タカラベルモントが日本顔学会でダブル受賞!AIとビッグデータで「顔研究の未来」を拓く美容技術の最前線
美容業界のリーディングカンパニーであるタカラベルモント株式会社が、2025年11月1日〜2日に開催された「第30回日本顔学会大会(フォーラム顔学2025)」において、開発本部による2つの口頭発表で「オーディエンス賞」と「阿部賞」をダブル受賞しました。同社が日本顔学会で受賞するのは今回が初めてであり、合計3題の発表は過去最多を記録しました。この受賞は、ビッグデータを活用した顔パーツの詳細分析や、高度な相同モデル化技術を用いた笑顔の定量化といった、タカラベルモントの先進的な顔研究が学術界から高く評価されたことを示しています。
本記事では、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で、タカラベルモントが発表した革新的な顔研究の内容と、それが美容業界にもたらす可能性について詳しく解説します。

日本顔学会とは?顔学が拓く多様な分野
日本顔学会は、顔に関する研究の発展と「顔学」の普及を目的として1995年に設立されました。歯学、工学、美容、化粧文化学、心理学、医学など、多岐にわたる分野の専門家が結集し、顔に関する学際的な研究を進めています。年に一度開催される顔学会大会では、美容だけでなく医療・診断支援や印象評価など、幅広い分野の最新研究成果が発表されます。
今回の第30回大会では、合計58題の研究発表が行われました。その中でタカラベルモントは、参加者の投票で選ばれる「オーディエンス賞」と、顔学構築にインパクトを与える期待の研究に贈られる「阿部賞」という、権威ある2つの賞を受賞しました。
ビッグデータで顔の加齢変化を定量化:オーディエンス賞受賞研究
タカラベルモントがオーディエンス賞を受賞したのは、「ECILAフィールドテストから見えた顔学的知見-顔パーツ特徴量のデータ拡充と詳細分析-」と題された研究です。この研究では、同社が独自開発したスマートデバイスミラー「ECILA(エシラ)」が収集した膨大な顔データが活用されました。
ECILAとは?AIが顔を診断するスマートデバイスミラー
ECILAは、タカラベルモントが独自技術を含む最先端AIを搭載したサロン向けのスマートデバイスミラーです。このデバイスは、顔の68点の特徴点を捉えて分析し、顔の印象を判定します。そして、顧客が「なりたい」と考えるイメージや印象に合ったヘアスタイルを提案する顔診断機能を持っています。2023年10月の発売以来、全国のサロンでのべ1万9千回以上(2025年12月1日時点)の顔診断が行われており、その過程で貴重な顔データが蓄積されてきました。
6501名分のビッグデータが解き明かす顔の年代差
本研究では、ECILAが蓄積した10歳から79歳までの女性6501名分の顔データを分析しました。これは、これまで感覚的に語られることが多かった顔の加齢変化について、6千人以上という大規模なデータを活用し、定量的な裏付けを得ようとする画期的な試みです。
分析の結果、年代が上がるにつれて顔の印象が「直線的」かつ「大人的」な方向へ推移することが定量的に示されました。さらに、16項目の顔パーツの特徴を年代別に詳細に分析したところ、以下の4つの顔パーツにおいて年代別の分布の違いが明らかになりました。
-
唇の厚さ:年代が上がるにつれて唇が薄くなる傾向。
-
目の角度:年代が上がるにつれて目が垂れ目になる傾向。
-
顎下端周辺の形状:年代が上がるにつれて顎が丸くなる傾向。
-
パーツ配置の縦横比:年代が上がるにつれてパーツ配置が縦長になる(中顔面が長くなる)傾向。
これらの結果は、年代が上がるにつれて個人差が大きくなる可能性も示唆しています。開発本部の井上直子氏は、本研究で得られた定量的な裏付けが、今後の美容アドバイスにデータに基づいた根拠をもたらすとコメントしています。


笑顔と加齢のメカニズムを解明:阿部賞受賞研究
阿部賞を受賞したのは、「相同モデル化技術を用いた顔貌の加齢変化の男女特徴解析と魅力的な笑顔の評価検討」という研究です。この研究では、複雑な顔の形状を標準化して分析する「相同モデル化技術」が用いられ、笑顔のメカニズムと加齢による顔の変化が詳細に解明されました。
相同モデル化技術とは?
相同モデル化技術とは、人体など非常に複雑な形状を持つデータについて、その特徴を残しつつ、複数のデータを比較できるように標準化された三次元モデルを作成する技術です。この技術を用いることで、個々人の顔の差異を吸収し、普遍的な顔の変化や特徴を数値的に捉えることが可能になります。
笑顔の種類の定量化と表情筋の使い分け
本研究では、相同モデル化技術を用いて、「愛想笑い」「癒しを感じたときの笑い」「爆笑」という3種類の笑顔の表情の動きを解析しました。その結果、これら3種類の笑顔に共通する特徴的な表情の動きが3つ特定され、アニメーションで視覚的に分かりやすく表現されました。これにより、笑顔の種類ごとに表情筋がどのように使い分けられているかが具体的に示されています。
さらに、主成分分析という統計手法を用いることで、これらの表情の動きを定量的に比較することが可能になりました。分析の結果、「愛想笑い」から「癒しを感じたときの笑い」、そして「爆笑」の順に、それぞれの動きが大きくなることが分かりました。これは、笑顔の質や種類の判別に応用できる可能性を秘めており、エステや化粧品分野での応用だけでなく、美容以外の幅広い分野での活用も期待されます。
顔貌の加齢変化における男女差の解明
この研究では、笑顔だけでなく、若年層、高齢層、そしてこれまで研究が手薄だった中年層における「真顔」の年代特徴も明らかにされました。相同モデル化技術により、20代から60代までの顔立ちの特徴を年代別に解析したところ、顔の輪郭が崩れる部位や、顔が間延びする部位など、特徴が現れる部位に男女差があることが判明しました。
特に、男性においては30代を境に顔立ちの特徴の傾向が変化する可能性が示唆されています。顔の形状は個人差が大きく、数値化や比較が困難でしたが、相同モデル化技術によって多数のデータを複合的に解析することで、年代別の細かい特徴や、笑顔における表情筋の使われ方を分解して定量的に評価できるようになったのです。
開発本部の森田彩氏は、今後データを増やして定量評価を進めることで、加齢によって低下しがちな笑顔の質を高めるための表情筋の使い方を提案するなど、エステや化粧品分野での応用を目指したいと述べています。

パーソナライズヘアスタイル推薦の可能性:ポスター発表
タカラベルモントは、ポスター発表として「好みの組み合わせ傾向に基づくパーソナライズヘアスタイル推薦手法の提案」も行いました。この研究は、顧客一人ひとりの好みに合わせたヘアスタイルをAIが提案する技術開発に関するものです。
独自AI「Hairstyle CLIP」の開発
この研究では、ヘアスタイルを選ぶ際に着目される要素(髪の長さ、前髪、アウトフォルム、ボリューム、髪色、髪の印象、見た目年齢/性別)を学習した独自のAI「Hairstyle CLIP」が開発されました。このAIを用いることで、顧客の好みに合ったヘアスタイルを推薦する精度が、男女ともに向上することが確認されました。
性別による推薦精度の違いと今後の課題
さらに、この独自AIを用いて、被験者が特に重視するヘアスタイルの要素を推定し、それに基づいて推薦を行うと、女性では好みに合ったスタイルを推薦する精度がさらに向上しました。しかし、男性では推薦精度が低下するという性別間での性能差が見られました。これは、開発されたAIが女性データから要素を抽出して学習しているためと考えられます。
男性の好みをより正確に反映させるためには、「サイドの刈り上げ量」や「トップの立ち上がり」といった男性特有のヘアスタイル要素を抽出して学習させる必要があると提言されています。開発本部のシステムエンジニアリングチームの大川源登氏は、理美容業界における「お客様のイメージ通りの仕上がりをかなえる」という永遠の課題に対し、ECILAへの搭載を目指して研究を続けるとコメントしています。


タカラベルモントの企業情報と今後の展望
タカラベルモント株式会社は、1921年10月5日に創業し、2021年に100周年を迎えた老舗企業です。理美容・化粧品事業とデンタル・メディカル事業を展開し、「美しい人生を、かなえよう。」というパーパス(存在意義)を掲げています。持続可能な社会を目指し、「美と健康をかなえる」プロフェッショナルとともに、進化し続けています。
-
商号:タカラベルモント株式会社
-
代表者:代表取締役会長 兼 社長 吉川 秀隆
-
所在地:大阪本社(本店) 大阪市中央区東心斎橋2-1-1、東京本社 東京都港区赤坂7-1-19
-
創業:1921年10月5日
-
資本金:3億円
-
従業員数:1,629名(2025.03.31現在)
-
事業内容:理美容・化粧品事業・デンタル・メディカル事業
-
公式SNS:インスタグラム @takarabelmont_japan
今回の日本顔学会でのダブル受賞は、タカラベルモントが長年培ってきた美容に関する知見と、最新のAI・ビッグデータ解析技術を融合させることで、美容業界の未来を切り拓く可能性を示しています。ECILAのようなスマートデバイスの普及を通じて得られる膨大なデータは、個人の顔の特徴や加齢による変化、さらには感情表現のメカニズムまで、これまで感覚的にしか捉えられなかった美容の知見を科学的に裏付ける貴重な資源となります。
これらの研究成果が、今後、よりパーソナライズされた美容アドバイスや、エステ、化粧品、そしてヘアスタイル提案といった具体的なサービスへと応用されていくことで、顧客一人ひとりの「美しい人生をかなえる」ことに大きく貢献するでしょう。タカラベルモントの「顔研究」は、美容業界だけでなく、顔に関する幅広い分野に新たな知見と技術革新をもたらし、私たちの生活をより豊かにする可能性を秘めていると言えるでしょう。
まとめ
タカラベルモントが日本顔学会でダブル受賞したことは、AIとビッグデータ解析技術が美容の未来を大きく変える可能性を明確に示しました。
-
AI搭載スマートデバイス「ECILA」が収集した6501名分の顔データを分析し、年代別の顔印象や顔パーツの変化を定量的に解明。
-
相同モデル化技術により、笑顔の種類ごとの表情筋の使い分けや、顔貌の加齢変化における男女差を詳細に分析。
-
独自AI「Hairstyle CLIP」によるパーソナライズヘアスタイル推薦技術の開発を進め、顧客の好みに合った提案の精度向上を目指す。
これらの研究は、美容アドバイスの根拠をより強固なものにし、個々のニーズに合わせた最適な美容体験を提供する未来を築くための重要な一歩です。タカラベルモントの今後の研究開発と、それが美容業界にもたらす革新に注目が集まります。

