エンバカデロ『RAD Studio 13.1 Florence』発表!Arm版Windowsネイティブ対応で次世代アプリ開発を加速する統合開発環境

エンバカデロ・テクノロジーズは、クロスプラットフォームネイティブアプリの統合開発環境(IDE)である『RAD Studio 13.1 Florence』、および単一言語版の『Delphi 13.1』と『C++Builder 13.1』の提供を本日より開始しました。

この最新バージョンでは、特にArm版Windowsへのネイティブ対応が大きな注目点です。これにより、開発者はIntelエミュレーションなしで、最新のArmベースのWindowsデバイス向けに高性能なアプリケーションを構築できるようになります。次世代のデバイス環境に対応し、開発者の生産性を高める多くの新機能と改善が加えられています。本記事では、AI初心者の方にも理解しやすいように、これらの新機能がもたらすメリットを詳しく解説していきます。

RAD Studio IDEのArm64アプリケーションプロジェクト設定画面

RAD Studioとは?開発者を強力にサポートする統合開発環境

RAD Studioは、Windows、Mac、モバイル(iOS/Android)など、さまざまなプラットフォーム向けのネイティブアプリケーションを一つのコードベースで開発できる強力なツールです。ビジュアル開発機能が充実しており、ドラッグ&ドロップでコンポーネントを配置するだけで、複雑なUI(ユーザーインターフェース)を持つアプリケーションを効率的に作成できます。データベース連携やクラウドサービスとの接続性も高く、広範なIoTデバイスへの対応も可能です。

最新のRAD Studio 13では、生成AIの組み込みやAI開発支援機能も強化されており、開発者はAIを活用したアプリケーションをより簡単に開発できるようになっています。今回の13.1へのアップデートは、この強力な開発環境をさらに進化させるものです。

RAD Studioの公式サイトはこちらから確認できます。
https://www.embarcadero.com/jp/products/rad-studio

RAD Studio 13.1 Florenceの主要な新機能と改善点

Arm版Windowsネイティブコンパイラ ツールチェインの導入

今回のリリースで最も注目すべきは、Delphiコンパイラに新しいネイティブターゲットプラットフォームとしてArm版Windows(Arm64EC)が導入されたことです。これは、開発者がIntelエミュレーションレイヤーを使わずに、ArmベースのWindowsデバイス向けにネイティブなアプリケーションを作成できることを意味します。

具体的には、Copilot+ PCのような最新のWindows Armデバイスや、Arm版Mac上で動作するWindows on Arm仮想マシン上で、アプリケーションが最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。既存のDelphiアプリケーションは、基本的に新しいターゲットプラットフォーム向けに再コンパイルするだけで対応が可能です。これにより、開発者は既存の資産を最大限に活用しながら、今後普及が進むArm版Windowsデバイス市場へスムーズに展開できるようになります。

モバイル開発の強化:Android API Level 36とiOS 26のサポート

RAD Studio 13.1では、モバイルアプリケーション開発の分野でも重要なアップデートが行われています。

  • Android API Level 36のサポート: Google Playストアでアプリを公開するための必須要件が、2026年8月以降にAndroid API Level 36となります。今回のアップデートで、この最新要件に対応するためのサポートが追加されました。ビルドシステムやプラットフォームのライブラリがアップグレードされ、新しい権限オプションやFireMonkeyが利用するJetPack Coreライブラリのバージョンアップも実施されています。これにより、開発者は将来にわたってAndroidアプリをGoogle Playストアで提供し続けることができます。

  • iOS 26の公式サポート: iOS 26の公式サポートも追加され、iOSのサポートバージョン最小値のデフォルトも引き上げられました。最新のiOS環境にも対応することで、幅広いモバイルユーザーに高品質なアプリケーションを提供することが可能になります。

開発環境の使いやすさ向上と生産性強化

RAD Studio 13.1では、開発者の日々の作業効率を高めるための様々な改善が施されています。

FireMonkeyスタイルデザイナの新規搭載

FireMonkey専用に設計された新しいスタイルデザイナが搭載されました。FireMonkeyはクロスプラットフォームUIフレームワークであり、このデザイナは最新のデザイン原則に基づいて開発されています。色、背景、タイポグラフィ、インタラクションステートなどを扱うデザイン中心のインターフェースを備えており、開発者だけでなく、デザインチームとの連携もスムーズに行えるように設計されています。

これにより、Windows、macOS、iOS、Android、Linuxといった多様なプラットフォーム向けのUI設計を、より迅速かつ柔軟に行うことが可能になります。一貫性のあるブランドイメージを保ちながら、各プラットフォームに最適化された見た目のアプリケーションを効率的に作成できるでしょう。

Windows 11固有のVCLスタイルの追加

Windowsアプリケーション開発に利用されるVCL(Visual Component Library)には、Windows 11のモダンなルック&フィールに適合する6つの新しいスタイルが追加されました。

  • Windows Modern

  • Windows Modern Dark

  • Windows Modern SlateGray

  • Windows Modern Green

  • Windows Modern Blue

  • Windows Modern Purple

これらのスタイルにより、開発者はWindows 11のユーザーインターフェースに合わせた、より洗練されたアプリケーションを簡単に作成できます。また、RAD Studio IDE自体も新しいIDEスタイルに対応し、Windows 11のUIにさらに適合するようになりました。多くのダイアログで角の丸いウィンドウがサポートされるなど、細部にわたる改善も行われています。

Delphi LSPエンジンへのLSIF導入によるCode Insightの高速化

Delphiのコード補完やコードナビゲーションに使用されるDelphi LSP(Language Server Protocol)エンジンに、Language Server Index Format(LSIF)のサポートが導入されました。LSPは、開発者がコードを書く際に自動補完やエラーチェック、定義ジャンプなどの機能を提供する仕組みです。

LSIFの導入により、コンパイラへの依存度が低減され、コンパイラを呼び出すことなく一般的なナビゲーションリクエストの処理が可能になりました。これにより、Code Insightのパフォーマンス、安定性、精度が大幅に向上し、開発者はよりストレスなく、スムーズにコードを記述できるようになります。これは、大規模なプロジェクトや複雑なコードベースを扱う際に特に大きなメリットとなるでしょう。

IDEに統合されたブックマークアドオン

IDE(統合開発環境)のブックマーク機能を拡張するブックマークアドオンが、RAD Studio IDEに完全に統合されました。この機能により、ソースコード内の重要な箇所に目印をつけ、素早く移動することが可能になります。

  • 自動ブックマーク番号付け

  • キーボードによる迅速なナビゲーション

  • 正確なコード行参照を含む構造化されたブックマークリスト

これらの高度な機能が追加されたことで、開発者はソースコード内の移動や、以前に参照したセクションへの復帰がより迅速に行えるようになります。また、強化されたIDE検索コントロールやナビゲーションツールバーなども搭載されており、開発効率が向上します。

その他の品質改善と機能強化

上記以外にも、RAD Studio 13.1では多岐にわたる品質改善と機能強化が実施されています。

  • C++Builder 64-bitモダンコンパイラ ツールチェインの品質向上: Clang 20 / C++23ベースのコンパイラの品質が向上し、C++開発者はより安定した環境で最新のC++規格を利用できるようになりました。

  • High DPI UIデザインエクスペリエンスの改善: 高解像度ディスプレイでのUIデザインがよりスムーズになり、フォームの96DPI保存にも対応しました。

  • 製品登録とライセンスマネージャーの刷新: 製品の管理やライセンスの運用がより簡単になりました。

  • デバッガの改善: DelphiおよびModern C++ 64-bitデバッガの改善により、アプリケーションの不具合特定と修正が効率化されます。

  • VCLおよびFireMonkeyの改善: Tinted Glyphサポートの追加やIDEデザイナーでのLinuxスタイル/ビューのサポート、DirectXテクスチャフィルタリング対応など、UIフレームワークの機能が拡張されました。

  • FireDACのデータベースサポート強化: データベース接続コンポーネントであるFireDACが、SAP ASE Server 16.1、IBM DB2 12.1、MariaDB Server 12.1といった最新のデータベースサーバーに対応しました。

  • HTTP SSE(Server-Sent Events)モデルのサポート: WebサーバーとWebクライアントの双方でHTTP SSEモデルがサポートされ、MCPプロトコルをはじめとするSSE構造を必要とするアプリケーションの実装が可能となりました。

これらの新機能やアップデートの詳細は、以下のページで確認できます。
https://www.embarcadero.com/jp/products/rad-studio/whats-new-in-13-florence

RAD StudioとAI開発の可能性

RAD Studioは、その強力な開発環境を通じて、AIを組み込んだアプリケーション開発も支援しています。RAD Studio 13から生成AIの組み込みやAI開発支援による生産性向上が可能になっており、今回の13.1のアップデートは、基盤となる開発環境の性能と対応プラットフォームをさらに強化するものです。

Arm版Windowsネイティブ対応やモバイルプラットフォームの最新要件への対応は、AIモデルの実行環境として今後ますます重要になるでしょう。開発者は、この進化し続けるRAD Studioを使って、AIの力を活用した革新的なアプリケーションを、より幅広いデバイスに向けて展開できるようになります。

製品ラインナップと提供方法

RAD Studio 13.1は、DelphiとC++の2つの言語を利用できる統合製品です。エンバカデロでは、単一言語のみを利用できるDelphi 13.1、C++Builder 13.1も販売しています。いずれの製品も、目的別に複数のエディション(Professional、Enterprise、Architectなど)が用意されています。

製品ラインナップや価格については、以下の公式サイトで詳細を確認できます。
https://www.embarcadero.com/jp/products

RAD Studio 13.1は、アップデートサブスクリプション(保守契約)加入者向けに本日よりダウンロード提供が開始されています。新規購入者へは、2026年3月23日出荷分よりバージョン13.1の提供が始まります。

エンバカデロ製品は、オンラインショップ各社、ソフトウェア流通代理店各社、販売パートナー各社から購入できます。購入方法の詳細については、以下のページをご覧ください。
https://www.embarcadero.com/jp/how-to-buy

無料で試せるトライアル版も提供されていますので、まずは実際に触れてみたいという方は、以下のリンクからダウンロードしてみてください。
https://www.embarcadero.com/jp/products/rad-studio/start-for-free

Delphi 31周年記念キャンペーンも実施中

Delphiの発売31周年を記念し、Eショップ限定でDelphi、C++Builder、RAD Studioを特別価格で提供する『Delphi 31周年記念キャンペーン』が実施されています。好評につき、キャンペーン期間は2026年3月31日まで延長されています。対象製品はRAD Studio / Delphi / C++Builder 13 FlorenceのProfessional、Enterprise、Architectの各エディションです(アカデミック版やネットワークライセンスは対象外です)。

キャンペーンの詳細はこちらから確認できます。
https://www.embarcadero.com/jp/campaign-japan

エンバカデロ・テクノロジーズについて

エンバカデロ・テクノロジーズは、1993年にデータベースツールベンダーとして設立され、2008年にボーランドの開発ツール部門『CodeGear』と合併しました。アプリケーション開発者とデータベース技術者が、多様な環境でソフトウェアアプリケーションを設計、構築、実行するためのツールを提供する、最大規模の独立系ツールベンダーです。

2015年10月にはアイデラの傘下となり、2017年8月にはWebアプリケーションプラットフォームであるSenchaを買収し、継続的に技術革新と製品・サービスの品質向上に努めています。世界中で300万以上のユーザーが、エンバカデロのRAD Studio、Delphi、C++Builder、Senchaといったアプリケーション開発ツールやデータベースツールを採用し、生産性の向上と革新的なソフトウェア開発を実現しています。

エンバカデロ・テクノロジーズのコーポレートサイト:
https://www.embarcadero.com/jp/

Sencha製品情報:
https://jp.sencha.com/

まとめ

エンバカデロが提供を開始した『RAD Studio 13.1 Florence』は、Arm版Windowsへのネイティブ対応をはじめ、AndroidおよびiOSの最新バージョンサポート、開発環境の使いやすさを向上させる様々な新機能と改善が盛り込まれた、非常に重要なアップデートです。

これにより、開発者は既存の資産を活かしながら、Copilot+ PCのような次世代デバイスや最新のモバイルプラットフォーム向けに、高性能で高品質なアプリケーションを効率的に開発できるようになります。AI開発支援機能も強化されているため、AI初心者の方からプロの開発者まで、幅広いユーザーが革新的なソフトウェア開発に挑戦できる環境が整ったと言えるでしょう。この進化し続けるRAD Studioが、今後のソフトウェア業界にどのような影響をもたらすのか、注目が集まります。

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