかできない「心通う提案」に注力することで、「人×AI」の「営業 1+1」体制が、経験の差を超えたチーム力を実現し、菓子卸売業界の新しいスタンダードを創り出すことへの期待を語っています。

また、山星屋の営業DX戦略部課長である新名氏も、現場での検証を通じて、これまで時間がかかっていたデータ集計や資料作成がチャット感覚で瞬時に終わることに驚きを示しています。AIエージェントの導入により、単に作業が楽になるだけでなく、空いた時間を「お得意様との対話」や「魅力的な売り場づくり」といった、人間ならではの泥臭い営業活動にフル活用できるという確かな手応えを感じているとのことです。

DATAFLUCTが提供する「Airlake」について

「Airlake BI Agent」とは

今回の営業支援AIエージェントの基盤となっている「Airlake BI Agent」は、話しかけるだけでデータの抽出、可視化、分析までを自動で完遂する、データ分析自動化AIエージェントです。例えば、「今月の売上は?」「どの商品がよく売れている?」といった質問をチャットで入力するだけで、AIがグラフや分析結果を自動で生成します。

このエージェントは、AIがデータベースの構造を正しく理解する「スキーマグランディング」という技術や、最新の「RAG技術」(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を駆使することで、AIが事実に基づかない情報を生成してしまう「ハルシネーション」のリスクを1%未満に抑制し、極めて高品質なデータ抽出を可能にしています。これにより、マーケティング部門から製造現場まで、あらゆる部門の担当者が専門家への依頼や手作業の集計に費やしていた時間をなくし、必要な情報を“知りたい瞬間に”得られる体験を提供します。

「Airlake」プラットフォームの全体像

「Airlake」は、データ分析からAIエージェントの構築までをトータルに支援するプラットフォームです。自然言語での対話を通じて高度なデータ分析や業務を自動化し、企業内に埋もれているデータから新たなインサイト(示唆)を創出します。具体的には、以下の3つの要素を一気通貫で提供することで、安価かつスピーディーに企業専用のAIを構築することを可能にします。

  • AIデータ基盤「Airlake platform」:データの収集・蓄積・加工・管理を行う基盤

  • オーダーメイドAIモデル「Airlake AI models」:企業固有のニーズに合わせてカスタマイズされたAIモデル

  • AIエージェント「Airlake AI Agents」:特定の業務を自動化・支援するAI

株式会社DATAFLUCTについて

株式会社DATAFLUCTは、「データを商いに」というビジョンを掲げ、埋もれていたデータから新たな価値を生み出し、社会課題を解決するデータビジネスパートナーです。同社は、定型化されていないデータ(非構造化データ)を含む、あらゆる形式のデータを活用する「マルチモーダルデータ活用」に強みを持っています。データの収集、蓄積、加工、分析を一貫して実現することで、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を強力に支援しています。

需要予測によるロスの削減、持続可能な都市計画、脱炭素に向けた行動変容など、世界基準の課題に着目した自社サービスも展開しており、誰もがデータを有効活用することで持続可能な意思決定ができる世界の実現を目指しています。2019年にはJAXAベンチャー(宇宙航空研究開発機構の知的財産や知見を利用して事業を行うベンチャー企業)にも認定されています。

DATAFLUCTに関する詳細情報は、以下のリンクから確認できます。

まとめ:AIが拓く営業の未来

DATAFLUCTと山星屋の取り組みは、AIが単なる効率化ツールではなく、人間の能力を拡張し、より創造的で価値の高い仕事に集中できる環境を作り出す可能性を示しています。菓子卸売業界という伝統的な分野において、AIエージェントが営業担当者の「暗黙知」を「形式知」に変え、組織全体の提案力を底上げするこの試みは、今後の日本の様々な産業におけるDX推進のモデルケースとなるでしょう。AIと人が協働する「営業 1+1」体制が、顧客とのより深い信頼関係を築き、新たなビジネス価値を創造する未来に大いに期待が寄せられます。

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